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サポートします!地域ブランド 〜地域団体商標を登録するためには〜 (テキスト) |
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| 1.イントロダクション |
| (ナレーション) |
| 日本の各地には、その土地を代表するさまざまな特産品があります。 |
| こうした特産品には地元で親しまれるだけではなく、お土産として日本中で親しまれ、中には世界各地に輸出されるものもあります。 |
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| (早見優) |
| こんにちは、早見優です。 |
| 地方の時代とも言われる今、全国各地において、地元の特産品などを他の地域のものと差別化する地域ブランドづくりが盛んになっています。 |
| ところで皆さんは、こうした地域の動きをサポートするために、地域ブランドを商標として認める制度があることはご存知ですか? |
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| 2.地域ブランドと地域団体商標 |
| (早見優) |
| 地域ブランドといっても本当に様々なものがあります。その内容も農産品、水産品、畜産品、工芸品、温泉など多彩な分野にわたっています。 |
| ここでちょっと考えてみてください。 |
| 特産品を思い浮かべるときには、同時にその生産地をイメージすることが多くありませんか?反対に『どこどこの地域だったら、どんな特産品があるな〜』なんて考えたりもしますよね。そんな風に特産品は地域と結びついて考えられることが多いのです。 |
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| (ナレーション) |
| 現在、全国の各地で、こうした特産品を地域のブランドとしてイメージ付けし、それとともに地域の知名度を上げて、地域を活性化しようとする動きが盛んになっています。 |
| では、地域ブランドを育てることで、その地域はどのような効果を期待しているのでしょう。 |
| ここは全国の工芸品が展示されている全国伝統的工芸品センターです。 |
| ここでは地域独自の工芸品を常時展示すると共に、地域ブランドの育成にも一役買っています。 |
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| (早見優) |
| 地域ブランドの育成によって・・・『地域の事業者に一体感が生じる』、『地域産業の競争力が増す』、『資金や人材の流入により地域経済の活性化につながる』、といった効果が期待されています。全国伝統的工芸品センターに出品している各地域の事業協同組合などの皆さんにも、地域ブランドへの様々な思いがあり、多くの団体がすでに地域団体商標の登録を済ませています。ちょっとお話を伺ってみました。 |
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| (石川県久谷陶磁器商工業協同組合連合会 伊野正満理事長) |
| 地域団体商標として登録するということは、商標として認められたということになりますから、やっぱりそれに続いて若い人などが期待をもって我々の業界に入ってくるということで、逆に言えば隠れたまちおこしみたいなことになっているのではないかなと、そういう風に思います。 |
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| (早見優) |
| また、地域ブランドの育成に関しては別の期待もあるようです。 |
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| (高岡銅器協同組合 元井實理事長) |
| 400年近い伝統があると言うことで、伝統工芸品に指定されているんですが、例えば材質とか製法とか、その他いろんな事で、本当にこれが高岡銅器といえるかどうか、我々の業者仲間自身が高岡銅器か?といったケースがあったりしたもんですから、今回こういう登録に際して、はっきりと高岡で鋳物を鋳造した銅の器だと、そういうふうにはっきりさせることができたのも産地登録して良かった点だと思っているんですよ。 |
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| (早見優) |
| さて、このように様々な期待がかかる地域ブランドですが、その価値は地域名とシンクロさせることで一層高まります。“あ、これはあの地域で作られているんだ”という印象が、そのネーミングからストレートに消費者に伝わるからです。 |
| この地域ブランドを保護し、その価値を守ってくれる・・・地域ブランドをサポートするための制度が“地域団体商標”なのです。まずは、その仕組みや働きについて見ていきましょう。 |
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| 3.地域団体商標制度とは |
| (ナレーション) |
| 以前は、地域名と商品名、サービス名を組み合わせた地域ブランドの名称が商標登録を受けるには全国的な知名度が必要とされていたため、商標登録を受けるのが難しく、地域ブランドを保護する有効な手段がありませんでした。 |
| そこで、発展段階にある地域ブランドを商標登録できるように商標法の一部を改正し、平成18年4月からスタートしたのが地域団体商標制度です。 |
