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その他参考情報

特許研究


本誌「特許研究」は、産業財産権制度の研究の重要性をご理解いただくとともに、同制度の基礎研究を活発にするため、制度に関する資料の解析・紹介や学術的な研究発表の場の提供を行うために発行しています。

なお、本誌に掲載する論文等は、各研究者の個人的な資格によります。

本誌は、工業所有権情報・研修館 図書閲覧室(特許庁2階)、全国の国公立図書館及び都道府県知的所有権センター等でも閲覧が可能です。

また、本誌はこれまで特許庁工業所有権研修所研究室がその編集を行っていましたが、改組にともない、第39号から独立行政法人工業所有権情報・研修館 特許研究室が編集・発行しておりますので、独立行政法人 工業所有権情報・研修館WEBサイトを御覧ください。

内容
第 1号 第 2号 第 3号 第 4号 第 5号 第 6号 第 7号 第 8号 第 9号 第10号
第11号 第12号 第13号 第14号 第15号 第16号 第17号 第18号 第19号 第20号
第21号 第22号 第23号 第24号 第25号 第26号 第27号 第28号 第29号 第30号
第31号 第32号 第33号 第34号 第35号 第36号 第37号 第38号

特許研究 第38号 平成16年9月発行

−巻頭言−

公園の空き缶ひろい13年

星野 哲郎

−論文−

国際知的財産権紛争の国際裁判管轄権と準拠法
−−最近の判例における属地主義の原則との関連における展開を中心に−−

木棚 照一

市場のグローバル化、インターネット・デジタル化の普及によって渉外的な知的財産権紛争が増加し、多彩化している。わが国の判例においては、従来属地主義の原則を援用してこのような問題を解決してきた。しかし、FM信号復調装置事件にみられるように、属地主義の原則の意義や性質が改めて問われる場面も生じている。本稿では、国際裁判管轄権と準拠法についてそれぞれにつき属地主義が問題となる各場面に分けて属地主義の原則との関係で考察した。準拠法については、判例上問題となっている知的財産に関わる製品の並行輸入、登録国外からの積極的誘導行為、知的財産権の譲渡、従業者発明の対価の各場面における問題点を検討した。属地主義の原則を先験的に前提とするのではなく、各場面ごとの意義と根拠を検討する必要がある。

ビジネス方法特許と非技術的事項の審査
−−ヨーロッパの特許実務に照らしての一考察−−

玉井 克哉

発明とは技術的創作であり、技術的とは、人間精神の外部にある「自然力」を計画的に使用することをいう。こうした考え方は欧州で確立しており、ビジネス方法など非技術的事項を含む発明については、公知技術に貢献する要素の進歩性を直截に判断する審査方式が一般的になりつつある。それは我が国の実務にも参考になる。

地理的表示の保護と団体・証明商標制度

丸山 亮

地理的表示を保護する国内の法制と国際的な条約を概観し、その保護のあり方が通商摩擦となりかねないことを述べる。ついで地理的表示を保護する役割を持つ団体商標、証明商標制度の国際的な比較を試み、当面日本が地理的表示を保護する手段としては、団体商標制度の改正と証明商標制度の導入が最適であると結論する。

−判例紹介−

侵害訴訟裁判所が、公告決定後の補正について、「特許請求の範囲を実質上変更するもの」に該当する旨判断した事例

城山 康文

東京地方裁判所は、特許侵害訴訟において、公告決定後の補正により新たに付加された構成が出願時の周知技術でない場合には、特段の事情のない限り、「特許請求の範囲を実質上変更するもの」に該当する旨判断し、権利濫用を理由として請求を棄却した

−情報−

知的財産権エンフォースメントへのマルチの取組み

植村 昭三

多国間交渉の枠組みにおける、過去四半世紀に渡る知的財産権エンフォースメント問題の交渉の歴史、及び現状を、WIPOの活動を中心におきつつ概観する。WIPO、WTOを含め、様々な多国間枠組みで議論、交渉の対象となってきたが、その性質、意味合いは常に変化し続けてきている。今後この課題について国際戦略を策定するに当たっては、かかる交渉ダイナミズムをふまえておく必要があろう。

