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第4回意匠制度小委員会 議事録

  1. 日時:平成16年12月17日(金曜日)10時30分~12時30分
  2. 場所:特許庁 特別会議室
  3. 出席委員:
    大渕委員長、岡崎委員、勝尾委員、菅井委員、茶園委員、平野委員、牧野委員、水谷委員、光主委員、峯委員、森山委員、山本(為信)委員、山本(建太郎)委員
  4. 議題:
    • 中間的な論点の整理(案)について
    • 損害賠償制度の強化について
    • 刑事罰の強化について
    • 税関における意匠権侵害品の部品外しについて

開会

大渕委員長

おはようございます。それでは定刻となりましたので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第4回意匠制度小委員会を開催いたします。
前回であります第3回には、「意匠制度における類似の概念」という点と、それから「関連意匠制度」について御審議いただきました。本日は、これまで3回にわたって御議論いただいた事項を、「中間的な論点の整理(案)」としてとりまとめるべく御審議いただきたいと思っております。また、あわせて、「知的財産推進計画2004」で、本年度検討が求められております事項についても取り扱わせていただきたいと思います。
それではまず、事務局から配付資料の確認をお願いいたします。

花木審議室長

お手元の資料を確認させていただきたいと思います。
議事次第、配付資料一覧の一枚紙、それから、委員名簿に続きまして、資料1といたしまして「中間的な論点の整理(案)」ということで、本日の主な討議資料を用意させていただいております。続きまして、資料2、3、4といたしまして、先ほど委員長から御発言のございました「知的財産推進計画2004」にて、特に意匠制度に特化したという意味ではないんですが、知的財産制度全般について検討の求められている事項も含めて、「損害賠償制度」、「刑事罰」、それから「税関における部品取り外し」の事例について指摘がございますので、後ほど紹介させていただきたいと思っております。
参考資料としましては、罰則の関係で「産業財産権四法の罰則規定の比較」、それから、参考資料2といたしまして「税関における認定手続の流れ」という資料をつけさせていただいております。
以上でございます。

中間的な論点の整理(案)について

大渕委員長

それでは早速、議題に入らせていただきます。
これまで3回にわたりまして当委員会で御議論いただいたわけですが、その中で出てまいりました項目を整理するために、まず初めに「中間的な論点の整理(案)」というものについて御審議していただきたいと存じます。まず、事務局の方から説明をお願いいたします。

花木審議室長

それでは、資料1に基づきまして御説明させていただきたいと思います。
資料1でございますが、中間的な論点の整理(案)ということで、まず、はじめにというところでございます。こちらについては、今回の検討の背景ということで、デザインの戦略的活用による製品の高付加価値化の推進、それから、我が国産業競争力の強化ということで、ブランド価値とか付加価値の源泉となる独創性の高いデザインを保護すべきである。また、意匠権者による権利の積極的な行使を可能とすることが必要という御指摘をもとに、当委員会で御審議をいただいたということでございます。本年7月以来これまで3回にわたって審議を行ってきていただいておりますので、今回、これまでの審議を踏まえ、あるべき姿についての論点とその方向性について、一たん論点を整理させていただきたいという趣旨でございます。
II番目の検討の背景ということでございますが、こちらは第1回の審議会で御議論いただきました、現在の意匠を取り巻く状況について出てきた御意見を整理させていただいたものでございます。
まず1つは、企業活動におけるデザインの位置づけというのが変わってきているという現状認識でございます。非常に傾向的な整理になってしまうんですが、従来は、企業間の相違というのがあまり見られない横並びの状況となっていた。これに対して昨今の変化といたしまして、途上国産業の技術、品質、価格面での競争力が向上している。それから、韓国や中国におけるデザイン力の向上、そういった動きがある。こういった中で、従来の横並びの状況から変化しているのではないかという御指摘があったかと思います。
具体的には、我が国の企業経営におけるデザイン戦略の位置づけというのが高まりつつあるのではないかということが第1点と、それから、デザインの概念自体も従来に比べて拡大してきており、その活用の場面も企業活動の多様な場面に及ぶようになっているのではないかという御指摘でございます。
それから、2番目でございますが、それに対する意匠制度はどうかという評価でございます。意匠制度は、御承知のようにデザイン創作の成果等について独占的排他的な権利として権利者に、意匠の創作者またはその承継者に権利という形で帰属させる制度でございまして、それをもとに製造、販売、流通等の企業活動に一定の秩序を形成し、意匠創作のインセンティブを引き出すことによって、産業の発達を目指すということかと思います。
一方、こういう制度ではあるんですが、年間の件数といたしましては4万件程度なんですが、デザインが消費者との関係で重要な要素となっているアパレル、玩具等の企業におきましては、比較的ライフサイクルの短さ、あるいはその登録・出願等のコストの観点から、利用が若干低調なのではないか。
また、創造する側のデザイナーの方につきましては、やはり同様に準備・事務コストや登録料などの負担が大きいのではないか。そういう意味で、意匠制度が若干重たい制度になっているのではないかという評価を書かせていただいております。
それから、めくっていただきまして3番目ですが、今度は意匠の審査の現状はどうかということでございます。こちらにつきましては、まず1つはスピード化という点では、従来に比べまして、現在ファーストアクション7.7カ月、セカンドアクション12.5カ月ということで、スピード化は進んでいるという評価をいただいているかと思います。
審査の中身である類否の判断でございますが、こちらについては、類似の判断が狭く解釈される場合が多いのではないか。したがって、独創的なデザインが十分評価されていないのではないかといった御指摘があったかと思います。また、透明性という意味でも、審査官の判断の前提とかプロセスが明らかになっていないという御指摘があったかと思います。
4番目に、意匠権の権利行使の現状でございますが、判決まで至る意匠権侵害訴訟は年間20件程度、水面下では非常に多いという御指摘もあったかと思うんですが、一方で類否の判断が困難であるため、なかなか訴訟に踏み切れないという御指摘もあったかと思います。
また、コストの関係で言いますと、実際に損害額が、こういった訴訟や無効審判にかかるコストと比較して、損害額が低い場合にはメリットが薄くなるという御指摘もあったかと思います。
以上の4つの観点から、現状を御議論いただき、評価していただいたという整理をさせていただいております。
それから、本論でございますが、具体的な検討項目といたしまして4つの観点に切り分けて整理させていただいております。
まず最初に、意匠の定義でございますが、こちらは第2回の審議会で御議論いただきました。現状の意匠法は物品性ということで定義されているわけございますが、ちょっとはしょって次の3ページのところでございますけれども、デザイン概念が多様化、拡大化していることに伴いまして、こういった現状の物品性ということから少し広げる方向で議論してはどうかということで、第2回で御議論いただいたかと思います。
その中で、一つの方向性といたしまして、やはり物品性というのが基本ではないか。ただし有体物でない製品、グラフィックシンボルとか、アイコン等を含む、そういった製品的なものについてまで広げるというのも一案ではないかというような御議論ではなかったかと思っております。
したがいまして、定義につきましては、こうした観点でひとつ対応が考えられるのではないかという整理をさせていただいております。
ただし、この際の留意点として幾つか出た御意見を並べさせていただいておりまして、一つが産業技術政策的な観点ということで、特にグラフィックシンボルとかアイコンといったようなものは、もちろんこれから高齢化社会を迎える中で、ユニバーサルデザインですかとか、あるいは消費者にとってのわかりやすさという面で非常に重要ではあるんですけれども、そういうことが企業の創作活動、企業活動にどういう影響を与えるのか。それは企業側、それからデザインを生み出す側、双方にとってどうなのかといった政策的な観点が必要ではないかということが第1点目でございます。
それから、2番目が、今申し上げた物品性から切り離されたことによって、どこまでが保護されるかということについて、はっきり定義することができるかどうか。
それから、3番目に、手続面で広げたことによって手続が複雑化、煩雑化しないということ。
4番目に、審査においてそれがネックとなって、処理期間が長期化したり負担が増加するということがないようにすべきではないか。
それから5番目でございますが、意匠権が新たに拡大されることに伴う過度な競争制限が起きることがないように配慮すべきではないか。
また、競業者の観点からしますと、監視負担の増大について留意することが必要ではないかといったような御指摘があったかと思います。
以上が第1の論点、意匠の定義でございまして、2番目に、4ページでございますけれども、制度の枠組みについて、こちらも第2回の審議会で御審議いただいたかと思います。
現在は、一言で申し上げますと審査登録制度ということで、具体的には、意匠の発生前に新規性等の登録要件に充足しているかどうかを行政庁が確認する。そのようにして確認されたものについては、意匠権の性質として絶対的独占権となる。また、その権利の内容は原簿に登録され、公報によって公示される枠組みになっているわけでございます。
こちらにつきましては、安心して企業活動を行うための材料として利用しているという企業の観点からすると、事前審査制度の存置につきましては肯定的な御意見があったかと思います。
一方、プレゼンテーションしていただいたかと思うんですけれども、玩具業界等ライフサイクルの短い業界の方におかれましては、製品のライフサイクルが短い、あるいは多品種少量生産である、あるいは模倣品が海外等で迅速につくられて国内に入ってくるといった業種においては、こうした制度が必ずしもマッチしていないのではないかという御意見もあったかと思います。
また、そうした早さ、安さといった観点だけでなく、意匠とはどうあるべきかといった観点、本質的な観点からも、当事者同士で類否の判断を争う枠組みにした方がより権利の保護が厚くなるのではないかといった観点から、審査とは別の枠組みが適当なのではないかといった御意見もあったかと思います。
以上を踏まえまして、対応の方向性として書かせていただいておりますのは、一つは事前審査制度、現在の事前審査制度と無審査登録制度とのダブルトラック型のように、制度枠組みの異なる2つのトラックを並存させる制度の導入の要否も含めて、意匠制度に対する今申し上げました多様なニーズに対応し、一方でデザインの創作も的確に保護し、意匠権者による権利行使や活用も可能となるような枠組みというものが設けられないだろうかということで書かせていただいております。
この際の検討の留意点といたしまして書かせていただいておりますのが、一つは制度の枠組みを検討する場合に、保護対象、保護要件、権利の公示、あるいは強さ、性質、有効性等の各論点について明確に整理する必要があるのではないかということでございます。
また、ダブルトラック制度を導入することに関しては、相互の関係性、あるいは乗り換えの要否について検討することが必要ではないか。
また、意匠制度が過度に複雑化し、管理負担、監視負担が増大しないように配慮する必要があるのではないかという御指摘がございました。
5ページでございますが、さらに不正競争防止法につきまして、こちらは前回第3回でも改正の動向について御紹介させていただいたところでございますが、そちらとも含めると無審査制度を導入することがトリプルトラックになる可能性があるということについても検討する必要があるという御指摘があったかと思います。
以上が2番目の論点でございまして、3番目といたしまして、登録要件と効力範囲について第3回で御議論いただいたところかと思います。
こちらにつきましては、現在の意匠の登録要件は、新規性と創作非容易性ということでございます。判例上は、新規性の判断は、意匠登録出願された意匠と同一又は類似の物品にかかる公知意匠の範囲において、一般需要者の観点から見た美感の類否を判断するものである。また、創作非容易性の判断につきましては、当業者の視点から見た着想の新しさや独創性を判断するということになっているわけでございます。
また、効力のところでございますが、意匠権の効力につきましては、業としてなされる登録意匠及び類似する意匠の実施に及ぶということになっているわけでございますが、この類似の判断につきましては、一般需要者の観点から判断するということになっているわけでございます。
したがいまして、この登録の段階、それから、侵害への権利行使の段階の両段階におきまして、意匠の類否の判断ということについて必ずしも現状明確になっていない、あるいは狭いのではないかという御指摘があったかと思いますので、この点について御検討いただいたということかと思います。
対応の方向性といたしまして、まず第1に登録の段階につきましては、こちらは平成10年の意匠法改正におきまして、前回第3回で御紹介させていただきましたように、要件の厳格化を行っております。それによって実際に創作容易性ということにつきましては、拒絶理由となるものも増えているということを御紹介させていただいたところかと思います。
そうしますと、法律上さらに意匠の登録の要件のハードルを高くするということにつきましては、特にそうすべきだという御意見は必ずしもなかったのかなというふうに受けとめております。だとすると法律の問題というよりは、むしろ運用面におきまして、類否判断の手法の明確化、判断の合理性の向上といった形で対応することが求められているのではないかということで書かせていただいております。
また、権利行使侵害の段階におきましては、こちらは登録要件と違いまして、直ちに効力が及ぶ範囲が類似する意匠の範囲のみにとどまっておりますので、登録要件と同様に、既存の登録意匠に属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作できる意匠の範囲というのを効力範囲として追加してはどうかということを提案させていただいたところかと思います。この点について対応の方向性ということで書かせていただいております。
この際の留意点といたしまして4点書かせていただいておりまして、1つは効力の範囲の議論に当たりましては、現在の意匠法の趣旨、目的をどう考えるかという整理と非常にかかわってまいりますので、そういう部分と整合的な検討が必要ではないかということでございます。
また、2番目でございますが、登録あるいは効力の判断におきましては、審査・審判の段階においては、訴訟と異なりまして1件ごとに使える時間にも制約がございますので、そういう中で、実際上ワークする仕組みにする必要があるのではないかということでございます。
それから、3番目にデザイン政策的な配慮といたしまして、こういう登録要件、あるいは効力範囲について議論するに当たっては、その制度が日本のデザイナーの方の資質をさらに向上させていただいて、すぐれたデザインの創作を促すようなものにすべきではないかということでございます。
また、4番目といたしまして権利範囲の明確化の要請があるということでございましたが、これは観念的な問題なのかもしれませんが、過度に明確になった場合には、第三者がその明確となった範囲の外側をあえて実施するといったような、そういう迂回的な行動に結びつく恐れがないかどうかという点を挙げさせていただいております。
以上の第1から3のところが主な議論として、第2回、第3回の議論をまとめさせていただきました。
第4.といたしまして、そのほかに第2回、第3回の議論で出ました事項に関連いたしまして整理させていただいております。こちらは、意匠制度をユーザーにとってより利便性の高いものにするという観点から、一つは関連意匠制度につきまして御議論の中で御指摘がございました。こちらにつきまして、平成10年の改正で導入された後、6年経つわけでございますので、そういう中で特に市場で成功した製品にマイナーチェンジを加えて製品開発を行っている、そういう実態と現在の関連意匠制度のあり方が適切になっているのかどうかということについて検討するという論点があったかと思います。
また、部分意匠制度につきましても、こちらは、先に本体意匠を出した後で部分意匠を出すということがなかなかできないということでございまして、そういうところについてより利便性を向上させてはどうかという御指摘があったかと思います。
これらにつきまして検討の留意点といたしまして、まず関連意匠制度につきましては、後日の出願を認めるということについて、どうなのかということでございます。これは本意匠が出た後、関連意匠までの間に、第三者の意匠が登録される可能性があるわけでございますので、そこのバランスの論点というのがあったかと思います。
また、部分意匠制度につきましては、同様に、部分意匠の意匠権者と第三者とのバランスの論点ということで書かせていただいております。
その他ということで、制度直接ではないんですが、出願人や意匠権者を補助する外部サービスとかデータベースの整備についても御議論がございましたので、論点として書かせていただきました。
以上でございます。

