【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−1 大規模PLAのセルフテスト


【技術内容】

 PLAを4つの回路ブロックに分割し、決定論的なテストパターンの発生と圧縮を行うBILBO(built-in logic block observer)を用いてBISTを行う。

 (1)回路構成

 図1に大規模PLAをセルフテストする構成を示す。PLAはビット分割ネットワークと第1、第2のNOR−平面(それぞれAND、OR平面)と出力インバータに分割され、3つのBILBOが設けられている。

 (2)回路動作

 テストは3ステップよりなる。まず、BILBO1によりテストパターンが生成され、その応答がBILBO2で圧縮され、シグネチャが出力されて、AND平面がテストされる。次に、BILBO2がテストパターンを生成し、その応答がBILBO3で圧縮されシグネチャが出力され、OR平面がテストされる。出力インバータとビット分割ネットワークは、BILBO3がテストパターンを発生し、その応答をBILBO1で圧縮することでなされる。NOR−平面の入力の縮退1故障と出力の縮退0故障は、入力すべてが0のテストパターンで検出できる。入力の縮退0故障は、その入力線だけが1で他は0のパターンで検出できる。出力の縮退1故障は入力の縮退0故障で支配されているので、k入力のNOR-平面はk+1のテストパターンで評価できる。入力線のショート、出力線のブリッジ、交点不良も同様である。


【図】

 図1 セルフテストPLAのアーキテクチャ

図1 セルフテストPLAのアーキテクチャ

 出典:「A Hardware Approach to Self-Testing of Large Programmable Logic Arrays」、「IEEE Transactions on Computers, VOL.C30.No.11」、(1981年11月)、Wilfried Daehn、Joachin Mucha著、IEEE発行、830頁 FIGURE3 Architecture of a self-testing PLA

 Copyright (c) 1981 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「A Hardware Approach to Self-Testing of Large Programmable Logic Arrays」、「IEEE Transactions on Computers, VOL.C30.No.11」、(1981年11月)、Wilfried Daehn、Joachin Mucha著、IEEE発行、829頁〜833頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−2 パリティカウンタを用いたテスト応答結果の圧縮


【技術内容】

 通常のPLAのテスト方法においては、被試験回路に入力テスト系列が印加されると、回路応答は系列ごとに1つ1つ前もって得られている正しい応答と比較される。パリティカウンタを用いることにより、回路の応答は圧縮され、所定の時刻にのみ期待値と比較することで良否判断が可能となる。

 (1)回路構成

 図1(a)に通常のテスト方法、(b)にパリティカウンタを用いたテスト方法、(c)にパリティカウンタの概念図を示す。

 (2)回路動作

 PLAではスタック故障、クロスポイント故障、短絡故障がテスト対象となる。テストシーケンスとパリティシーケンスは独立に行われ、テストシーケンスτn、m+2はシフトレジスタで容易に構成される。また、パリティシーケンスはシーケンス長が9ステップで比較応答データ量は非常に小さい。


【図】

 図1 テスト方法(a)通常テスト(b)パリティカウンタ方式(c)パリティカウンタ

 図1 テスト方法(a)通常テスト(b)パリティカウンタ方式(c)パリティカウンタ

 出典:「A New PLA Design for Universal Testability」、「IEEE TRANSACTIONS ON COMPUTERS, VOL. C-33, NO.8」、(1984年8月)、Hideo Fujiwara著、IEEE発行、748頁 Fig.4. Testing scheme. (a) Conventional testing scheme (b) Parity compression testing scheme (c) Parity counter

 Copyright (c) 1984 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「A New PLA Design for Universal Testability」、「IEEE TRANSACTIONS ON COMPUTERS, VOL. C-33, NO.8」、(1984年8月)、Hideo Fujiwara著、IEEE発行、745頁〜750頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−3 テスト容易なPLAアーキテクチャ


【技術内容】

 少ない付加回路を用い、通常動作に対する遅延を生じることなく、それでも高い故障検出率(すべての単一故障とほとんどの多重故障)が得られ、かつテスト容易なPLAのアーキテクチャ。ただし、テストパターンと出力応答はPLAの機能に依存するため、組み込みテストには不向きであり、またテストのためのピン数が増加している。