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| (早見優) |
| この制度によって、商標登録を受ければ無断で地域団体商標を使用された場合や、よく似たブランド名を使われた場合には、使用停止を訴えたり、損害賠償を請求したりできるようになりました。 |
| では、実際に地域団体商標を出願し、現在登録を受けている団体の方にお話を伺ってみましょう。 |
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| (江戸指物協同組合 戸田敏夫理事長) |
| 他産地で作られた家具ですね、それを江戸指物という看板を掲げて販売していたと、全く江戸指物とは関係ない粗悪な物に江戸指物の名を使われたり・・・これが多々ありましてね、それで困っているところに今回の地域団体商標という法改正がされて、そういう物が立ち上がったという経緯ですね。ま、それが取ろうというきっかけですね。 |
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| 4.地域団体商標を登録するためには |
| (早見優) |
| 地域団体商標の登録を受けるには、通常の商標登録と同様に、大きくは「出願」・・・「審査」・・・「登録」という流れになります。また、地域団体商標の場合はさらに独自のポイントがありますので、次にそのあたりを見ていきます。 |
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| 地域団体商標の登録では、この4つが大きなポイントとなります。それぞれについて説明していきましょう。 |
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| まずは出願人となれるのは誰か、について見てみましょう。地域団体商標は誰でも出願できるわけではありません。出願できるのは法人格を有する組合です。 |
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| (ナレーション) |
| 中小企業等協同組合法により設立される事業協同組合や農業協同組合法により設立される農業協同組合ならば、出願できますが・・・個人、株式会社、地方自治体、社団法人、NPO法人や任意の協議会などは資格がありません。 |
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| (早見優) |
| 次に、どのようなブランド名が地域団体商標として認められるか見てみましょう。 |
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| (ナレーション) |
| 地域団体商標として認められる商標の構成は、次の3つです。 |
| 1つめは、地域の名称と商品又はサービスの普通名称の組合せで、「博多人形」「草加せんべい」のような構成のものです。ただし、地域の名称と普通名称の組み合わせでも、「さつまいも」や「伊勢えび」など、その組合せ自体が一般的な名称として認識されるものは登録を受けられません。 |
| 2つめは、地域の名称と商品又はサービスの慣用名称の組み合わせです。慣用名称というのは、なになに織やなになに温泉などのように、商品やサービスを表すために広く使われている名称のことです。 |
| 3つめは、1つめ、2つめで説明した組み合わせに“商品の産地又はサービスの提供の場所を表すためによく使われる言葉”が追加された構成で、本場、特産、名産などが付いているパターンです。なお、“元祖”や“本家”などの言葉は、産地などを表すものではないので、認められません。 |
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| (早見優) |
| ここで、既にお気づきの方もいらっしゃると思いますが、3つのパターンはどれも文字だけで構成されています。図形と組み合わせたパターンは、地域団体商標としては認められません。もし図形との組合せで商標登録したい場合には、地域団体商標としてではなく通常の商標として出願することになります。 |
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| (早見優) |
| 次に、地域団体商標で使う地域の名称は、出願人が出願する商標を使っている商品又はサービスと深い関係があるものでなければなりません。例えば、その地域の名称が商品の生産地やサービスの提供場所であったり、主要な原料地や製法の由来地であったりする場合を言います。 |
| 商標を出願する際には、その商標を付けて販売する商品や提供するサービスをあらかじめ願書に記載して、指定することになりますが、地域団体商標の場合には、その際に地域の名称と商品やサービスとの関係がはっきりするように記載しなければなりません。 |
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| (ナレーション) |
| 例えば、“東京メロン”という商標について、指定する商品を、単なる“メロン”とするのは地域の名称との関連が分からないので認められません。 |
| この場合には指定する商品を“東京都産のメロン”とする必要があります。また、“大阪メロン”という商標に、指定する商品を“東京都産のメロン”とすることは認められません。 |
