(2) ブタ

 ブタの品種改良技術の特許出願件数推移を図1.4.12-6に示す。ウシとほぼ同様な傾向にあり、1980年代後半より出願されている。

図1.4.12-6ブタの特許出願件数推移

 ブタの品種改良技術の特許主要出願人を表1.4.12-4に示す。

 海外出願人の占める割合を図1.4.12-7に示す。54%とほぼ半数を占める。国別では、古いものはヨーロッパのものが多く、最近のものはほとんど米国である(8件)。

表1.4.12-4 ブタの特許主要出願人

出願人 開始年 最近年 出願件数

デイ- エヌ エツクス
CORP(米国)

1992

1994

3

浦田 修一

1985

1985

2

日清製粉

1987

1991

2

小池 千裕

1996

1996

2

図 1.4.12-7 海外出願人の占める割合



(1971.7-98.6月迄に公開の特許出願)

 ブタの技術/改良特性マトリックスを表1.4.12-5に示す。ブタの育種技術は、遺伝子操作が圧倒的に多く、次いで交配技術が挙げられる。ブタの改良特性は肉の収量・品質向上を目指したものと、人間に対する異種臓器移植・輸血を目指したものに分かれる。後者は表において「その他」に分類される新しい分野であるが、臓器移植技術の発展によって急成長している分野である。

表1.4.12-5 ブタの技術/改良特性マトリックス

収量向上 品質向
ストレス
耐性
操作性
向上
その他 共通 合計
件数

選抜技術

14

   

18

27

 

3

細胞・組織培養技術

11

         

1

細胞融合技術

             

交配技術

4,5,7,16

1,2

 

3

   

7

変異技術

             

倍数体形成技術

             

遺伝子操作技術

6,23,28

 

9

  10,12,13,
15,17,19,
20,21,26
8,22,24
25

17

合計件数

9

2

1

2

10

4

28

(1971.7-98.6月迄に公開の特許出願)
(番号は表1.4.8-3の番号を表す)

 ブタの品種改良の課題について、図1.4.12-8に示す。ブタはウシに比べると性選択や胚移植などの収量向上を目的とした特許は少なく、移植用が多いことが特色である。これは多産で増産が容易であること、臓器の大きさが人間に近いことなどが原因と考えられる。この領域では異種間移植による強い拒絶反応を克服する方法の発見が大きな課題であり、積極的な研究が進められている。

図1.4.12-8 ブタの品種改良の課題

 ブタの育種技術別特許出願件数推移を図1.4.12-9に示す。遺伝子操作技術の顕著な増加と交配技術の緩やかな減少がみられる。

図1.4.12-9 ブタの育種技術別特許出願件数推移

 ブタの改良特性別特許出願件数推移を図1.4.12-10に示す。収量向上は頭打ちの状態であるが、臓器移植・輸血と関連した「その他」の分野が伸びている。

図1.4.12-10 ブタの改良特性別特許出願件数推移

 ブタの品種改良に関する出願特許を表1.4.12-6に示す。

表1.4.12-6 ブタの品種改良出願特許(1/2)

番号 公報番号 登録 発明の名称 出願人 生物種 改良特性

1

特開昭61-170330   毛の無い豚 浦田 修一 ブタ 無毛

2

特開昭61-219329   無毛の豚の生産方法 浦田 修一 ブタ 無毛

3

特開昭62-74359
特公昭63-27013

子宮角短縮豚及び非外科的豚受精卵の採取方法 伊藤忠飼料 ブタ 受精卵採取

4

特開昭61-115429   生物学的方法 グラクソ グル−プ(イギリス) ブタ 生殖力

5

特開昭63-217270   豚の精子の分離方法 日清製粉 ブタ 性選択

6

特表平01-503039   トランスジエニツク動物 ルミニス PTY(オーストラリア) 共通 体重増加

7

特開平02-117601
特公平06-51601

豚の凍結受精卵及び凍結保存方法 伊藤忠飼料 ブタ 受精卵保存

8

特表平04-503004   レトロウイルスベクタ−およびそのトランスジエニツク動物の生産における使用法 ブリテイツシユ テクノロジ− グル−プ(イギリス) 共通 遺伝子導入法