 (1)回路構成

 図1に本手法によるPLAのアーキテクチャを示す。付加回路はすべての積項線と接続されている出力線Z*とrビットのシフトレジスタのみである。これまでのテスト容易化回路に較べ、入力ビット線を選択するための付加回路が無いのが特徴である。

 (2)回路動作

 シフトレジスタは、任意の積項線を選択(または非選択)するのに用いる。テストは次の3ステップよりなる。

 第1ステップ:付加回路であるシフトレジスタのテストを行う。Sinからr個の0とr個の1を入力し、Soutより読み出す。次に出力Z*を1、0にセットするためにレジスタと入力を設定する。Z*が0または1に縮退していれば、これらの入力条件により故障が検出できる。

 第2ステップ:AND平面のテストとして、シフトレジスタにすべて1をセットし、すべての積項線が非選択となったかどうかを確認することにより、素子の存在がテストできる。

 次に、積項線Piごと(i=1〜r)に、Piを除く積項線を非選択とした状態(S(i)で表わす)で、Piを選択する入力ベクトルX(i)を印加する。このとき、Z*が0であれば、故障が検出できる。次に、S(i)をそのままにした状態で、入力変数の1つを変化する。もしその入力変数がZ*に影響しないのであれば、Z*が変化したことにより故障が検出できる。またZ*に影響する変数であれば、変化しないことを観測することにより故障が検出できる。

 第3ステップ:OR平面のテストとして、1度に1つの積項線を活性化し、PLAの出力パターンを読み取り、期待値と比較する。これは前のステップと同時に行っても良い。

 以上により、n入力数、r積項線数のPLAに対して、(n+2)・r+2のテストパターン数でテストができる。


【図】

 図1 容易にテスト可能なPLAのアーキテクチャ

図1 容易にテスト可能なPLAのアーキテクチャ

 出典:「A Testable PLA Design with Low Overhead and High Fault Coverage」、「IEEE TRANSACTIONS ON COMPUTERS, VOL.C-33,NO.8」、(1984年8月)、Javad Khakbaz著、IEEE発行、744頁 FIGURE2 The easily testable PLA architecture

 Copyright (c) 1984 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「A Testable PLA Design with Low Overhead and High Fault Coverage」、「IEEE TRANSACTIONS ON COMPUTERS, VOL.C-33,NO.8」、(1984年8月)、Javad Khakbaz著、IEEE発行、743頁〜745頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−4 多重故障に対する拡大(Augmented)PLA方式


【技術内容】

 完全に汎用化された(テスト結果がPLAにインプリメントされている論理関数に依存しない)入力テストパターンを用い、かつ小さいオーバヘッド(排他的論理和ツリーの除去)で、多重故障を検出できるテスト方法である。しかし、多重故障を前提としたときには出力応答は実現機能に依存する。

 (1)回路構成

 図1に、入力数n、積項数m、出力数1のPLAに対するテスト回路を示す。付加されているのは、入力デコーダとANDアレイ間に配置された2本の制御線とそのアレイ、シフトレジスタ、1本の積項線Pm+1、1本の出力線Zである。ここで、積項線Pm+1はすべての入力線との交点に素子を有し、出力線Zはすべての積項線との交点に素子を有している。

 (2)回路動作

 制御線C1、C2はそれぞれ1のときに入力線Q2i-1、Q2iを不活性化する。シフトレジスタは選択する積項線を0に、他を1に設定することにより任意の積項線を選択できる。制御線により任意の入力線の選択ができる。Q2iを選択するには、入力Xiを1に、他の入力を0に設定し、C1を1にC2を0とすれば良い。追加の積項線は、デコーダ、制御アレイ部の縮退、交点、短絡故障の検出と、ANDアレイの各行の縮退、短絡故障を検出するのに用いられる。考察している多重故障は、次のような故障が同時に生じる場合である。

 1.各線X、C、Q、P、F、Z、およびSの縮退故障

 2.制御アレイ、ANDアレイ、ORアレイの交点故障

 3.各線の近接ブリッジ故障

 表1のテストパターンTn,m+1を印加することにより、テスト系列2nm+2n+m+3で、上記1.から3.の任意の組み合わせに対して故障の検出が可能である。


【図】

 図1 多重故障のための拡大PLA

図1 多重故障のための拡大PLA

 出典:「A New PLA for Universal Testability 」、「IEEE Transactions on Computers, VOL. C-33,No.8」、(1984年8月)、Hideo Fujiwara著、IEEE発行、747頁 FIGURE1 Augmented PLA for multiple faults

