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その他参考情報

利用管理

【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(1)  CPSA(Content Protection System Architecture)

【技術内容】
  CPSAは、複数の著作権技術をまたがってコンテンツのやり取りをする場合に、各々の技術が互いに関係し、有機的に機能するようにするためのアーキテクチャを定めている。つまり、有効な保護がなされた状態で、次の著作権保護技術に移れるようにするための総合的な枠組みである。CPSAは、アナログ、デジタルの両領域でオーディオ、ビデオコンテンツを保護し、物理的、電子的な流通方式を統合している。
  CPSAでは、電子透かしと暗号化という2つの主要技術を指定している。電子透かしはそれ自体がコンテンツを保護するのではなく、コンテンツ管理情報(CMI、CCI)を伝えるために使われる。コンテンツ保護は、装置がCMIに従ってコンテンツを管理することによって実現する。暗号化はデジタルコンテンツをスクランブルする方法であり、コンテンツが持つCMIによって復号が許可される。

【図】
  図1  セキュリティチェーン
セキュリティチェーン
  出典:「Content Protection System Architecture: A Comprehensive Framework for Content Protection」、「http://www.4centity.com/data/tech/cpsa/cpsa081.pdf」、(2000年2月17日)、4C Entity、 LLC発行、5頁  図1  Digital Content Protection Chain をもとに三菱総合研究所作成

【応用分野】
  CPRMCPPMCSSDTCPHDCP

【出典/参考資料】
  「Content Protection System Architecture: A Comprehensive Framework for Content Protection」、「http://www.4centity.com/data/tech/cpsa/cpsa081.pdf」、(2000年2月17日)、4C Entity、 LLC発行、1頁〜19頁(最終閲覧日 2004年2月17日)


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(2)  RINS

【技術内容】
  電子情報流通活性化という目的における著作権保護問題解決の緊急性から、汎用的な著作権保護システムが望まれる。またデジタルデータの特性から、著作物を簡単に再利用できる機能も求められる。
  本システムは、『「データ」を「実体」と「使用権」に分離し、データはユーザから隠す』というしくみを持つ。実体は「暗号データ」、使用権は「複号鍵」であり、著作権保護、高い流通性、使用権の携帯性を実現する。このしくみを実現するための技術を以下に述べる。
(1)ファイルシステム(FS)
  「暗号属性」を各ファイルに設定可能にすることで、復号化等をFSで暗黙に行い、データを今までと同じように扱えるようにする。
(2)使用権の管理
  不正コピーを防止するなど厳重な管理が要求されるため、耐タンパなハードウェアに記録する。安全な鍵配送に関しては権利流通プラットホーム等を用いる。
(3)利用時のデータ管理
  記録・流通においてデータは暗号化されるが、データの利用時にアプリケーション(APP)からのデータ流出を防止する必要がある。そこで既存のコンピュータシステムを流用し、OSによるAPP管理を行う。OSは保護すべきデータを渡したプロセスに対し、以後すべてのデバイス・プロセスへの出力を禁止する。

  再利用システムを実現するためには、著作物のファイル形式に依存しないことが求められる。つまり、リンク情報をファイルデータ内に埋め込めないため、FSにファイルに付随する「リンク属性」を設ける必要がある。

【図】
  図1  利用時のデータ保護
利用時のデータ保護
  出典:「著作権保護と著作物再利用システムの検討」、「第56回情報処理学会全国大会 2Y-08」、(1998年)、武井英明、森保健治著、(社)情報処理学会発行、1頁  図1  利用時のデータ保護

  図2  RINSにおける再利用機能
RINSにおける再利用機能
  出典:「著作権保護と著作物再利用システムの検討」、「第56回情報処理学会全国大会 2Y-08」、(1998年)、武井英明、森保健治著、(社)情報処理学会発行、2頁  図2  リンクファイルのオープン

【出典/参考資料】
  「著作権保護と著作物再利用システムの検討」、「第56回情報処理学会全国大会 2Y-08」、(1998年)、武井英明、森保健治著、(社)情報処理学会発行、1頁〜2頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(3)  Software Protection Scheme based on ZK Proof

