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商標権に関して
 

知っておこう商標のキホン 〜商標制度の概要〜 (テキスト)

 
1.イントロダクション
(ナレーション)
 皆さんは商品を購入するときに、どうやって選んでいますか?
 もちろんデザインや価格も重要ですが、『このメーカーの製品が大好き!』だとか、『このブランドの商品を試してみよう。』だとか、ネームバリューで選ぶことも多いのではないでしょうか。 実は、そういう時こそ“商標”の腕のみせどころなのです!
 
(早見優)
 こんにちは、早見優です。皆さんは商標について、どのくらいご存知ですか?
 商標とは、『これは私達の会社が作った商品です!』ということを消費者に伝えるためにつけられているマークです。消費者はそのマークを手がかりに自分の好きな商品を買ったり、お気に入りのサービスを受けたりしているというわけです。
 今日はそんな“商標”の正体について、見てみましょう!
 
2.商標とは
(早見優)
 おや、どうやら、商標のことが話題になっているようですよ。ちょっと見てみましょうか。
 休日に、なにやらお悩みの様子のこちらは佐々木一郎さんです。
 佐々木さんの会社では、現在スナック菓子を開発し、主力ブランドとしての販売が迫っています。最近、商品開発を担当する部署に移った佐々木さんは、メンバーの意見をまとめてネーミングを決定することになりました。
 おや、佐々木さんの奥さんの明子さんが買い物から帰ってきたようです。
 
(明子)
 ただいま!
 
(一郎)
 おかえり!なあ、明子。前に話したうちの新商品のネーミングを決めなきゃならないんだけど、これなんかどうかな?
 
(明子)
 どれどれ、見せてちょうだい。
 
(一郎)
 僕はこれがいいと思うんだ。
 
(明子)
 パリットペンギン。かわいいネーミングね!良い感じだけど・・・なんか聞いたことがあるような気がするなあ・・・どこかの会社の商標なんじゃないかしら?
 
(一郎)
 商標か・・・。
 
(明子)
 確か商品名やロゴマークは、商標として登録すると、独占的に使う権利が認められているの。だから、もし誰かが登録していたらその名前は使えなかったような気がするんだけど・・・
 
(一郎)
 そうなんだ・・・。お前、ずいぶん詳しいな。
 
(明子)
 そうでもないのよ。前にテレビの情報番組かなんかでちょっと見たことがあるだけで、詳しいことはわからないのよ。
 
(一郎)
 お前ってホント、雑学には詳しいよな。
 
(明子)
 でも、ほんとに浅い知識ばかりよ。
 あ、そうだ。この際だからあなたの仕事の参考にもなるかもしれないし、商標のこと、もっと調べてみない?
 
(一郎)
 うん、そうだな。そうしよう!
 
(早見優)
 こんにちは!
 
(一郎)
 これは、どうも・・・
 
(明子)
 こんにちは。
 
(早見優)
 商標についてお調べのようですね。
 
(明子)
 はい。今日は私たち、『商標』のこと、調べてみようと考えているんですが。
 
(一郎)
 色々教えてもらってもいいでしょうか・・・
 
(早見優)
 大丈夫ですよ!これから一緒に見ていきましょう。
 
(一郎)
 早速なんですけど、商標ってどういうものなんでしょうか?会社のロゴマークのようなものが商標っていうイメージはあるんですが・・・
 
(ナレーション)
 商標にはいくつかのタイプがあり、文字だけからなるものや、図形だけのもの、文字と図形が組み合わさったものもあります。会社名のようなものだけでなく、個別の商品の名前もありますね。記号からなるこのようなものもありますし、このように・・・立体的なものもあります。
 
(一郎)
 確かにどれも見たことがあるな。これが全部商標なんだ。
 
(早見優)
 ええ。普段はあまり意識しませんが、私たちの周りには商標が溢れているんです。
 
3.商標のはたらき
(早見優)
 さて、商標のイメージが沸いてきたところで、次は商標がどんな働きをするかを見てみましょう。例えば、そうですね・・・シャンプーを買うときのことを考えてみましょう。
 
(明子)
 はい。
 
(早見優)
 明子さんはシャンプーを買う時、何を目安に選びますか?
 
