|
|
![]() |
|
2.4.2 半導体洗浄
(1) 全体の動向
急速な発展が続く半導体の分野において、半導体シリコン基板(ウエハ)の洗浄技術は今後の発展を左右する極めて重要な技術である。
1971年以降の出願総件数は約5050件、出願人は約560社で、1社の出願件数の平均は(共願を考慮して)10件である。1社あたりの出願件数は本書の他の分野に比べかなり多い。
出願件数の推移を図2-4-9に示す。
図2-4-9 半導体洗浄関連特許の出願件数推移

1970年代は毎年20件前後の件数であったが、80年代前半に増加し始め、最近は毎年500件前後の大量の出願が続いており、1日に1.5件程度のペースである。増加速度は鈍りつつあるが、減少の兆候は見られない。
次に、横軸を出願件数、縦軸を出願人数とした「件数推移マップ」を図2-4-10に示す。
図2-4-10 半導体洗浄関連特許の出願件数と出願人数の推移

図に示されるように、半導体洗浄技術に関しては、ひたすら発展期が続いている状況である。すなわち、出願件数だけでなく出願人数も増加しており、新規参入が続いている。
(2) 出願人および開発パターン
出願人の分布を図2-4-11に示す。
図2-4-11 半導体洗浄関連特許の出願人(30件以上の32社)

32位の出願人でも30件も出願しており、上位5社は300件を突破している。
半導体に直結する業種の企業が多い中で、たとえば新日本製鉄や川崎製鉄といった鉄鋼メーカーは新規参入であり、両社とも1990年に突然それぞれ15件および13件の出願でスタートし、それ以降毎年出願が続いている。
次に、上位5社の出願件数と、その他の企業の合計の出願件数の1980年以降の推移を図2-4-12に示す。
図2-4-12 半導体洗浄関連特許の上位5社とその他の出願件数推移
上位5社だけを見比べても出願件数の推移にはそれぞれ特徴がある。たとえば大日本スクリーンは1993年に出願が急増し、出願件数が年間100件に迫るほどである。
図で割愛した出願30件未満の出願人のうち、6件以上の87社を次に列挙しておく。
| 富士通ヴイエルエスアイ・住友金属工業・芝浦製作所・島田理化工業・IBM・三菱瓦斯化学・関西日本電気・ダイキン工業・三洋電機・ホーヤ・東京応化工業・日東電工・日立電線・スガイ・東芝セラミックス・山口日本電気・エンヤシステム・住友シチックス・半導体エネルギー研究所・アプライドマテリアルズ・セントラル硝子・テキサスインストルメンツ・トキコ・大陽酸素・東芝マイクロエレクトロニクス・エムセテック・コマツ電子金属・九州電子金属・プレテック・栗田工業・東芝機械・ウシオ電機・三星電子・大陽東洋酸素・日本電装・ダン科学・ローム・芝山機械・大阪チタニウム製造・菱電セミコンダクタシステムエンジニアリング・国際電気・住友重機械工業・日本真空技術・日立プラント建設・エアプロダクツアンドCHEM・オルガノ・キヤノン販売・ジャパンエナジー・日新電機・日立超エルエスアイ・ジャパンフィルド・セイコー電子工業・ディスコ・バブコック日立・ピュアレックス・ミツミ電機・リコー・住友化学工業・住友精密工業・大日本印刷・東芝電材・富士写真フイルム・エイティアンドティ・クロリンエンジニアズ・ソニックフェロー・ワッカージルトロニク・住友電気工業・松下電工・神鋼パンテック・東京エレクトロン東北・徳山曹達・凸版印刷・富士フイルムマイクロデバイス・野村マイクロサイエンス・カシオ計算機・ニッテツ電子・荏原総合研究所・宮城沖電気・九州富士通エレクトロニクス・国際電気エルテック・三井石油化学工業・三菱商事・村田製作所・徳山石油化学・日本電気ホームエレクトロニクス・日本電池・富士通東北エレクトロニクス |
以上の他に5件以下の出願人が約440社ある。
次に技術的な観点から動向を見る。
(3) 技術開発動向
技術分野別出願件数推移を図2-4-13、図2-4-14に示す。
図2-4-13 半導体洗浄関連特許の技術分野別出願件数推移(その1)

<図2-4-13の技術分野の説明>
〇液に特徴 = 洗浄液に特徴があるもの
〇洗浄槽 = 洗浄槽を用いるもの
〇スプレー = スプレー・ノズルを用いるもの
〇ブラシ = ブラシなどを用いるもの
〇蒸気 = 蒸気によるもの
図2-4-14 半導体洗浄関連特許の技術分野別出願件数推移(その2)

<図2-4-14の技術分野の説明>
〇治具など = 洗浄治具、ウエハ容器、搬送
〇各種方法 = 例:エッチング、ウエハ表面安定化、凍結粒子、減圧によるもの
〇プラズマなど = プラズマ、オゾン、紫外線などによるドライ洗浄
〇気体 = 気体の吹き付けによるもの
〇静電気 = 静電気を用いるもの、または静電気の除去
〇制御 = 洗浄の制御、調整、検知
以上の2つの図から以下のような傾向が読み取れる。
1980年以降は、どの技術分野も件数が増加している。
蒸気と静電気が少なく、次に気体、そしてブラシが少ない。ただし、半導体洗浄という出願が非常に多い分野の中で相対的に少ないということである。
技術面で見るといろいろな種類のものがあり、また、新規参入も多い。半導体洗浄は今後も急速な技術開発が進むと予想される分野であり、技術が新しい局面を迎えて大きな変化が生じる可能性もある。