【技術内容】
  デジタルコンテンツはコピーや不正使用に弱いため、ソフトウェアの著作権侵害は電子商取引において重大な関心事となる。そこで、ソフトウェア流通の強化と保護モデルが提案されている。このモデルはゼロ知識証明(ZK proof)を基にした簡単な処理だけで正規ユーザの認証を行い、不正コピーを防止する。
  提案モデルはユーザのライセンスとソフトウェア流通を基に設計されている(図1)。製作者は作成したソフトウェアをそのID情報と共に取引サーバに登録する。消費者は欲しいソフトウェアを選択し、購入した後で自分の情報を登録する。取引サーバは固有鍵を使って署名したライセンスを消費者に発行する。ライセンスは認証局から消費者の公開鍵を受け取り、それを用いて作成する。
  提案モデルはユーザ認証にZK proofを用いる。ZK proofの概念はFFS(Feige-Fiat-Shamir)プロトコルによって例示される。FFSに基づくソフトウェア配信手順を図2に示す。不正コピーを防止するために、ソフトウェアの主な実行ファイルをまとめ、それが実行されたときに認証機関がFFSのようなZK proofに基づいてユーザを認証する。実行ファイルを実行する際、実行ファイルの復号とユーザ認証が同時に行われる(図3)。
  またライセンスを用いることによって、不正にコピーされたソフトウェアを発見したときにそのオリジナルの所有者を追跡することができる。

【図】
  図1  提案モデルの構成
提案モデルの構成
  出典:「A Secure and Efficient Software Protection Model for Electronic Commerce」、「IEEE Trans. Commun. Vol.E84-B No.11」、(2001年11月)、Sung-Min LEE、Tai-Yun KIM著、IEEE Press発行、2999頁  図1  Overall framework of the proposed model をもとに三菱総合研究所作成

  図2  FFSに基づくインストール
FFSに基づくインストール
  出典:「A Secure and Efficient Software Protection Model for Electronic Commerce」、「IEEE Trans. Commun. Vol.E84-B No.11」、(2001年11月)、Sung-Min LEE、Tai-Yun KIM著、IEEE Press発行、3000頁  図2  Secure installation based on FFS scheme をもとに三菱総合研究所作成

  図3  認証手順
認証手順
  出典:「A Secure and Efficient Software Protection Model for Electronic Commerce」、「IEEE Trans. Commun. Vol.E84-B No.11」、(2001年11月)、Sung-Min LEE、Tai-Yun KIM著、IEEE Press発行、3001頁  図3  Authentication procedure when software is executed をもとに三菱総合研究所作成

【出典/参考資料】
  「A Secure and Efficient Software Protection Model for Electronic Commerce」、「IEEE Trans. Commun. Vol.E84-B No.11」、(2001年11月)、Sung-Min LEE、Tai-Yun KIM著、IEEE Press発行、2997頁〜3005頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(4)  カプセル化コンテンツの利用制御技術

【技術内容】
  インターネット上でのデジタルコンテンツの販売はコストが大幅に削減できる流通手段として有用である反面、コンテンツの不正コピーの危険性など、問題点も多い。デジタルコンテンツを流通させる上で、コンテンツの提供者に対してはその権利と利益を保護し、利用者に対しては簡単かつ効果的に各コンテンツによるサービスを提供することが求められる。
  本システムはコンテンツを暗号化し、その制御情報や管理情報とともにパッケージ化して流通させるカプセル化技術を用いる。カプセル化されたコンテンツはそれ自体の複製は容易だが、暗号化されているため正規の手続きにより復号しなければ利用できない。本システムでは、コンテンツ自体とは別経路でTicketと呼ぶコンテンツの「利用券」を販売する。各Ticketにはコンテンツの復号鍵の他に利用条件や課金条件が記述され、ユーザがその利用形態に応じたTicketを購入することで、1つのカプセル化コンテンツで複数のサービスを提供することができる。本システムにおけるコンテンツ流通の流れを説明する(図1)。
(1)Encapsulation:コンテンツ提供者がコンテンツをカプセル化する。
(2)Registration:発券サーバのACL(Access Control List)にサービス内容やそれを提供できる条件といったライセンス内容を登録する。
(3)Distribution:カプセルはインターネット上やCD-ROMを媒体として流通する。
(4)Access:ユーザがカプセル化コンテンツを入手する。
(5)Authorization:発券サーバからTicketを発行する。
(6)Use:カプセルを復号しコンテンツを使用する。