−資料紹介−

米国特許法改正に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[6]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司

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特許研究 第37号 平成16年3月発行

−巻頭言−

人類と感染症−−その戦いの歴史

蟻田 功

−論文−

知的財産権としての地理的表示について
−−我が国の最近の判例に見られる地理的表示−−

久々湊伸一

TRIPS協定におけるような地理的表示は、久しくリスボン条約によりワイン産出国により保護されてきた。ECにおいてはイギリス、ドイツなどがこれに加わって農産物及び食料品という拡大した領域においてEC地理的表示規則を成立せしめた。このECにおける地理的表示に関する成果は、TRIPS協定のなかで改善された形で世界規模の保護として結実した。わが国におけるこの主題を最近の判例の中に探したところ容易に発見することができた。これによりその重要性を認識してもらえると考える。

商標法及び不正競争防止法にいう「需要者の間に広く認識されている」の意義

盛岡 一夫

商標法4条1項10号、32条1項及び64条ならびに不正競争防止法2条1項1号に「需要者の間に広く認識されている」という文言が用いられている。本稿では、これらの規定の趣旨等から「需要者の間に広く認識されている」の文言をどのように解したらよいのかについて検討する。

職務発明における諸問題

吉田 広志

本稿では、職務発明制度に関する筆者の見解を述べた後、職務発明の権利承継の問題を取上げ議論を行った。さらに、近時の裁判例を題材に、これまで議論されていなかった論点についても検討を行った。

−判例紹介−

商標権者による権利行使が商標法4条1項7号所定の無効理由が存在することが明らかな商標権に基づくものとして権利の濫用にあたるとされた事例

宮脇 正晴

本件は、キルビー特許事件上告審において示された権利濫用論を、商標権の行使について適用したものであるが、商標法4条1項7号所定の無効理由を「明らか」とする判旨には疑問がある。また、不正目的で商標権が取得されたケースにおいては、従来型の権利濫用論の下での判断になじむものと思われる。

−情報−

国際特許システムと途上国問題
−−WIPOパテントアジェンダとCIPR、サウスセンター両報告書を中心にして−−

山下 崇

将来の国際特許システムの議論に対する途上国の見方を、WIPOパテントアジェンダと英国知的財産権委員会(CIPR)及びサウスセンターによる報告書を紹介し概観する。途上国は先進国の提案する国際特許システムの議論に対し慎重であると同時に途上国問題を取り上げる機会として積極的にとらえようとしている。CIPRとサウスセンターの報告書はそうした途上国のスタンスに影響を与えるものと思われる。

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特許研究 第36号 平成15年11月発行

−巻頭言−

音楽鑑賞80年の歩み

長岡 實

−論文−

特許法102 条1 項但書きの推定覆滅事由の理解について

田村 善之

いわゆるパチスロ事件として知られる東京地判平成14.3.19 判時1803号78頁[ スロットマシン1⋅2 事件] 以来, 東京地裁民事46部は, 侵害者の侵害製品と特許権者の製品以外に市場に代替品や競合品が存在したとしても, 特許法102 条1 項但書きは適用されず, 同項本文の損害額の推定が一部覆滅することはない旨を, 繰り返し判示している。本稿は, 大方の理解と異なるこれらの一連の判決の批判的に検討するものである。

スクリーニング方法特許の効力範囲
−−アメリカの一判例からの示唆と方法クレームの限界−−

平嶋 竜太

バイオテクノロジー関連発明においては、バイオインフォマティクス等の新技術の進展に伴って、昨今物質的要素に加えて情報的要素の有する意味が極めて大きくなりつつある。本稿では、2003年8月にアメリカのCAFCで下された判例(Housey v. Bayer)からの示唆を含めて、スクリーニング方法やバイオインフォマティック関連技術のアウトプットとしての情報の特許法による保護のあり方について考察を行なう。

