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へのへのもへじアイコン 模倣品被害レポート事例集

【テーマ別レポート】

模倣品・海賊版に対する取り組み
ネットオークション編

ネットオークションでのニセモノ問題やその対策について、インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会さんにお話を伺いました。

CIPP/インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会
会員法人ACCS / 一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会
調査部マネージャー
三橋 信司さん

共同幹事法人 ヤフー株式会社
政策企画本部 ネットセーフティ企画室
植村 雄太さん

1 活動目的と内容

Q インターネット知的財産権侵害品流通防止協議会はどのような団体なのですか?

三橋さん(以下三橋)/CIPPはインターネット上での知的財産権侵害品の流通防止を目的として、我々(一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会)のような権利者および権利者団体とヤフーさんのようなインターネットオークション事業者さんで構成されている民間の団体です。

Q 具体的にどんな活動内容をされているのですか?

三橋/主な活動は次の2つがあります。ひとつ目は、ネットオークションで生じている海賊版・模倣品の流通、知的財産権に関する問題や課題について、権利者および権利者団体とインターネット事業者で共通した認識を持つために情報交換を行うこと。ふたつ目は、権利者等と事業者が連携することによりできる対策について検討して、実施することです。

2 ネットオークションとニセモノ

Q 消費者にとって顔が見えないネットオークションでの買い物は不安な点も多いと思うのですが?

植村さん(以下植村)/「Yahoo!オークション」でいえば、出品の説明に合わせて商品の写真が掲載されている場合がほとんどですし、それで不十分であると思えば、質問することが可能です。さらに、出品者への評価のシステムがあり、過去にその方と取引されたほかの方の意見も参考にできます。梱包が悪かったり、落札後の連絡が遅かったりすると評価が下がりますので、出品者のみなさんも努力をされてスムーズな取引ができています。ヤフーとしては、厳格な本人確認はもちろんのこと、不正行為を行う出品者に対しては強制的に退場していただいております。これは楽天オークションさんやモバイルオークションさんでも同じだと思いますが、専門チームによる出品パトロールも365日24時間体制で行っています。当社の場合、統計的には99%以上の取引が正常に行われています。

Q ネットオークションでニセモノの出品は増えているのですか?

三橋/CIPPでは権利者側と事業者側で協議を行った上で、ガイドラインを策定し、それに基づいて出品画面上から見てニセモノと判断できる場合は、権利者側がオークション事業者さんに削除要請をしたり、事業者さん側が自主的にパトロールをして削除しています。その措置を実施した結果、オークションの現状がどのようになっているのかを効果検証し、CIPPの報告書にまとめています。昨年度はCIPPに加盟している事業者さんのサイトで、出品画面上でニセモノと判断できる出品の割合はおよそ1%程となっています。逆に加盟されていない事業者さんでは、侵害品に該当するかどうかを判断するノウハウを持っていなかったりするなどの理由により、いまだにニセモノの出品率が高いというデータも報告書に掲載されています。

Q CIPPに加盟されているネット事業者さんのオークションであれば安心できるということですね。

三橋/そう言えると思います。ただ我々の防止対策にも限界があり、出品画面上ではどうしても判断できないようなニセモノもあります。

Q インターネット上でニセモノを購入するとどのような弊害があるのですか?

植村/権利者側ではないので素人考えですが、偽ブランドであれば品質がまったく違うということは想像できます。

三橋/ソフトウェアの場合ではウィルスが混入していたり、パソコンが壊れることもあります。そもそもソフト自体がまったく動かないこともあります。ビジネスソフトですと、正規品で受けられるメーカーのサポートが一切受けられません。また、アップデートもできませんので、セキュリティホールがそのままになってしまい大切なデータを失ったり、ネットにデータが流出してしまう恐れもあります。

植村/大上段での話になってしまうのですが、短期的にはニセモノを売ったり買ったりすることで得をしたように思えるのかもしれませんが、ニセモノが氾濫してしまうと権利者、つまり、コンテンツ製作者やメーカーに適正なお金が入らず、創作・製作活動に経済的なインセンティブがなくなってしまいます。長期的には、企業経営が立ち行かなくなり、そしてそれが積み重なると全体的な結果として国の産業自体が滅んでしまうと言えます。

写真

【左】正規に販売されているビジネスソフトの一例
【右】ビジネスソフトの海賊版の一例(数字は、出品者が提示していた出品リスト上の通し番号)
商品提供:株式会社ジャストシステム
写真提供:一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会

3 被害に遭わないために

Q ネットオークションでニセモノを減少させるための対策を教えてください。

植村/まず、各オークション事業者で出品を一件一件見て、ニセモノと判断できる出品は削除しますし、アカウントの停止も行っています。権利者からの申告に基づく削除も、常に行っています。さらにCIPPで権利者と事業者が一緒になって、最新のニセモノ動向を研究しています。
ニセモノ出品者に対しては、我々CIPPという団体が存在し、ニセモノ対策について熱心に取り組んでいることをアピールし、常に監視しているということを知って欲しいです。「Yahoo!オークション」では、いつも厳しく出品を見ていますので、この事実を「オークションならだれが売ったからわからないだろうから、コピーを出品して儲けてみようかな」と安易な考えに駆られそうな人に伝えたいところです。残念ながら、「オークションならだれが売ったからわからないだろう」という考えは誤りで、インターネットであるがゆえにさまざまな記録が残っていて、捜査機関がその出品をした人のところに到達するのはさほど困難なことではありません。ぜひとも、一時的な安易な考えに流されないでください。
また、権利者の方々にお願いしたいことがあります。もし、ニセモノを見つけた時には権利侵害品が出品されていることを事業者側へご連絡ください。我々が「ニセモノかな?」と思うことがあっても、決定的な判断を出せずに終わってしまうものも多々あります。ご自身の権利が侵害されているところなので、ぜひともその申し立てを行ってください(※1)。

三橋/私たち権利者側もヤフーさんをはじめとした事業者さん側と連絡を密に取り合い、ニセモノに関しては削除要請を引き続き地道にやっていく必要があります。
CIPPの活動などを国民へ周知させることがニセモノの流通抑止につながると思っています。またオークションサイトでは、明らかに不正なものだと知っていて買われる方もいるようなので、一部の買う方にも問題があると思います。ニセモノを買うことがニセモノの出品を助長していますので、ニセモノだと思ったら絶対に買わないようにしてください。

※/権利侵害の申立てについては、次のウェブサイトが参考になります。
  「プロバイダ責任制限法関連情報Webサイト」 http://www.isplaw.jp/
  [送信防止措置手続(著作権関係、商標関係)を参照]

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