(明子)
 ええと・・・今まで使っていたブランドのものだと安心だし、CMなんかで見たシャンプーも使ってみたいって思うかしらね。
 
(早見優)
 そうですよね。では、お店でその商品をどうやって見つけますか?
 
(明子)
 う〜ん・・・当たり前かもですけれど、ラベルを見て判断します。
 
(早見優)
 ですよね。ラベルについているロゴマークや商品名で探しますよね。
 これは、商標が、『同じマークが付いていれば、同じ生産者や販売者が出しているものである』、ということを示す働きをしているからなんです。
 
(明子)
 へ〜、私たちって無意識のうちに、商標によって、誰が作った商品かを見分けていたってわけね。
 
(早見優)
 それに、同じマークがついていたら、どこのお店でも安心して同じ品質の商品だと思って手に取ることができますよね。これも商標の力です。
 
(一郎)
 なるほど、商標がお客様に信頼感を与えてくれるということなんだ。
 
(早見優)
 いい商品を提供し続けると、消費者は、その商品に付いている商標自体にいいイメージを持つようになります。商標は、テレビコマーシャルや雑誌の広告などでも大活躍ですが、商標はこうした働きから『物言わぬセールスマン』なんて言われることもあるんですよ。
 
(一郎)
 商標の力ってすごいんだな。
 
(明子)
 ほんとね。
 
(一郎)
 実は、今、会社で新商品のネーミングを決めるんですが、私がいいなと思っている名前が、もし他の人の商標だったらどうなりますか?
 
(早見優)
 他の人の商標と似たネーミングを、同じような商品に使った場合は、その商標が登録されていると、商標権の侵害にあたり、訴えられる可能性があります。
 
(一郎)
 そうなんですか・・・それは困るな。
 
(早見優)
 ネーミングを決めてパッケージなんかも作り始めてから、他の人の商標と似ているなんてことになったら大変ですよね。
 
(一郎)
 安心して新商品を売っていくためには、きちんと商標のことを考えなきゃいけないな・・・
 
(早見優)
 逆に、一郎さんの会社の新商品がヒットした頃に、紛らわしいマークがついている商品がでてきたらどう思いますか?
 
(一郎)
 そうだな〜。まず、うちの会社の自慢の商品をマネするなんて許せない!という気持ちになるだろうけど・・・実際、売り上げにも影響するだろうし、その紛らわしい商品の品質が悪ければ、うちの会社の信用も失いかねないですよね。
 
(早見優)
 そうですね。そういうことが起きないように、商標を登録しておけば、商標権に基づいて、その商標の使用の差し止めや損害賠償を請求することができるようになっているんです。
 
(一郎)
 そうか。自分の商品を守るためには、商標を登録しておくと強力な武器になるってことか。ところで、商標を登録するにはどうすればいいんですか?
 
4.商標を登録するためには
(早見優)
 はい。商標を登録するためには、特許庁に出願をして、審査を受けることが必要です。
 
(ナレーション)
 出願するには、まず、登録を受けたい商標とその商標を使う商品やサービス、出願人の名前などを書いた『商標登録願』(しょうひょうとうろくねがい)という書類を作成します。特許庁への提出は、パソコンからインターネットを利用して行うことができます。また、郵送や直接特許庁の窓口に提出することもできます。出願にあたっては、出願料という手数料が必要です。
 出願があると、特許庁では、まず書類に不備がないか審査を行い、その後、出願された商標が登録できるかを審査します。
 審査の結果、審査官が登録することができないと判断した場合は、その理由が出願人に通知されますので、そこで特許庁に対して意見などを提出する機会があります。
 「登録査定」となった場合は、登録料を払うと、晴れて商標登録され、商標権が発生します。
 逆に、登録が認められなかったものについて、納得がいかない場合には審判を請求できます。
 また、他人の出願が登録になったけれど、これに納得がいかない、という場合には商標登録異議申立や、無効審判という制度があります。
 
(明子)
 なるほど〜。全体の流れはわかりましたが、商標として登録することができないものもあるということですよね。それはどういうものですか?
 