自由討議

大渕委員長

丁寧な説明をありがとうございました。
それでは、以上の説明を踏まえまして議論の方に移りたいと思います。テーマとしては、最初のII.の検討の背景、それから、IIIの1.の意匠の定義、さらに4ページの2.の意匠制度の枠組み、5ページの3.意匠の登録要件と効力範囲、最後に6ページの4.その他というのがそれぞれ一まとまりになっておりますので、スムーズで効率的な議論のためには、全部合わせて議論してしまうよりはそれぞれのまとまりごとに個別に議論した方がよいと思われますので、そのようにさせていただきます。ただ、途中で早退される方がおられるようですので、そのような方については、もちろんしかるべき方法、例えば、後の議題についても最初のところで合わせて御発言いただくなどの方法で、御発言いただければと思います。
それでは、そのように議論を進めさせていただくことにいたしまして、まず最初に1ページから2ページにかけてのIIの検討の背景という部分がございますが、この点につきまして御意見、御質問等をお願いいたします。
山本委員、どうぞ。

山本(為)委員

私は途中で退室させていただきますので、先に意見を申し上げたい部分がございます。
今、意匠制度について非常に明快にまとめていただいておりますので、私がどうこう言うことはないのですけど、実際に仕事をしている者としまして、やはり途上国が非常にデザイン力がアップしてきて、最近のCADのようにソフトが非常に利用しやすくなっているという現状で模倣しやすくなった時代に入りましたので、この点で海外と意匠制度が違うということが大いに問題であります。そういう意味で厳然たる日本の意匠制度を進めていただくということをお願いしたいと思っております。
細かい事例で、日本ではないのですが、海外の専門展示会へ参りましたら、向こうでいろいろ意匠登録をとっているということをパンフレット等でPRに利用されています。無審査制度で行っている海外もあるのでそこのところが問題に感じます。このごろは非常に交流が多いものですから、バイヤーの人も海外へ行って、展示会へもどんどん行きます。そうすると海外との制度の違いを説明しなかったら何か向こうに非常に、―海外は海外の権利があるというだけなんですけど-、何か優位性があるようになりまして、我々としては残念な気持ちになります。そこらあたりをひとつ御配慮いただきたいというふうに思っております。
以上でございます。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか、この最初の部分、ないしは、個別というよりは全体についての御意見等でも結構でございます。
それでは、また後のテーマの議論の際に思いつかれた点、関連する点等ございましたら、適宜このIIの検討の背景の部分についても議論を行うことにいたしまして、とりあえず次に進んで、IIIの1.の意匠の定義という点について議論を行ってまいりたいと存じます。この点について御意見、御質問等ございませんでしょうか。
ここに挙がっている項目、留意点等でありましても、この中でどれを重視するのか、またはしないのかといった点も含めて何か御意見、御感想、ないしは、先ほどのように少し違った点から実例等も含めた御意見でも結構でございますので、お願いいたします。
どうぞ、菅井委員。

