HOME > 資料室(その他参考情報) > 外国産業財産権制度情報 > 条項目次 >

その他参考情報

第II編 商標に関する法律
第1節 共同体商標の定義及び取得
第4条 共同体商標を構成することができる標識
共同体商標は,写実的に表現できる標識,特に,個人の名前を含む語,模様,文字,数字,商品の形状又はその包装により構成することができる。ただし,これらの標識が,ある企業の商品又はサービスと他の企業のそれとを識別することができるものである場合に限る。
第5条 共同体商標の所有者になることができる者
(1) 次に掲げる自然人又は法人は,公法に基づき設立された公共事業体を含め,共同体商標の所有者になることができる。
(a) 加盟国の国民
(b) 産業財産の保護に関するパリ条約(以下「パリ条約」という。)の締約国若しくは,世界貿易機関の設立協定の締約国の国民
(c) パリ条約の締約国でない国の国民であって,共同体の領域内若しくはパリ条約の締約国の領域内に住所若しくは居所又は現実かつ真正の工業上若しくは商業上の営業所を有する者
(d) パリ条約の締約国若しくは,世界貿易機関の設立協定の締約国でない国の国民,公表された決定に従い,商標について自国民に与えると同一の保護を全ての加盟国の国民に与える国の国民,及び,加盟国の国民に対し本国登録の証明を求める場合は,共同体商標自体をその証拠として認める国の国民であって,(c)にいう国民以外の国民
(2) (1)の適用に関し,1954年9月28日にニューヨークで署名された無国籍人の地位に関する条約第1条に規定される無国籍人,並びに,1951年7月28日にジュネーブで署名された難民の地位に関する条約及び1967年1月31日にニューヨークで署名された難民の地位に関する議定書により改正された同条約第1条に規定される難民は,その常駐地を有する国の国民とみなすものとする。
(3) (1)(d)にいう国の国民である者は,共同体商標の出願に係る商標が本国において登録されていることを証明しなければならない。ただし,公表された決定に従い,加盟国の国民の商標が,共同体商標として又は加盟国における国内商標として先に登録されていることの証拠なしに,当該本国において登録されている場合は,この限りでない。
第6条 共同体商標を取得する手段
共同体商標は,登録によって取得されるものとする。
第7条 絶対的拒絶理由
(1) 次に掲げるものは,登録することができない。
(a) 第4条の要件に従わない標識
(b) 識別性を欠く商標
(c) 商品若しくはサービスの種類,品質,数量,用途,価格,原産地,商品の製産の時期,サービスの提供の時期,又はその他の特徴を示すために取引上使用されることがある標識若しくは表示のみからなる商標
(d) 通用語において又は公正かつ確立した商慣習において常用されるようになっている標識若しくは表示のみからなる商標
(e) 次に掲げる形状のみからなる標識
(i) 商品そのものの性質から生じる形状
(ii) 技術的成果を得るために必要な商品の形状
(iii) 商品に本質的価値を与える形状
(f) 公共政策又は一般に是認された道徳規範に反する商標
(g) 公衆を,たとえば,商品若しくはサービスの性質,品質又は原産地について欺瞞するような性質の商標
(h) 権限のある当局によって許可されていない商標であって,パリ条約第6条の3に従い拒絶されるべきもの
(i) パリ条約第6条の3に規定するもの以外の記章,紋章又は紋章入りの盾を含む商標であって,特定の公共の利益のためのもの。ただし,その登録について適切な当局の同意がある場合は,この限りでない。
(j) ぶどう酒又は蒸留酒の産地を表示する地理的表示を含み又はそれよりなる商標であって,当該産地以外の地域を産地とするぶどう酒又は蒸留酒についてのもの
(2) (1)の規定は,不登録事由が共同体の一部にのみ存在するときであっても適用する。
(3) (1)(b),(c)及び(d)は,登録を求めている商品又はサービスについて商標が使用された結果,その商標が識別性のあるものとなっているときには,適用しない。
第8条 相対的拒絶理由
(1) 先行商標の所有者による異議の申立に基づき,次に掲げる場合は,出願に係る商標は登録されないものとする。
(a) その商標が先行商標と同一であって,登録出願に係る商品又はサービスと先行商標が保護されている商品又はサービスとが同一である場合
(b) その商標と先行商標との同一性又は類似性及びこれらの商標の指定商品若しくはサービスの同一性又は類似性のために,先行商標が保護されている領域において公衆の側に混同を生じる虞がある場合。この場合の混同の虞は,先行商標との関連を生じる虞を含む。
