1.4.4 技術の内容

 出願件数推移を出願年別に調べてみると、3つのピークが存在する。(1.4.4-1)

図1.4.4-1 薄板壁パネル技術の出願件数の推移

 

 この3つのピークの技術別出願件数構成比率を、図1.4.4-2および図1.4.4-3に示した。

図1.4.4-2 材料技術の出願件数構成比率の比較

 図1.4.4-3 構造技術の出願件数構成比率の比較

<第1のピーク>

 第1のピークである197576年の材料技術の出願件数構成比率および構造技術の出願件数構成比率を全期間出願件数構成比率と比較すると、この期間の特徴は、材料技術では石質系材料の比率が高く、構造技術ではあまり特徴がみられない。

 主な技術開発は、石綿セメント板の製造法や強化化粧石膏ボードおよび内壁パネルの製造方法など板材の開発が中心である。

 この時期は大手住宅会社が企画住宅を販売開始し、それに伴い窯業系外装材メーカーが外壁材開発を開始し出したいわば乾式壁材の創世期であるといえる。

<第2のピーク>

 第2のピークである198687年は、材料技術では材料の技術開発が多岐に分散し、複合板の開発が増加した時期である。構造技術では、面体構造の構成比率が非常に高いのが特徴である。

 主な技術開発は、ALCボードの開発や発泡セラミック板の開発など厚物の面材開発が活発になった時期である。また、無機質板の製造法の開発がより活発になった時期でもある。

 この時期は、家づくり85プロジェクトにより住宅会社が乾式壁材を積極的に採用したため、窯業系外装材、ALC板、押出し成形板などの面体に関する技術開発が活発になったことが特徴である。

<第3のピーク>

 第3のピークである199495年は、材料技術では石質系材料の出願件数構成比率は依然として高く持続され、木質系およびプラスチック系などの割合が増加する一方、材料が非常に多様化してきた点が特徴である。

 この時期には特に注目すべき技術開発がある。

 構造技術の特徴は枠付きパネル構造(ユニットパネル)や中空パネル構造の技術開発が急増した点である。

 例えば外壁パネル、PCコンクリート壁パネル、浴室用壁パネルなどの壁パネルの性能向上(耐久性、耐熱性、耐震性、断熱性、防音遮音性など)、施工性の改善(軽量化、大型化、改良金具)、補強構造(枠取付け、パネル保護)、外観向上などの技術開発が活発になった。

 これは1991年に起きたバブル崩壊を契機に住宅のローコスト化の要求が高まり、軽量化、ユニット化できる枠付きパネル構造(ユニット壁)などの構造技術の開発が活発になったことおよび、木造住宅の合理化や、住宅の高気密、高断熱化要求の高まりにより、パネル化技術およびパネルの機能付加の要求(断熱、防音など)が高まったことを反映している。