1.5 米国特許の特質

 米国特許商標庁に1971年〜95年に出願された米国の植物品種改良の登録特許件数推移を図1.5-1に示す。

図1.5-1 植物品種改良の米国特許件数推移

 米国の新規植物は出願年で1975年ころに急増して、5年ほど経過後80年ころから再び増え続けて現在に至っている。品種改良技術による新規植物に対する関心が強く、かつ持続的であることを示している。

 1990年から97年の最近8年間の米国登録特許と日本の公開出願特許を以下比較して示す。

 図1.5-2に米国特許の植物種の構成比率を、図1.5-3に日本特許の植物種の構成比率を示す。

図1.5-2 米国特許の植物種の構成比率

1990-97年日本公開特許

図1.5-3 日本特許の植物種の構成比率



1990-97年日本公開特許

 米国特許も日本特許も品種改良の主体は被子植物であって、米国特許では約99%が被子植物であり、日本では見られない羊歯類、蘚苔類が登録されている。反面、きのこなどの菌類が少ないことが特徴である。

 1990年〜97年に登録された植物種別の米国特許件数と日本特許の同期間の特許出願件数を比較して図1.5-4に示す。

図1.5-4 植物種別日米件数比較



米国特許:1990-97年登録特許
日本特許:1990-97年公開特許

 米国は審査後の登録件数であるにもかかわらず、被子植物の特許件数が日本の約6倍以上の件数となっている。農業国である米国の裾野の広さと、日本においては農水省の種苗法による品種登録制度(1979年以降登録件数6,383件、うち権利存続中のもの3,716件(1998年3月末現在))による制度上の違いが、表れているためと思われる。

 次に、最近8年間の米国特許の登録特許と日本特許の特許出願における育種技術の構成比率を図1.5-5に示す。

図1.5-5 米国、日本の育種技術構成比較


米国特許:1990-97年登録特許
日本特許:1990-97年公開特許

 遺伝子操作技術が両国とも最も多いが、米国特許では交配と選抜の比率が高いことが、特徴的である。

 次に穀類の品種について、米国特許を図1.5-6 に、日本特許を図1.5-7に示す。

図1.5-6 米国特許の穀類の構成比率

1990-97年米国登録特許



図1.5-7 日本特許出願の穀類の構成比

1990-97年日本公開特許

 米国はトウモロコシが穀類全体の約64%を占め、日本の穀類は主食としての重要性からイネが筆頭であり、対照的である。

 この米国の代表的穀類であるトウモロコシの品種改良技術の構成比を図1.5-8に示す。

図1.5-8 米国トウモロコシの改良技術構成比

90-97年米国登録特許

 交配と遺伝子操作で全体の約96%を占めている。