9

特表平04-506453   ブタコレラを含むペスチウイルス感染の如き感染に対する保護法、ヌクレオチド配列およびワクチンの開発および診断に使用されるポリペプチド セントラ−ル デイ−ルゲネ−スクンデイグ(オランダ) 共通 耐病性

10

特開平05-70499   抗体活性を有する蛋白質の取得法及び形質転換した動物の製法 ゴツトフリ−ト ブレム(ドイツ) ブタ 診断・治療用抗体

11

特開平06- 14945   豚の繁殖方法 日清製粉 ブタ クローン

12

特表平06-507307   トランスジエニツク動物の乳腺組織における活性ヒトプロテインCの発現 アメリカン レツド クロス(米国)バ−ジニア テツク インテレクチヤル プロパテイ−ズ(米国) 共通 プロテインC

13

特表平06-508035   トランスジエニツクブタにおけるヒトヘモグロビンの生産 デイ− エヌ エツクス CORP(米国) ブタ ヒトヘモグロビン

14

特表平06-508522   動物における腸の構造および酵素の操作 パイオニア ハイブレツド INTERN(米国) 共通 消化吸収力

15

特表平06-509474   蛋白質のトランスジエニツク生産 ロ−ヌ プ−ラン ロ−ラ− INTERN(米国) ペリ DEV アプリケ−シヨンズ 1985(イスラエル) 共通 ヒト血清アルブミン

16

特開平06-197665   体外受精用培地および体外受精方法 農林水産省畜産試験場長、明治製菓 共通 受精卵培養

17

特表平07-507921   トランスジエニツクブタにおけるヒトヘモグロビンの生産 デイ− エヌ エツクス CORP(米国) ブタ ヒトヘモグロビン

18

特開平07- 67499   矮小化動物の産生方法 日本たばこ産業 共通 大きさ

19

特開平06-339331   遺伝子導入動物の乳汁中での成長ホルモンの生産 テイ− エス アイ CORP(米国) 共通 ヒト成長ホルモン

20

特開平08- 19352   トランスジエニツク動物 セントロ デ インベステイガイシオネス エネルゲテイカス    メデイオアムビエンタレス イ テクノロヒカス (スペイン) 共通 表皮の異常増殖

21

特表平09-501319   トランスジエニツクブタにおけるヒトヘモグロビンの生産 デイ− エヌ エツクス CORP(米国) ブタ ヒトヘモグロビン

表1.4.12-6 ブタの品種改良出願特許(2/2)

番号 公報番号 登録 発明の名称 出願人 生物種 改良特性

22

特表平10-504442   α(1,3)ガラクトシルトランスフエラ−ゼ陰性ブタ バイオトランスプラント INC(米国) ジエネラル ホスピタル CORP(米国)  インスチ. オブ チヤイルド ヘルス(イギリス) ブタ 遺伝子導入法

23

特再平07-834636   有蹄類のEG細胞 明治乳業 共通 EG細胞

24

特開平09-220039   精子又は卵子への外来遺伝子の導入方法及びトランスジエニツク動物の作製方法 小池 千裕 共通 遺伝子導入法

25

特開平09-224528   トランスジエニツク動物の作製方法及びトランスジエニツク動物 小池 千裕 共通 遺伝子導入法

26

特開平09-298981   トランスジエニツクブタ ワイエスニユ−テクノロジ−研究所 ブタ ヒト成長ホルモン

27

特開平10-113094   脊髄障害をもつた非ヒト動物の製造方法及び脊髄障害治療薬の評価方法 森 厚夫 共通 脊髄障害モデル

28

特開平10-117785   動物における筋肉組織の増大 アメリカ合衆国(米国) 共通 筋肉増大

(1971.7-98.6月迄に公開の特許出願)