菅井委員

特に大きな観点というよりは、今審査のあり方の中での無審査という方向が一つ出ておりましたけれども、この新しい意匠制度の中で保護するものにグラフィックシンボルですとか、アイコンというのが出てきているわけですけれども、無審査と言うと、何かすべてに無審査みたいなイメージをすごく強く持つと。例えば今回この拡大の検討をしているこういったものというのは、非常に先行技術なりをサーチするのも非常に大変だと私は思いますし、また工業製品という観点からいたしますと、変えるのは非常に容易という観点もあるかと思います。
そういう意味からしますと、無審査が全部ということではなくて、こういった新しい枠の中に入ってくるもの、かつ比較的変えるための工数とかお金の観点から言っても、それほど大きな労力を要しないものについては、そういう無審査というのはある程度の枠の中で認められてもよろしいのかなと。我々の業界の中ではあまりこういったところが、ナビの画面みたいなものは多少あるんですけれども、それほど大きな話題になっていないので、あまり切実な要請という観点ではないんですが、それも一つの手かなというふうに感じております。
以上です。

大渕委員長

どうぞ、勝尾委員。

勝尾委員

今の御意見と重なるんですけれども、物品性はないかもしれないんですが、やはりインターフェースの部分のデザインというのが今非常に重要になってきていますので、その部分のデザインの保護のより強化というものをできるような方向で検討していただきたいなと思います。

大渕委員長

山本委員、どうぞ。

山本(建)委員

今の意見と同じなんですけれども、実際にデザインのソフトウェアを開発している場面で言いますと、例えば携帯電話の中に入っているアイコンは、一般的に3000種類ぐらいの「アイコンをデザイン」を起こしていっているわけですね。それが今のところ全然保護されていないということもありまして、何件か何とかしてほしいという意見は近い知り合いから聞いたことがございまして、大変な労力がそこにかかっているということで、そこも模倣もすごくしやすいところなんですが、今のところデザイナーのモラルというんでしょうか、そこで模倣をせずにオリジナルのアイコンを随時、ほとんど毎年のように起こしていっているというところがあります。ですから、そこの保護のことはかなりデザイン界のニーズとしては高いものと思われます。
以上です。

大渕委員長

光主委員、どうぞ。

光主委員

今アイコンの話が出ましたけど、産業界として、アイコンそのものを保護するということについてはいろいろ懸念事項がございまして、基本的には著作物性の問題も含めて、意匠法の独占権として付与していいものだろうかという議論はあります。したがって、アイコン等については物品の定義に該当しないため、アイコンの物品はプログラムという理屈になると、また産業界は大変大きな問題になると思います。そこはやはり保護すると言っても、どのような法律、意匠法なのかどうなのかということも含めて、現在はっきり言ってアイコン等を含めた創作されたデータベースであれば、ある程度の著作物として保護されているという現状もありますので、そういう意味ではどういう形態で保護していくか、もう少し議論していただければと思います。

大渕委員長

平野委員、どうぞ。

平野委員

今産業界とおっしゃいましたけれども、じゃあデザイン産業界とすると、まさにアイコンとかグラフィックシンボル、それとインターフェースの部分が製品として流通しているわけですね。それを取引していますので、あくまでもそこの部分で何かの一部というわけではなくて、我々はそれを製品として流通していますので、ちょっと誤解がないようにしていただきたいというふうに思います。

光主委員

失礼しました。JEITAは電機製品等のものを製造しているメーカーの立場から言わせていただくと、そういう意見があるということでございます。

平野委員

その辺はよくわかります。
これはこの前の委員会のときにも話しましたけれども、最初にインターフェースだとか、画面のデザインとか、あとはその中でのアイコンというのを先にやって、その画面の変遷とかそういうのに対してプログラムをお願いしますという形で、我々の方からプログラミングのソフトウェア会社とか、プログラミング会社とか、あとはベンダーとか、そういう方々に後でお願いするというのもあるものですから、どっちが先とかどっちが後という話はなくて、我々からするとプログラムが部品というか一部というふうに思っていて、そっちは著作権とかそういうのでちゃんとしてくれないと困りますねという感覚もあるものですから、難しいかもしれませんが、鶏が先か卵が先かというのとはちょっと違いますけれども、どっちが上でどっちが下というふうには私はあまり考えていないというのが私の意見でございます。

大渕委員長

山本委員、どうぞ。

山本(建)委員

インターフェースの中のアイコンではないかと思いますけど、かなり近い例としてはピクトグラムというのがありまして、著作権で保護されているところもありますけれども、例えば一製品として公共で使われるサインやピクトグラムを看板のような形に製品化したとします。それが例えば防災のピクトグラムという、今京都大学等と一緒にたくさん開発されておりますけれども、それは全部オリジナルデザインで、もう数千のピクトグラムが今開発されていますけれども、それは個人の独占的な使用ということにしてしまうと公共性を持たなくなってしまうので、やはり共通のピクトグラができれば、世界的に使用されるべきだということから、もうネット上にすべて公開されておりまして、独占的な使用は、もうだれもできないような形にとっていっている。だから、公共的な使用というところで全部権利を発生させないという逆の側面も、このアイコンとかピクトグラムというのは持っているのではないかなと思います。

大渕委員長

平野委員、どうぞ。

平野委員

今の話は私大賛成で、例えばISOとかJISとか、いろんな産業界というのか、一部の産業界かもしれませんけど、共通でいろいろ持つというものがあってもいいんじゃないかなというのはあると思うんです。それが日本国内から国際的にやっていくのであれば、これはまさに日本発のスタンダードというのがまた外に出て行くのかもしれませんので、その辺はぜひ業界内で真剣に取り組んで、お互いに著作権なり意匠権に触れないものとして育っていくという新しい戦略的な話というのがあるというふうに私は思うので、そういう対応と、逆にオリジナリティーが強いものに対しては保護していくような、そういううまい方法があるのではないかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

大渕委員長

今の点に関連してでも、あるいはその他の点でも結構ですが、いかがでしょうか。この1.の点に関しまして御意見、御質問等お願いいたします。
どうぞ、牧野委員。

牧野委員

アイコン等の画面デザインの保護について、私は絶対に必要であると思っておりますが、これを意匠法で保護すべきかどうかという点で、まだ若干議論があるように思います。その関係で、平面的な形態でも不正競争防止法2条1項3号で保護ができるのではないかという意見があったと思いますけれども、現在行われている不競法の見直しの検討において、画面デザインを同法において保護する方向に動いているのかどうかということを教えていただきたいと思います。

大渕委員長

どうぞ。

花木審議室長

不正競争防止法の改正案におきましては、今御指摘の2条1項3号についても若干改正するというふうに聞いておりますが、具体的な内容は、いわゆる他人の商品の形態を模倣した商品のこの模倣ということについて定義を設けるということで、同一または実質的同一を模倣というという、その定義規定を設けるのみというふうに聞いておりまして、具体的に今先生の御指摘のあったような、グラフィックデザインがこの中に含まれるかどうかについて、明らかにするような改正には必ずしもなっていないのかなというふうに思っております。

牧野委員

そうしますと、今回意匠法の改正を考えるに当たって、画面デザインの保護は、意匠法の枠内で考えていくべき課題であるという認識でおられると見てよろしいのでしょうか。

大渕委員長

どうぞ。

花木審議室長

御指摘のとおりでございまして、第2回でも御議論いただいたときに、EUの意匠法におきましては、こうしたものが意匠法として保護されているというふうに思っておりまして、そういう観点からすると意匠法で保護するということも十分あり得るのではないか。ただ、いろいろな問題点があるというのは御指摘のとおりだと思いますので、具体的にどういう形が考えられるのかということについては、これからじっくり御議論いただく必要があるかと思いますが、方向性としては、そういうことで考えられないだろうかどうかということを提案させていただいているということでございます。

牧野委員

もう一点お聞きしたいと思います。画面デザインのような有体物でない製品について意匠法で保護するということになりますと、意匠の実施の規定に、電気通信回線を通じた提供という、特許法にも入りました実施概念を取り込む必要が出てくるのではないかと思いますが、そのあたりの検討もいずれされるというふうに考えてよろしいのでしょうか。

大渕委員長

どうぞ。

花木審議室長

いろいろな論点が出てくるかと思いますが、まだ現在の段階で、どの範囲に影響が及ぶのかといったところまできっちりした議論は我々の中でもできておりませんので、その点も含めて全体像、具体案を今後また議論いただいて、そのときに関連して必要になる手当てについても御審議いただけたらと思っているところでございます。