【図】
  図1  コンテンツ流通の流れ
コンテンツ流通の流れ
  出典:「RightsShell: A Digital Rights Management and Usage Control System for the Broadband Internet」、「NEC Res. & Develop. Vol.43, No.3」、(2002年7月)、Itaru HOSHINO、Masayuki NAKAE、Sumitaka OKAJO、Shunji ICHIYAMA著、NEC Mediaproducts, Ltd発行、213頁  図1  Basic flow of content distribution in RightsShell architecture をもとに三菱総合研究所作成

【応用分野】
  超流通

【出典/参考資料】
  「RightsShell: A Digital Rights Management and Usage Control System for the Broadband Internet」、「NEC Res. & Develop. Vol.43, No.3」、(2002年7月)、Itaru HOSHINO、Masayuki NAKAE、Sumitaka OKAJO、Shunji ICHIYAMA著、NEC Mediaproducts, Ltd発行、213頁〜217頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(5)  コンテンツと分離したライセンス制御方式

【技術内容】
  インターネットの発達によってデジタルコンテンツの流通が盛んになる一方で、不正コピーによる著作権の利益侵害が大きな問題となる。この問題を解決するために、安全性の高い制御方式が提案されている。
  このライセンス制御方式(図1)は、ライセンスとデジタルコンテンツを分離し、階層的に暗号化され、コンテンツ復号鍵とライセンスを暗号化したライセンスファイルのみを流通させるため、ライセンスの購入/変更が容易である。更に、ライセンス判定/復号ルーチン暗号化ソフトウェアと結合して実装し(図2)、暗号化ソフトウェアはライセンスと同一CPU内で復号しながら実行する。
  本方式では、判定復号ルーチンを暗号化することによってライセンス判定部の改竄をより難しくしている。暗号化されている判定復号ルーチンを判定復号ルーチン1、判定復号ルーチン1を復号するものを復号ルーチン2とする。ライセンスファイルには暗号化された判定復号ルーチン1の復号鍵Kxが含まれ、次の手順で実行される(図3)。
(a)判定復号ルーチン2は内蔵するライセンス復号鍵KLでライセンスファイルを復号し、有効性を判定
(b)Kxで暗号化された判定復号ルーチン1を復号
(c)判定復号ルーチン1でライセンス判定を行い、ライセンスファイルに含まれるコンテンツ復号鍵Kcで暗号化された実行形式を復号しつつ実行
  ライセンス判定部分の改竄は、復号鍵Kxを知らなければできないようになっている。また、ライセンスファイルの暗号化は公開鍵暗号の秘密鍵Klsで行われており、ライセンスファイルの改竄に対する安全性は、公開鍵暗号の安全性により保証される。

【図】
  図1  基本的なライセンス制御
基本的なライセンス制御
  出典:「安全性と信頼性に配慮したソフトウェア期間貸し方式」、「コンピュータセキュリティシンポジウム 2000」、(2000年10月)、秋山浩一郎、梶浦正浩、後藤哲也、高橋俊成著、(社)情報処理学会発行、21頁  図1  基本的なライセンス制御 をもとに三菱総合研究所作成

  図2  ソフトウェアのライセンス制御
ソフトウェアのライセンス制御
  出典:「安全性と信頼性に配慮したソフトウェア期間貸し方式」、「コンピュータセキュリティシンポジウム 2000」、(2000年10月)、秋山浩一郎、梶浦正浩、後藤哲也、高橋俊成著、(社)情報処理学会発行、21頁  図2  ソフトウェアのライセンス制御 をもとに三菱総合研究所作成

