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特許マップとは

 

 初めての海に船を出す船乗りが正確な海図を必要とするように、経営者が新たな研究開発投資や技術導入を行う際には、「特許マップ(あるいはパテントマップ)」とよばれる「特許の地図」を持っているかどうかが成功の鍵を握るものとなる。

 特許情報の有効性を早くから認識していた欧米企業は、古くから技術開発投資や製品化の意思決定の資料、あるいは特許流通における技術評価資料として「特許マップ」を多面的に活用してきた。また、自己の権利がパイオニア発明であることを主張したり、侵害を主張する権利者の特許が極めて限定的なものであることを証明するためにも「特許マップ」を用いるようになっている。我が国でも昭和40年代はじめから、特許庁を中心として特許情報を加工することにより技術動向を分析することが行われていたが、米国型の特許管理が浸透するにつれて、先進企業を中心として「特許マップ」も一般のものになっている。

企業活動を支える特許マップ

 

特許情報は企業の技術開発活動の鏡

 

 特許マップがこのように注目されるのは、特許情報が「技術情報」あるいは「権利情報」または「経営情報」として他に類を見ない貴重な情報であることによる。

 特許出願は、通常、出願から18ヶ月が経過すると特許情報(公開特許公報)として一般に公開される。この特許情報は、基礎技術から応用技術、産業技術から家庭用の技術まで極めて広い範囲をカバーする技術情報の宝庫であるとともに、各企業(出願人)の技術開発をそのまま反映したものであることから、技術情報としてだけでなく、権利情報、企業情報として、他に例を見ない貴重な情報と位置づけられている。

 しかしながら、これまでに蓄積された特許情報の量は膨大であり、そのすべてについて、そのまま利用することは効率的でない。そこで、それぞれの利用目的に応じて特許情報を収集し、分析し、加工・整理することにより、視覚的に受け入れられるものとすることが行われている。

 このように、特許情報を整理・分析・加工して図面、グラフ、表などで表したものが「特許マップ」である。

特許マップは視覚的に表現した特許情報の集まり


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