牧野委員

ありがとうございました。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか。水谷委員、どうぞ。

水谷委員

ただいまの議論に関連して申し上げます。現行の意匠法でも38条という間接侵害の規定がございますが、この38条の範囲で言うと、プログラム等の提供が意匠権との関係で間接侵害になることがあり得るということ、これがはっきり書かれております。今問題になっている画面デザインというのは、ウェブサイトから有料で購入するアイコンデザインとかアイコンデータ、こういうものを想定していると思うんです。ここで、そうではなくて、例えば携帯電話について、画面デザインを意匠登録することは現在でも可能だと思うんですけれども、そういう時に、携帯電話会社に対してアイコンデザインを、プログラムないしはデータとして提供する独立の事業者さんがいらっしゃるとすると、そういう方に対しては、38条の要件が満たされていれば、現行法でも意匠権侵害、これは直接侵害ではなくて間接侵害ということになるかと思いますが、権利行使が可能なわけですね。ですから、今なさっている議論というのは、無から有を生ずるという話よりは、むしろ階段の踊り場ぐらいまではもう制度ができている、2階まで上がっていくのかどうかというような、そういう議論なんだろうというふうに認識しておりますので、そこも十分考慮する必要があるのではないかというふうに考えます。

大渕委員長

茶園委員、どうぞ。

茶園委員

情報技術のデザイン創作が活発化していて、しかし現在それを明確に保護する法制度がないので、意匠法で保護する必要があるかどうかを検討するというのは理解できますが、注意すべきは保護される対象がどのようなものかです。例えばグラフィックシンボルとかアイコンというのは、一つの画面にあるものと思うのですが、そういうものであれば、単に一つの画面にあるそれを願書に添付してそれを保護対象にすることは、意匠の定義なりを変えれば、また実施概念をある程度手直しすれば可能ではないかと思うのですが、私の理解が間違っているのかもしれませんが、聞いたところでは、情報技術のデザインにおいてはむしろ移り変わりという、ある画面からある画面への遷移が非常に重視されて、そのような観点からデザインが創作されているようでして、そういう遷移のところを保護する必要があり、そこを保護してもらいたいというニーズがあるのであれば、意匠法で的確に対応できるのか、そもそもどのように保護対象を確定させるのか、確定させたとして、それをきちんと審査できるのか、という問題を考える必要があります。意匠法がこのようなデザインの保護になじまないということをいっているのではありませんで、そもそも保護される対象というのが、今までの物品デザインとはかなり異なる性格のもの、有体物ではないというのみならずそれ以外にも物品デザインとは違った性格があると思いますので、このような問題を含めて、意匠法で対応するのか、あるいは別のところでやるべきなのかということを検討していただきたいと思います。

大渕委員長

峯委員、どうぞ。

峯委員

今の茶園委員の話にもつながるかなと思うんですけれども、このグラフィックシンボル等々、これを保護するということは、まずそれは物品と全く関係ないという、すごく特殊なもののわけですよね。携帯電話でもいいし、コンピュータでもいいし、あるいはもしかしたら洗濯機であるとか冷蔵庫といったものでもいいかもしれない。それが使われる場所というのは幾らでも考えられる。とすると、このグラフィックシンボルを保護してくれというときには、携帯電話のグラフィックシンボルという特定の仕方にはならないと思うんです。
そうするとEUの意匠法もそうなんですけれども、意匠登録というものと物品というものとのつながりが極めて希薄になってくる。グラフィックシンボルだけ物品との関係が希薄だというレベルでとどまることは恐らくないと思うんです。いったんそこで物品との関係を切る、あるいは希薄にするということになると、現在の有体物についてのデザイン、意匠、これについても物品との関係が希薄なってくる可能性がある。その辺をどういうふうにとらえていくのかということもやはり検討していかなければいけない。このグラフィックシンボルを保護するということとの関係においても、それが問題になってくるんじゃないかというふうに思います。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか。
それでは、また必要に応じて戻ることにいたしまして、次に、先ほどの資料1ですと4ページの2.の意匠制度の枠組みというこのテーマについて御議論いただければと思います。
岡崎委員、どうぞ。

岡崎委員

無審査と事前審査のダブルトラックの案に出てきております。私ども無審査制度をどう考えるかということで知財協意匠委員会の中でも議論致しました。先ほど御説明もありましたように、無審査のメリットとしまして、早さ、安さがあることを御指摘されたと思います。その早さについてですが、世界の無審査国、例えば欧州でも、中国でも、無審査といえども6カ月ぐらい公報が出るまでにかかっています。日本の制度では、早期審査では3カ月を切る勢いになってきていますので、世界の水準から見れば、審査しても結構早いスピードで登録されているという状況だと思います。今後、特許庁さんの努力で、この3カ月がもっと早くなるというところも期待できるのではないかと思います。
それから、事前審査のメリットとしまして、やはり我々産業界では権利の安定性が非常に大事ではないかと思っています。そういう意味で、審査を経て登録になった意匠と審査を経ないで登録になった意匠、これらが並存することによるデメリットを懸念しているわけでございます。
更に、実務的には調査の負荷とか、権利判断の負荷、無審査の登録意匠の権利判断の負荷、また、こういうことがあるかないかわかりませんけれども、無審査制度を悪用して登録することによる混乱といいますか、その様なことを考えたときに無審査制度を導入することのメリットをどう考えていけばいいのか、疑問を感じているわけです。
そういう意味で、審査が早くなっているという事情と権利の安定性、それから審査を経た登録、無審査の登録が並存したことによるデメリットを十分考慮して御検討していただきたいと思います。

大渕委員長

森山委員、どうぞ。

森山委員

今の御発言に関してなんですけれども、無審査制をどの範囲であれ、導入することと、今の制度の上での審査のスピードということが問題にされていますが、そのスピードの観点だけではないというのが今までの議論だったのではないかと思います。無審査に関しては。
最初のII.の検討の背景の、2.の企業における意匠制度利用の現状というところで、アパレル、玩具、それから中小企業・個人のデザイナーというところで指摘されていますように、行政コストも出願人のコストも含めて、登録率との兼ね合いもあって、早ければ審査制度がすべてのデザイナーあるいは業界にとって、もっともいいのだという議論ではない論点もあったというふうに私は理解しています。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか。茶園委員、どうぞ。

茶園委員

私はもしこの無審査制度を導入するとしますと、それを実際にユーザー、産業界がどのように利用することになるかが明確に分からないのですけれども、このペーパーの問題の所在で書かれておる審査制度の下でのニーズというのは審査制度においては安心して意匠を使えるということで、それは、意匠権者が自己の意匠権を他人に対して行使するというよりも、登録を受けていれば意匠を使って安心で、他人の権利を侵害しないということでしょう。実は必ずしもそう言えないと思うのですけれども、それはともかく、審査されることによって安心感を得るというのが、審査制度の下でのニーズであろうと思います。
一方、無審査制度は、非常に早く権利をとってそれを他人に対して行使すると言いますか、模倣品が出たときにすぐに対応する、それをねらっているというように書かれています。企業にとっては、早く権利がもらいたいし、実際に使う段階においては他人の権利を侵害しないように、審査を受けたいというニーズもあると思いますので、無審査制度を導入する場合には、企業はどちらか一方というニーズよりも、恐らく両方持つのではないかと思います。もしそうだとしますと、乗り換えという方式を認める必要があるといいますか、どちらか一方にしろというのは酷ではないかなというように思います。
ただ一方、国の審査を使って、安心感を得られるようにするというニーズをどこまで満たす必要があるのかどうかということも検討する必要があるとは思いますけれども、現在の制度において、これをそのままにして新たに無審査制度を導入すると考えた場合には、乗り換えのようなことを認めないというのは適当ではないのではないかと思います。
以上です。

大渕委員長

平野委員、どうぞ。

平野委員

ちょっとお聞きしたいのは、今あるデザイン保護協会の意匠寄託制度みたいなものとの関係というのは、どういう感じで考えられているんでしょうか。その辺もうちょっと説明いただけたらなと。ある意味で中小企業デザイナーのというところで、本来デザイン保護協会の制度という何かつくったような気がしていたものですから、その辺をよろしくお願いします。

花木審議室長

意匠の寄託制度のような制度だと思うんですけれども、それとの整理をどうするかということについて、まだ我々の方で成案を持っているわけではありません。むしろこういういろんな要請がある中で、ダブルトラックというのも一つの選択肢ではないか。そういう意味では導入の要否も含めてということですので、必ずしもダブルトラックに限定した議論でもないんですが、ただ、いろんなニーズがあってそれに対して現在、意匠法が必ずしもこたえ切れていない面があるということは一つ事実だと思いますので、そうだとすると法制的に考えられる、より柔軟な仕組み、それは完全に並立させるのか、あるいは前段階で少しフワッとしたような登録にしておいて、それを一定のニーズがある場合はしっかりした権利に移行するとか、いろんなパターンが事実上は考えられると思いますので、その辺について大枠を議論していただいた上で、今先生御指摘のあった寄託制度とのすみ分けも含めて具体案を早急に提示させていただいて、それをもとに御議論いただきたいと思っております。

