2.4.3 代表的な特許

 本節では一液 - 常温硬化型ウレタン樹脂を取り上げる。すでに2.4.2技術開発の内容で述べた通り、ここでとり上げたウレタン樹脂の中で、事例的に、このウレタン樹脂の終局的な重要課題である、「一液化」の技術開発の状況を詳細に考察する。この「一液化」の中でも、常温で十分に架橋反応が進み硬化する技術開発に焦点をしぼる。

 本件にかかわる登録された特許は51件を数える。ただし、この件数は水系の組成物で一液が前提になっているものは含まれていないので実際には、一液にかかわっている件数はより大きいと考えられる。

 そのうち焦点をしぼった一液-常温硬化型は27件、残りは、焼付硬化型に関するものである。

 本節では、一液-常温硬化型を代表的特許とし、次の表および図にまとめる。

 (1)発明の目的・効果と改良技術のマトリックス

  表2.4.3-1:一液-常温硬化型ウレタン樹脂の目的・効果と改良技術

 (2)発明の目的・効果と改良技術の概要

  表2.4.3-2:一液-常温硬化型ウレタン樹脂の技術概要

 (3)技術発展図

 図2.4.3-1: 空気中の水による硬化型一液-常温硬化型ウレタン樹脂技術発展図
 図2.4.3-2: 空気中の水、酸素による硬化型一液-常温硬化型ウレタン樹脂技術発展図

(資料編):代表的特許の概要リスト

 

内 容

 一液-常温硬化型の種類としては、次のように2つに分類できる。

a 空気中の水による硬化

 空気中の水が本体成分に過剰についているイソシアネートの自硬反応のひき金となるか、およびまたは水がさらに本体成分または他の反応成分に反応して本体成分との反応の“ひき金”の役をはたす場合である。

b 空気中の水、酸素による硬化

 aに加えて、酸化重合性不飽和基を有する場合である。

 限定された条件下で基本的権利となっていると考えられる特許、水と常温で反応して自硬性および他の官能基と反応して架橋反応がすすみ硬化する、加水分解性のシリル基の導入およびそれを導入した他の重合体のブレンド系やイソシアネートと反応するポリアミンのカルボニル封鎖体であるポリケチミンをブレンドする組成物などが見られる。

 ここにも、極めて手の込んだ技術開発によって、よい特性をもった素材をより良いものに仕上げていこうとする改良が進んでいることを伺い知ることができる。