実用新案制度の意義と有用性

穂積 忠

一般に実用新案制度は平成5年の法改正によりその意義と有用性が著しく減少したと考えられている。しかし、本制度はこの改正により初めて特許制度とは異なる独自の存在意義を獲得したのであり、出願件数(有用性)の減少はその独自性の証といえる。本稿では実用新案制度の意義を明らかにするとともに有用性を高めるための提案をする。有用性は本制度と特許制度における保護容体および登録要件を同じくすることで高められる。

−判例紹介−

均等論と禁反言の原則との関係

清永 利亮

合衆国最高裁判所は、上告人フェスト社と被上告人焼結金属工業株式会社(注・現商号SMC株式会社。以下「SMC社」という。)との間の事件について、2002年5月28日、争点となっている特定の均等物が補正によって放棄されていないことを特許権者が立証する責任を負うと判示した。そして、控訴裁判所の判決を破棄して、事件をCAFCに差し戻した。

−情報−

情報公開法における営業秘密等の取扱い

三宅 弘

情報公開法においては、営業秘密やノウハウは、「公にすることにより、当該法人等の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」との規定(法5条2号イ)の解釈において判断される。このうち特に、「正当な利益」の判断においては、公益上の見地からの開示の必要性も考慮されている。

−資料紹介−

米国特許法改正に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[5]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司、岡田吉美

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特許研究 第35号 平成15年3月発行

−巻頭言−

技術と新しい社会

ビル トッテン

−論文−

不正競争防止法2条1項3号に規定する商品形態模倣行為

土肥 一史

平成5年改正不正競争防止法2条1項3号は商品形態模倣行為を不正競争行為とした。立案者、学説及び判例は一致して、この規定の趣旨を「費用、労力を投下して商品を開発して市場に置いた先行者の開発利益」の保護に求める。成果物保護法ではない、行為規制法である不正競争防止法において、このような理解は果たして正しいのであろうか。本稿はかかる解釈の是非を問題とするものである。

Disintermediation(「中抜き効果」)とTransformation(「変容創造」)
−−インターネットITによる変革とフェアユース理念の採用−−

大野 幸夫

通信・金融・著作権分野を中心に社会のネットワーク化が引き起こしている構造変化を「disintermediation」をキーワードに分析し,併せて、IT技術革新を背景とする著作権紛争解決の基準として日本でもフェアユースの理念が導入できるかを「transformation」の要件を中心に検討する。

職現行商標法上の諸問題の概括

工藤 莞司

現行商標法(昭和34年法律第127号)は約40年間経過している。この間数回の改正を経て、経済の変動や国際的な動きに対応してきた。さまざまな問題も指摘されたがこれら諸問題解決のための特許庁や裁判所の解釈、運用等を概括する。

−判例紹介−

審決取消判決の拘束力の及ぶ範囲

古沢 博

審決取消判決の特許庁に対する拘束力の及ぶ範囲につき、1992年の最高裁判決に従いながら、その範囲を実質的に変更して解釈した2001年の東京高裁判決。その判旨には疑問がある。

−情報−

公証人の活用

中津川 彰

私達公証人は、予防司法の重要な部分を担っているとの自負を持って、日々公証業務に取組んでおります。しかし、一般の人には公証人への知識が乏しく、有意義な公証制度の活用が少なく、残念に思うことがあります。そこで、公証人の性格や、日常、取組んでいる仕事の内容や最近採用した電子公証制度などについて簡単に説明したいと思います。その中で、知的財産権(特許関係)をめぐる諸問題解決への活用策について、できるだけ言及したいと思います。

知的財産基本法の制定について

平井 敏文

この法律は、内外の社会経済情勢の変化に伴い、我が国産業の国際競争力の強化を図ることの必要性が増大している状況にかんがみ、新たな知的財産の創造及びその効果的な活用による付加価値の創出を基軸とする活力ある経済社会を実現するため、知的財産の創造、保護及び活用に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項を定め、国、地方公共団体、大学等及び事業者の責務を明らかにし、並びに知的財産の創造、保護及び活用に関する推進計画の作成について定めるとともに、知的財産戦略本部を設置することにより、知的財産の創造、保護及び活用に関する施策を集中的かつ計画的に推進することを目的とする。

