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1.2.6 走行装置
無人搬送車の走行装置技術には、バッテリや集電装置などの動力装置、走行用電動モータなどの推進装置、走行速度の制御装置、制動装置、ステアリングがある。図1.2.6-1は、これらに関する出願件数の比率推移を表したものである。この図に示すように、近年、動力装置とステアリングに関する技術開発が活発化している。これは、後述(2.3 無人搬送車の動力装置)のように、バッテリ休止時間の短縮による無人搬送車の稼働率の向上と、前述のように、多品種生産に伴う搬送レイアウトの複雑化に対応するためのステアリング機構の高度化に対する市場ニーズが高まっているためである。
図1.2.6-1 無人搬送車の走行装置技術別出願件数比率推移

無人搬送車の動力装置の技術は、主に無軌道式車両に用いられるバッテリ動力と、軌道式車両に用いられる集電装置がある。図1.2.6-2は、これらについて出願件数と比率の推移を示したものである。この図に示すように、1980年代中ごろまでは、集電装置に関する技術開発が中心であったが、1980年代末ごろからは、バッテリ動力に技術開発の重点が移っている。

図1.2.6-3は、バッテリ動力の詳細技術に関する出願件数の比率を示したものである。この図に示すように、技術開発の中心は、充放電回路である。
図1.2.6-3 無人搬送車のバッテリ動力の技術別出願件数比率
(1975年1月〜99年9月に公開の出願)

無人搬送車のステアリング方式には、前輪ステアリング、独立ステアリング、二輪速度差ステアリングがある。図1.2.6-4は、これらの出願件数の推移を表したものである。
前輪ステアリングは、自動車技術を転用したもので、早くから無人搬送車に用いられているが、小回りが困難なため、この図に示すように、その後は、あまり発展していない。二輪速度差ステアリングは、駆動輪の回転差を制御することで、大きな旋回半径からその場旋回までを可能にする技術であり、1970年末ごろに開発が活発になった。独立ステアリングは、四輪の操舵方向を独立に制御する技術で、前後進のほか、左右方向に平行移動できるため、搬送経路の旋回スペースを極めて少なくできる。この技術は、1980年代後半に開発が活発になった。
このようなステアリング技術の高度化の背景には、搬送品目の多品種化により、従来のスペースの中に複雑な作業レイアウトを設定するようになり、搬送経路が狭くなったため、同一通路上で搬送車を前後進させる必要が生じたり、旋回スペースが狭くなったことがある。
図1.2.6-4 無人搬送車のステアリング装置技術別出願件数推移

図1.2.6-5に、無軌道式車両用動力装置技術に関する主要出願人を示す。
(1975年1月〜99年9月に公開の出願)

図1.2.6-6に、無人搬送車のステアリング装置技術に関する主要出願人を示す。
後述(1.3.5 無軌道式台車(AGV)のステアリング制御)のように、久保田鉄工、ヤンマー農機などの農機メーカーが、農耕のための複雑なステアリング機構技術を自社技術の基盤として、無人搬送車の技術開発にも活用・展開していることが分かる。
(1975年1月〜99年9月に公開の出願)