 Copyright (c) 1984 IEEE


 表1 万能テスト集合Tn,m+1

<P>表1 万能テスト集合Tn,m+1</P>

 出典:「A New PLA for Universal Testability 」、「IEEE Transactions on Computers, VOL. C-33,No.8」、(1984年8月)、Hideo Fujiwara著、IEEE発行、747頁 TABLE1 UNIVERSAL TEST SET Tn,m+1

 Copyright (c) 1984 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「A New PLA for Universal Testability 」、「IEEE Transactions on Computers, VOL. C-33,No.8」、(1984年8月)、Hideo Fujiwara著、IEEE発行、745頁〜750頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−5 付加回路の少ないPLAのテスト容易化


【技術内容】

 積項線の制御性を上げるためにシフトレジスタを付加する方法では、PLAの高密度設計に反し面積オーバヘッドが大きくなり過ぎる欠点がある。ここでは、追加入力線を付加し、交点の素子の有無を適切に設定することで、容易に故障検出可能なテストパターンが作成できる方法を提案している。

 (1)回路構成

 図1に本手法を説明する一例として、簡単なPLAをTestablePLAに変形した図を示す。上段が元々のPLAを、下段に2本の追加入力線を付加したTestablePLAを示す。下図の右側に各積項線をテストするための主テストパターンを示す。

 (2)回路動作

 本手法が検出しようとする故障は、任意個数の縮退故障と任意個数の交点故障である。まず、元々のPLAの特性行列Cを作成する。積項線数p、入力線数nのPLAに対し、行列成分C(i,j)を、i番目の積項線とj番目の入力の真ビット線との交点に素子が存在するときは1、補ビット線に素子が存在するときは0、真ビット線にも補ビット線にも素子が存在しないときはX(Don’t care)として、行列Cを作成する。各積項線をテストするための主テストパターンはTestablePLAの特性行列Cの0と1を入れ換えた系列である。例えば、図における第3行目の積項線の主テストパターンは(00110)であり、次にこのパターンの各ビットを1つだけ変えた5つのテストパターンを補助テストパターンと呼び、1つの積項線の故障の有無はこれら6つのテストパターンを入力線に印加し、その結果を判定することで故障の有無が判定できる。


【図】

 図1 TestablePLAの形成

図1 TestablePLAの形成

 出典:「Lower Overhead Design for Testability of Programmable Logic Arrays」、「IEEE Transactions on Computers, VOL.C-35,No.4 April」、(1986年4月)、Saied Bozorgui-Nesbat、Edward J.McCluskey著、IEEE発行、381頁 FIGURE3 Testable PLA generated from PLA of Fig.1

 Copyright (c) 1986 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「Lower Overhead Design for Testability of Programmable Logic Arrays」、「IEEE Transactions on Computers, VOL.C-35,No.4 April」、(1986年4月)、Saied Bozorgui-Nesbat、Edward J.McCluskey著、IEEE発行、379頁〜383頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−6 自律テスト方式


【技術内容】

 出力信号を入力側に帰還させる手段を有する回路を自律回路という。外部からテストパターンを加えることなくクロック信号のもとで自律テストを実行することができる。

 (1)回路構成

 図1に、入力数n、積項線数m、出力数1の自律テスト可能なPLAのブロック図を示す。同図で、入力回路、積項線セレクタ、フラグ回路、ANDパリティ回路、ORパリティ回路、フィードバック値発生器がテストのため付加されており、またAND、ORアレイの右側に4本の積項線Wm+1からWm+4が、ORアレイの最下部に2本の出力線Ol+1、Ol+2が追加されている。ここで、Wm+1はANDパリティ積項線で、ANDアレイの各入力線の交点の接続数が奇数となるように接続され、ORアレイとはOl+1との交点でのみ接続を有する。Wm+2、Wm+3はANDアレイでは接続されず、ORアレイではOl+2を除くすべての出力線と接続されている。Wm+4はすべての入出力線と接続されている。Ol+1はORパリティ出力線で、ORアレイ内の積項線W1からWmの接続数が奇数となるように接続され、Wm+1からWm+4とはすべての交点で接続されている。各パリティ回路は、排他的論理和ツリーで構成され、各々積項線W1からWm+2、出力線O1からOl+2のパリティを計算し、出力としてZ1、Z2を出力する。入力回路はnビット長のシフトレジスタで、テストパターンを供給する。積項線セレクタは(m+4)ビット長のシフトレジスタで、積項線を活性化する。

