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第2章 技術開発の課題と展開
2.1 全体概況
図2.1-1〜3は細胞利用技術を大きく
(1) 医療関係への生産物および細胞の直接利用
(2) 植物細胞の利用
(3) 細胞培養の手法
の3分野に分けて興味のもたれている項目について出願状況をまとめたものである。
図2.1-1 医療に関わる細胞利用技術の出願件数とその推移

図2.1-1に見られるとおり細胞利用技術の医療関係への利用としては、免疫グロブリンに関するものが最も多く、その出願件数は約3,000件となっている。続いてウイルスの利用、胚性幹細胞など、サイトカインなど、レセプターの順になっている。モノクローナル抗体、胚性幹細胞など、レセプターは現在も出願件数が増加している。
図2.1-2には植物細胞の利用の状況をまとめた。ここでは植物個体の均質生産に関する出願が最も多くなっており、植物品種改良に関する出願、アルカロイドなどの物質生産の順となっている。植物個体均質生産に関して1980年代後半に多くがあったが、現在では減少の傾向にある。
図2.1-3には細胞培養の手法に関する特許出願状況をまとめた。細胞培養技術、細胞培養装置に関して多くの出願がなされたが、現在は減少の傾向となっている。こうした状況において本書では次の5トピックスを選択して、権利化されている特許および継続中の特許についてその技術内容を解析する。
・レセプター | |
細胞生産物としてレセプターはその機能の研究、創薬における生物的試験法の提供、レセプター医薬としての可能性など重要性が増している。 | |
・免疫グロブリン | |
免疫グロブリンの主体であるモノクローナル抗体は診断用途のみならず、最近では治療用としても注目されている。 | |
・細胞の直接利用 | |
どのような組織や臓器にもなりうる可能性を持つ胚性幹細胞など、細胞そのものの利用が注目されている。 | |
・ウイルスの利用 | |
ウイルスはそれが引き起こす疾病に対するワクチン製造に利用され、最近では遺伝子治療において、遺伝子を体内に導入するベクターとしても重要になってきている。 | |
・アルカロイド、ステロイドなど植物二次代謝産物 | |
植物細胞でのみ生産可能な物質であり、植物細胞の代表的利用法である。 | |
また本章では発明の内容が対象となる技術分野に沿ったもので、かつ基本的なもの、産業的・技術的に影響力の大きいものを取り上げ、代表的特許とした。
これらについて
(1) 発明の目的・効果と種類・利用技術のマトリックス
(2) 技術発展図
(3) 代表的特許リスト
の3種類の図表による整理を行い、併せて開発課題の抽出と将来予測を行った。
なお(1)の縦軸・横軸については、対象分野の違いによりそれぞれの分野に適切な項目を設定した。
技術上の問題点、ニーズを把握した上で該特許がマトリックス上のどの位置にあるかをみて、その周辺の特許および技術発展図上で前後の位置付けを知り、さらに特許リストによってその概要をつかんで参考にして頂きたい。
図2.1-2 植物細胞の利用に関する出願件数とその推移


図2.1-3 細胞培養の手法に関する出願件数とその推移


なお本書で掲載した特許は、上記核技術について技術的に特徴のあるものを抽出したものであり、権利関係を分析したものではない。権利調査を行う場合は別途調査が必要である。
また、係属中の特許については、その後権利化されるか否かを示すものではない。
