第I部 総則
第1章 特許取得の条件及び効果
A. 特許可能な発明
I. 一般的条件
第1条
(1) 発明特許は産業上利用することのできる新規な発明に与えられる。
(2) 技術水準(第7条)から当然の結果として生じる何物も発明として特許されない。
(3) 国は,その与える特許の妥当性を保証しない。
II. 特殊の場合
第1a条
特許は,植物の新品種若しくは動物の品種又は植物若しくは動物を生産する本質的に生物学的な方法に与えられることはない。ただし,微生物学的方法及びその方法によって生産される物は,特許可能なものとする。
B. 特許性から除外される発明
第2条
次のものは,特許することができない。
(a) その実施が公の秩序若しくは善良の風俗に反する発明
(b) 人又は動物の身体に適用される外科的若しくは治療的処置の方法及び診断の方法
C. 特許を受ける権利
I. 一般原則
第3条
(1) 発明者,相続人又は前記以外の権原の下に当該発明を所有する第三者は,特許を受ける権利を有する。
(2) 数名の発明者が共同で発明をしたときは,その数名が共同で特許を受ける権利を有する。
(3) 数名の発明者が相互に独立に発明をしたときは,特許を受ける権利は最先に出願をした者又は最先の優先日を伴う出願をした者に属する。
II. 審査手続中の資格
第4条
連邦知的財産権庁(以下「連邦庁」という。)の手続においては特許出願人は,特許を受ける適格を有する者と推定される。
D. 発明者の氏名の指示
I. 発明者の権利
第5条
(1) 出願人は,発明者の氏名を指示した書面を連邦庁に提出しなければならない。
(2) 出願人の指名した発明者は,特許登録簿,特許が与えられた旨の公告及び特許証に記載される。
(3) (2)の規定は第三者が出願人の指名した者が真実の発明者でないこと及びその第三者が真実の発明者であることを宣告する確定判決を提出する場合に準用する。
II. 氏名を指示される権利の放棄
第6条
(1) もし出願人によって指名された発明者が,第5条(2)の措置を受ける権利を放棄するときは,これらの措置をとることができない。
(2) 発明者が前記の権利を放棄する旨を予め表示しても,その意思表示は,何らの効果をも生じることはない。
E. 発明の新規性
I. 技術水準
第7条
(1) 技術水準を包含されない発明は,新規なものと認められる。
(2) 技術水準とは,書面若しくは口頭による説明又は使用その他の方法によって出願日又は優先日前に公衆の利用に供せられた一切の事物から成るものをいう。
II. 優先権
第7a条
発明は,もしそれが技術水準を包含されていないとしても,先の出願結果又は優先権を享受する結果スイスにおいて与えられた有効な特許の主題であるときは,新規なものとは認められない。
III. 無害な開示
第7b条
ある発明が出願日又は優先日前6月以内に公衆の利用に供せられた場合においても,それが次の事項の直接若しくは間接の結果であるときは,その開示は,技術水準に包含されることはない。
(a) 出願人若しくはその前主に対する明白な背信行為,又は
(b) 出願人若しくはその前主が国際博覧会に関する1928年11月22日の条約の趣旨に該当する公の若しくは公に認められた博覧会にその発明を展示した事実(前記の者が出願の際この事実を申告し,かつ,所定の期間内に十分な補強証拠を提出することを条件とする。)
IV. 公知の物質の新しい応用
第7c条
ある物質若しくは混合物であって技術水準にそのような物として包含されているか又は先行権利の主題であるが,外科的若しくは治療的処置の方法若しくは診断の方法(第2条(b))の応用上これらの物を使用する点については技術水準に包含されず又は先行権利の主題でもないものは,それが専ら前記の用途に供せられる限度において新規なものと認められる。
F. 特許の効果
第8条
(1) 特許は,その所有者にその発明を業として実施する排他的権利を与える。
(2) 前記の実施は,その発明の利用及び行使のほか,販売の申込,販売,流通及びこれらを目的とする輸入を含む。
(3) もし発明が方法に係るときは,特許の効果は,その方法から直接に生産される物に及ぶ。
G. 追加特許
第9条[廃止]
第10条[廃止]
H. 特許保護の告知
I. 特許表示
第11条
(1) 特許保護を享受する物又はその包装には,連邦十字及び特許番号から成る特許表示を付することができる。連邦内閣は,前記のほか追加の表示を定めることができる。
(2) 特許権者は,先使用又はライセンスによりその発明を実施する権利を有する者にその製造に係る物又は包装に特許表示を付するよう求めることができる。