  図3  ライセンス判定部の改竄防止
ライセンス判定部の改竄防止
  出典:「安全性と信頼性に配慮したソフトウェア期間貸し方式」、「コンピュータセキュリティシンポジウム 2000」、(2000年10月)、秋山浩一郎、梶浦正浩、後藤哲也、高橋俊成著、(社)情報処理学会発行、21頁  図3  ライセンス判定部の改竄防止 をもとに三菱総合研究所作成

【応用分野】
  SPAgent

【出典/参考資料】
  「安全性と信頼性に配慮したソフトウェア期間貸し方式」、「コンピュータセキュリティシンポジウム 2000」、(2000年10月)、秋山浩一郎、梶浦正浩、後藤哲也、高橋俊成著、(社)情報処理学会発行、19頁〜24頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(6)  暗号化技術を用いた権利流通プラットホーム

【技術内容】
  コンテンツ所有者が安心してコンテンツを配信できる場を実現するための、コンテンツの不正利用防止機能を持つ権利流通プラットホームである。
  コンテンツを暗号化コンテンツと復号鍵に分離して扱う。暗号化コンテンツはそのまま利用者に配送し、復号鍵は利用者の所有する情報記録媒体の書き換え不可能なIDを利用し、変形してから配送する。暗号化コンテンツを復号するには、利用者の情報記録媒体のIDが必要になり、購入後のコンテンツを他の情報記録媒体やPCにコピーしても利用不可能となる。
  ネットワーク上の盗み見を防ぐためにコンテンツを暗号化したうえで、改竄、なりすましを防ぐため電子署名をかける情報のカプセル化技術、安全な復号鍵配送技術、および電子クーポンと呼ばれる小額決済技術を用いる。

【図】
  図1  配送方式
配送方式
  出典:「不正コピー防止を考慮したコンテンツ販売システム」、「情報処理学会研究報告 EIP No.7 Vol.3」、(2000年1月29日)、上野正巳、庵祥子、三宅延久、武井英明著、(社)情報処理学会発行、22頁  図4  InfoBindの基本的な配送

【応用分野】
  著作権保護を可能にする画像情報流通システム

【出典/参考資料】
  「不正コピー防止を考慮したコンテンツ販売システム」、「情報処理学会研究報告 EIP No.7 Vol.3」、(2000年1月29日)、上野正巳、庵祥子、三宅延久、武井英明著、(社)情報処理学会発行、17頁〜24頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(7)  汚染データ配信方式

【技術内容】
  画像型ディジタルコンテンツの不正コピーの問題に関して、計算機に画面のカット&ペースト機能が付加されている限り、いかなる暗号化も役に立たない。そこで、ディジタル画像を意図的に汚染することにより、不正コピーを無効化する方法が提案されている。
  意図的汚染とは対象コンテンツの実効的価値、商品的価値を意図的に損なうことを目的としている。汚染方法としてはぼかし型汚染方式輝度値変更型汚染方式を採用し、次のように動作する。
(1)ディジタルコンテンツの所有者/配布者Pは配布したい画像型ディジタルコンテンツを汚染し、購入者Uにこれを配布する。
(2)Uが受け取った汚染コンテンツは人間の眼には汚染のない画像(オリジナル画像)として知覚される。
  コンテンツの汚染は人間の眼において除去されるため、汚染除去のフェーズを陽的に用意する必要はない。汚染されたコピーは実用面でも商品的にも価値がなく、コピーすることは無意味となる。

【図】
  図1  汚染コンテンツを基盤とした流通システム
汚染コンテンツを基盤とした流通システム
  出典:「汚染データ配信方式による画像型ディジタルコンテンツの知的財産権保護」、「1999年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集 Vol.1」、(1999年)、松本昭則、西垣正勝、曽我正和、田窪昭夫著、(社)電子情報通信学会発行、439頁  図2  汚染コンテンツを基盤とした流通システム

