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(3)水溶性繊維加工技術
最近の医療介護問題の社会的課題としての地位と衛生指向、あるいは一般の生活様式の変化などから、水溶性繊維の需要が高まってきている。出願件数はさほど多くはないが、出願件数の傾向には増減の差が大きかった時期があった。
図1.2.4-13に示された今までの出願状況から、主な特許の動向を見ていくと、以下のようである。
樹脂の種類によって、そのまま使用するものでは水溶性繊維などを打ちこんで発泡体組織内で巻きつかせ膨張性の充填材および防水材として使用(例えば特開昭55-67450)するものがある。また原料面の観点からみると、水溶性アルギンを含有する水性ドープを、親水性有機溶剤中に吐出紡糸することによって、ガーゼ、包帯、当て布などの医療材料に好適な繊維材料を得るものがある(例えば特開平3-220317など)。また直接的には、水可溶性ポリビニルアルコール系不織布または布帛に水溶性樹脂が積層されている布帛成形物(例えば、特開平11-138700など)で医療用や介護用に使用され、廃棄処理のために早く水に溶け、下水廃棄ができ、薄く軽くて、強度があり、吸水で柔らかくならない水可溶性成形物などが出願されている。

図1.2.4-14に示すように、これらの繊維成形物に水溶性の機能を持たせるため、繊維で付与する場合と、布帛になってから付与する場合とに分けられ、紡糸工程での処理が39%、布帛工程では32%と、若干紡糸工程での処理が多くなっている(特開平3-279410など)。最終形態としては不織布や布帛の形で使用するが、繊維その物として、芯鞘構造、紡糸して水溶分を除去して得た極細繊維布帛として成形する物、水溶性繊維と他の紡績糸を織り込んだ後で水溶分を除去して特殊繊維だけを得る方法などがある(特開昭63-165520など)。
図1.2.4-14 水溶性繊維加工技術の機能性付与工程別構成

(1977〜99年8月までに公開の出願)
用途展開としては、図1.2.4-15に示すように工業用資材、土木建築が多い。建築現場の防水シートや単なる防水シートでは、例えば、特開昭62-263385のように、吸水性不織布、水溶性フィルムなどを積層して吸水ゲル化による高止水性をうたっている土木工事用として提案されているものもある。その他工業資材や、繊維製品製造工程での一種の補助材料のような用途も多い。生活用品としては生理用品、乳幼児用製品にも利用されている。さらには医療用途に水溶性繊維の利用が多い。

(1977〜99年8月までに公開の出願)