(早見優)
 はい、そこは大事ですよね!
 でも、その説明の前に、商標権について、忘れてはいけないとっても大事なことがあるんです。
 
(明子)
 なんでしょうか?
 
(早見優)
 それは、商標とその商標を付けて販売したりする商品やサービスは、セットで考えなければならない、ということなんです。特許庁に出願するときにも、商標を付けて販売する商品や提供するサービスを予め指定して、記載することになるんですよ。ちなみに、「サービス」のことを商標法では「役務(えきむ)」と言っていて、指定した商品は指定商品、指定したサービスは指定役務(していえきむ)と言います。
 商標権は、その時に指定した商品やサービスを基にして権利の範囲が決まります。
 このことは、商標権の基本となっていますので、覚えておいてくださいね!
 
(一郎・明子)
 はい、わかりました
 
(早見優)
 では登録できない商標とはどのようなものか見てみましょう。まず、自分の商品と他の人の商品とを区別できないものは、商標として登録することはできません。
 
(明子)
 どういうことでしょう?
 
(早見優)
 例えば、このトマトに・・・『トマト』だとか『新鮮』というマークをつけたとしても、これでは誰の商品か分かりませんよね。
 
(明子)
 トマトにトマトじゃ、そのままですもんね。
 
(早見優)
 そうなんです。このように商品の普通名称や特徴を表す言葉は登録することはできないのです。
 もしも、このようなものが登録されて誰かに独占されてしまっては困りますものね。
 
(一郎)
 でも、同じ“トマト”というマークでも、もしこのパソコンについていたとしら、特徴を表す言葉とは言えないんじゃないですか?
 
(早見優)
 いいところに気がつきましたね。
 そうなんです。“トマト”はパソコンを表す言葉や特徴を表すものではありませんから、商標として機能することになります。
 これが、商標は商品やサービスとセットで考えるという意味なんです。
 
(ナレーション)
 そして、自分の商品と他人の商品とを区別することができるものであったとしても、例えば国旗や赤十字のマークのように公共性の高いマークと似ているものは商標として登録することは出来ませんし・・・
 
(ナレーション)
 似た商標で、その商標を使う商品やサービス同士も似ている場合は一番早く出願した人に登録が認められることになります。
 
(一郎)
 え?!早い者勝ちなんですか?!じゃあ、私も急がなくては!
 既に同じような商標が登録されているかどうかは調べられるんですか?
 
(早見優)
 はい、特許庁のホームページから“特許電子図書館”に進み、調べることが出来ます。
 
(明子)
 へ〜、便利になっているのね。
 
(明子)
 早速調べて、早く出願しなくちゃ!
 
(一郎)
 おいおい、おまえが焦ってどうする・・・
 
5.商標権について 〜“似ている”とは〜
(一郎)
 ところで、私の会社が『パリットペンギン』を出願して、無事に審査を通って登録となったら、この商標は私の会社が独占して使えるんですよね?
 
(早見優)
 はい。正確に言うと、一郎さんの会社が、『スナック菓子』を指定商品にしていたとすると、『スナック菓子』に『パリットペンギン』の商標を独占的に使う権利があります。ただ、これだけでは、紛らわしいネーミングの商品が出てきたときに対処できませんよね。
 そこで、商標権を持っていれば、他の人が似たような商標を、似たような商品に使うことを禁止することができるのです。商標権は日本全国に及ぶ強力な権利です。そして、この商標権を侵害する人に対しては、商標の使用差し止めや、損害賠償を請求することができます。
 
(一郎)
 なるほど。商標権ってなんなのかが分かってきました。
 
(明子)
 でも、商標の場合、似ているというのは、どこまでを言うのかしら?
 