【出典/参考資料】
  「汚染データ配信方式による画像型ディジタルコンテンツの知的財産権保護」、「1999年暗号と情報セキュリティシンポジウム予稿集 Vol.1」、(1999年)、松本昭則、西垣正勝、曽我正和、田窪昭夫著、(社)電子情報通信学会発行、439頁〜444頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(8)  音楽コンテンツの不正流通防止技術

【技術内容】
  インターネットによる音楽配信などが普及し、音楽コンテンツをパソコンで管理するような状況において、コンテンツを不正にコピーしたり、ネットワーク上に流出させたりなどという不正が容易に行われることが問題となる。本技術はこのような不正行為からコンテンツの著作権を保護するためのコンテンツ管理保護技術である。
  本技術は、パソコンに取り込んだ音楽データの著作権を保護し、外部機器やメディアに音楽データなどのコンテンツを転送する際に不正コピーを防ぐ仕組みとしてチェックイン・チェックアウトの機能が備わっている。チェックアウトとはパソコンに取り込んだ音楽データなどを対応機器やメディアに転送することであり、チェックインとはパソコンから外部機器やメディアに転送した音楽データなどを転送した時と同じパソコンに戻すことで、これによってチェックアウトで減ったカウント数は元に戻る仕組みになっている。外部に転送する回数を管理することにより無制限にコピーされることを防ぐ機能であり、その回数についてはコンテンツホルダーにて決められる。

【図】
  図1  「OpenMG」ワールド
「OpenMG」ワールド
※2004 Sony Corporation
  出典:「OpenMG」、http://www.openmg.com/jp/index.html

【出典/参考資料】
  「OpenMG」、http://www.openmg.com/jp/index.html   (最終閲覧日 2004年2月17日)


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(9)  自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式

【技術内容】
  インターネットを介したコンテンツ流通ビジネスの発展に伴い、著作権保護方式の重要性は増しているが、ユーザの自由度を制限するものが多く利便性が低い。再生装置やコンテンツを購入する際に所有者証明情報を付加させ、再生時に両情報をチェックして再生を許可する方式が提案されている(図1)。
  本方式は証明書発行局(CI)、配信サーバ(SH)、再生装置(PL)、PCの4つから構成され、以下の4つの操作を含む。前提条件としてCI、SHの内部処理は非公開であり、PLには耐タンパ性があるとする。
(1)再生装置の所有者証明発行(図2)
  CIは個人識別情報から第1乱数を発生させ、この2つをリスト情報としてCI内部で保管すると共にSHに送信する。また暗号化して所有者証明情報を作成し、PLに記憶させる。
(2)コンテンツ購入(図3)
  SHは新たに第2乱数を発生させコンテンツを暗号化し、第1乱数と第2乱数を用いて復号鍵を生成する。この2つからカプセルコンテンツを生成し、送信する。
(3)再生(図4)
  PLの所有者証明情報が発行される時に使用された個人識別情報とカプセルコンテンツの購入時に使用された個人識別情報が等しいときのみ再生が可能となる。
(4)私的コピー(図5)
  ここで私的コピーとは、所有者が等しい複数の再生装置間でのコピーとする。再生時と同様、個人識別情報の等しいPLとコンテンツでしかコピーは行えない。つまり、第三者に譲渡するにはPLと所有者証明情報とカプセルコンテンツの3つをセットにする必要がある。

【図】
  図1  提案モデル
提案モデル
  出典:「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、40頁  図1  提案モデル をもとに三菱総合研究所作成

  図2  再生装置の所有者証明情報発行
再生装置の所有者証明情報発行
  出典:「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、42頁  図3  再生装置の所有者証明情報発行 をもとに三菱総合研究所作成

  図3  コンテンツ購入
コンテンツ購入
  出典:「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、42頁  図4  コンテンツ購入 をもとに三菱総合研究所作成

  図4  コンテンツ再生
コンテンツ再生
  出典:「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、42頁  図5  コンテンツ再生 をもとに三菱総合研究所作成

  図5  私的コピー
私的コピー
  出典:「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、42頁  図6  私的コピー をもとに三菱総合研究所作成

