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(3)感温・保温・蓄熱・発熱・熱吸収性繊維加工技術
感温とは温度を感じて色が変化する繊維のことを指し、蓄熱とは何らかの外部エネルギーを吸収して熱に変えるものをいう。発熱とは電気エネルギーなどにより熱に変換する繊維状物を意味し、熱吸収性とは熱を取り、涼しくする繊維状物を意味する。保温とは恒温動物の人体などの温度エネルギーが放散されるのを少なくする断熱材の役割をするものである。ほとんどの出願はこの最後の保温に関するものであり、保温効果の高い空気を繊維間に蓄え、対流による放熱をいかに少なく抑えるかが技術ポイントである。
過去20年間の出願の推移を図1.2.5-12に示すが、82〜86年ごろにかけて大きななだらかなピークがあるだけである。その内容を見ると90%以上のほとんどが保温に関するものである。感温性繊維製品としては繊維基材に温度により色調が変化する色素をマイクロカプセルに閉じ込めてコーティングした出願(例えば特公平4-18544など)がある。また、ガラス転移温度以上ではコーティング樹脂が感温してゴム弾性化して透湿性能が倍増する感温性の透湿繊維製品(例えば特開平8-164590など)の出願がある。
蓄熱繊維としては、太陽光線からエネルギーを吸収して選択的に赤外線を放射する微粒子を繊維に内包させた出願(例えば特開平1-1328162、特開平2-259110など)がある。一方、人体から放出される水分を吸収して水分吸着熱を保温に利用する出願(例えば特公平7-59762など)がある。さらに、繊維状物に導電性を少し持たせて通電電気による発熱を制御しながら保温・解凍するという出願(例えば特開昭62-022386など)がある。
図1.2.5-12 感温・保温・蓄熱・発熱・熱吸収性繊維加工技術の出願件数推移

感温・保温・蓄熱・発熱・熱吸収性の機能付与工程を図1.2.5-13で見ると、後工程(布帛と仕上げおよび製品工程)にて機能が発現化されるものが4分の3以上を占めている。ほとんど保温性を中心としたものであり、空気を内包する繊維集合体またはそれらの積層構造体に関するものである。蓄熱性繊維は蓄熱作用を発揮する微粒子を繊維内部に練り込むことにより得られ、これらの繊維との混紡または複合繊維化がその応用として出願されている。通電性を利用した発熱性繊維は、導電性を有する有限長の不連続繊維が束ねられて両端に電圧をかけることにより発熱させるという半導体性の繊維である。
図1.2.5-13 感温・保温・蓄熱・発熱・熱吸収性繊維加工技術の機能付与工程別構成

(1977〜99年8月までに公開の出願)
用途としては、図1.2.5-14に示すように、工業用資材と生活用品の衣類分野の出願が多い。工業用資材分野の具体例を見てみると、断熱防音板、断熱材、保温用積層シート、保温性緩衝材などが出願特許の名称からあげられる。生活用品の衣類分野では防寒衣服への利用が有効と出願特許に記載されている。
図1.2.5-14 感温・保温・蓄熱・発熱・熱吸収性繊維加工技術の用途別件数

(1977〜99年8月までに公開の出願)