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| (早見優) |
| 最後に、これが一番のポイントなのですが、地域団体商標の登録を受けるためには、出願する商標が実際に商品やサービスに使用されていて、それが組合又はその構成員の商品やサービスを表すものとして広く知られていることが必要です。ですから、例えば地域名と地元の特産品の商品名を組み合わせたネーミングを新しく考えて、これから使用するという段階では登録を受けることはできませんし、他の組合や事業者も一般的に使っているような場合は登録を受けることができません。 |
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| (早見優) |
| そして、「広く知られている」とは、少なくとも隣接都道府県に及ぶ程度の消費者に知られていることが必要です。 |
| 出願する際には、組合又は組合の構成員がその商標を使用していることを証明する写真やパンフレット、組合又は組合の構成員の商標として広く知られていることを証明する出荷伝票や新聞記事などの書類を提出する必要があります。 |
| 証明のための資料を用意する際の注意点ですが、出願している商標と、実際に使っている商標が同じものでなければなりません。また、商標と組合との関係が分かるよう、商標と組合の名前が一緒に載っているものを提出します。 |
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| 5.地域団体商標の活用事例 |
| (早見優) |
| さて、既に登録されている地域団体商標の中から活用事例として“静岡茶”を取材してみました。 |
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| (ナレーション) |
| 静岡県は日本を代表する茶どころとして知られています。 |
| 静岡県では、平成15年から16年頃、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県茶商工業協同組合などで構成する静岡県茶業会議所が中心となって緑茶の表示基準などについて検討していました。その過程で、地域団体商標制度が始まることを知り、静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県茶商工業協同組合が共同で出願しました。 |
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| (早見優) |
| 商標は“静岡茶”とし、商品は“静岡県産の緑茶”としました。 |
| この商標を使用するのは、二つの組合の構成員である11の農協や470の生産者、卸売り、販売業者などです。出願に当たっては広く知られていることを証明するために構成員がどれだけの量の静岡茶を扱っているかなどをまとめ、資料として提出しました。出願手続では弁理士など専門家のアドバイスを受けたといいます。 |
| この“静岡茶”という地域団体商標をどのように活用しているのでしょう。 |
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| (ナレーション) |
| ここは神奈川県にある東名高速道路の海老名サービスエリアです。 |
| その一角で、静岡県内のお茶の生産者や販売業者などの協力によって、お茶の利用を勧めるイベントが行われています。こうしたイベントは、静岡産のお茶を広めるために主な消費地である東日本を中心に定期的に行っています。現在、“静岡茶”という地域団体商標を前面に押し出してPRに努めています。 |
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| (早見優) |
| 商標は“静岡茶”とし、商品は“静岡県産の緑茶”としました。 |
| 静岡には日本を代表する“茶どころ”ならではの独自の事情があったといいます。“静岡茶”の地域団体商標の登録時にも尽力した静岡県茶業会議所福井靖之専務理事にお話を伺いました。 |
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| (静岡県茶業会議所 福井靖之専務理事) |
| 静岡のお茶の産地というのは、20地区ほどあるんですけれども、それぞれ自分のところのお茶が一番美味しいんだと、いう風なことで売っていきたいし、また売っているわけです。ただ県内ではそういうものは通用するんですけれども、県外に出て行ったときに、静岡のどこどこじゃなくて、「静岡茶」で十分通用するものだから、そういう地域ブランドとして商標登録を取っておいた方が良いだろうという風なことですね。 |
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| (早見優) |
| 県内にあった多数のお茶のブランドをまとめ、“静岡茶”という地域ブランドとして統一するために地域団体商標の出願、登録は絶好の契機となったのです。 |
| 同時に、“静岡茶”という地域ブランドを管理するためには法律をしっかり守ることや品質向上への努力が必要となります。静岡茶では静岡県産100%のものだけがこの商標を使用できるという基準を設け、これに反しているものについては、商標の使用に制限を掛けられるようになりました。 |
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| (静岡県茶業会議所 福井靖之専務理事) |