(3) 特許権者の前記請求にも拘らず,前記の者がこれに応じないときは,これらの者は,その結果特許権者に生じる損害を填補する義務を負う。ただし,特許表示を付すよう請求する特許権者の権利は,これによって害せられることはない。
II. 前記の表示以外の表示
第12条
(1) 特許保護を享受している旨を表示してある物を商業用書類その他により販売に供し又はその販売の申込をする何人も,第三者の請求によりこれにその表示に係る特許出願の番号又は特許番号を開示しなければならない。
(2) 特許の侵害をもって第三者を非難し又は第三者に警告をする何人も第三者の請求により前記の情報をこれに与えなければならない。
J. 外国居住者
第13条
(1) スイスに居住しない者は,スイスに居住する代理人を任命しなければならない。この代理人は,本法に定める手続につき行政庁及び裁判所において前記の者を代理する。
(2) 職業的代理人の業務に関する法の規定は,ここに留保される。
K. 特許の有続期間
I. 最長期間
第14条
(1) 特許の最長存続期間は,出願の日から20年とする。
(2)[廃止]
II. 期間満了前の失効
第15条
(1) 特許は,次の場合に消滅する。
(a) その所有者が連邦庁に書面による放棄の届出をするとき,又は
(b) 納付すべき年金が所定の期間内に納付されないとき
(2)[廃止]
L. 留保条項
第16条
スイス国籍を有する特許出願人又は特許権者は,産業財産の保護に関する1883年3月20日のパリ条約の規定でスイス連邦を拘束するものが,本法の規定よりもこれらの者に有利であるときは,この条約の規定を援用することができる。
第2章 優先権
A. 優先権の条件及び効果
第17条
(1) ある発明が正規の発明特許,実用新案又は発明者証出願の主題であり,かつ,産業財産の保護に関する1883年3月20日のパリ条約の加盟国でスイス以外のものにその出願が行われ又はその出願が効果を生じるときは,その出願は,パリ条約第4条に従って優先権を生じさせる。この権利は,最先の出願日から12月以内にスイスで同一の発明について出願された特許出願について主張することができる。
(1の2) スイスに相互保護を与えるある国での最先の出願は,産業財産の保護に関するパリ条約の加盟国での最先の出願と同一の効果を生じる。
(1の3) 本法又はその規則に別段の定がある場合を除き,(1)及び産業財産の保護に関する1883年3月20日のパリ条約第4条の規定は,原スイス出願にこれを準用する。
(2) 優先権の効果とは,最先の出願日以降生じる何らかの事実をもって当該最先の出願に対抗することができないことをいう。
(3)[廃止]
B. 優先権を主張する権利
第18条
(1)[廃止]
(2) 優先権は,最先の出願人又はスイスで同一の発明について特許出願をする権利を当該最先の出願人から承継した者が主張することができる。
(3) もし最先の出願若しくはスイスにおける出願又はこの両者が特許を受ける権利を有していない者によって行われるときは,正当権利者は,この最先の出願に基づく優先権を主張することができる。
C. 方式要件
第19条
(1) 優先権を主張する者は,連邦庁に優先権の宣言書及び優先権証明書を提出しなければならない。
(2) 優先権は,もし規則で定める期間及び方式要件が遵守されないときは,消滅する。
D. 訴訟での立証責任
第20条
(1) 特許手続において優先権の主張が認容されたことは,訴訟手続において前記の権利の存在を証明する義務を特許権者に免除することはない。
(2) 優先権主張の基礎とされる出願は,最先の出願と推定される(第17条(1)及び(1の2))。
E. 重畳的保護の禁止
第20a条
発明者又はその権利の承継人が,同一の発明について同一の出願日又は優先日を伴う2件の有効な特許を取得した場合,先行する出願に係る特許の効果は,2件の特許により与えられる保護の範囲が同一である限りにおいて,消滅する。
第21条[廃止](第23条まで)
第3章 特許の範囲の変更
A. 一部放棄
I. 要件
第24条
(1) 特許権者は,連邦庁に次を請求することによって自己の特許権を一部放棄することができる。
(a) あるクレームを取り消すこと(第51条及び第55条)
(b) 1若しくは2以上の従属クレームを挿入することによりある独立クレームを制限すること,又は
(c) その他の方法である独立クレームを制限すること(この場合にも当該制限されたクレームは,同一の発明を指示するものでなければならず,また,確定された出願日を有する特許出願の趣旨及び公告された特許の明細書に包含されるある事項を定義しなければならない。)
