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4.2.3 胚性幹細胞(ES細胞)
哺乳類の胚は、受精してから数回分裂すると細胞分化が始まり、胎児となるICM細胞と、胎盤になる栄養芽細胞に分化する。ICM細胞を取り出し、分化を停止させたまま継代培養した細胞がES細胞である。ES細胞は、いくらでも増殖させることができ、確実に全能性を持つ。胚移植のレシピエント細胞としてだけでなく、ドナー細胞として遺伝子組換えクローンの作成に利用できる。しかし、それ以上にES細胞は、トランスジェニック動物の作成技術として有用である。ES細胞は、胚に混ぜることによりES細胞に由来する組織がランダムに分布するキメラ動物を作成できる。遺伝子組換えをあらかじめ施したES細胞を用いてキメラ動物を作成し、そのうち生殖細胞がES細胞に由来する個体を選んで交配することにより、トランスジェニック動物が得られる。
このように、非常に有用であるが、ES細胞の作成は困難であり、最近までネズミのES細胞しか知られていなかった。だだし、昨年末にヒトのES細胞の特許が、米国ジェロン社より出されていることが明らかになったことから、今後技術開発が進むものと期待されている。