| 衛生管理も含めまして、いろんな事で組合としても組合員に指導をするような形で徹底をさせて頂きました。産地問題とか産地偽装とか、いろんな問題がある中で、一般に対して商標がそのような位置づけになったのではないかと思いますけれども。 |
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| (早見優) |
| 地域が一体となって盛り上げていくこと、そして、品質管理をしっかりやっていくということがとても大切なんですね。地域団体商標の登録はゴールではなく、地域ブランドをさらに育てていくためのスタートと言えそうです。 |
| 商標権の権利期間は10年ですが、更新することができますから、管理をしっかりおこなって権利を更新していけば半永久的に存続させることが出来ます。逆に、例えば、“静岡茶”という地域団体商標を“静岡県産以外の緑茶”に使うといった不適切な使い方をすると、審判請求があった場合には登録が取り消されることもあり得ます。 |
| そして、地域ブランドを守り育てていくためには、その商品やサービスに関係する法令をきちんと守ることも忘れてはなりません。 |
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| さて皆さん、この部分をよ〜く見てください。こう書いてありますよ。「『静岡茶』は静岡県経済農業協同組合連合会、静岡県茶商工業協同組合の地域団体登録商標です。」 |
| そうなんです。実はこの飲料製品は、地域団体商標の使用許諾を受けて全国で販売されている商品なんです。 |
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| (ナレーション) |
| 静岡茶が地域団体商標の登録を受けた直後に、ポッカコーポレーションから、全国販売の製品に商標を使用させてほしいという申し出があったといいます。これは地域団体商標の登録によって、企業とのタイアップが生まれた一つの例です。 |
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| (株式会社ポッカコーポレーション マーケティング本部商品戦略グループ総合飲料チーム 杉浦邦和マネージャー) |
| 元々静岡茶っていうのは全国的に知名度もございますし、あと、お客様の間で品質がよいとか美味しいとか、そんなイメージがかなり広がっているんじゃないかなと、そういう風に考えまして、今回使用許諾をお願いしたということになります。 |
| 今回、地域団体商標を取得されて、静岡県茶葉を100%使用するという基準を設けられたということで、私どもとしてもそれを使わせて頂くことによって品質面であるとか、原料面であるとか、そのあたりもお客様に対して安心安全をご提供できるんじゃないかなという風に判断をしております。 |
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| 6.エンディング |
| (早見優) |
| さて、ここまでご覧になって、このようにうまくいった場合はいいが・・・と思った方もいらっしゃるかもしれません。ここで、一つみなさんに知って頂きたいことがあります。もし地域団体商標を出願して、他の条件は満たしているけれど、知名度が足りなくて登録できなかった、という場合、その後に販売促進、広報などの活動を続けて、地域ブランドの名称が組合又はその構成員の商品やサービスを表すものとして広く知られるようになれば、登録の可能性が出てきます。つまり、地道に努力を重ねれば再チャレンジができる制度なのです。 |
| そして、地域ブランドの価値を高めるためには、何よりもその品質を向上させ、消費者の信頼を獲得することが大切です。それが全国的な知名度の獲得にもつながりますし、更には世界ブランドとして展開するステップとなります。 |
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| 商標権はその国ごとに成立する仕組みになっていますから、模倣品に対抗したり、関係のない第三者が勝手に外国で出願・登録してしまうのを防ぐためには、早めに海外にも出願するなどの対策を行うことが大切です。 |
| 特許庁では、中国・台湾における商標検索マニュアル、第三者に先取り登録された場合の対策リーフレットなどを作成して情報提供を行うとともに、早期の商標登録や取消請求等の自発的な取組への支援を行っています。また、日本貿易振興機構(ジェトロ)などに相談窓口を設け、アジア諸国等海外における知的財産の保護を支援しています。 |
| その他、地域団体商標に関する様々な情報は特許庁のホームページに詳しく紹介されていますので、こちらも参考にして下さい。 |
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| さて、地域団体商標制度は皆さんの地域ブランドをサポートし、その価値を守り、更にその価値を高めるための有効な制度です。 |
| 皆様もこの地域団体商標制度を、是非ご活用下さい。 |
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| -End- |
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| [更新日 2008.10.7] |
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