2.4.3 金属表面の溶液・溶剤洗浄

 各論に入る前に、金属表面洗浄の全体の動向について述べる。

 溶液・溶剤による金属洗浄技術に関する特許・実用新案の出願件数推移を図2-4-15に示す。

 以下、出願の大部分を占める特許から動向をみていく。

 図2-4-16は水溶液による洗浄と有機溶剤による洗浄の比率を、図2-4-17はその推移を示したものである。

 この図から分かるように、水溶液による洗浄が約2/3を占めている。

 

 出願年で見ると水溶液洗浄が高い水準にあるのに対し、有機溶剤による洗浄は1987年以降増加し1990年前後で一時水溶液洗浄を上回ったが、最近では水溶液洗浄の特許出願がまた盛り返してきており、ほぼ同水準にある。

 次に、水溶液による金属洗浄についてさらに詳しく見る。

 図2-4-18に水溶液の種類比率を、図2-4-19にその推移を示した。

 

 酸性溶液による洗浄が6割以上を占め、毎年70件程度出願されている。

 次に、有機溶剤による金属洗浄の溶剤種類を図2-4-20に、その推移を図2-4-21に示す。

 

 含酸素溶剤と含ハロゲン炭化水素溶剤が多い中で、図から分かるように、最近は含ハロゲン溶剤が減少し、含酸素溶剤が増えてきているのが特徴である。

 金属表面洗浄の利用分野としては、第1章で解説した次の5つを取り上げている。

  (1) 塗装、コーティング

  (2) メッキ

  (3) 機械加工

  (4) 熱処理

  (5) 圧延

 これら5分野の出願件数の推移を図2-4-22に示す。

図2-4-22 金属表面洗浄関連特許の利用分野別出願件数推移

 いずれの分野も年間数件から数十件程度の出願があるが、最近は「塗装、コーティング」の分野での増加が顕著である。以下において各分野の動向の詳細を見ていく。