 (2)回路動作

 制御信号によりテストモードに入ると、テストパターンの初期値が入力回路と積項線セレクタにセットされ、クロック信号に同期してテストが行われる。積項線、出力線は各パリティ回路で圧縮され、その出力Z1、Z2とWm+3、Wm+4とがフィードバック値発生器に入力され、これらの論理式で表わされるYを出力し、積項線セレクタに入力する。全回路に故障が無い場合、次のテストパターンが入力Yにより積項線セレクタ内で生成され、同時に入力回路に1が印加され、次のテストが行われる。一連のテストの中で、故障が存在する場合は、その結果出力Y、テストパターンが正常値から外れることとなり、これが圧縮されフラグ回路に入力され、最終的に故障の有無が判定される。本手法ではテストパターンの系列は(n+m+8)必要である。


【図】

 図1 テスト方法

図1 テスト方法

 出典:「AUTONOMOUSLY TESTABLE PROGRAMABLE LOGIC ARRAYS」、「Proc.FTCS-11」、(1981年)、Shuzo YAJIMA、Takashi ARAMAKI著、IEEE発行、41頁 FIGURE1 A block diagram of the ATPLAT

 Copyright (c) 1981 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「AUTONOMOUSLY TESTABLE PROGRAMABLE LOGIC ARRAYS」、「Proc.FTCS-11」、(1981年)、Shuzo YAJIMA、Takashi ARAMAKI著、IEEE発行、41頁〜43頁



【技術分類】

 6−4 PLAのテスト


【技術の名称】

 6−4−7 PLAのBISTスキーム


【技術内容】

 簡単な決定論的テストパターン発生器と、特性多項式XQ+1を持つ単純なMISRを用いたBIST。

 (1)回路構成

 図1にBISTの構成を示す。太線で示された1入力(ビット線と反転ビット線)、1または2本の積項線、1出力線、2つのNORゲートE1とE2、積項線セレクタPS、付加入力デコーダAD、MISRが付加されている。付加入力線のビット線には、ANDアレイの各積項線の素子数が奇数となるように素子が配置され、反転ビット線には素子は配置しない。第1の付加積項線には、ANDアレイの各ビット線の素子数が奇数、ORアレイの各出力線の素子数が奇数となるように素子を配置する。全積項線数が奇数となるよう、元々奇数の場合は第2の付加積項線を加える。付加出力線には、ORアレイの各積項線の素子数が奇数となるように素子を配置する。また、近接ビット線間、積項線間のショートを検出するため、2つのNORゲートE1とE2が付加され、E1は全ビット線上に、E2は1つおきの積項線上に素子を持つ。

 (2)回路動作

 制御信号C1=C2=0のときが通常動作モードであり、付加入力線は0にセットされ、付加積項線は積項線セレクタによりプルダウンされ、通常動作に影響しない。C1=C2=1のときがテストモードであり、ADとPSはテストパターン発生器として、MISRは並列シグネチャ解析器として機能する。テストが完了すると、C1=1、C2=0にセットされ、MISRはシフトレジスタとして機能し、テスト結果を出力する。これはさらにパリティカウンタにより1ビットに圧縮される。VLSIでは通常フィードバックパスを持つPLAが用いられるので、PLAの出力はデータパスロジックに供給されている。MISRはデータパスロジックのテストを容易化するスキャンパスの一部としても機能する。これが、パリティチェッカーの代わりにMISRを用いる理由の1つである。


【図】

 図1 セルオートマトン回路のレジスタ・トランスフォーム化

図1 セルオートマトン回路のレジスタ・トランスフォーム化

 出典:「An Effective BIST Design for PLA」、「Proceedings of the 4th Asian Test Symposium(ATS1995)」、(1995年11月23日)、Jing-Yang Jou著、IEEE発行、300頁 FIGURE1 The Proposed BIST Scheme

 Copyright (c) 1995 IEEE


【応用分野】

 LSIテスト回路


【出典/参考資料】

 「An Effective BIST Design for PLA」、「Proceedings of the 4th Asian Test Symposium(ATS1995)」、(1995年11月23日)、Jing-Yang Jou著、IEEE発行、298頁〜302頁