−資料紹介−

米国特許法改正に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[4]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司、岡田吉美

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特許研究 第34号 平成14年10月15日発行

−巻頭言−

ハンガリーとの学術交流

金森 順次郎

−論文−

科学的発見の法的保護に関する一考察

花村 征志

科学的発見の法的保護の問題は、従来、科学界のノルマと特許法との調和の下に置かれてきた。しかし、バイオテクノロジーの発達に端的に見られるような20世紀後半における科学技術の急速な発達と、大競争と徹底した市場原理を中核とする資本主義の深化は、発見の段階にとどまる新たな知見に対しても何らかの法的保護を求めてきている。これに関し、科学と技術との分離を前提とした従来の科学界のノルマや保護制度としての特許法は、はたしてその役割を果たすことができるのであろうか。科学界のノルマや特許法が現状のままでは機能し得ないとした場合、いかなる法制度の下に、科学的発見の法的保護を図っていけばいいのであろうか。本稿はその解決の方向性を探るものである。

タンパク質立体構造解析に関する法的保護の研究

新保斎、廣瀬隆行、横山茂之

ゲノム創薬の研究開発において、タンパク質立体構造座標情報は有用なものである。それゆえ、これらに関する発明をどのように保護するかは産業政策上、重要なテーマである。しかし、同分野の成果は「情報」、あるいは「コンピュータの計算による発明」に基づくものであり、従来の特許審査基準では対応できない。本稿では、最近注目されている「タンパク質立体構造解析に関するパテント・アプローチによる保護」を検討し、可能性のあるクレームを挙げたうえで、審査基準や特許権の効力のあり方などについて提案した。

均等論の各国における展開とバイオ分野への適用

萱野(村山)英子、リー・ウェスタールンド

アメリカ最高裁Festo判決でも注目された均等論は「クレームの文言」と「発明の本質」の間隙を補填する理論であると言える。本稿においては各国における均等論の展開に着目し、バイオテクノロジー分野へ均等論を適用する際の特徴と想定される事例の分析を試みる。

−審決例紹介−

知的財産権の「権利行使」の範囲と独占禁止法の適用について
−−北海道新聞社事件−−

鈴木 恭蔵

北海道新聞社が新規参入を妨害するため行った新聞題字対策、通信社対策、広告集稿対策、テレビコマーシャル対策を内容とする一連の行為が、独占禁止法違反(私的独占)とされた。本稿はこのうち北海道新聞社による新聞題字対策(商標登録出願)について、商標権を含む知的財産権の「権利の行使」の範囲と独占禁止法の適用について論じたものである。

−情報−

中国のWTO加盟に伴う知的財産権制度の変化と展望

劉 新宇

WTOに加盟するため、中国は特許法、商標法および著作権法に改正を施行し、またこの三つの法律に関連する集積回路、コンピュータソフトウェア、輸出入管理条例、ならびに知的財産に関する司法解釈の頒布した。本文では、これまでの中国の知的財産に関する法律、法規の改正およびその趨勢の概略を紹介したい。

−資料紹介−

米国特許法に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[3]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司、岡田吉美

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特許研究 第33号 平成14年3月15日発行

−巻頭言−

夢と万年筆

竹山 洋

−論文−

著作権法における思想・感情

中山 信弘

著作権法における思想・感情とは、従来は「人の考えや気持ち」程度に理解されてきた。本稿では、その具体的内容について検討することを目的としている。また、思想・感情二分論についても言及する。

部分意匠制度の導入と問題点
−−平成10年改正意匠法に関して−−

吉原 省三

部分意匠制度は、平成11年1月1日から導入されている。この制度については、いろいろな考え方が発表され、また登録例も増えつつある。そこで、部分意匠制度の導入後において現れた問題点について検討した。

