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その他参考情報

非可視型著作権表示技術


【技術分類】
  2−A−1(2)  電子透かし応用技術/著作権主張モデル/不正利用心理的抑制/非可視型著作権表示技術

【技術の名称】
  コンテンツIDの電子透かし埋め込みによる著作権表示技術

【技術内容】
  ネットワークを利用したマルチメディアコンテンツの流通では、コピー、編集、配布などの作業が容易に行えるために、利用方法によっては著作権侵害が発生することになる。電子透かし技術を用いれば、カプセル化、暗号化のようなコンテンツの内容を秘匿する必要がなくなるので、コンテンツ配信に適した著作権保護を実現できる。
  今回の例は、コンテンツID、ファイル名、著作権者名を各コンテンツに不可視的に記録する方法である。この場合だと少ない情報量の埋め込みで済むために、メディア品質が劣化しにくいという利点がある。
  図1は、透かしと流通のプロセスについて説明している。また、図2は埋め込んだコンテンツIDを利用することによって、コンテンツ管理をするシステムの概説している。
  しかし、一般的には不正コピーなどさまざまな攻撃が考えられ、電子透かしを無効にされるという危険性があるために、こうした攻撃に強いさまざまな電子透かし技術が次々と考えられ開発されているというのが実情である。このような攻撃耐性のある技術も破られるという危険性はあるので、今のところは心理的な抑制効果という面が強い。暗号との組み合わせ、専用ビューワとの組み合わせなどによって、購入者が特定できるなどの心理的抑制によって、抑制力を強化することが重要である。

【図】
  図  電子透かし
電子透かし
  出典:生きものたちのコミュニティー豊かな地球のパートナー、「NTT技術ジャーナル 第13巻 第7号」、(2001年7月)、小田浩一朗著、NTT発行、18頁  図8  電子透かし

  図  コンテンツID埋め込みによるコンテンツ管理システム
コンテンツID埋め込みによるコンテンツ管理システム
  出典:生きものたちのコミュニティー豊かな地球のパートナー、「NTT技術ジャーナル 第13巻 第7号」、(2001年7月)、小田浩一朗著、NTT発行、18頁  図9  コンテンツID埋め込みによるコンテンツ管理システム

【出典/参考資料】
  生きものたちのコミュニティー豊かな地球のパートナー、(2001年7月)、小田浩一朗著、NTT発行、15頁〜18頁



【技術分類】
  2−A−1(2)  電子透かし応用技術/著作権主張モデル/不正利用心理的抑制/非可視型著作権表示技術

【技術の名称】
  非可視的な著作権保護技術としての電子透かし

【技術内容】
  コンテンツ流通過程での著作権保護として記録媒体の封印や暗号化を用いると、コンテンツの内容を秘匿してしまうことになり、利用者に対してそのコンテンツの長所をPRできなくなる。また、封印や暗号を解いた後での複製や再配布に対しては、当然ながら無力となる。これに対して、流通、再配布における扱いに制限を受けにくいマルチメディアコンテンツの著作権保護技術としての電子透かしがある。
  この電子透かしは著作者を守るだけではなく、利用者にとっても不正なコピーではなく、電子透かしに埋め込まれたデータを配布元に確認することによって原本であることを確認できるため、<著作者保護>と<利用者保護>という両面を有している。
  図1に著作権保護における電子透かし技術の位置づけを示す。不正コピーなどの攻撃に対して、目に見えない形での電子透かし情報を埋め込むことによって、不正コピーの場合など、そこに埋め込まれた電子透かし情報から不正利用の事実を検出できるというものである。
  電子透かしに要求される技術要件として、(a)非可視性、(b)編集耐性、(c)セキュリティ耐性、などがあげられる。(a)はもちろんであるが、(b)については一般的に画像全体にデータを分散し秘匿することによって非可視化するために部分的な切り取りや変形に弱いという側面がある。このために編集耐性というものが重要になる。さらに、(c)のセキュリティ耐性という意味では、透かし処理にもちいた方法や鍵が正しく管理されていれば埋め込んだ情報を書き換えたり消したりすることは困難であるという意味で重要な技術要件である。
  このような電子透かしをうまく用いることによって、図2に示すように著作権保護と利用者保護を付加したデータセンタ事業や、コンテンツIDを活用したASP事業などの展開が可能になる。

【図】
  図  著作権保護における電子透かし
著作権保護における電子透かし
  出典:電子透かし、「NTT技術ジャーナル 第12巻 第11号」、(2000年11月)、高嶋洋一、中西正著、NTT発行、22頁  図1  著作権保護における電子透かし

  図  著作権保護
著作権保護
  出典:電子透かし、「NTT技術ジャーナル 第12巻 第11号」、(2000年11月)、高嶋洋一、中西正著、NTT発行、24頁  図4  著作権保護

