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層状酸化チタン

技術分類

2-A 粉体触媒の製造

技術の名称

2-A-5 層状酸化チタン

技術内容

TiO2光触媒は細孔がなく基質の形状に基づく選択性が得られない。形状選択性を持つ光触媒を開発するため、トンネルや層状構造を持つTiO2(B) (H2Ti4O9)あるいはチタン酸(TTA)にPtを担持した触媒およびインターカレートしたTTAを調製して特性を検討した。

TTAはチタン酸塩(K2Ti4O9)を加水分解して得られる。K2Ti4O9はK2CO3とTiO2を1:3.5(mol比)で混合し、1023℃で20時間加熱して調製した。TTAはK2Ti4O9粉末をHNO3またはHClにより室温で、48時間加水分解して得られる。TiO2(B)は0.5N以下のHNO3水溶液によりK2Ti4O9を完全に加水分解し、乾燥後500℃で焼成して水分子を完全に除去することにより得られる。チタン酸塩は層状構造をしているが加水分解してもその構造は維持される。

塩化白金酸水溶液を用いて含浸法によりPtを2wt%担持した触媒を用いた2-プロパノール水溶液系の光反応では、H2生成の初速度は、TTAおよび高温処理したTiO2(B)が高かったが市販TiO2よりは低かった。テトラアミン白金から調製したTiO2(B)によるメタノールと2-プロパノールの光反応ではメタノールの反応速度が大きかった。

層状触媒であるTTA(一水和物)にベンジルアミン(BA)を水溶液あるいはメタノール溶液からインターカレーションした。図1にインターカレーションしたTTAのXRDパターンを示しており、2θ=10deg付近のピークがa/2(面間隔0.83nm)に相当する。図1から層間隔はそれぞれ0.13nmおよび1.06nmに拡大しており、BAが層間を平行および垂直にインターカレーションした構造となっている。BAをインターカレートしたTTAの光反応では内部BAが若干分解している可能性がある。

図1 ベンジルアミンをインターカレートしたチタン酸(TTA)のXRD

ベンジルアミンをインターカレートしたチタン酸(TTA)のXRD

出典:「形状選択性を有する新規半導体光触媒反応系の構築 (文部省S)」、「光反応ダイナミックス 平成6年度成果報告書および論文リスト 環境場制御による新展開」、(1995年)、大谷文章著、文部科学省発行、180頁 Fig.1 XRD patterns of TTA, a:K2Ti4O9, b:TTA, c:BA-TTA, d:C was washed with HCl, e:c was photoirradiated without solvent, and f:e was washed with HCl.

図1の説明:BAをインターカレートすると(c)このピークが低角度側にシフトするとともに、更に低角度(4.5deg)に大きなピークが出現した。これはTTAの層間隔がそれぞれ0.13nm、1.06nm拡大したことに対応している。HCl洗浄するとシフトしたピークが戻る(d)および(f)。

応用分野

層状酸化チタン化合物からの光触媒製造

出典/参考資料

「光反応ダイナミックス 平成6年度成果報告書および論文リスト 環境場制御による新展開」、(1995年)、大谷文章著、文部科学省発行、179頁~180頁

技術分類

2-A 粉体触媒の製造

技術の名称

2-A-5 層状酸化チタン

技術内容

結晶構造が二次元的な層状化合物は、層間にイオンや分子を挿入するインターカレーション反応が可能である。インターカレーションにより層状化合物のナノ空間に半導体を包接すると層状ナノコンポジットが得られ、半導体の微粒子化、ゲスト半導体からホストの層状化合物への効率的な電子移動反応による電子-正孔の再結合の抑制、量子サイズ効果によるバンド構造の変化等により光触媒活性の向上や可視光反応が期待できる。

ホストの層状化合物にはイオン交換能を有する化合物が用いられる。図1にH2Ti4O9へのCdS包接のフローシートを示す。イオン交換により層間にCd2+をインターカレート後H2Sと反応させて包接する。Cd2+の換わりにFe3+錯体を層間に取り込んだ後、層間のFe錯体を光分解又は熱分解すると、酸化鉄を包接することができる。また、酸化チタンの透明コロイド溶液と反応させ、更にUV照射により残存するアルコキシアミンを分解すると、酸化チタン包接層間ナノコンポジットが得られる。

可視光照射によるNa2S水溶液からの水素発生の場合、バルクのCd0.8Zn0.2Sは活性が低下するが、Cd0.8Zn0.2S包接層間ナノコンポジットは活性低下しない。また、n-型半導体であるH2Ti4O9等の層間に包接した方が優れた光活性を示すが、これはゲストのCd0.8Zn0.2Sからホストの層状化合物半導体への電子移動反応により電子-正孔の再結合が抑制されるためである。酸化鉄は水素発生能がないが、H2Ti4O9に酸化鉄を包接した層間ナノコンポジットは可視光照射下で水素発生を示し、層状化合物/酸化鉄層間ナノコンポジットでは酸化鉄のバンド構造が変化する。

図1 H2Ti4O9へのCdS包接のフローシート

H2Ti4O9へのCdS包接のフローシート

出典:「層間ナノコンポジットの調製と光触媒作用」、「触媒 VOL.44 NO.4」、(2002年)、佐藤次雄、SHU YIN著、触媒学会発行、235頁 Fig.2 Schematic illustration of the preparation of the cadmium sulfide incorporated nanocomposites.

図1の説明:インターカレートする場合、H2Ti4O9の層間のH+をi-C3H7NH3+等の嵩高いイオンと交換し、層間隔を拡大すると、その後のインターカレーション反応が容易になる。

応用分野

層状酸化チタン化合物からの光触媒製造

出典/参考資料

「触媒 VOL.44 NO.4」、(2002年)、佐藤次雄、SHU YIN著、触媒学会発行、234頁~239頁

[更新日 2003年3月28日]