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その他参考情報

基質吸着

【技術分類】
  1−A  酸化チタンの物性と光活性

【技術の名称】
  1−A−6−d  基質吸着

【技術内容】
  酸化チタン(TiO2)を用いた気相、水溶液相での光触媒反応は、光吸収で生じた正孔、電子と基質が直接または間接的に反応することにより進行する。例えば光酸化では伝導帯に生じた電子が気相から吸着した酸素分子(O2)に付加してO2-を、また価電子帯に生じた正孔が吸着水、表面水酸基と反応してHOに転換、ともに活性酸素種として吸着した有機、無機の基質の酸化を行っている。TiO2への荷電基質の吸着はpHの影響を受けることが推定されるが、特に染料、アミノ酸、蛋白質等の等電点を有する基質の場合、pHによっては吸着が抑制され、光触媒による酸化分解に支障をきたす可能性がある。
  ここでは、水系での有機質の光酸化分解における、基質吸着特性を検討した結果を紹介する。
  検討した光触媒:Anatase TiO2  (石原産業 ST-01 (6.8nm)、ST-21 (20nm)、ST-41 (50nm))
  初期吸着の測定:モノアゾ系2官能基型反応染料 sf. Supra Red 3BF (C.I R.Red 195)を使用した。この水溶液およびこれにTiO2を添加した懸濁液のpHは6.3, 7.7であった。 pH 5-10の範囲でこの色素のUV-Vis吸収スペクトルは変化しない。 TiO2を懸濁した時のpH (7.7)では初期吸着が認められない。水溶液のpHを変えると、吸着が起こり、これによってUV域、Vis域などの吸光度が変化する。

【図】
  図1  R. Red 195溶液のpHと初期吸着の関係
R. Red 195溶液のpHと初期吸着の関係
  出典:「水系における酸化チタン光触媒分解能におよぼす各種要因の検討」、「水処理技術  VOL. 42  NO. 4」、(2001年)、中野仁著、日本水処理技術研究会発行、169頁  Fig.8  R.Red 195溶液のpHと初期吸着の関係

  図1の説明:R. Red 195はpH < 6でST-01 TiO2に吸着、紫外、可視領域とも吸光度が減少した。一方pH 7.7-9.5のアルカリ性側では初期吸着が認められず、pHの上昇につれて紫外部吸収が増大した。ブラックライト(20W、主波長 380nm)を照射すると、速やかに色素の光分解が進行、反復使用しても活性を維持した。

【応用分野】
  水系有機質の光酸化処理

【出典/参考資料】
  「水処理技術  VOL. 42  NO. 4」、(2001年)、中野仁著、日本水処理技術研究会発行、165頁〜173頁





【技術分類】
  1−A  酸化チタンの物性と光活性

【技術の名称】
  1−A−6−d  基質吸着

【技術内容】
  水性媒体中の有機質を光触媒の機能で酸化分解し、無機化する検討が進められている。光触媒反応では、一般の触媒反応と同様、吸着した基質と触媒の間の電子移動によって反応が進行する。基質以外に吸着可能な物質が共存する場合も、通常Langmuir-Hinshelwoodの機構で近似される競争吸着が起こり、吸着面で不利な基質の反応は制限されることになる。
  水溶液中での光触媒反応では、有機質の吸着を阻害する各種の無機イオンの共存が大きな問題となる。特に海水中の有機成分を考慮すると、各種のカチオン、アニオンが共存し、問題となる。ここではアニオンとの競争吸着に注目して溶存Dichloroethane (DCE)の光触媒酸化除去を検討した例を紹介する。
  使用した触媒:P25 (Degussa、粒子径 20nm、44m2/g)
  検討した共存化合物:KCl KNO3 K2CO3 K2SO4 KH2PO4
  測定条件:TiO2 0.6g/L、DCE, Salt 0.5mmol/L、pH 6 (KH2PO4を除く)