【出典/参考資料】
  「自由度の高い私的コピーを実現する著作権保護方式」、「情報処理学会 電子化知的財産・社会基盤 研究報告 No.11 Vo.9」、(2000年)、藤井治彦、武井英明、中里加奈、庵祥子、三宅延久著、(社)情報処理学会発行、39頁〜46頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(10)  超流通

【技術内容】
  デジタル情報はオリジナルと同品質のコピーを高速かつ安価に作ることが可能である。この性質は、知的財産権処理を困難にする原因であり、また特許権に関する問題も引き起こしている。超流通は電子的著作権管理システムであり、ディジタルコンテンツの円滑な流通を可能にする基盤技術である。コンテンツの所有ではなく利用に対して課金を行う。超流通において流通するコンテンツには、超流通ラベル(Superdistribution Label)という電子的な情報を付加する。
  超流通システムは次の性質を満たす。
(1)情報利用者は、ほとんどまたは全く無料で入手することができ、情報提供者が指定した条件の下でいつでも利用できる。
(2)情報提供者は、その情報の 利用を許可する条件を指定できる。
(3)情報提供者が指定する以外の改変は防止される。
(4)以上の各項のための面倒な手続きを必要としない。
  また、超流通システムは次の機能を提供する。
(1)情報提供者は任意の経路を用いて大量かつ安全に情報を提供することができる。
(2)情報利用者は任意の経路を用いて大量かつ安全に情報を入手し利用できる。
(3)情報提供者の権利と利用者の便利さとは保証される。
  超流通システムの一例(図1)を説明すると、ユーザは計算機にSUM(Software Usage Monitor)を取り付け、プログラムが実行されるとSUMはプログラムに電子的に添付された使用条件をもとに使用記録を作成・管理する。ユーザはあらかじめ設定された条件にしたがって使用記録を転送することによって課金される。超流通においては従来の有体物の取引では不可能であったような、試用課金、従量課金、特別許諾、無料だが使用状況の報告を義務付けるものなど、様々な課金形態が可能であり、コンテンツの特色に応じて自由に選択することができる。
  超流通の実現には必ずしも特殊なハードウェアは必要なく、実装方法にはセキュリティ、プライバシ保護の重要度、コンテンツの価値などを考慮した幅広い選択肢がある。

【図】
  図1  超流通システムの一例
超流通システムの一例
  出典:「マルチメディア社会をめぐる法律問題−知的財産権を中心として− 7.超流通:知的財産権処理のための電子技術」、「情報処理学会論文誌 Vol.37 No.2」、(1996年2月)、森亮一、河原正治、大瀧保広著、(社)情報処理学会発行、158頁  図1  超流通システムの一例

【応用分野】
  ソフトウェア流通

【出典/参考資料】
  「超流通技術開発の最近の動向」、「情報処理学会研究報告(EIP‘98) No.2 Vol.2」、(1998年9月19日)、河原正治、大瀧保広、森亮一著、(社)情報処理学会発行、9頁〜14頁
  「マルチメディア社会をめぐる法律問題−知的財産権を中心として− 7.超流通:知的財産権処理のための電子技術」、「情報処理学会論文誌 Vol.37 No.2」、(1996年2月)、森亮一、河原正治、大瀧保広著、(社)情報処理学会発行、155頁〜161頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(11)  電子チケットシステム

【技術内容】
  現実世界で流通する興行チケット等の様々な権利を電子商取引の対象に加えられればよりいっそうの普及が可能との考えから、権利をチケットとして電子化して流通させる基盤である電子チケットシステムが提案されている。チケットには様々な分野があり、特有の処理が存在する。それら特有の処理をアプリケーション(AP)で行い、共通する処理を権利流通基盤として実現する(図1)。機能概要を以下に示す。
(1)初期化、終了機能
  エージェントと呼ばれる、チケットを流通・操作する電子的主体を設け、全ての機能はAPがエージェントとの接続を行うことにより実行できる。
(2)流通機能
  全てのチケットは発行、0回以上の譲渡、行使というライフサイクルをもち、これらの動作をAPからの指示を受け実行する機能。
(3)蓄積機能
  有効期限切れや使用済みのチケットなどを利用者の意志で削除する機能。
(4)情報取得機能
  チケットの内容を照会する機能。関連するチケットを取得する機能。