(2) (c)の請求は,同一の特許について1回限り認容することができるが,特許付与から4年の経過後においては認容されることはない。
II. 新しい特許証の交付
第25条
(1) 一部放棄の結果第52条及び第55条の規定により同一の特許内で相互に申請するクレームが存在するようになるときは,その特許は,適正な限度まで更に制限しなければならない。
(2) 特許権者は,除去されたクレームにつき1又は2以上の新しい特許証の交付を出願することができる。これらの新しい特許証は,原特許証の出願日の利益を享受する。
(3) 特許登録簿に一部放棄の記載をした後に連邦庁は,(2)の規定により特許権者が新しい特許証の交付申請をすることのできる期間を指定する。この期間を徒過したときは,特許権者は,前記の申請をすることができない。
B. 無効訴訟
I. 無効原因
第26条
(1) 裁判所は,次の場合は,請求によりその特許が無効である旨を宣言しなければならない。
1. 特許の主題が第1条及び第1a条の規定により特許することができないものであるとき
2. その発明が第2条の規定により特許することのできないものであるとき
3. その発明が,当該技術に熟練する者によって実施することができるように特許明細書に開示されていないとき
3の2. 特許の主題が確定された出願日を有する特許出願の内容を逸脱しているとき
4. [廃止]
5. [廃止]
6. 特許権者が発明者でもその権利の承継人でもなければその特許を取得する他の何らの権原をも有さないとき
(2) ある特許出願人が出願の優先性を承認されて特許を受けた場合において他の特許出願で優先権を主張されたものが特許を拒絶されたときは,裁判所は,当該特許権者に対しその理由及びこれを裏付ける証拠を提示するよう求めることができる。もし当該特許権者がこの命令に従わないときは,裁判所は,その裁量によって相当の処分を命じることができる。
II. 一部無効
第27条
(1) 特許の一部が無効であると認定されるときは,裁判所は,その特許を適宣に制限する。
(2) 裁判所は,前記のとおり制限された新クレーム案について意見を述べる機会を当事者に与えなければならない。裁判所は,この疑義について連邦庁の意見を徴することができる。
(3) 第25条の規定が準用される。
III. 訴訟適格
第28条
利害関係人は,無効訴訟を起こすことができる。ただし,正当権利者のみが第26条(1)6の訴訟を起こすことができる。
第4章 特許を受ける権利及び特許権の変更;ライセンスの許諾
A. 譲渡訴訟
I. 第三者に対する効果
第29条
(1) 第3条の規定により特許を受けることのできない者が特許を出願したときは,正当権利者は,その特許出願の自己への譲渡を請求することができ,また,もしその特許出願に特許が既に与えられているときは,その特許の自己への譲渡を請求するか又はその特許の無効を請求することができる。
(2)[廃止]
(3) 裁判所による譲渡命令があったときは,第三者に与えられたライセンスその他の権利は無効となる。この第三者は,もしスイスにおいて善意にその発明を業として実施し又はその目的のため特別の準備をしていたときは,非排他的ライセンスの許諾を求めることができる。
(4) 損害賠償の請求は,前記によって妨げられることはない。
(5) 第40b条中の対応規定が適用される。
II. 一部譲渡
第30条
(1) もし原告が,すべてのクレームに対する自己の権利を証明することができないときは,裁判所は,原告が自己の権利を証明することのできたクレーム以外のクレームに係る特許出願又は特許の譲渡を命じる。
(2) 第25条の規定が準用される。
III. 除斥期間
第31条
(1) 譲渡訴訟は,特許出願の公告日から2年以内に提起しなければならない。
(2) 悪意の被告に対する訴については(1)の規定を適用しない。
B. 特許の収用
第32条
(1) 公益上必要があるときは,連邦内閣は,特許の全部又は一部を収用することができる。
(2) 収用された特許の特許権者は,十分な補償を受けるものとし,その補償金の額に争があるときは,連邦裁判所がこれを定める。1930年6月20日の連邦収用法第II章の規定が準用される。
C. 特許を受ける権利及び特許権の移転
第33条
(1) 特許を受ける権利及び特許権は,相続人に移転する。これらの権利の全部又は一部は,第三者に譲渡することができる。
(2) 前記の権利が共有に係るときは,各共有者は,他の共有者の同意を得た場合にのみこれらの権利を行使することができる。ただし,各共有者は,独立に自己の持分を処分し及び権利の侵害につき訴訟を提起することができる。
