第2章 特許からみた技術開発動向

2.1 要約

 太陽電池の製造技術について、特許情報を統計的な分析手段によりその技術開発動向を解析した。

 解析には、1971年から95年までに出願された太陽電池製造に関する20,670件の特許および実用新案のデータを用いた。

 太陽電池製造技術全体の開発動向を把握するとともに、技術分類(具体的には、本体材料、アモルファス材料製造法、アモルファス以外材料製造法、太陽電池用素子、太陽電池用モジュール、太陽電池用電極、太陽電池用基板、太陽電池用発電装置)ごとに開発動向を解析した。今回は、太陽電池の応用についての詳細な解析は別の機会に譲ることとし、用途としては衛星用、建材用、時計・電卓用、その他の4つに分類して解析した。

 主な解析結果は次の通りである。

 

(1)エネルギー問題をきっかけに急速に開発が進められてきた。今後も地球環境問題との関連などから活発に開発が続けられる領域である。

(2)太陽電池に関する出願人構成では官公庁比率が特許全体の約10倍と高く、産官学を中心とする共同出願が多い。

(3)出願件数が1〜2件の出願人が出願人全体の55%を占めており、多くの企業が参入しうる分野である。

(4)技術分野別では本体材料、用途・目的に関するものが最も多く、電極、素子構造、アモルファス以外材料製造法、基板に関する出願がほぼ同数で続く。

(5)用途別では、衛星用、時計・電卓用の開発は1990年以降は減少傾向であるのに反して、建材用途が急増している。また、その他の用途の出願も急増しており太陽電池の実用化が進んでいると考えられる。