(2) (1)の目的のため,「先行商標」とは次に掲げるものをいう。
(a) 次の種類の商標であって,適切な場合は,これらの商標について主張された優先権を考慮して,当該共同体商標の登録出願の日に先行する登録出願の日を有するもの
(i) 共同体商標
(ii) 加盟国において,又はベルギー,オランダ若しくはルクセンブルクの場合は,ベネルクス商標庁において登録された商標
(iii) 加盟国について効力を有する国際協定に基づき登録された商標
(b) 登録されることを条件として,(a)にいう商標の出願
(c) 当該共同体商標の登録出願の日に,又は適切な場合は,当該共同体商標の登録出願について主張されている優先日に,パリ条約第6条の2において用いられている「広く認識されている」の用語の意味で加盟国において広く認識されている商標
(3) 商標に係る権利を有する者の代理人又は代表者が,その商標に係る権利を有する者の許諾を得ないで,その商標について自己の名義による登録の出願をした場合は,その商標に係る権利を有する者による異議の申立に基づき,その商標を登録しないものとする。ただし,その代理人又は代表者がその行為につきそれが正当であることを明らかにしたときは,この限りでない。
(4) 単なる1地方以上の取引において使用されている未登録商標その他の標識の所有者による異議の申立に基づき,次に掲げる場合及び当該範囲については,その標識を支配する加盟国の法律に従い,当該出願に係る商標を登録することができない。
(a) その標識に対する権利が共同体商標の登録出願の日前に,又は共同体商標の登録出願について主張された優先日前に取得された場合
(b) その標識により事後の商標の使用を禁止する権利がその所有者に与えられる場合
(5) (2)にいう先行商標の所有者の異議申立に基づき,さらに,出願に係る商標は,それが先行商標と同一又は類似であって先行商標が登録されている商品若しくはサービスと同一又は類似でない商品若しくはサービスについて登録されようとしている場合,先行の共同体商標に関してはその商標が共同体において名声を得ており,また,先行の国内商標に関してはその商標が関係する加盟国において名声を得ている場合,及び,出願に係る商標を正当な理由なく使用することがその先行商標の識別性若しくは名声を不正に利用し又は害することになる場合は,登録されないものとする。

第2節 共同体商標の効力
第9条 共同体商標により与えられる権利
(1) 共同体商標は,その所有者にその商標についての排他的権利を与える。所有者は,自己の同意を得ないで全ての第三者が次に掲げる標識を取引上使用することを阻止する権利を有する。
(a) 共同体商標が登録されている商品又はサービスと同一の商品又はサービスについて共同体商標と同一の標識
(b) 共同体商標と当該標識との同一性又は類似性並びに共同体商標及びその標識に包含される商品又はサービスの同一性又は類似性のために,公衆の側に混同を生じる虞がある場合は,その標識。この場合の混同の虞には,その標識と商標との間に関連の虞があるときを含む。
(c) 共同体商標が共同体において名声を得ている場合であって,当該標識の正当な理由のない使用が共同体商標の識別性若しくは名声を不正に利用し又は害するときは,共同体商標が登録されている商品又はサービスと類似しない商品又はサービスに関する共同体商標と同一又は類似の標識
(2) 次に掲げる事項は,特に,(1)の規定に基づき禁止することができる。
(a) 当該標識を商品又はその包装に付すこと
(b) 当該標識の下に,商品を提供すること,商品を市場に出すこと若しくはこれらの目的のために貯蔵すること又はサービスを提供若しくは供給すること
(c) 当該標識の下に,商品を輸入又は輸出すること
(d) 当該標識を取引書類及び広告に使用すること
(3) 共同体商標により与えられる権利は,その商標登録の公告の日から第三者に対抗することができるものとする。もっとも,共同体商標出願の公告の日後に生じた事象に関しては相当の賠償金を請求することができ,その事象は,商標登録の公告後にその公告によって禁止される。事件を所管する裁判所は,登録が公告されるまで事件の理非について決定することができない。
第10条 辞書における共同体商標の複製
辞書,百科事典又はその他の同様な書籍における共同体商標の複製が,その商標の登録されている商品又はサービスの一般名称であるとの印象を与える場合は,その共同体商標の所有者の請求により,その書籍の発行者は,遅くともその書籍の次の版において,その商標の複製にそれが登録商標である旨の表示を付すことを確実にしなければならない。
第11条 代理人又は代表者の名義により登録された共同体商標の使用の禁止