職務発明に対する補償金の設計思想に関する一考察
−−イノベーション宝くじ論をてがかりに−−

中山 一郎

職務発明に関する権利の承継に対する相当の対価を巡る問題は、法制度論としての側面もさることながら、使用者側における補償金の設計思想の問題としての側面も無視できない。かかる観点から補償金の設計思想を考える上では、イノベーションとその経済的価値の関係に関する研究である「イノベーション宝くじ」論が有益な含意を持つ。本稿では、現行制度下における対価請求権に関する基本的構造や判例の動向、さらには補償金の実態をも概観した上で、「イノベーション宝くじ」論を手がかりに、補償金の設計思想について考察する。

−判例紹介−

方法の特許発明の一部実施による特許侵害を認めた事例

井関 涼子

方法の特許発明の工程の一部を、自ら実施していなくとも、他人を道具として実施しているとして、全工程を実施した場合と同視して特許侵害を認めた判決である。複数の者により侵害がなされた場合の差止請求の可否について、産業構造審議会知的財産政策部会が2001年12月に発表した報告書の提言についても触れながら、検討する。

−情報−

なぜ、TLO活動をやるのか

清水 啓助

日本の競争力を高めるためには、新しいビジネスを興すことが必要だ。その新しいビジネスのリソースとして、大学の研究に対して期待が寄せられている。こうした背景の下、大学と産業界が新しい連携を築くため、そのリード役として登場したのが、TLOである。産学の連携を促進するには、大学自身がそのポリシーを明確にし、組織体制を強化することである。特に、専任の副学長が必要となる。

−資料紹介−

高橋是清遺稿集(6)」
−−大日本帝國特許條例議案心得−−

工業所有権研修所研究室編集

協力 丸山亮

米国特許法に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[2]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司、岡田吉美

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特許研究 第32号 平成13年10月発行

−巻頭言−

ニューヨークの休日

中地 宏

ー論文ー

無効理由が存在することが明らかな特許権に差止め等の請求と権利の濫用

牧野利秋

本件は、今日の情報技術の基礎をなす半導体集積回路開発の基本的発明の一つであるノーベル賞受賞者ジャック・キルビー博士の世界的に著名な特許(キルビー特許)を廻る日米間の特許紛争として世間の注目を浴びた事件であり、最高裁が、明治以来の大審院の判例を変更して、特許権侵害訴訟を審理する裁判所が特許無効理由の存在が明らかであるか否かについて判断することができ、審理の結果、特許に無効理由が存在することが明らかであるときは、その特許権に基づく差止め等の請求は、特段の事情がない限り、権利の濫用として許されない旨を明示した判決として、均等侵害成立の要件を判示した最高裁(三小)平成10年2月24日判決民集52巻1号113頁〔ボールスプライン軸受事件〕とともに、特許権侵害訴訟の審理に大きな影響を与えるものである。

知的財産法における普遍化的解釈の必要

満田重昭

法の解釈一般を論じ、わが国における法解釈思想の変遷及び現状を眺め、米国における法解釈思潮を通観して、法解釈者が法解釈を行う際に自己の立脚点を適正なパースペクティブにおいて眺められるよう背景を提供する。ついで、著作権法と工業所有権法の交錯領域として応用美術の保護に関する著作権法の解釈問題を取り上げ、妥協として成立した趣旨不明確な条項の解釈に法案作成過程の経緯が利用されている状況を観察し、これを超えて、国際条約の対応条項との対比および諸外国法の大勢の考察を行うことが必要であることを説く。

著作権法上の諸概念に関する一考察

渋谷達紀

著作物の例示規定や、著作物と編集著作物との概念上の区別、著作行為と実演行為との概念上の区別などに過度にとらわれると、著作権法の妥当な解釈から遠ざかることがある。最近の判例に実例を求めて、そのことを示したい、というのが本稿の目的である。

−判例紹介−

実用新案権侵害訴訟において最高裁平成12年4月11日判決を明示して請求棄却とした事例

青木 康

−−特許無効との司法判断への憲法的考察−−

無効理由が存在することが明らかな特許権に基づく請求につき権利濫用を認めた最高裁平成12年4月11日判決を本件判決は、実用新案権侵害訴訟において明示的に引用した。特許無効の司法判断を禁じた明治37年大審院判決等は行政国家の明治憲法の下において意味があり、司法国家となった現行憲法の下では上記先例最高裁判決は当然の帰結。

