続く

(4) ディスクブレーキ

 円板(ディスク)の外周を、一般には両側からブレーキ片(パッド)で挾んで軸方向に力を加え、摩擦力を発生させる方式である。

 ディスクと、キャリパや油圧シリンダの配置から、次の方式がある。

(イ) キャリパとパッドの一方を固定とし、ディスクを軸方向に移動自在とする型(ディスク浮動型)

(ロ) ディスクを固定とし、キャリパを浮動とする型(図1-6-7)

(ハ) ディスクもキャリパも固定とし、ディスクの両側に油圧シリンダを有する型(図1-6-8)とに分類される。

 上記の方式のうち、(イ)と(ロ)とは油圧シリンダが1個であり、シングルシリンダ型と呼ばれる。これに対して(ハ)の方式はディスクの両側に油圧シリンダを有しており、オポーズドシリンダ型と呼ばれている。

 しかし、いずれの方式でも、同じ油圧を加えた場合に発生するブレーキ力に差はない。

 ディスクブレーキは、冷却性能や耐フェード性の点から、高出力のものに適しており、近年に至っては、自動車において前述のドラムブレーキを超える、高い普及率となっている。

 特許出願も、この方式のものが最も多くみられる。

図 1-6-7 ディスクブレーキ
(ロ)キャリパ浮動型

(出典:実公昭60-24990)

図 1-6-8 ディスクブレーキ
(ハ)キャリパ,ディスク共固定型

(出典:実開平6-69456)

(5) リニアレール式ブレーキ

 (a)〜(d)のものはいずれも回転体に用いるものであるが、この形式のブレーキは、鉄道、ケーブルカー、エレベーターなどで直接レールを機械的に挾持したり、電磁力で吸着したりする。

 速度の制御で用いることもあるが、むしろ、非常用ブレーキとして用いられる場面が多い。

 図1-6-9にエレベーター用のリニアレール形ブレ―キの例を示す。

図 1-6-9 リニアレール形ブレーキ

7:ガイドレール
112:ブレーキシュー
(出典:特開平9-267983)

 

(6) 空力ブレーキ

 航空機やレーシングカーなどでは、"じゃま板"を出して空気抵抗を増大させ減速するもの。

 高速の減速初期に効果が高いが、低速では効果がなく、他の方式のブレーキと併用する。

 自動車では接地力増大の効果もあり、車輪に設けたブレーキの効きを向上させる。

 特殊なものとして、パラシュートを開くものも、この方式に含まれる。

 さらに最近では、鉄道車両の高速化に伴い、各種の空力ブレーキが研究されており、最高速度を実現するためにも実用化が進められよう。

 図1-6-10はその1例を示している。

図 1-6-10 空力ブレーキ

(出典:特開平1-299330)

 


続く