大渕委員長

峯委員、どうぞ。

峯委員

ここでダブルトラックというものが提言されていて、今茶園委員の方から、乗り換えということについての御発言がありましたけれども、例えばダブルトラックを採用して乗り換えを認めるというようになった場合、前のページの検討1.の話になるんですけれども、検討の留意点、3ページですか、そこで願書記載等々が複雑化、煩雑化しないように配慮する、あるいは審査が長期化することがないように配慮するということがありますけれども、この辺の配慮の仕方が幾らか変わってくる可能性もあるのではないかというように思いますので、ちょっと指摘させていただきます。

大渕委員長

ほかにございませんでしょうか。菅井委員、どうぞ。

菅井委員

先ほど無審査の話のときに、アイコンのようなものという言い方をして、基本的には先ほどJIPAさんの方からもありましたように、私どもの業界も当然これは権利の安定性が大前提でございまして、ただし、それは業界だけ、比較的広いとは思っておりますけれども、そういう業界だけのニーズでの安定性なのかなということで、例えて言うならばああいったものという言い方と、それから、結果的にこれを選択するのは出願人であるということですね。権利行使するのも出願人であるわけなので、何を選択するかというのは業界によって縛るわけに当然いかないわけですね。基本的には私どもの業界も、当然これは権利の安定性は大前提であるという観点でおります。
無審査に移行した方がいいといったところの制度をもう少し、一体どの業界が、アパレルのお話とか玩具のお話とかが実際にライフサイクルが短いという例がありますけれども、もう少し具体的にそこは確認する必要があるのではないかというふうに思います。本当に安定性のない段階でもいいのであるという部分からすれば、私も代弁はちょっと難しいので、むしろどういった業種、商品がそれに該当するんであろうかという部分が、まだ出きってないのではないかという気がいたします。
ダブルトラックについての無審査の部分でいきますと、前回もたしか不競法の話が、ある数年間については、不競法でやれるからいいのではないかという御意見もあったかと思いますけれども、確かに基本的にはもっと不競法と違う形の無審査で、かつ権利行使ができるという部分からすると、最終的には当事者同士の争いという観点になってしまうのではないか。むしろ無審査であれば、もっと期間を定める、あるいは実用新案のような制度での評価書制度を導入するとか、やはり何らかの権利の安定化を志向しないと。私どもが使わないと言っているわけではないんですが、例えば模倣品メーカーに使われたら困るなという話は正直なところありますので、そういう危惧はございますが、基本的には審査前提の権利安定、ただし、そこにどういった無審査でも可能な業界なり商品なりがあるのかというのを、もう少し突っ込んでいただいた方がよろしいのかなというふうに思います。
以上です。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか。森山委員、どうぞ。

森山委員

今の御発言に関連して少し申し上げたいと思います。今意匠制度を非常によく利用している業界の中で、今の審査制度、無審査と並列、あるいは無審査制度にしたいと強く要求している業界はどこかというお問いかけのように一面思うんですけれども、問題はそういう面だけではなくて、つまり、これだけデザインの開発数の多い日本において、意匠出願数が暫減傾向にあるというような中で、この制度を利用していない業界、あるいは利用しにくいデザイナー個人ですとか、そういうことも加味すべきであって、今参加しているところが、どこが強く無審査に、ダブルトラックにしろと言っているようには、必ずしもそういう議論ではなかろうというのが一つですね。
もう資料に何度も出ていますけれども、例えばドイツ、フランスというような国と比べて日本のデザイン開発力が劣るとは、世界的にも決して認識されていないにもかかわらず、出願登録というのがそういうふうになっていないことには、制度との何らかのギャップがあるんだろうというのがここでの問題でありまして、東芝さん、本田さん、ここにいらっしゃいますが、今参加している業界の範囲で、そういう強い業界があるということでは必ずしもないというふうに私は理解しております。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんでしょうか。
それでは、また必要に応じて戻ることにいたしまして、次に、5ページにあります3.の意匠の登録要件と効力範囲、このテーマについて御議論いただければと思います。どなたからでも結構ですので、御意見、御質問をお願いいたします。
峯委員、どうぞ。

峯委員

1点確認というか質問なんですが、5ページの対応の方向性の(2)です。ここの中で、効力範囲を拡大する方法としてという一案が提示されておりますけれども、この中には、類似概念をやめるということも含めたものというふうに理解してよろしいでしょうか。

花木審議室長

ここで書かせていただいておりますのは、類似だけでなく、さらにということですので、類似に加えてということで書かせていただいております。

峯委員

要はここでは、効力を拡大する方策を検討しましょうという意味合いで理解してよろしいでしょうか。

花木審議室長

はい、そういう意味合いで書かせていただきました。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんか。勝尾委員、どうぞ。

勝尾委員

分類とか分野をまたいでというか、超えて全く違う分類、分野で似たような意匠が出てきたときに、というかほとんど模倣したような類似のものが出てきたときに、きっちりそれが保護されてはいないと思うんですけれども、そのあたりをどう考えていくか、あるいはきっちり保護すべきだと思うんですけれども、そういう方向性で議論をしていただければなと思うんですけれども。
以上です。

大渕委員長

峯委員、どうぞ。

峯委員

6ページにあります留意点の(4)なんですけれども、ここで、権利が明確化されるとこういう弊害もあるのかなということが書かれていますが、これは権利明確化と権利、まあ第三者がどこまで自由に使えるか、これは裏腹の関係にあるわけですが、意匠に限ってこういう問題、検討の留意点を提言された理由はどこにおありなのかと思うんですけれども。

花木審議室長

これは論点の整理でございますので、意匠の定義、効力範囲については第3回の審議会で御議論いただいたので、その中でそういうような御懸念もあるという御指摘があったかと思いますので、書かせていただいているということです。

峯委員

わかりました。

大渕委員長

茶園委員、どうぞ。

茶園委員

これは第3回の委員会で議論されたときに、申し上げなかったことなのですけれども、例えば5ページの(2)で保護範囲を拡大するということが書かれています。効力範囲については、狭いという問題と不明確だという問題があり、これは狭いという問題に対応するという方向性を示すものと思います。また意匠が何を保護するかという問題に関わることなのですが、ここで示されているのは、恐らく創作という観点から、現行の登録要件を定めている3条を参考にして、効力範囲を通常知識を有する者が容易に創作できたという範囲まで拡大、追加するということだと思います。しかし、拡大する、明確性を伴いつつ拡大するというやり方は、恐らくこれに限られないと思います。
この案とは違って、外国のものをそのまま取り入れろということでは、決してそういうつもりではないのですけれども、例えばヨーロッパなどでは、全体的な印象が異なるかどうかを保護要件にしつつ、保護範囲もそれで画するということをしています。恐らくこれは意匠というのは、需要者にインパクトを与えるものだという、そういうツールだという性格付けをしていることによるのでしょう。
保護の範囲を拡大するとしても、このヨーロッパのようなやり方もあるのではないか。当然そこでは意匠をどう性格づけるかということが問題になりますし、性格付けによっては、保護要件の方もそれに対応して変えなければならないことになるかもしれません。長くなってすみません。要するに、拡大する、明確性を伴いつつ拡大するというやり方はいろいろとあり得るのではないか、選択肢は(2)だけということではないのではないかというように思います。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんか。菅井委員、どうぞ。

菅井委員

これも以前にもちょっとお話した、まあ簡単な話でございまして、実際に登録する際の物品の領域と、それから効力が及ぶときの物品の範囲、これをもう少し自由に――自由にというのを簡単に言いますと、車の場合は、おもちゃの車がいっぱい出ますと。それがライセンスを正当に受けているところとそうじゃないところみたいなところに、我々もじゃあおもちゃを全部出そうかというようなことが、実際には今出しているわけですけれども、そういったものがもう少し、例えば1件の中で物品を指定できるというスタイルにもう少しやりやすいようにしていただくといいかなと。ここは細かい話ですけれども、一度お話させていただいたので確認の意味で発言させていただきました。
以上です。

大渕委員長

峯委員、どうぞ。

峯委員

今の菅井委員の話に関連するんですけれども、意匠の定義を検討されるということになっていますけれども、その中で、第1回で私発言させてもらいましたけれども、意匠は思想なんだというようなところ、それを明確化するかどうかというような検討事項、あるいは一意匠というのは何なんだというようなことの検討事項、そういったところも今後の検討にぜひテーマとして入れていただきたいというふうに思います。
それから、今のおもちゃと本物という話ですけれども、なぜか意匠の類似というのは物品の類似というものが前提になっているわけですけれども、別に物品が同一もしくは類似であるということに限定しなければいけない法律的な根拠というものは恐らくないだろうと思うんです。ですから、その辺も意匠の定義の検討とあわせて見ていくことができるかなというふうに思います。
以上です。