【出典/参考資料】
  電子透かし、(2000年11月)、高嶋洋一、中西正著、NTT発行、22頁〜25頁



【技術分類】
  2−A−1(2)  電子透かし応用技術/著作権主張モデル/不正利用心理的抑制/非可視型著作権表示技術

【技術の名称】
  著作権保護としての非可視的著作権表示技術の全体

【技術内容】
  電子透かしの技術にはさまざまなものがある(表1)。以下、現在考えられるすべての技術についてレビューする。
  (1)スペーシングによる電子透かし(図1)
  コンピューターのワープロに電子透かしを入れる場合に、空白のスペースに透かしを入れることができない、このために、スペースの間隔の自由度を使い、著作権情報をビット列としてひそかに埋め込み方法である。
  (2)変換自由度を利用した電子透かし(図2)
  多値の濃淡画像を2値で紙メディアに表示するときに、どのような電子透かしを埋め込むことができるか。濃度パターン法を用い、多値の輝度レベルを2値の面情報に変換する際に表現の自由度がある。これを著作権のビット情報に割り当てることによって電子透かしを作るというものである。
  (3)直交変換による電子透かし(図3、図4)
  JPEG画像や、MPEG画像はDCTを用いて量子化される。この量子化の後に著作権情報をビットに分解して埋め込むという方法である。
  (4)画像情報を利用した電子透かし
  画像に直接埋め込む方法。代表的なものがパッチワーク法である。RGBをYCC表色系に変換するときに、変換公式の係数行列に各行各列の和がゼロとなる式を加算する。このカラー透かし行列に透かしを埋め込む。
  (5)乱数鍵に依存した電子透かし(図5)
  図5は、変形離散コサイン変換(MDCT)に直接スペクトル拡散を適用した音楽曲への電子透かし法である。このシステムでは、三個の鍵を用いる。ksは乱数発生用、kfは埋め込み周波数用、kdは透かし用尺度である。
  (6)IEEE1394とコピー制御方式(図6)
  コピー追跡よりコピー制御の方が著作権管理には効率的であるという思想が普及するにつれて、現在ではコピー制御方式が優勢となっている。このコピー制御信号を電子透かしとして埋め込むというものである。

【図】
  図  埋め込みメディアによる透かしの分類
埋め込みメディアによる透かしの分類
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、29頁  表1  埋め込みメディアによる透かしの分類

  図  電子文書への透かしの埋め込み
電子文書への透かしの埋め込み
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、26頁  図1  電子文書への透かしの埋め込み

  図  2値化画像への透かしの埋め込み
2値化画像への透かしの埋め込み
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、26頁  図2  2値化画像への透かしの埋め込み

  図  MPEGにおける透かしの埋め込み
MPEGにおける透かしの埋め込み
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、27頁  図3  MPEGにおける透かしの埋め込み

  図  DCT変換の領域分割
DCT変換の領域分割
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、28頁  図4  DCT変換の領域分割

  図  音楽ソフトへの透かしの埋め込み
音楽ソフトへの透かしの埋め込み
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、28頁  図5  音楽ソフトへの透かしの埋め込み

  図  IEEE1394とコピー制御方式
IEEE1394とコピー制御方式
  出典:電子透かしの技術的基盤、「bit 第31巻 第9号」、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、30頁  図6  IEEE1394とコピー制御方式

【出典/参考資料】
  電子透かしの技術的基盤、(1999年9月)、松井甲子雄著、共立出版株式会社発行、25頁〜31頁



【技術分類】
  2−A−1(2)  電子透かし応用技術/著作権主張モデル/不正利用心理的抑制/非可視型著作権表示技術

【技術の名称】
  MP3への署名インパルスの音声電子透かし法

【技術内容】
  情報付加として、署名パルスを電子透かしとして埋め込む方法についての紹介を行う。署名情報は、時間ずれ補正用インパルスから、ブロックの検出用インパルスとの距離を署名情報とする。署名インパルスの埋め込み方法を図1に示す。
  音楽ファイルにMP3の変換をほどこすと、高周波成分が除去される。このため、署名インパルス系列もエネルギーが減衰する可能性がある。このため、もっとも減衰率の少ない、すなわち署名残存率の高い周波数を用いる。これを示したものが図2のfoptである。また、図3は、foptを用いて生成した書名インパルス系列である。
  図3は、サンプル曲の署名インパルス検出の1ブロックを示したのものである。この曲は比較的静かな洋楽である。(a)の署名インパルス系列のfoptを用いて最適化を施した場合の曲全体の署名残存率は92.3%、(b)のfoptを用いた最適化を施していない場合の曲全体の署名残存率は、69.2%である。
  署名残存率においてfoptを用いて最適化を施したものの方が最適化を施さない場合よりも署名インパルスの検出特性がすぐれかつMP3圧縮を施しても署名インパルスを検出することができることがわかった。
  このように、署名をインパルスの形で埋め込むという考え方は新しい音声電子透かし法として位置づけられる。