共同体商標に係る権利を有する者の代理人又は代表者が,その商標に係る権利を有する者の許諾を得ないで,自己の名義でその商標を登録した場合であって,その商標に係る権利を有する者がその商標の使用について許諾していないときは,その商標に係る権利を有する者は,その代理人又は代表者によるその商標の使用に対し異議申立をすることができる。ただし,その代理人又は代表者がその行為につきそれが正当であることを明らかにしたときは,この限りでない。
第12条 共同体商標の効力の制限
共同体商標は,その所有者に第三者が次に掲げるものを取引上使用することを禁止する権利を与えるものでない。ただし,その第三者が工業上又は商業上の誠実な慣習に従ってこれらを使用している場合に限る。
(a) 自己の名称又は住所
(b) 商品若しくはサービスの種類,品質,数量,用途,価格,原産地,商品の製産の時期,サービスの提供の時期,又はその他の特徴に関する表示
(c) 商品又はサービスの用途,特に付属品又は部品として表示する必要がある場合は,その商標
第13条 共同体商標により与えられる権利の消尽
(1) 共同体商標は,その所有者により又はその同意を得てその商標の下に共同体市場に出した商品について,その商標の使用を禁止する権利をその所有者に与えるものでない。
(2) 所有者が商品をさらに市場に出すことに対し反対する合法的な理由がある場合,特に,商品が市場に出された後に,商品の状態が変更され又は損なわれた場合は,(1)の規定は適用しないものとする。
第14条 侵害に関する国内法の補充的適用
(1) 共同体商標の効力は,本規則の規定のみによって決定される。その他,共同体商標の侵害については,第X編の規定に従い国内商標の侵害に関する国内法によって決定される。
(2) 特に,市民的自由及び不正競業に関する加盟国の法律に基づき訴が提起されている共同体商標に関しては,本規則が訴訟を阻止することはないものとする。
(3) 適用すべき手続規則は,第X編の規定に従い決定される。

第3節 共同体商標の使用
第15条 共同体商標の使用
(1) 登録後5年の期間内に,所有者が共同体商標の登録されている商品若しくはサービスについて共同体において共同体商標の真正な使用をしていなかった場合,又は5年の期間中継続してその使用を中止していた場合は,共同体商標は,本規則に定める制裁の対象になる。ただし,不使用について正当な理由があるときは,この限りでない。
(2) 次に掲げる場合にも,(1)にいう使用を構成する。
(a) 商標が登録された際の形態における商標の識別性を変更しない構成部分に変更を加えた形態での共同体商標の使用
(b) 輸出の目的のためにのみ共同体において商品又はその包装に共同体商標を付すること
(3) 所有者の同意を得た共同体商標の使用は,所有者による使用を構成するものとみなされる。

第4節 所有権の対象としての共同体商標
第16条 国内商標としての共同体商標の扱い
(1) 第17条から第24条までの規定において他に規定しない限り,所有権の対象としての共同体商標は,そのまま及び共同体の全域について,共同体商標の登録簿に従い,
(a) 当該日に所有者が居住し若しくは住所を有しているか,又は
(b) (a)の規定が適用されない場合は,当該日に所有者が営業所を有している加盟国において登録された国内商標として扱われるものとする。
(2) (1)で定めていない場合は,同項にいう加盟国は,当該官庁が所在する加盟国とする。
(3) 2以上の者が共有者として共同体商標の登録簿に記録されている場合は,(1)の規定は筆頭の共有者に適用されるものとする。これを欠くときは,共有者が記録されている順序により次位の共有者に適用される。(1)の規定が共有者の何れにも適用されない場合は,(2)を適用するものとする。
第17条 移転
(1) 共同体商標は,それが登録されている商品又はサービスの一部又は全部について,事業の移転とは別に,移転することができる。
(2) 事業全体の移転は,移転に適用される法律に従い,それと反対の協定又は他に明瞭に指示する事情がある場合を除き,共同体商標の移転を含むものとする。本規定は,事業の移転に対する契約上の義務に適用する。
(3) (2)の規定を害することなく,共同体商標の譲渡は,それが裁判の結果によるものであるときを除き,書面により行うものとし,契約当事者の署名を必要とするものとする。そうでないときは,その譲渡は無効とする。
(4) 移転のために,共同体商標が登録されている商品若しくはサービスの性質,品質若しくは原産地について公衆を誤認させる虞があることが移転書面から明かである場合は,官庁はその移転を登録しないものとする。ただし,承継者が,共同体商標の登録を誤認させる虞のない商品又はサービスに限定することに同意する場合は,この限りでない。