−情報−

特プロセキューション・ヒストリー・エストッペルに関する連邦巡回控訴裁判所の大法廷判決

滝口尚良

昨年11月に、連邦巡回控訴裁判所の大法廷が、プロセキューション・ヒストリー・エストッペルの要件について判断を示したフェスト大法廷判決について紹介する。

−資料紹介−

「高橋是清遺稿集(5)」
−−商標条例調査始末書−−

工業所有権研修所研究室編集

協力 丸山亮

大正10年法衆議院審議の経過[15]

(第四十四回帝國議會衆議院特許法改正法律案外四件委員會議録より)

工業所有権研修所研究

協力 稲葉慶和

米国特許法に関する諮問委員会報告書
(1992年8月)[1]

工業所有権研修所研究室編集

協力 濱田聖司、岡田吉美

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特許研究 第31号 平成13年3月発行

−巻頭言−

戦略なき国家は生き残れない

小池百合子

−論文−

判決に見るパブリシティー権概念の形成と侵害の成否について

伊藤 真

近年の判決から導かれるパブリシティー権の概念についてまとめた上で、「どのような行為がパブリシティー権の侵害になるのか」という点について、未だ裁判例のない使用態様も含めて事例を挙げ、パブリシティー権侵害の成否をどのように考えるべきか、検討する。

プロパテント政策と競争政策

清川 寛

−−21世紀のバランスのとれた知的財産政策の構築に向けて−−

知的財産法は無体物に係る市場法である。他方、知的財産法はその排他性故、潜在的に競争政策と緊張関係にある。我が国では、近時プロパテント政策が標榜されるが、本稿ではその内容を三つに分け、そのおのおのにつき如何に競争政策を適用しバランスをとるべきかを検討する。

ヒトゲノムと特許

隅藏康一

本稿は、ヒトゲノム研究に関連する特許問題についてこれまでの議論を振り返るとともに、最新の技術革新の動向を踏まえながら、幾つかの技術分野に着目して新しい問題提起と試論の展開を行い、今後の検討に向けて若干の題材を提供するものである。

−判例紹介−

キャンディ・キャンディ第一事件高裁判決およびフジサンケイアドワーク事件地裁判決

長塚真琴

人気漫画「キャンディ・キャンディ」をめぐる2つの重要判決を素材に、著作権法28条の解釈(漫画原作者の著作権は登場人物の絵の利用に及ぶか)、原作つき漫画と共同著作の成立、原作者に無断でキャラクター商品を制作販売した業者の責任、原作者による著作権法114条1項の主張の可否等、著作権法上の重要論点を検討する。

−情報−

米国の電子商取引に関する立法措置の動き

加藤幹之

−−ITに関する国際動向−−

クリントン政権最後の2年間、米国はIT(情報技術)の発展により、さらに経済優位を発揮した。その間、議会では、電子署名に関する法律や、インターネットのドメイン名の不正な使用、登録を規制する反サイバースクワッティング法等の重要な法案を成立させた。さらに法案成立には至らなかったが、税制、プライバシー保護、コンピュータ犯罪防止等の重要事項について法案の審議も進められた。米国では、電子商取引に関する立法は、総論的なものから、より具体的な各論の議論に移りつつあることが分かる。

−資料紹介−

「高橋是清遺稿集(4)」

−−東京商法会議所要件禄(明治11年)−−

工業所有権研修所研究室編集

協力 丸山亮

大正10年法衆議院審議の経過[14]

(第四十四回帝國議會衆議院特許法改正法律案外四件委員會議録より)

工業所有権研修所研究室編集

協力 稲葉慶和

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  • <この記事に関する問い合わせ先>
  • 独立行政法人 工業所有権情報・研修館
  • 特許研究室
  • TEL:03-3581-5092
  • FAX:03-3595-2792
  • E-mail:お問い合わせフォーム

[更新日 2004.9.10]

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