(2の2) 特許出願及び特許権の法律行為による移転は,書面によって証明されるときにのみ有効とする。
(3) 特許は,特許登録簿への移転の登録なしに移転することができる。ただし,移転の登録がないときは,本法に定める訴訟は,移転前の特許権者に対しても起こすことができる。
(4) 特許登録簿に登録されない第三者の権利は,善意で特許権を取得した者に対抗することができない。
D. ライセンスの許諾
第34条
(1) 特許出願人又は特許権者は,第三者に当該発明を実施する権利を許諾することができる(以下「ライセンスの許諾」という。)。
(2) 数名の共同特許出願人又は共有特許権者があるときは,ライセンスは,すべての関係出願人又は特許権者の承諾を得なければ許諾することができない。
(3) ライセンスは,特許登録簿に登録されなければ,善意で特許権を取得した第三者に対抗することができない。
第5章 特許権の法的制限
A. 先使用に基づく第三者の権利;外国の車輌
第35条
(1) 特許は,その特許出願の出願日前にスイスでその発明を業として善意に実施していたか又はその目的のため特別の準備をしていた者に対抗することができない。
(2) 前記の者は,その事業目的のためその発明を実施することができる。この権利は,その事業と共にのみ相続その他移転することができる。
(3) 特許は,専ら一時的にスイスに滞留する車輌及びこれに応用された装備に効力を及ぼすことはない。
B. 従属発明
第36条
(1) もしある特許が他の先の特許を侵害することなしには実施することができないときは,後の特許権者は,自己の発明の実施に必要な限度まで先の特許に基づいて非排他的ライセンスの許諾を受ける権利を有する。ただし,その発明が先の特許の主題たる発明に関し莫大な経済的利益を伴う重要な技術的進歩性を具えることを条件とする。
(2) 先の特許の主題たる発明の実施のライセンスは,後の特許と共にのみ譲渡することができる。
(3) 先の特許権者は,後の特許権者が先の特許権者に自己の発明を実施するライセンスを許諾することを条件として後の特許権者にライセンスを許諾することができる。
C. スイスにおける実施の必要性
I. ライセンスの許諾訴訟
第37条
(1) 特許処分の日から3年目より後であって特許出願の日から4年後以降に,利害関係人は,他人のある特許発明を実施するため非排他的ライセンスの許諾を裁判所に請求することができる。ただし,その提訴の時までに当該特許権者がスイスにおいて十分な程度までその発明を実施していなかったこと及びその不実施の正当な理由が明らかにされないことを条件とする。輸入は,スイスにおける特許の実施とみなされる。
(1の2)[廃止]
(2)[廃止]
(3) 裁判所は,申請人の申立により,自己の終局判決を言い渡す権限を害しないで当該訴訟の開始後直ちにライセンスを許諾することができる。ただし,(1)に掲げる条件のほか申請人が当該発明の遅滞のない実施に利害関係を有する旨の推定的証拠を提示し,かつ,債務者に相当の保証金を供託することを条件とする。債務者は,事前に審理を受ける機会を与えられる。
II. 特許権取消訴訟
第38条
(1) ライセンスの許諾がスイス市場の需要を充足するに足りないときは,利害関係人は第37条(1)の最初のライセンスの許諾から2年後にその特許の取消を請求することができる。
(2) 特許権者が国籍を有するか又は居住する国の法律が,特許付与の日から3年後に発明の不実施の理由でその特許の取消を訴求することを許すときは,第37条に規定するライセンスの許諾訴訟の代わりに特許の取消訴訟を許さなければならない。
III. 除外例
第39条
連邦内閣は,相互保護を与える国の国民に対し第37条及び第38条の規定を適用しないことを命じることができる。
D. 公益のためのライセンス
第40条
(1) 公益上必要があるときは,正当な理由なしに特許権者からその特許に基づくライセンスの許諾を拒否された者は,当該発明のライセンスの許諾を訴求することができる。
(2)[廃止]
E. 半導体技術分野における強制ライセンス
第40a条
半導体技術分野における発明の場合,司法手続又は行政手続において競争法に違反する形で宣言された慣行を是正する目的でのみ非排他的ライセンスを許諾することができる。
F. 第36条から第40a条までに共通する規定
第40b条
(1) 第36条から第40a条までにおいて言及されるライセンスは,合理的な商業的条件で契約上のライセンスを取得するための申請人の努力が合理的な期間内に実らなかった場合に限り許諾される。かかる努力は,国家の非常事態又はその他極度の緊急時においては要件とされない。
