3.3 みそ・醤油

(1) 代表的な特許(表3-3-1)

特許公報から5件の特許を選択した。選択の基準は基本的には上記3.2と同じで、類似の技術が複数ある場合は、出願年次が古いものを採りあげた。

みそ・醤油の場合、酵素利用の目的から

に主眼を置き、選択した。

 なお、表中のは公開であり、現時点では登録されていない。

表3-3-1 みそ・醤油についての代表的な特許

                  (P:特許)

No

出願番号
公告番号
登録番号

出願日
公告日
登録日

出願人

発明の名称

P53-102316
P57-55387
登1199451

780824
821124
840405

キッコーマン

醤油の醸造法

P53-161184
P61-37899
登1372987

781228
860826
870407

ぺんてる

醤油醸造法

P59-92111
P1-35627
登1555631

840509
890726
900423

萬松

高蛋白分解低臭みその製造法

P62-115497
P4-41588
登1758504

870511
920708
930520

田辺製薬
上田化学工業

味噌の品質改良法

P4-89304
P5-227915
(開)

920316
930907

キッコーマン

香味の増強された醤油の製造法

 

(2) 代表的な特許の分布と関連(図3-3-1)

上記(1)の理由で採択した特許を出願日(優先権主張日)順に図に示す。図に、技術内容の要点、出願人、および出願番号を簡単に示してある。

図3-3-1 みそ・醤油についての代表的な特許の分布と関連

出願日
(優先権主張日)

78.8

78.12

84.5

87.5

92.3

    

製 造
工 程

もろみ温度15℃以下でセルラーゼ、ペクチナーゼを添加することにより大豆、小麦の細胞壁を崩壊し、圧搾工程を簡略化できる。

(キッコーマン)
:P53-102316

蒸煮した大豆に麹、食塩を加え、プロテアーゼを混合し、低温度で蛋白質の分解を先行させ、みそのうま味を生成させる。アルコール発酵を抑える。

(萬松)
:P59-92111

風 味
色 調

小麦麹から抽出したカルボキシペプチダーゼを醤油もろみに添加し、天然仕込みに比較して香味、色調、品質において劣らぬ醤油。

(ぺんてる)
:P53-161184

みその品質改良。仕込み時に、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ活性を有す酵素剤を添加して、明度が高く、赤色色彩のみそを得る。

(田辺製薬、
上田化学工業):P62-115497

米、麦にα-アミラーゼを添加し糖化、そこにセルローズ、プロテアーゼを加えα-アミラーゼの効果を増強、香味ある調和のとれた醤油。

(キッコーマン) :P4-89304



(3) 代表的な特許の詳細情報

採択した特許公告公報から、上記(1)、(2)の図表と対応付けをするため、特許公告番号、出願人、本文の抄録を記載する。

 みそ・醤油の場合、多くは従来から使用している酵素を使用している様子で、新規微生物の探索、改変および酵素の改変をしている例が見当たらない。しかし、酵素の組み合わせ、酵素と麹の併用方法など製造工程を工夫することにより、品質の向上を狙っている。また、酵素添加による原料穀物の細胞壁の破壊が楽になり圧縮工程が短縮されるなどの利点を含めての特許もある。

 

 告57-55387(醤油の醸造法) キッコーマン

 

 告61-37899(醤油醸造法) ぺんてる

 

 告1-35627(高蛋白質分解低臭みその製造法) 萬松

 

 告4-41588(味噌の品質改良法) 田辺製薬、上田化学工業

 

 開5-227915(香味の増強された醤油の製造法) キッコーマン