HOME > 資料室(その他参考情報) > 外国産業財産権制度情報 > 条項目次 >

その他参考情報

第V部 欧州特許出願及び欧州特許

第1章 適用法規
法の適用範囲;欧州特許条約との関係
第109条
(1) 本第V部の規定は,スイスにおいて効力を生じる欧州特許出願及び欧州特許に適用する。
(2) 本法の他の規定も欧州特許権の付与に関する1973年10月5日の条約(欧州特許条約)又は本第V部に別段の定がある場合を除くほか適用するものとする。
(3) スイスを拘束する欧州特許条約の正文は,本法に優先する。

第2章 欧州特許出願及び欧州特許の効果

A. 原則
第110条
出願日が確定された欧州特許出願及び欧州特許は,連邦庁に適法に出願される特許出願及び同庁によって与えられる特許と同一の効果をスイスにおいて有する。
B. 欧州特許出願により与えられる仮保護
第111条
(1) 公開された欧州特許出願は,欧州特許条約第64条に規定する保護を出願人に与えることはない。
(2) もっとも,被害者は,損害賠償訴訟において被告が欧州特許出願の内容を知った時,ただし,遅くとも欧州特許庁により当該出願が公開された日から被告の加えた損害を賠償すべきことを求めることができる。
C. 翻訳文に関する留保
I. 公開された欧州特許出願に関するもの
第112条
欧州特許出願がスイスの公用語で公開されなかったときは,損害賠償の請求について考慮すべき起算日は,出願人が次の行為を行った日とする。
(a) スイスの公用語でクレームの翻訳文を被告に送付した日,又は
(b) 連邦庁を経由して公衆にクレームの翻訳文を利用可能にした日
II. 欧州特許の効力発生の条件
第113条
(1) 欧州特許がスイスの公用語で公告されなかったときは,その特許出願人又は特許権者は,スイスの公用語による特許明細書の翻訳文を連邦庁に提出しなければならない。
(2) 欧州特許は,次の日から3月以内に特許明細書の翻訳文が提出されないときは,効力を生じるものと認めない。
(a) 欧州特許公報に欧州特許が与えられた旨の告示が掲載された日
(b) 異議申立手続において特許がその訂正された形態で従前どおり維持される場合,異議申立の決定が公告された日
III. 翻訳文の訂正
第114条
(1) 特許出願人又は特許権者は,その特許の翻訳文を訂正することができる。
(2) 訂正された翻訳文は,それが連邦庁を経由して公衆に利用可能なものとされ又は第112条のケースに該当するときは被告に通知された後においてのみ効力を生じる。
D. 正文
I. 手続用語
第115条
欧州特許出願又は欧州特許により与えられる保護の範囲については欧州特許庁の手続用語による書面をもって正文とする。
II. 翻訳文;並行実施の権利
第116条
(1) 第三者は,欧州特許出願又は欧州特許の手続用語による正文の保護範囲に比較してその翻訳文による正文の保護範囲のほうが狭いときは,その特許権者との関係においてはその翻訳文による正文を援用することができる。
(2) 欧州特許出願人又は欧州特許権者がその特許の翻訳文をそれが有効になるように訂正するときは,その者は,スイスにおいて従前からその発明を業として実施し又はその実施のため特別の準備をしていた第三者に対し欧州特許の効力を対抗することができない。
(3) この実施の権利は,第35条(2)の規定に従う。

第3章 欧州特許の管理

A. スイス欧州特許登録簿
第117条
欧州特許が与えられた旨の告示が欧州特許公報に掲載されるときは,連邦庁は,遅滞なく,欧州特許登録簿に記入される事項と共にこれをスイスの欧州特許登録簿に記入する。
B. 公告
第118条
連邦庁は,スイス欧州特許登録簿に記入された事項を公告する。
C. 欧州特許の年金
第119条[廃止]
D. 代理
第120条
連邦内閣は,欧州特許に関し連邦庁において手続をさせるため欧州特許登録簿に記入されている代理人を認可することができる。ただし,欧州特許庁の特別部局(欧州特許条約第143条)における代理事務について相互主義が採用されることを条件とする。