【図】
  図  提案する署名インパルス埋め込み法の基本原理
提案する署名インパルス埋め込み法の基本原理
  出典:MP3圧縮に耐性をもつスミア変換を用いた音声透かし法、「電子情報通信学会技術研究報告 第101巻 第669号」、(2002年2月)、若木雅彦、岡久卓也、大上健二著、(社)電子情報通信学会発行、2頁  図1  提案する署名インパルス埋め込み法の基本原理

  図  fmによる署名残存率
fmによる署名残存率
  出典:MP3圧縮に耐性をもつスミア変換を用いた音声透かし法、「電子情報通信学会技術研究報告 第101巻 第669号」、(2002年2月)、若木雅彦、岡久卓也、大上健二著、(社)電子情報通信学会発行、4頁  図3  fmによる署名残存率

  図  foptを用いて生成された最適化署名インパルス系列
foptを用いて生成された最適化署名インパルス系列
  出典:MP3圧縮に耐性をもつスミア変換を用いた音声透かし法、「電子情報通信学会技術研究報告 第101巻 第669号」、(2002年2月)、若木雅彦、岡久卓也、大上健二著、(社)電子情報通信学会発行、4頁  図4  foptを用いて生成された最適化署名インパルス系列

  図  サンプル曲1の検出
サンプル曲1の検出
  出典:MP3圧縮に耐性をもつスミア変換を用いた音声透かし法、「電子情報通信学会技術研究報告 第101巻 第669号」、(2002年2月)、若木雅彦、岡久卓也、大上健二著、(社)電子情報通信学会発行、6頁  図8  サンプル曲1の検出

【出典/参考資料】
  MP3圧縮に耐性をもつスミア変換を用いた音声透かし法、(2002年2月)、若木雅彦、岡久卓也、大上健二著、(社)電子情報通信学会発行、1頁〜8頁



【技術分類】
  2−A−1(2)  電子透かし応用技術/著作権主張モデル/不正利用心理的抑制/非可視型著作権表示技術

【技術の名称】
  不正コピー対策の考え方

【技術内容】
  電子透かしや暗号などを用いた違法コピー防止対策を採る場合にその対策選択の基準を提案する。違法コピー対策には次の三つに分類することができると考えられる。
  (1)コピー許容型対策
  (2)違法コピー防止対策型対策
  (3)違法コピー抑止対型対策
  ここで、(1)は対価を払いたいと考える人のみに支払ってもらうというものである。ただ、こういうことは現実的でないので、たとえば、インディーズの音楽などのように、無料でのコピーを許容しそれを聞いてもらえることによりコンサートに来てくれる人が増え、結果としてコンサートでの収益をあげる場合が考えられる。(2)は暗号技術を用いたり、フラッシュメモリーなどのメディアがもつID情報を利用することにより不正コピーを防止するという方法である。(3)については、間接的に違法コピーを防止するというものであり、電子透かしが一般的に用いられるようになってきている。しかし、電子透かし技術は改ざんに対する攻撃に比較的弱いなどの弱点があることは知っておく必要がある。
  これらの不正コピー防止において、上記の三つの対策をどのように使い分けるかをまとめたのが図1である。不本意であっても、他にメリットがあったり、収入が期待できコピーを許容できるのであれば、コピー許容型対策を採用すべきである。なぜなら、違法コピーを完全に防止したり、抑止したりすることは困難であり、コストは一般に小さくならないからである。
  次に携帯電話などの特殊なハードを用いる場合には、十分効果のある対策がとり得るので、それらの場合については違法コピー防止型対策とるべきであろう。汎用パソコンの場合は、ソフトウェアを用いて違法コピーを防止するのは容易ではない。したがって、このような防止策を採用するにしても、電子透かしなどの違法コピー抑止型対策と併用すべきであると考えられる。

【図】
  図  違法コピー対策の選択フロー
違法コピー対策の選択フロー
  出典:「IT革命下の著作権と違法コピー対策に関する考察」、「情報処理学会研究報告 第2001巻 第53号」、(2001年5月25日)、佐々木良一、吉浦裕著、(社)情報処理学会発行、42頁  図5  違法コピー対策の選択フロー

【出典/参考資料】
  「IT革命下の著作権と違法コピー対策に関する考察」、(2001年5月25日)、佐々木良一、吉浦裕著、(社)情報処理学会発行、37頁〜42頁

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[更新日  2003.3.28]