大渕委員長

牧野委員、どうぞ。

牧野委員

特に新しい意見というわけではありませんが、今までに各委員がおっしゃった点を含めて、意匠の登録要件と効力範囲を明確化、かつ特に効力範囲の拡大という点について、御意見の報告書案のまとめ方は、全体としてこれでよいと思っております。ただ、それを具体化するのはなかなか御苦労なことであろうと思います。今後の御検討の進展を期待しております。

大渕委員長

ほかにございませんか。山本委員、どうぞ。

山本(建)委員

今回の論点の整理の内容とは少しずれる、意見ではございませんで、質問なんですけれども、よろしいでしょうか。

大渕委員長

どうぞ。

山本(建)委員

先ほどライセンスという言葉が少し出てきていましたので、ちょっとかねてより気になったことを教えていただきたいと思うんですけれども、意匠登録をとったからといってその権利でビジネスを起こすと、その権利そのものでそれで製品化すればビジネスになるわけですけれども、要するにライセンスでデザインビジネスを行っていけるとか、特許で食べていっているような人ですけれども、そういうことが意匠法的には難しいということを聞いたことがありまして、制限されているのか、禁じられているのか、その辺をまず教えていただきたいんですが。意匠権のライセンシーなんでしょうか。

平野委員

今の話ですが、実際、我々意匠をとってロイヤリティーをもらっているケースがありますので、決して禁じられているとは思いません。禁じられているとすると、我々は違反をしているという感じになってしまいますので。

山本(建)委員

ある企業のデザイナーの方から聞いたんですけれども、他社が取られている小さな意匠登録が引っかかってデザインが壁にぶち当たる。我々は違うところに行きたいんだけれども、経営的にはその類似的なところの隘路の中にデザインを出して、突破しないと行けないという状況がある。そういうときにデザイン部からの意見としては、他社のその意匠登録を買ってしまえと、お金を払って使わせてもらえというようなことをやりたいんだけれども、意匠法ではどうもできないということを少しこの間ヒアリングで聞いたものですから。うそですか、それは。

平野委員

意匠法ではなくて、多分企業対企業の問題として、やらないんじゃないかなという気がするんです。本来だと、何かそういう使わない意匠をマーケット的に出してお互いに流通するというのも、意匠法がしっかりしたり権利がしっかりしていけば、できるものではないかというふうに私は思いますし、それがデザインの流通とか産業の活性につながるなら、どんどんやることだろうなというふうに思っているんです。
多分それは企業対企業の中で、あまりそういう商慣習がなかったり、お互いにそこまで腹を割って、どっちかというと相手に得をさせるようなことをお金もらってもやらせない、みたいなところはあるんだろうなという気がします。
逆に我々はフリーランスですから、意匠の中である企業にそれを採用してもらって、それに対してロイヤリティーなり対価をもらうということは日常の仕事としてやっていますので、多分企業対企業の何かそこのところにライバル関係があるのか何かではないかなという気がします。

山本(建)委員

ありがとうございました。

平野委員

すみません、私が答えてよかったのか。

山本(建)委員

そんなお答えを聞きたかったものですから。ありがとうございます。

大渕委員長

菅井委員、どうぞ。

菅井委員

ちょっと誤解を招く発言だったかもしれませんが、基本的に車メーカーでいきますと、完成車の意匠はまずライセンスのやりとりはしないですね。先ほど申したのは物品が違う領域の話でございまして、ここは業が競合しないということで、商売のライバルにはならないところという前提でお話をさせていただいたつもりでおります。
一つだけまた追加で、この項でお話したらよろしいのか、これも再度で申しわけないんですけれども、本人を除くという規定を何とか入れられないものかと。これは車の場合、各社同一に非常に長い開発期間の中で、スタートから実際に市場に出るまでの間に、最終デザインを確定するまでまた待っていなければいけない。その間にもしかして入られるとこれも困ると。基本デザインは、ある程度コンセプトのデザインから上市までというのは変化していく。それも開発期間が非常に長いということも踏まえまして、何とかスタートのときのコンセプトの出願ができて、途中でも同一出願人として出願が少し変わったものができて、最終的に市場に出る。実際には模倣されるのは、この最終的に市場に出るものでございますので、市場に出るものも一連の意匠として同一出願人であれば、先に出したもので拒絶されないということを何とか、本人を除く規定、特許法でいくと29条の2的なものをぜひ入れていただきたい。これは後ほど部品の話についても出てくるかと思います。ここはぜひとも今回、業界の総意として、ここだけはぜひ主張してくれということで私も参っておりまして、ぜひよろしくお願いいたします。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんか。
それでは、また必要に応じて戻ることにいたしまして、次に6ページの4.のその他というところに移りたいと思います。
どなたからでも結構ですので、御意見、御質問をお願いいたします。岡崎委員、どうぞ。

岡崎委員

その他の項目で、検討項目として追加していただきたい事項が2点ございます。1点目は、秘密意匠制度でございます。
現在、特許庁の審査期間がどんどん早くなっておりますので、商品の上市時期との関係で、秘密意匠制度を利用する頻度が高まる傾向になっていると思います。ただ、現行制度では秘密請求は出願時のみしかできないという状況になっていますので、これを何とか利用勝手のいいように、例えば審査継続期間中ならいつでもとか、あるいは登録査定時に請求できるとか、その辺のフレキシビリティーをぜひ御検討していただきたいと思います。
もう一点は、意匠法の4条3項でございまして、新規性喪失の例外規定の証明書の提出義務でございます。これは世界のハーモナイゼーションを考えました場合、米国とか欧州諸国では、証明書の提出義務までは課していないと理解しております。書類を準備するのに結構手間がかかっておりますので、ハーモナイゼーションという関係から、負荷の軽減を御検討していただきたいと思います。
以上、2点検討課題としてお願いしたいと思います。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんか。
それでは、今まで先ほどのように幾つかのグループに分けて御議論いただいたのですが、最後にまた前の方で議論したものも含めまして、何かございましたらお願いします。
特にございませんでしょうか。
それでは、今までの点につきまして精力的な御審議をありがとうございました。冒頭で申し上げましたとおり、この資料1のとりまとめというか、中間的な論点の整理というのは、これまで3回にわたる――――本日も入れますと4回ですが――――当小委員会での議論を整理するためのものでありまして、今後はこの項目について具体的な案を事務局の方を中心に作成していただきまして、それに沿ってまた当小委員会で審議していくことにしたいと思います。それでは、具体的な取り進め方につきまして、事務局の方から御説明をお願いします。

花木審議室長

本日御議論いただきました事項につきましては、追加的な論点も含め幾つかいただきました。定義のところについては、具体的にどのようなところまで拡大するのかとか、ほかの法律との関係等の御意見もあったかと思いますし、それから、特に審査制度の枠組みにつきましては、無審査と言ってもいろいろとイメージするものが多様でございますので、どのような無審査制度が考えられるのか、その具体論を出させていただく必要があると思っております。
また、登録要件と効力範囲につきましても、必ずしも現在の効力範囲について、ここに書いてある案以外にもあり得るのではないか、あるいは効力範囲の一環として物品性の部分、他物品にも及ぶということも一つあるのではないかといったような御意見、それから最後に、4.のその他の利便性のところにつきましては、秘密意匠の問題、あるいは新規性喪失の際の書類の提出の問題といった追加的な論点もございますので、そのあたりは当事務局の方でここに書き込ませていただきまして、それを改めて各委員にお送りして確認していただいた上で、この論点の整理と中間的な整理とさせていただきたいと思います。
したがいまして、今後はこの整理した事項につきまして、まず我々事務局の方で、産業界、有識者等に対しまして引き続き広くヒアリングをさせていただくとともに、別途法制の専門家の観点もいただいて、具体的な形で提案させていただいて、それをもとに御議論いただければと思っております。したがいまして、少し間を置くんですが、数カ月ちょっとそういう事務的な案と、それから関係者のヒアリング等をさせていただいた上で、6月ごろを目途にある程度のたたき台的なものをつくって、この委員会の方でまた御議論いただけたらと思っている次第でございます。

大渕委員長

御質問等ございませんか。

損害賠償制度の強化について
刑事罰の強化について
税関における意匠権侵害品の部品外しについて

大渕委員長

それでは、本日の前半部分というか、審議事項の第1の大きな柱についての御審議はとりあえず以上といたしまして、それでは本日の審議事項の第2の関係に移ってまいりたいと思います。
冒頭申しました「知的財産推進計画2004」で本年度の検討が求められている事項であります損害賠償制度の強化、刑事罰の強化、そして税関における意匠権侵害品の部品外しという、この3点の議論に移りたいと思います。
それでは、まず事務局の方から御説明をお願いいたします。

