1.2.2 出願件数の多い企業とベンチャー企業

(1) 出願件数の多い企業

 1977年1月から99年5月の間に公開された出願は、表1.2.2-1に示すように、大手企業が多く出願している。出願人が1,300人を超える中、同表に示す多数件出願50法人の出願件数は、約85%強にも達する。

表1.2.2-1 デジタル動画像圧縮技術の多数件出願50法人の件数

1977〜99年5月までに公開された出願

 

 

 全出願人の中から選んだ、多数件出願50法人の出願件数比率を図1.2.2-1に示す。日本法人の出願が89%を占めており、全出願人に対する日本法人の比率(88%、図1.2.1-4参照)とほぼ同じである。デジタル動画像圧縮技術が、日本および外国の限られた企業のし烈な開発競争の下に、進展していることが分かる。

 

図1.2.2-1 デジタル動画像圧縮技術の多数件出願50法人の出願件数比率(日本/外国)

1977〜99年5月までに公開された出願

 

 次に上記50法人の中から17法人を選び、予測符号化、動き処理、変換符号化、量子化および符号割当の5つについて出願傾向を比較した。比較のために使用したレーダーチャートは、5つの技術項目の中、出願件数が最も多い項目を100とした場合の相対値で表した。

 また選択した17法人は、出願件数が多い法人から優先的に選ぶことを基本にしたが、業種の片寄りを小さくするための選択も行っている。各法人を4つのグループ分けをし、それぞれの構成技術の比較を図1.2.2-2(a)〜(e)に示す。

 グループ1は松下電器産業、ソニー、日本ビクターおよびフィリップス エレクトロニクス(オランダ)で、同図(a)に示す。いずれも家電市場に高いシェアを獲得している法人である。各法人とも、変換符号化と動き処理に片寄る傾向にある。日本ビクターのみ予測符号化の比率が高い。

 グループ2は通信関連業種の日本電気、富士通、沖電気工業、日立製作所で、同図(b)に示す。グループ1に比べて、予測符号化と符号割当の出願件数比率が高い。

 グループ3は光学関連業種のキヤノン、オリンパス光学工業、リコー、富士写真フィルムで、光学や印刷関連などを手がける、専門的色彩の強い業種である。このグループは出願傾向の類似性から2つに分けられる。光学関連業種(その1)はキヤノン、オリンパス光学工業で、同図(c)に示す。全体的に変換符号化の比率が高い。また光学関連業種(その2)はリコー、富士写真フィルム、で、同図(d)に示す。特定の技術項目、特に量子化技術と動き処理の比率が低いことが特徴である。

図1.2.2-2(a) 家電業種出願人の構成技術の出願件数比率

1977〜99年5月までに公開された出願

 

図1.2.2-2(b) 通信機器業種出願人の構成技術の出願件数比率

1977〜99年5月までに公開された出願

図1.2.2-2(c) 光学関連業種(その1)出願人の構成技術の出願件数比率

1977〜99年5月までに公開された出願

 

図1.2.2-2(d) 光学関連業種(その2)出願人の構成技術の出願件数比率

1977〜99年5月までに公開された出願

 グループ4は通信サービス業種の日本放送協会と日本電信電話で、出願件数比率を同図(e)に示す。

 日本放送協会は動き処理に特化しているのに対し、日本電信電話は予測符号化に重きを置いておりグループ2の通信関連業種に近い。

 

図1.2.2-2(e) 通信サービス業種出願人の構成技術の出願件数比率

1977〜99年5月までに公開された出願