(2) ライセンスの範囲及び存続期間は,その許諾目的に応じて限定される。
(3) ライセンスは,それが実施される事業の該当部分と共にのみ譲渡されうる。サブライセンスもまた同様とする。
(4) ライセンスは,主として国内市場の供給のために許諾される。
(5) 請求により,裁判所は,ライセンスを許諾するに至った状況が消滅し,それが将来において再び発生する見込がないと思われるときは,実施権者から当該ライセンスを取り消すことができる。正当権利者の法律上の権利は相当の保護を受ける。
(6) 特許権者は,適正な額の報酬を受領する。報酬額は,個々の状況及び当該ライセンスの経済的価値に応じて決定される。
(7) 裁判所は,ライセンスの許諾及び取消,ライセンスの範囲及び存続期間並びに支払われる報酬の額を決定する。
第6章 料金
A. 原則
第41条
特許の許与及び維持並びに特殊な申請の審査手続は,附則に規定される手数料の納付を必要とする。
B. 年金の納付期限
I. 総則
第42条[廃止]
II. 分割出願の場合
第42a条[廃止]
III. 新しい特許付与の場合
第43条[廃止]
C. 納付の猶予
第44条[廃止](第46条まで)
第7章 追加手続及び原状回復
A. 追加手続
第46a条
(1) 出願人又は特許権者が法律又は連邦庁の定める期限を遵守しなかった場合,かかる出願人又は特許権者は,連邦庁に追加手続を求める申請書を提出することができる。
(2) かかる出願人又は特許権者は,自己が期限を遵守していないことを知ったときから2月以内,ただし遵守されなかった期限の満了から最大限6月以内に申請書を提出する。当該出願人又は特許権者はまた,かかる期限内に,当該未遂の行為を完全に履行し,必要に応じて特許出願を補完し,かつ追加手続のための手数料を支払わなければならない。
(3) 追加手続を求める申請書の受領は,当該行為が期限内に実行されたときの結果たる状況に回復する効果をもたらす。第48条には何ら影響を及ぼさない。
(4) 追加手続は,次の期限が遵守されなかった場合は認められない。
(a) 連邦庁に関して遵守される必要のない期限
(b) 追加手続を求める申請書の提出期限((2))
(c) 原状回復を求める申請書の提出期限(第47条(2))
(d) 優先権の主張及び優先権の宣言を伴う特許出願の出願期限(第17条及び第19条)
(e) 一部放棄の請求に係る期限(第24条(2))
(f) 技術内容の補正に係る期限(第58条(1))
(g) 選択に係る期限(第138条(2))
(h) 補充的保護証明に係る申請書の提出期限(第140f条(1),第146条(2)及び第147条(3))
(i) その他法令により定められる期限で,それを遵守しないことにより追加手続から排除されるもの
B. 原状回復
第47条
(1) 特許出願人又は特許権者が自己の過失によらないで本法若しくはその規則で定められる期間又は連邦庁の指定する期間を遵守することを妨げられたことの推定的証拠を提示して請求するときは,その者に原状回復が許される。
(2) 前記の請求は懈怠した行為の宛先たる当局に対し当該行為を妨害した事情の終止後2月以内であって遵守されなかった期間の満了から最大限1年以内に提出されるものとし,同時に懈怠した行為が履行されなければならない。
(3) (2)の規定による期間が遵守されないときは,原状回復は許されない(原状回復請求期間)。
(4) (1)の請求の認容は懈怠した行為が適正な時期に行われたとするときに存在することとなる事情を生じさせるという効果を有する。第48条の規定は留保される。
C. 第三者の権利の留保
第48条
(1) 特許は,次の期間内にスイスでその発明を業として善意に実施し又はその目的のため特別の準備をした者に対抗することができない。
(a) 年金納付のため定められる期限の末日から追加手続の申請日(第46a条)又は原状回復の請求日(第47条)までの期間
(b) 優先期間の末日(第17条(1))から特許出願の出願日までの期間
(2) 前記のとおり第三者の取得した権利は,第35条(2)の規定するところによる。
(3) 第1a条に基づく権利を主張する者は,当該特許が復活した日から相当の額の補償金を特許権者に支払うものとする。
(4) 争のあるときは,裁判所は,第三者の主張する権利の存否及び存在する場合はその範囲並びに(3)の規定に従い補償金の額を判決する。
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