花木審議室長

資料2、3、4につきまして御紹介させていただきます。
冒頭申し上げましたように、知的財産制度全般につきまして、知的財産推進戦略本部の方でとりまとめました「推進計画2004」の中で指摘のある事項がございまして、意匠法にも関係すると思われますので、御紹介させていただきます。
まず、資料2でございます。損害賠償制度の強化とありますが、推進計画にはこのように書かれております。「侵害がされやすく権利者がそれを未然に防止することができないという知的財産権の特性を踏まえ、権利者を適正に救済し、侵害し得の社会からの脱却を図るため、知的財産に関する損害賠償制度の強化の方策について幅広く検討し、2004年度末までに結論を得る。」
後段は著作権の部分でございますので、省略させていただきたいと思います。
現状でございますが、意匠法におきましては損害賠償に関する規定、下の方にございますとおり、さまざまな規定が既に整備されているわけでございます。基本的には特許法と同じ仕組みになっておりますので、特許法の準用という形で整備されてきているわけでございます。
それぞれ書いてございますように、最近におきましても、平成10年以降さまざまな規定、例えば逸失利益の立証の容易化ですとか、損害額の擬制、あるいは侵害について具体的な対応の明示義務、自分が侵害でないというふうに言った場合に、じゃあどういうふうに侵害ではないのかということを明示してくださいというような規定。
さらに今年におきましても、次の2ページのところで、訴訟の段階における企業秘密の保持のための秘密保持命令等の手続が、特許法並びで整備されているわけでございます。
さらに、こうした中で、この推進計画で書かれているような損害賠償制度のさらなる強化の方策ということを言ったときに、この論点として書かせていただいているんですが、現行の損害賠償制度、損害賠償額、例えばということで、懲罰的な損害賠償制度といったようなものも考えられないわけではないのかなと思うんですが、そういったものについて何か問題、現行法では足りない産業界のニーズとして、あるいは意匠に携わっていらっしゃるさまざまな方々のニーズとして足りない部分があるのかどうか、それから立証負担、損害額の算定方法等について、今申し上げましたように相当程度整備してきているというふうに思っているわけでございますが、さらに実務上何か軽減すべき事項として御指摘いただく部分があるのかどうかということについて、御意見があればぜひお伺いしたいと思っているところでございます。
引き続きまして、資料3でございます。刑事罰の強化ということでございます。こちらも読み上げさせていただきますと、「知的財産権侵害に対する抑止効果を高めるため、各知的財産法相互間や他の経済法との均衡を踏まえ、刑事罰の引き上げの要否について検討を行い、2004年度末までに結論を得る。」というふうになっているわけでございます。
参考資料1として横長の資料でございますが、産業財産権四法の罰則規定の比較ということで書かせていただいております。意匠法は、めくっていただいた2ページ目の左側でございまして、一番典型的なものでございます侵害につきましては、現在、懲役3年以下、または罰金刑300万円以下、法人重課制度があるということでございます。こちらは特許法に比べますと、特許法5年、500万円以下、また、商標法、同じく5年、500万円以下というものに比べると若干軽い形になっているわけでございますが、この点も含めて御意見、御議論がおありかどうかということについてお伺いしたいと思っているところでございます。
具体的な論点といたしましては、今の資料3に戻りまして、一番下の論点のところでございますが、他の法規と比較して厳罰化、厳格化する、あるいは引き上げるといったようなニーズがあるのかどうか、あるいはここに書かれていますような現在の侵害等、刑事罰の対象になっている行為に加えて、特にこういう行為について刑事罰を要するというようなニーズがあるのかどうかということについてお伺いしたいということでございます。
それから、最後に資料4でございますが、税関における意匠権侵害品の部品外しということでございます。こちらは推進計画の中でも、意匠法を特に取り出して書いている部分でございます。模倣品関係でございまして、3として、ここに読み上げさせていただきますと、「意匠権侵害品の部品を税関で取り外すことにより通関する脱法行為を防止するため、2004年度中に、意匠法、不正競争防止法、関税定率法等の関係法律について検討し、必要に応じ法改正等制度改善を行い、税関での取締りを強化する。」ということになっているわけでございます。
現状の説明ということで、詳しくは参考資料2を後で見ていただければと思いますけれども、税関における関税定率法、あるいは関税法に基づく手続で、疑義物品を税関官吏が発見した場合に、認定手続きということに入るわけでございます。そういう中で侵害者の側から物品の部分の切除などの修正を行う機会が、こういう手続上与えられているわけでございまして、こうした規定に基づきまして、意匠権侵害品について、部分品を取り外すといった行為があるのではないかということかと思います。
このようなことにつきまして、論点として、こうした事例がどの程度実際にあるのか。我々の方でもヒアリングさせていただいたんですが、商標については、タグの切除とかそういったような形で幾つか事例があるようでございますが、意匠権ということに関してどの程度実態があるのかどうか。
また、税関の手続の中で、今申し上げました認定手続の中さらに何か改善を要する点があるのかどうかという点。また、そもそも論として、これは恐らく間接侵害規定の関係だと思いますが、部分切除を禁止する必要があるかどうかという点について、現在の38条の間接侵害の規定について、さらに加えるべき部分があるかどうかという点について御意見をお伺いしたいと思っている次第でございます。
以上です。

自由討議

大渕委員長

ありがとうございました。
それでは、今の説明を踏まえまして議論に移りたいと思いますが、どの点からでも結構ですので、御自由に御議論をお願いいたします。
どなたからでも結構ですので、御意見、御質問をお願いいたします。菅井委員、どうぞ。

菅井委員

一つだけ、税関における意匠権侵害の物品外しというところに、この冒頭のところに、「取り外すことにより通関する脱法行為」というふうな記載があるわけですけれども、これは脱法行為なのであろうかと。別に私が輸入業者でも当然ないわけですけれども、脱法行為であれば、外すことを認めてほしくないということですね。実際には、外さない状態では侵害品は形成していると。意匠ですから外観でわかるというような場合に、外せば問題がなくなるということ自体が、やはり我々税関で抑えていただきたい側として、そこでなぜとめられないのかというのが一番。これ実際に私どもの業界でもそれほど多くはないんですが、私どもの会社では実際に例があって、外して、その外したカバーだったんですけど、それを外せば確かに全体意匠からは変わってしまう。ただ、これは復帰は容易であろうというふうに我々は思うんですが、しかしながら、全体意匠からすれば意匠侵害を構成しなくなってしまう。それも事実である。それで通関されてしまった。
後でどうなったのかちょっと追いかけ切れてないんですけれども、そういった意味では、既に外す前に違法行為が発見されるのであれば、それ以降というのは脱法行為というふうに言っていただけると、当然これは禁止でいいのではないかと思いますが、それが通関されてしまうこと自身何とか抑えられないものかなというふうに思っております。
最近改正されましたので、輸入業者の意見は聞くけれども、今まではなかなか。当時、外されて通関してしまったケースでいきますと、権利者には何の反論の余地も与えられない、見せられない、そういう状態の中で通関されてしまうわけですから。そういう意味では、改正されて権利者もその状態が見れるといいますか、そういう状態になってきているようでございますけれども、脱法という、まさにこういう行為と認めていただきたいというのが本音でございます。
以上です。

大渕委員長

ほかにどなたか。峯委員、どうぞ。

峯委員

菅井委員にちょっと教えていただきたいんですけれども、今事案があるよというお話なんですけれども、そういう事案というのは、いわゆる間接侵害の規定を適用しても対応できないような事案なんでしょうか。

菅井委員

バイクでございまして、バイクの場合は外板がプラスチックで大体できているので、プラスチックの外板を取り外すとドンガラになってしまうわけですね。そのドンガラを間接侵害で例えば、どういう状態になったかということがその当時はわからなかったというのも、我々権利者としては手の打ちようがなかったということもあるわけですけれども、その外した状態を判断するのは、もう税関の方しかわかってないわけですから、結果的には意見を言う場がなかった時期の話でございます。外したのを見て、いやこれも復帰可能であろうというような意見が言えるような状態ではないときに、税関の方が判断して通関させたということのようなので、その後がちょっと追いかけ切れなかった、そういう状態があったということです。
今は少し意見は言えますけれども、ただし、今も意見を言えても、きっと完成品としての意匠法には、侵害に当たらないということになるんじゃないでしょうかね。復帰可能かどうかの判断を聞いていただけるかどうかはちょっと不明です。

大渕委員長

平野委員、どうぞ。

平野委員

損害賠償制度の強化のところの話なんですが、我々の組合の中には、フリーランスのデザイナーとして意匠、デザインをして、それをメーカーに譲渡するということで対価を得ているということが一番多い流れですが、そのときにメーカーとの契約で、この委員会で話すことなのかどうかちょっとわからないんですが、メーカーの方から、何か知的財産権とか意匠権その他のすべての権利の中での紛争なり、あとは後で第三者との問題、損害賠償請求、その他の問題があったときは、製作者、要するにフリーランスデザナーが一切の責任を負うようにという契約を強いられるということが多いみたいですね。その辺というのはどういうふうに。強化していただくのはありがたいし、万が一違反したときに、大体そうなると、何件かあるんですが、フリーランスデザイナーはもちろんつぶれちゃうんですね。当然対価も払えない、係争するお金もないというような状況があるんですが、その辺というのは、制度ができればそれをどうやって運用するかになってしまうのかもしれませんが、その辺というのは何か話されていることはあるんでしょうか。製作者とそれを買ったメーカー、それとその後に起こった紛争ということになると思いますが。

