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(6) ワクチンの剤型
ワクチンの剤型別の割合を図1.3.1-18に示す。また、剤型別の出願件数の推移を図1.3.1-19に示す。図1.3.1-18より、1成分のみからなるワクチンが57%、これに対して複数の成分を用いた多成分系ワクチンが13%である。多成分系にするには、単に複数の成分を混合するだけではなく、それぞれの成分が互いに影響しあわずにそれぞれの効果を発揮する必要がある。多成分系ワクチンの例としては、スミスクライン ビーチャム社(イギリス)によって開発されたB型肝炎ワクチンとA型ワクチンの混合型ワクチンなどがある。その他エイズワクチンと肝炎ワクチンの併用など、複数のワクチンを同時に用いることもある。
さらに、ワクチンは単独で用いられるだけでなく、それ自身には活性はないが、ワクチンの効果をより一層高める効果のある成分と一緒に用いられる場合があり、不活性成分含有系ワクチンが出願件数の30%を占めている。図1.3.1-19に示すように、多成分系、不活性成分含有系ともにワクチン開発の進展に歩調を合わせて開発が進められており、ワクチンそのものの開発だけでなく、その応用研究も同時並行で進められていることが特許出願件数の推移から分かる。

(1977年〜99年7月までに公開の出願)

不活性成分含有ワクチンについてさらに詳細に見ると、ワクチンのより高い効果を引き出すために、アジュバントやトキソイドを用いる技術がある。
アジュバントは、免疫機構を非特異的に刺激することによって、抗原に対する特異的免疫反応を強めることができる物質である。アジュバントの例としては、免疫効果の弱い抗原を粘土の粒子に吸着させることでマクロファージに捕食されやすくなることが知られている。こうして捕食されやすくすることにより、免疫原性を高めることができる。
トキソイドは、変性毒素とも呼ばれ、菌体が出す毒素をホルマリン処理などによって抗原性を変化させないで毒としての強さを減少させたものである。トキソイドは、細菌性の毒素に対する能動免疫を与えるための抗原として用いられている。
図1.3.1-20にワクチン単独ものと不活性成分含有のワクチンとの割合を示す。不活性成分のうち、アジュバントを含むものが10%、トキソイドを含むものが3%である。図1.3.1-21に不活性成分含有ワクチンの出願件数の推移を示すが、不活性成分を用いて効果の高いワクチンを作ろうという努力も間断なく行われていることが分かる。