【図】
  図1  無機塩共存下でのDichloroethaneの吸着挙動
無機塩共存下でのDichloroethaneの吸着挙動
  出典:「Inhibition of the adsorption and photocatalytic degradation of an organic contaminant in an aqueous suspension of TiO2 by inorganic ions.」、「J Photochem Photobiol A  VOL. 108  NO. 1」、(1997年)、CHEN H Y、ZAHRAA O、BOUCHY M著、Elsevier Science SA発行、39頁  Fig.3  (a) Isotherms of co-adsorption of DCE and salts (simultaneous adsorption of DCE and salts) (Qe, specifiv adsorbed quantity of DCE at equilibrium; C, DCE concentration; initial salt concentration, 0.5mmol/L). (b) Isotherms of co-adsorption of DCE and salts (pre-adsorption of DCE) (Qe, specific adsorbed quantity of DCE at equilibrium; initial DCE concentration, 2.0mmol/L; salt concentrations Ci on the abcissa are the initial concentrations).  Reprinted with permission from Elsevier Science

  図1の説明:いずれの無機塩も共存することにより、基質DCEの吸着は抑制される。比較的影響の少ないのはKCl、KNO3等であるが、KH2PO4ではDCEの吸着抑制は大きい。添加塩の濃度が高いほど、DCEの吸着は抑制されるが、KH2PO4の抑制効果は飽和する。

【応用分野】
  水性媒体中の有機質の光触媒酸化に対する共存物質の影響評価

【出典/参考資料】
  「J Photochem Photobiol A  VOL. 108  NO. 1」、(1997年)、CHEN H Y、ZAHRAA O、BOUCHY M著、Elsevier Science SA発行、37頁〜44頁





【技術分類】
  1−A  酸化チタンの物性と光活性

【技術の名称】
  1−A−6−d  基質吸着

【技術内容】
  光触媒を用いた空気中の悪臭や汚染物質の酸化除去において、除去効率を高めるには比表面積の大きい、超微粒子触媒が必要である。これらは基質の吸着量を向上する物理的な要因である。一方酸化チタン(TiO2)は塩基性ガスの吸着に対して高い吸着能力を有するが、酸性ガスは殆ど吸着しないなど、化学的性質を反映した基質の吸着特性が問題となる。
  4大悪臭と呼ばれるTrimethylamine、NH3等の塩基性基質、硫化水素(H2S)、メチルメルカプタン(CH3SH)等の酸性・中性ガスについて、吸着と光触媒酸化を検討した結果を紹介する。これらの成分を全て除去するのに有効なZn(OH)2を15%担持したTiO2光触媒が開発されているが、TiO2単独に比較して暗時吸着量が大きいばかりでなく、光分解速度も大きい。TiO2単独ではCH3SHが殆ど吸着せず、またZn(OH)2も単独ではCH3SHの吸着能が低い。しかし観測された複合効果は低いながらもTiO2に比較して高いZn(OH)2の添加で、光照射下での吸着量が増大、光分解反応が促進されたことが原因である。

【図】
  図1  酸化チタン系触媒によるCH3SHの吸着と光分解
酸化チタン系触媒によるCH3SHの吸着と光分解
  出典:「特集 超微粒子半導体の光触媒・光表面反応 超微粒子酸化チタン光触媒の開発」、「表面科学  VOL. 16  NO. 3」、(1995年)、高岡陽一、安藤均著、日本表面科学会発行、211頁  Fig.3  超微粒子TiO2のST-01 (■)とST-31 (●)によるメチルメルカプタンの吸着と光触媒反応による除去。0.1gのTiO2を入れた8リットルの容器に4cc (500ppm)のメチルメルカプタンガスを注入する。暗中で2時間半経過したところでTiO2を紫外光照射(ブラックライト、紫外光強度 1mW/cm2)した。

  図1の説明:暗所での濃度低下は吸着によるもので、Zn(OH)2修飾TiO2 (ST-31)の方が遙かにCH3SHを吸着することが分かる。光照射すると、CH3SHの吸着力の大きいST-31の方が分解速度は大きい。

【応用分野】
  吸着力の向上による光触媒性能の向上

【出典/参考資料】
  「表面科学  VOL. 16  NO. 3」、(1995年)、高岡陽一、安藤均著、日本表面科学会発行、209頁〜212頁

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[更新日  2003.3.28]