花木審議室長

ここで書いていることは、侵害等が起きたときにその損害賠償の責任をどうとるかということですので、今おっしゃったような事例で、有利な立場から契約の内容で過度な押しつけ的な責任を負わせるというのは、むしろ独禁法とかそういった部分の問題に関係するかどうかというような議論なのではないかなと思います。ちょっと印象論になってしまうんですけれども。この意匠法の中で何か損害賠償に関して、現在では損害賠償が十分なされないことについて、法律上担保する必要があるかどうかということについてお聞きしたいということを考えているんですけれども。

平野委員

多分そうだろうと思っているんですが、そのときに現状の説明の中に、「意匠権者又は専用実施権者」というふうに書いてあるんですが、譲渡してしまいますので、すべて権利を譲渡するという契約に片やなっているわけですね。そして、そのときの意匠権者、専用実施権者というのは、譲渡された側ということで読んでよろしいんですか。

花木審議室長

意匠権は譲渡しているのであれば、譲渡された側が侵害されたときということになります。

平野委員

そうすると今の契約条項の中の話というのは、ちょっと矛盾があるというふうに理解してもいいんでしょうか。ここの論議じゃないかもしれませんね、それは。

花木審議室長

恐らく権利自体はもう移転しているわけですから、実際に侵害する方というのは、そちらの権利を持っている方であって、デザイナーの方は直接の関係はないと思うんです。ただし、その場合、さらに権利を持っている方がもともと権利をもらうときに、どういう条件で権利をもらうかというのは民法の契約上の問題なのではないか。その契約の条件が正当なのかどうかという、一般的にはしたがって契約の問題だというふうに思われますし、さらに契約の条件について、仮に一方に過度に有利な契約をその立場を押しつけて使ったかどうか、そういう問題ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

平野委員

ありがとうございました。

大渕委員長

ほかにございませんか。岡崎委員、どうぞ。

岡崎委員

損害賠償の論点の1つ目で、例えば懲罰的損害賠償制度の導入とございますが、これは私の記憶が間違っているかもしれませんけれども、特許法の改正になったとき、日本の法律では懲罰的損害賠償は他の法律とバッティングするので、導入できないというようなことを聞いたことがありますけれども、これはそうではないということでしょうか。ほかの法律とバッティングをしないという理解でよろしいでしょうか。

花木審議室長

これは法制的には恐らく日本法では非常に難しいのではないかと思っておりますし、その点について何か事情が変わったということもないと思うんですが、ニーズとしてそういうもののニーズがあるのかどうか、さらにそのニーズがあったとしても、じゃあそれが法制的にどうなのかというのは、また別の論点かなというふうに思っております。そういうことで書かせていただいているわけでございます。

岡崎委員

わかりました。

大渕委員長

ほかにございませんか。水谷委員、どうぞ。

水谷委員

ちょっと前後しますけど、先ほど菅井委員がおっしゃっていた税関での手続のことですけれども、先ほどのオートバイの例で、実際には外側の覆いの外装を外して、機械部分のドンガラだけで輸入してくると。当然その登録されている意匠は、それに外装をつけた、いわゆる完成品の状態で登録されていると思いますので、ドンガラだけで言えば、意匠権を侵害することはない。
ただ、先ほど庁からの御説明にありましたように、間接侵害はどうかという問題が別に一応考え得ると。その場合に現行の意匠法の38条ですか、これは特許法の間接侵害が改正された際に、並行して改正されずに、従来のままの規定になっておりまして、いわゆる「にのみ用いる」という要件が残っているわけでございます。したがいまして、そのドンガラで輸入されたオートバイについて、登録意匠の外装しかつけられないか、あるいは複数の外装が装着可能かというところが論点になって、一般論としては複数の外装が装着可能であるとすると、「のみ」の要件を満たさない。したがって間接侵害は成立しないと、こうなるのかというふうに思います。
仮に、そういうような形で間接侵害が成立が否定されるような例が、もし頻発していて、その後をトレースをしていくと、結果的には本意匠と同じ外装をつけて売られているのが現実であるような、そういう迂回的な事例が頻発しているんであれば、何らかの対応が必要になってくることもあるかと考えております。
特許法の方はそういう場合に、この例で言えば複数の外装が装着可能であっても、結果的に特定の外装をつけるということをわかって輸入していれば、その場合も間接侵害になるというような規定に変わっておりますので、特許法の101条2号のような規定を、意匠法の場合にも改正を通じて導入するのかどうか、その現実的な必要性はどこまであるのかと、こういう問題かと思います。ですから、あとは当該業界の方が現実の必要性をどの程度おっしゃるのかということにかかっているのかなという感じがいたします。

花木審議室長

まさに水谷先生のおっしゃったことを念頭に置いているわけでございまして、ただ我々の方で、ちょっと今直ちにデータがないんですけれども、税関さんの方からもお話を聞いているんですが、まずこうした間接侵害というか、部分品取り外しについては、商標が件数的に多くて意匠については比較的少ないのではないかという点と、それから、実際に先ほど菅井委員がおっしゃったような部分品取り外しで通関を認める、いわゆる輸入者による自発的処理を認めて通関した事例というのが、全件数のうちの少なくとも件数ベースでは0.2%程度であって、残りの99.8%については何らかの形でとめていますというふうに聞いています。
また、制度的にもこの参考資料の2のところで、認定手続の中で権利者の方から意見を聞くような手続が徐々に充実されてきている中で、どの程度必要があるのか、仮に必要であるということであれば、今水谷先生のおっしゃったような対応というのが考えられるのかというふうに思っているところでございます。

大渕委員長

ほかにございませんか。森山委員、どうぞ。

森山委員

もし4の議論が終わられましたらば、すべての閉会の前にちょっと、2に戻って一言付け加えたいことがありますので。

大渕委員長

わかりました。
それでは、時間もなくなってまいりましたので、本日の委員会はこの程度にしたいと思いますが、特に何か御発言がございましたらお伺いいたします。森山委員の方からどうぞ。

森山委員

ありがとうございます。6月までもはや会議はないということなので一言申し上げたいんですが、今申し上げるのが適切かどうか、今ごろと思われるかもしれませんが、意匠法という名称についてなんです。これは戦後大体50年ぐらいで、あらゆる企業及びデザイン系大学等でも、「意匠」という名前が恐らく絶滅したかのように私はちょっと認識しております。私個人は「意匠」という名前に非常に強い、その2文字については愛着があるんですけれども、ついに意匠法で言うところの意匠という意味が、この日本で定着しなかった。考えてみますと、「特許」という名称も実は非常に不思議な名称なのですが、つまり内容を言わずに特に許すと。しかしながら、特許法で言うところの「特許」という名前は、日本で同一のものとして認識され、定着されているんですが、意匠についてはちょっとそういう事情ではないような気がするんですね。ですから、もし何かそのおつもりがあれば、意匠法、21世紀は「意匠法」でよろしいのかどうかも御検討なされたらいかがかと。繰り返しますが、私は「意匠」という名前は好きなのでございますけれども、意匠法とは少し違うかもしれない。

大渕委員長

どうぞ。

花木審議室長

今回、意匠の対象定義のところも議論していただくということで、対象が広がった場合に、それが「意匠」という名前が適当かどうかということもあるかと思いますので、論点に加えさせていただければと思います。

大渕委員長

ほかにございますか。
それでは、本日の議事はこの程度にいたしまして、最後に、今後のスケジュールについて事務局の方から説明をお願いいたします。

花木審議室長

それでは、先ほども御説明させていただきましたとおり、この論点の中間整理については、本日もさまざまな追加的な論点をいただきましたので、そちらについて我々の方で付記させていただいた上で、各委員の御確認をいただいた上で一つの整理とさせていただきたいと思います。
その内容につきまして、具体的な案を作成して、ちょっと6月に間に合うかどうかあれなんですが、一つの目途として、6月ごろに第1案という形で骨格レベルのものであっても、具体的案をもとに御議論をいただくような形にさせていただければと思っております。
スケジュールにつきましては、少し先の話になりますので、また別途事務局の方から日程調整をさせていただいて御案内させていただきたいと思っております。

大渕委員長

何か御質問等ございますか。
それでは、以上をもちまして産業構造審議会知的財産政策部会第4回意匠制度小委員会を閉会させていただきます。本日も熱心な御議論をありがとうございました。

閉会

[更新日 2005年2月25日]

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