  また、本システムはクライアント、サーバ共に同一のソフトウェア構成で実現され、大きくチケット財布、インタフェーサ、エージェント管理、流通制御、電子チケットパーザ、および蓄積系にわけられる(図2)。チケット本体を格納する媒体は耐タンパ装置に限らなくてもよく、リモートのディスクストレージとしてサーバによる一元管理も可能(リモートストレージ方式)。

【図】
  図1  チケット発行の流れ
チケット発行の流れ
  出典:「権利流通基盤のための汎用デジタルチケットシステム」、「コンピュータセキュリティシンポジウム’99論文集」、(1999年10月)、水野康尚、千綿伸之、大嶋嘉人、松山一雄著、(社)情報処理学会発行、95頁  図1  発行の流れ

  図2  電子チケットのソフトウェア構成
電子チケットのソフトウェア構成
  出典:「権利流通基盤のための汎用デジタルチケットシステム」、「コンピュータセキュリティシンポジウム’99論文集」、(1999年10月)、水野康尚、千綿伸之、大嶋嘉人、松山一雄著、(社)情報処理学会発行、97頁  図2  FlexTicketのソフトウェア構成

【応用分野】
  コンテンツライツマネジメント方式、音楽流通システム、興行チケットシステム

【出典/参考資料】
  「権利流通基盤のための汎用デジタルチケットシステム」、「コンピュータセキュリティシンポジウム’99論文集」、(1999年10月)、水野康尚、千綿伸之、大嶋嘉人、松山一雄著、(社)情報処理学会発行、93頁〜98頁
  「著作権を保護した音楽配信プラットホーム」、「NTT R&D Vol.48 No.10」、(1999年)、山本博伸、荒木秀教、野村進、山下康博、浅野真樹著、(社)電気通信協会発行、762頁〜769頁


【技術分類】
  A−1−1  セキュリティシステムアーキテクチャ/コンセプト/利用管理

【技術の名称】
  A−1−1(12)  動的復号型表示方式

【技術内容】
  動的復号型表示方式では、暗号化された画像コンテンツの復号をディスプレイ表示直前に行う表示方式である。表示に際して、VRAMを含むCPUの管理するいかなる記憶装置にも、暗号化されていない画像データが残ることがないためスクリーンキャプチャ機能等による画像データの漏洩を防止することができる。暗号化はX軸方向に連続した4画素を1単位として行われる。各画素のRGB成分のうち、GB成分の64ビットを暗号化する。R成分は暗号化しない。また、表示される画像の中で、暗号化されている画素と暗号化されていない画素があることを想定し、暗号化されている画素を明示するための識別フラグビットを加え、1画素25ビットで表現する。
  動的復号型表示方式では、RAMDACにおけるD/A変換の動作速度に追従できるデータ処理速度が求められるため、共通鍵ブロック暗号方式であり、ハードウェアによる高速な暗号化処理が可能なMISTY2を用いる。

【図】
  図1  動的復号型表示方式における画像の暗号化
動的復号型表示方式における画像の暗号化
  出典:「動的復号型表示方式による画像コンテンツの不正コピー防止」、「情報処理学会論文誌Vol.42、No.8」、(2001年)、西垣正勝、小澤卓也、曽我正和、田窪昭夫著、(社)情報処理学会発行、1984頁  図2  4画素単位による画像の暗号化

【応用分野】
  画像著作物コンテンツ保護

【出典/参考資料】
  「動的復号型表示方式による画像コンテンツの不正コピー防止」、「情報処理学会論文誌Vol.42、No.8」、(2001年)、西垣正勝、小澤卓也、曽我正和、田窪昭夫著、(社)情報処理学会発行、1983頁〜1991頁

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