第4章 欧州特許出願の変更

A. 変更の理由
第121条
(1) 欧州特許出願は,次に該当するときは,それをスイス特許出願に変更することができる。
(a) 欧州特許条約第135条(1)(a)に規定するケース
(b) 原出願がイタリア語で提出されている場合において欧州特許条約第14条(2)に規定する期間を遵守しないケース
(c) 出願が欧州特許条約第54条(3)及び(4)の規定に違反し,かつ,そのためにスイスにおいてはそれは拒絶され又は取り下げられたものと欧州特許庁において認定したケース
(2) スイス特許出願への出願変更は,欧州特許が(1)(c)に掲げる理由のため取り消されるときにも許すことができる。
B. 法的効果
第122条
(1) 変更請求が正規の方式でかつ所定の期間内に連邦庁に提出されるときは,その変更された特許出願は,欧州特許出願の出願日に出願されたものとみなす。
(2) 欧州特許庁に提出された欧州特許出願又は欧州特許の添付書類は,連邦庁に同じ日に提出されたものとみなす。
(3) 欧州特許出願に伴う権利は,そのまま有効とする。
C. 翻訳文
第123条
欧州特許出願の原正文で用いられる言語がスイスの公用語でないときは,連邦庁は,スイスの公用語によるその翻訳文を提出すべき期間を出願人に指定する。
D. 欧州特許条約に有利な留保
第124条
(1) 欧州特許条約第137条(1)の規定を留保して,スイス特許出願に対し現に適用される規定は,翻訳された特許出願に適用する。
(2) 欧州特許出願の変更から生じるスイス特許出願のクレームは,特許によって与えられる保護の範囲がその変更によって拡張するように作成してはならない。

第5章 民事法及び刑事法に基づく保護に関する規定

A. 重畳的保護の禁止
I. 欧州特許の優越性
第125条
(1) 同一の発明について同一の出願日又は優先日を伴うスイス特許及びスイスにおいて効力を有する欧州特許が同一の発明者又はその承継人に与えられたときは,そのスイス特許は次の日から効力を失うものとする。
(a) 欧州特許に対する異議申立の期間が満了した日,又は
(b) 異議申立手続が欧州特許の効力を維持する旨の決定をもって終結した日
(2) 第27条の規定が準用される。
II. 出願変更の結果生じた特許の優越性
第126条
(1) 同一の発明について同一の出願日又は優先日を伴うスイス特許出願若しくは国際特許出願(第131条以下)に基づく特許及び変更された欧州特許出願に基づく特許が同一の発明者又はその承継人に与えられたときは,前者の特許は,変更された欧州特許出願に基づく特許が与えられた日から効力を失う。
(2) 第127条の規定が準用される。
B. 手続規定
I. 一部放棄の制限
第127条
欧州特許の一部放棄の申出は,欧州特許庁に特許異議を申し立てることができる間又は既に申し立てられた特許異議について終局決定がまだなされない間は認容することができない。
II. 訴訟手続の中止
a. 民事手続
第128条
裁判所は,欧州特許の効力が争われており,かつ,事件の当事者の一方が欧州特許庁にまだ異議を申し立てる機会があること又は既に申し立てられた異議について終局判決がまだなされないことを明らかにするときは,手続を中止し又は判決の言渡を繰り延べることができる。
b. 刑事手続
第129条
(1) 第86条の場合において被告人が欧州特許の無効を申し立てるときは,裁判所は,欧州特許庁にまだ特許異議を申し立てる機会がある間又は異議申立手続に参加する機会がある間は異議を申し立て又は異議申立手続に参加する時間的余裕をこれに与えることができる。
(2) 第86条(2)の規定が準用される。

第6章 欧州特許庁の発する調査嘱託書
権限の委任
第130条
連邦庁は,欧州特許庁の発する調査嘱託書を受理し,これを管轄当局に移送する。

前へ》《次へ
ページの先頭へ
HOME > 資料室(その他参考情報) > 外国産業財産権制度情報 > 条項目次 >