(早見優)
 そのことについてちょっと考えてみましょう。一郎さんの会社で扱っているのと同じ『スナック菓子』に、『バリットペンギン』という商標が使われていたとしたらどうでしょう?
 
(明子)
 名前がすごく似ているから、紛らわしいわね。
 
(早見優)
 そうですね。この場合、商品が同じで、商標が似ていますから、紛らわしいですよね。
ではこの場合はどうでしょう。
 『アイスキャンデー』に『パリットペンギン』という商標が使われていたとしたら・・・
 
(明子)
 今度は、商標は全く同じで、商品が似ているものということね。やはり紛らわしいと思うわ。
 
(早見優)
 では、この『ボールペン』に『バリッドペンギン』という商標が使われていたらどうでしょう?
 
(一郎)
 う〜ん、やっぱり名前だけをみると似ているけど・・・さっきと違って商品そのものにはかなり違いがあるから、紛らわしくない気もするなぁ。
 
(早見優)
 お二人とも正解です。
 
(明子)
 『似ているかどうか』は、商標同士が似ているかどうかと、商品同士が似ているかどうかの両方を見るんですね!
 
(早見優)
 明子さん、分かってきましたね!商標と商品はセットで考えるということですよね。
 
(明子)
 はい!ところで、商標が登録されたら、その権利はずっと使えるのでしょうか?
 
(早見優)
 登録された日から10年で権利が切れますが、何度でも更新することができます。
ただし、使っていない商標は登録を取り消されることもあります。
 
(一郎)
 そうか。でも、売れているブランドなら、ずっと使い続けることができるのか。よし、権利を取って、世界中で売りまくるぞ!!
 
6.海外で商標を守るには
(早見優)
 ちょっと待ってください!商標権は、残念ながら海外までは及びません。外国で販売するときは、まずその国での商標登録の状況を確認する必要がありますし、外国で商標を保護したいときは、その国の商標権を取得しなければなりません。
 
(明子)
 え?国毎に出願しなければいけないんですか?結構大変ですね。
 
(早見優)
 商標権はその国ごとに成立する仕組みになっていますから、模倣品に対抗したり、関係のない第三者が勝手に外国で出願・登録してしまうのを防ぐためには、早めに海外にも出願するなどの対策を行うことが大切です。
 
(ナレーション)
 海外で権利を取得するには、その国に直接出願する方法と・・・
 マドリッド協定議定書という条約に基づいて、日本の特許庁経由で、一度に複数の国に出願する方法があります。
 海外における知的財産問題ついては、日本貿易振興機構(ジェトロ)でも相談を受け付けています。
 
7.エンディング
(早見優)
 いかがですか。ここまでの話で商標について、ご理解いただけたでしょうか。
 
(一郎)
 はい。ただ、実際に商標の出願をしようと思ったら、どんな書類を用意したらよいのかとか、何を書けばよいのかとか細かいことが出てくると思うんですが・・・
 
(早見優)
 特許庁では出願書類の作成方法についてもホームページでご紹介していますので、是非ご利用下さい。
 
(ナレーション)
 工業所有権情報・研修館では、一般的なご質問について、電話や窓口でのご相談を受け付けています。
 また、全国9ヶ所の特許室でも相談を受け付けています。
 商工会議所に設置された『知財駆け込み寺』でも相談を受け付けていますし・・・
 専門家である弁理士に相談するという方法もあります。日本弁理士会のホームページから、弁理士ナビを利用して、弁理士を探すことができます。
 
(一郎)
 今まで勉強してきて、商標というのは企業の商品やサービスのブランドを守るためになくてはならない制度だということがわかりました。
 
(明子)
 相談に乗ってくれるところも色々あるみたいだし、安心ね。
 
(早見優)
 商標は自分の商品やサービスを、他者の同様な商品やサービスと区別するための大切な財産です。
 
(早見優)
 皆さんも、商標について正しく理解していただき、この制度を有効に活用して下さいね。
 
 -End-
 
[更新日 2008.10.7]
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