平成21年10月
特許庁
1.日時
平成21年10月2日(金)10:00〜12:00
2.場所
特許庁庁舎16階 特別会議室
3.出席委員
野間口 有独立行政法人産業技術総合研究所 理事長(座長)
飯村 敏明知的財産高等裁判所 判事
大歳 卓麻日本アイ・ビー・エム株式会社 会長
大渕 哲也東京大学大学院法学政治学研究科 教授
奥山 尚一久遠特許事務所 弁理士
片山 英二阿部・井窪・片山法律事務所 弁護士・弁理士
佐々木 剛史トヨタ自動車株式会社 知的財産部長
白石 忠志東京大学大学院法学政治学研究科 教授
田中 昌利長島・大野・常松法律事務所 弁護士・弁理士
山口 洋一郎レーダー・フィッシュマン & グラワー法律事務所 米国弁護士
山本 敬三京都大学大学院法学研究科 教授
渡部 俊也東京大学先端科学技術研究センター 教授
渡辺 裕二アステラス製薬株式会社 知的財産部長
4.議題
- (1)開会
- (2)発明・発明者の保護の在り方について
- (3)今後のスケジュール
- (4)閉会
5.議事要旨
事務局からの資料説明の後、討議を行ったところ、概要は以下のとおり。
<職務発明制度について>
- ○ 改正法の適用事例がまだないため早期の制度改正はできないものと認識しているが、現行制度には、研究者の情報秘匿による研究開発チームへの悪影響や、訴訟リスクの高さ・予見可能性の低さによる研究開発投資の減少という懸念がある。将来的には、職務発明の取扱いを企業と従業者の間の契約にゆだねるべきではないか。
- ○ 近年の裁判例の動向をみると、従業者との間で取り決めた対価が改正法下で本当に尊重されるのか疑問がある。
- ○ 35条が仮に削除されるとすると、極めて概括的な規定である民法90条1が適用され、予測可能性が一層低下する。35条を残し、必要に応じて改正するほうが、一般法にゆだねるよりも望ましいのではないか。
- ○ 改正法下でも、35条5項2があることで結局旧法下と同様の判断が下され、不毛な議論が続くおそれがあると懸念している。将来的には、制度廃止の方向で改正すべきではないか。
- ○ 先発明主義を採るアメリカに比べて、先願主義を採る日本は従業者の交渉力が弱い。労働実態との調和などもみながら、制度のあり方について考えるべきではないか。
<冒認出願の救済に関する制度について>
- ○ 外国では立法手当により救済手段を認めていることが多く、日本でも、冒認出願された真の権利者の救済を拡充するための立法的解決を望む声が多い。
- ○ 特許権の設定登録後に真の権利者が権利を取り戻すことを認める場合は、制度的に考慮しなければならない事項が多くあるのではないか。
<新規性喪失の例外規定における学術団体等の指定制度について>
- ○ 外国の学術団体の申請及び指定は未だに例がなく、海外の学会等での自己の発表によって新規性を失う状況は国際的な観点から問題があるため、本指定制度は廃止した方が良いのではないか。
- ○ 大学等においては、本指定制度廃止についてのニーズがあるので改善を考えた方が望ましいが、一方、産業界でのニーズはない。大学等に対しては、新規性喪失の例外措置に頼るばかりではなく、早期に出願を行うよう促すことも必要ではないか。
<特許の保護対象について>
- ○ 現在の発明の定義規定は非常に美しいが、ユーザーからみるとわかりにくい。発明の定義規定をやめて、欧州特許条約のように不特許事由を列挙し、必要に応じて調整をしていく方がわかりやすく、時代の流れにも対応できるのではないか。
- ○ 新しい対象に速やかに対応できるように継続的に見直しが行われるべきではないか。
- ○ 現行の定義規定を変える必要はない。新しいアイデアを保護するなら、特許法とは別の法体系で保護する選択もある。その方が法的な安定性の観点からも合理的ではないか。
- ○ 特許の保護対象を広げる際に、法改正をせずに審査基準の改訂のみで対応することの是非を議論しつつ制度の在り方を検討すべきではないか。
- ○ 諸外国の制度も種々の問題を抱えている中で、日本の制度はそう悪くないのではないか。発明の定義を全部なくしてしまうことには多くの人が抵抗を感じるのではないか。
※本議事録は事務局の文責にて作成したものであり、出席者各位の了承を得た ものではない。
1公序良俗に反する契約は無効である旨規定。
2対価について定めがない場合又はその定めたところにより対価を支払うことが不合理と認められる場合には、対価の額は個別の事情を総合的に考慮して定めなければならない旨規定。
- <この記事に関する問い合わせ先>
- 特許庁総務部総務課
- 担当:龍崎、片山
- 電話:03-3593-0436(直通)
- FAX :03-3593-2397
- E-mail:問い合わせフォーム
[更新日 2009.10.27]