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1.4 代表的な疾患への免疫工学の応用
ウイルス性肝炎は、免疫工学が最もよく応用されている対象疾患の1つであり、技術の内訳を見ると、図1.4.1-1に示すように、診断に関するものが570件、ワクチンに関するものが390件である。また、免疫工学肝炎技術の特徴でもある、両者に関わる技術が213件あり、医薬品の約2分の1、診断技術の約3分の1は、両者に関係する技術である。これらの構成比率は、免疫工学全体の構成比率とよく似ており、肝炎をモデルとして出願件数を解析することにより、免疫工学を具体的に理解することに役立つと考える。
図1.4.1-1肝炎に関する免疫工学関連技術の特許出願件数(用途別)

ウイルスによる肝炎は、原因ウイルスによって、発見された順にA型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、その他の肝炎に分けられている。それぞれの肝炎に対する免疫工学関連技術の応用の割合を見ると、図1.4.1-2に示すように、B型肝炎とC型肝炎に関する技術開発が約500件であるのに対して、A型肝炎に関するものはそれらの約2分の1である。これは、患者数に対応しているともいえ、A型肝炎の発見時期が早く、技術開発が他の肝炎に比べて先行していることにより、1977年以降の出願データに限定した影響が出ているともいえる。
そこで、肝炎の型別の出願件数推移を図1.4.1-3に示す。肝炎に関する技術開発は、1990年に急激な進展を見せているが、これは、後述するように遺伝子操作による肝炎ワクチンと診断方法の開発が、それまでの技術の蓄積とバイオテクノロジーの応用により、一気に花開いた結果である。
図1.4.1-2 肝炎に関する免疫工学関連技術の特許出願件数(肝炎の種類別出願件数)
図1.4.1-3 肝炎に関する免疫工学関連技術の出願件数推移
