第11部 特許無効及び消滅
第112条(1) 特許は,次に該当する場合は,無効が宣言される。
(a) 特許の主題に関し第2部に定められた特許性の条件の1つを充足していないことが証明された場合
(b) 発明が,当該技術に熟練した者がこれを実施できるよう十分明らかに,かつ,包括的な方法で記述されていない場合
(c) 特許の主題がその特許出願の内容を越えて拡大されている場合,又は特許が分割出願又は第11条の規定に基づく出願の結果として付与された場合で,特許の主題が原出願の内容を越えて拡大されている場合
(d) 特許権者が,第10条(1)の規定に従って特許を取得する権利を有していない場合
(2) 無効の理由が当該特許に部分的に影響を与えるのみである場合は,これらの理由から影響を受ける1又は複数のクレームの無効を通じて部分的無効が宣言される。単一クレームについて部分的無効を宣言することはできない。
(3) 無効が部分的である場合,特許は無効とされなかったクレームに対しなお有効であるものとする。ただし,当該クレームが独立特許の主題を構成することを条件とする。
第113条
(1) 不利益を被ったと考える者,同じく行政機関(Administracion Publica)は無効の宣言を請求することができる。ただし,前条(1)(d)の場合は,特許を取得する権限を付与された者のみが無効の宣言を求めることができる。
(2) 特許無効の訴訟は,特許の法定期間中及びその消滅後5年以内に提起することができる。
(3) 特許無効の訴訟は,専ら訴訟の請求を提出した時点の特許権者に対し提起するものとする。当該訴訟は,当該特許の権利を所有し,かつ,正式に産業財産登録庁に登録された全ての者に,これらの者が審理に出頭し,かつ,参加することができるよう通知しなければならない。
(4) 特許の無効は,その本質において係争管理上の審理を通して既に判決の主題であったのと同じ理由で民事訴訟による審理を求めることができない。
第114条
(1) 特許無効の宣言とは,当該特許が有効でなかったこと及び当該特許もその原出願も,無効が宣言された範囲内で,第6部に定める効力を有さないことを意味するものとする。
(2) 特許権者が悪意で行為した場合に,その損害及び不利益の賠償及びその義務を害することなく,無効の遡及効は次に影響しないものとする。
(a) 既に既判力を有する特許侵害の判決で,かつ,特許無効の宣言に先立ち行われたもの
(b) 特許無効の宣言前に履行された範囲内の当該無効宣言前に締結された契約。ただし,衡平の理由及び当該事情により正当化される範囲内で,契約に基づき支払われた金額の返還を請求することができる。
(3) 無効が一旦確定すると,当該無効の宣言は全ての者に既判力を有する。
第115条
特許無効の宣言は,必ずしも当該特許の追加特許の無効を意味しないものとする。ただし,無効宣言の通知の後3月以内に,当該追加特許を独立特許に変更する申請が行われることを条件とする。
第116条
(1) 特許は,次の場合に消滅する。
(a) 法定の存続期間が満了するとき
(b) 特許権者による放棄
(c) 期限内に年金の納付を怠る場合,及びもしあれば相応の追徴金の納付を怠る場合
(d) 最初の強制ライセンスが付与されてから2年以内に発明の実施を怠る場合
(e) 特許権者がパリ条約の規定を享受できず,かつ,スペイン法と同様の尺度を採用する国に通常居住し又は工業若しくは商業上の営業所を有する場合,第9部第1章に定める発明を実施する義務を怠る場合。かかる場合は,第8部第3章及び第9部第2章,第3章及び第4章に含まれるライセンスの付与に関する規定は適用しないものとする。
(2) 産業財産登録庁によるその宣言及び産業財産公報のその公告の権利を害することなく,特許の消滅とは,特許の目的がなお有効な先の特許により保護されている部分を除き,当該特許の消滅の原因となる事実若しくは懈怠が生じた時点から公有財産となったことを意味するものとする。
(3) 年金の納付を怠る場合は,特許の消滅を生じた懈怠は,年金を納付しなかった年度の始めに生じたと解されるものとする。
(4) (1)(d)に定める場合において,特許の消滅は,産業財産登録庁が相当する行政書類を審査した後に宣言される。
第117条
(1) 年金の納付を怠ることにより消滅した特許は,特許権者が当該納付の懈怠が不可抗力によるものであったことを証明した場合は回復することができる。
(2) 不可抗力に関する主張は,産業財産公報に当該特許が消滅した旨の公告が行われた後6月の間に限って行うことができる。また,当該主張は前記公報に公告されるものとし,これに関し関係当事者は1月以内に意見を述べることができる。
(3) 適切であれば特許の回復は,特許の消滅から生じる第三者の権利を害することなく,産業財産登録庁により付与される。かかる権利の承認及びその範囲は普通裁判所の管轄の範囲内とする。
(4) 特許の回復が発効するためには,特許権者は未納分の年金及びそれに対する追徴金を納付しなければならない。
第118条
(1) 特許権者は,特許のクレームの全部又はそのうちの1つ若しくは複数のクレームを放棄することができる。
(2) 特許が部分的に放棄される場合,当該放棄に含まれないクレームについては効力を存続するものとする。ただし,残存するクレームが独立特許の主題を構成し,かつ,放棄が当該特許の目的の範囲を拡大しないことを条件とする。
(3) 放棄は,書面により産業財産登録庁へ通知しなければならない。また,放棄は特許登録簿に登録された日から効力を生じたとみなされる。
(4) 特許についての有効な権利又はライセンスが特許登録簿に登録されているときは,その権利者の承諾なしには,特許の所有者は当該特許を放棄することはできない。
(5) 第三者から特許の所有権を主張されている特許は,当該第三者の承諾なく放棄することはできない。