(5) 移転については,当事者の1人の請求により,登録簿に登録し,かつ,公告する。
(6) 移転が登録簿に登録されない限り,権原のある承継者は,共同体商標の登録から生じる権利を主張することができない。
(7) 官庁に対し意見を陳述すべき期限がある場合は,官庁が移転の登録申請をいったん受理すれば,権原のある承継者は相応の陳述をすることができる。
(8) 第77条の規定に従い,共同体商標の所有者に対する通知を必要とする全ての書面は,所有者として登録されている者に宛てられるものとする。
第18条 代理人の名義により登録された商標の移転
商標に係る権利を有する者の代理人又は代表者が,その商標に係る権利を有する者の許諾を得ないで,自己の名義で共同体商標を登録した場合は,その商標に係る権利を有する者は,その登録を自己に移転することを請求することができる。ただし,その代理人又は代表者がその行為につきそれが正当であることを明らかにしたときは,この限りでない。
第19条 物権
(1) 共同体商標は,事業とは独立して,担保に供し又は物権の対象とすることができる。
(2) (1)にいう権利については,当事者の1人の請求により,登録簿に登録し,かつ,公告する。
第20条 実行の差押
(1) 共同体商標は実行を差し押さえられることができる。
(2) 共同体商標の実行の差押についての手続に関しては,第16条の規定に従い決定される加盟国の裁判所及び当局が専属管轄権を有する。
(3) 当事者の請求により,実行の差押は登録簿に登録され,かつ,公告される。
第21条 破産又は同様の手続
(1) この分野における加盟国についての共通規則が効力を生じるときまで,共同体商標が破産又は同様の手続に関係している加盟国のみが,国内法又はこの分野で適用される条約の意味においてそのような手続が最初に行われた国になるものとする。
(2) 共同体商標が破産又は同様の手続に関係している場合は,権限のある国内当局の請求により,その旨登録簿に登録され,かつ,公告される。
第22条 使用許諾
(1) 共同体商標については,それが登録されている商品若しくはサービスの一部又は全部について及び共同体の全域又は一部について使用許諾をすることができる。使用許諾は,独占的又は非独占的であることができる。
(2) 共同体商標の所有者は,使用許諾契約における規定に違反する使用権者に対し,その期間,商標を使用することができる登録に包含された形態,使用許諾された商品若しくはサービスの範囲,商標を付すことができる領域又は使用権者が生産する商品若しくは提供するサービスの品質に関して,当該商標によって与えられた権利を主張することができる。
(3) 使用許諾契約の規定を害することなく,使用権者は,共同体商標の所有者が承諾した場合にのみ,その商標の侵害について訴を提起することができる。ただし,商標の所有者が,公式の通知後,相当の期間内に自ら侵害訴訟の手続をとらない場合は,独占的使用権の所有者は当該訴を提起することができる。
(4) 使用権者は,自己が受けた損害の賠償を請求するため,共同体商標の所有者が提起した侵害訴訟に参加することができる。
(5) 共同体商標に関する使用権の付与又は移転は,当事者の一方の請求により,登録簿に登録され,かつ,公告される。
第23条 第三者に対する効力
(1) 共同体商標に関し第17条,第19条及び第22条に規定する法的行為は,登録簿に登録した後に,全ての加盟国において第三者に対して効力を有するのみとする。もっとも,かかる行為は,それが登録される前は,その行為の日後に商標に係る権利を取得し,その権利を取得した日にその行為を知っていた第三者に対して効力を有する。
(2) (1)の規定は,事業全体の移転若しくはその他一般承継により共同体商標又は共同体商標に関する権利を取得する者の場合は,適用しないものとする。
(3) 第20条に規定する法的行為の第三者に対する効力には,第16条の規定に従い決定される加盟国の法律が適用されるものとする。
(4) 破産の分野における加盟国についての共通規則が効力を生じるときまで,破産又は同様の手続の第三者に対する効力には,国内法又はこの分野で適用される条約の意味においてそのような手続が最初に行われた加盟国の法律が適用されるものとする。
第24条 所有権の対象としての共同体商標の出願
第16条から第23条までの規定は,共同体商標の出願に適用される。

前へ》《次へ
ページの先頭へ
HOME > 資料室(その他参考情報) > 外国産業財産権制度情報 > 条項目次 >