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第6回意匠制度小委員会 議事録

  1. 日時:平成17年10月14日(金曜日)10時00分~12時00分
  2. 場所:特許庁 特別会議室
  3. 出席委員:
    大渕委員長、岡崎委員、勝尾委員、菅井委員、茶園委員、平野委員、牧野委員、水谷委員、光主委員、峯委員、森山委員、山本(建太郎)委員、山本(為信)委員
  4. 議題:
    • 意匠権の保護対象の拡大について
    • 意匠登録手続の見直し、利便性の向上について

開会

大渕委員長

おはようございます。ただいまから、産業構造審議会知的財産政策部会 第6回意匠制度小委員会を開催いたします。
前回の第5回には、意匠制度の検討に当たり論点とされる事項のうち3つの点についてご審議いただきました。この3つのテーマは、まず「意匠権の効力範囲の拡大」、具体的には意匠の類似の範囲の拡大等、2点目が「意匠制度の枠組みの在り方」、具体的には、無審査登録制度の導入によるダブルトラック化、3点目が「意匠権の強化」、具体的には意匠権の存続期間の延長等でありますが、この3つのテーマにつきましてご審議いただき、皆様からご意見を頂戴いたしました。
本日は、前回配布の資料1、「意匠制度の在り方」という資料の検討項目のうち、「意匠権の保護対象の拡大」、「意匠登録手続の見直し、利便性の向上」についてという2つのテーマについてご審議をいただければと思います。
まず、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

田川審議室長

配布資料の確認をさせていただきます。
本日の配布資料は、議事次第、配布資料一覧、委員名簿。
資料1「意匠制度の在り方」、これは前回配布をしたものです。
参考資料1「意匠権の保護対象の拡大」、参考資料2「画面デザインの保護について」、参考資料3「意匠登録手続の見直し、利便性の向上」。
以上でございます。過不足等ございますでしょうか。

大渕委員長

それでは、早速議題に入らせていただきます。初めに「意匠権の保護範囲の拡大」ということで事務局からご説明を願います。

田川審議室長

それでは、第1点目のテーマである「意匠権の保護対象の拡大」についてご説明をします。資料1の26ページからご説明させていただきます。
「意匠権の保護対象の拡大」ということで、操作画面等、いわゆる画面デザインの保護についての議論です。
まず(1)問題の所在ですが、情報通信技術の発達、その他社会の情報化、ネットワーク化が進む状況がございます。また、パソコン、携帯電話、携帯端末といった情報通信機器、最近は情報家電といったものも幅広く商品化をされております。
このような情報機器、情報通信機器を取り巻く社会情勢の変化に伴い、いろいろなソフトウエアにより情報機器の表示画面上にユーザー・インターフェースとして様々な機能を発揮する操作画面の重要性が高まってきております。いろいろな使い勝手のよさ等を追求することにより、その商品の魅力を高めようという動きは、皆様方ご承知のとおりです。各産業界においても、デザイン開発の投資の領域が、三次元の製品のデザインから操作画面等のそういったデザインへと拡大をしてきています。
しかしながら、現状においては、意匠法での保護は、意匠法の対象となる意匠を「物品の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合」と既定されているところです。この意匠の定義に基づき、現在保護されていますのは操作画面のデザインのうち、物品との一体不可分なもの、形状等が物品と非常に密接につながっているといういろいろな要件が課されており、多くの操作画面等はその保護対象となっていないという指摘がございます。
現状について、参考資料2、「画面デザインの保護について」に基づきご説明いたします。
現行の意匠法においては、その保護対象は、今申し上げたとおり、物品の形状等ということです。したがって、機器の表示部に表示をされる図形等(画面デザイン)がその機器と一体不可分であるという前提のもとに部分的に保護を行っています。具体的に、液晶表示等に関するガイドライン(昭和61年制定)、その中で、1その物品の成立性に照らして不可欠なものであること、2その物品自体の有する機能(表示機能)により表示されるものであること、3図形等が変化する場合においてその変化の態様が特定したものであること、その全ての要件を満たすことが必要となっております。
現在登録されているケースは、下にいくつかの例を挙げています。全体意匠として登録されている例としては、液晶の時計、部分意匠として、証券売買中の装置の操作画面、卑近な例では携帯電話の操作画面、カーナビゲーションシステムの操作画面といったものが現在保護されておるところです。
ただし、これらについても非常に限定的であり、1枚おめくりいただき、要件(1)物品の表示部に表示される図形等が物品の成立性に照らして不可欠のものであること。要するにその物品の機能を発揮させるための最初のボタンとして位置づけられるもの、この部分のみが保護対象となっております。
したがって、問題点として1一般に想定されるそのものの機能を超えた多様な機能、表示内容を有する物品の表示画面は保護が限定的で、最初の画面のみが保護され、それ以外のものは保護されません。
2汎用途の表示機能の物品、例えばパソコン等については、その液晶部分の表示画面に表示されるものがその物品の成立性に不可欠ではないと判断され、保護されないという状況がございます。
また要件(2)物品の表示部、つまりその物品自体についている表示画面、そこに表示をされることが必要になっており、例えばDVDプレーヤーをディスプレーに接続するようなケース、その操作画面はディスプレーの方に表示をされる場合には、DVDプレーヤーの操作画面は保護の対象になっていない。
1枚おめくりいただきまして、要件(3)表示部に表示される図形等が、変化する場合において、その変化の態様が特定したものである。ちょっとわかりにくい表現になっておりますが、これは意匠法に今でもある動的意匠、例えば折り畳みいすのような、動くことが当然想定されるような意匠の考え方をこの画面デザインに置き換えたものです。具体的に言いますと、例えば折り畳みいすであると、その折り畳みいすを動かすといったことが変化の前と後である一定の変化に関係があるという場合。
問題点にあるように、4使用感を向上させるための画面の遷移方法そのものが保護されないとありますが、例えば左側の画面があるとして、その中で一部分が、アイコンが大きくなったり、回転するようなものは、その変化の態様が画面の中で関連性が強いということで保護の対象になりますが、全く別の画面になったようなケースは別の意匠ということで現在対象になっていません。
そういう状況の中で、今後どのように保護していくかということです。
ちなみに海外の動向を見ますと、アメリカでは米国特許法、この中で意匠が保護されることになりますが、保護対象を「製造物品のための装飾的デザイン」と定義しており、画面上に表示されるデザインについても、物品に応用、具現化されていれば、それは対象となり、以下のような登録事例がございます。
もう一枚おめくりいただきヨーロッパの例ですが、これは「グラフィック・シンボル」を含むと定義されており、グラフィック・シンボルそのものが保護の対象となっております。
資料1にお戻りいただきたいと思います。
(2)対応の方向について、4つのポイントを考えています。まず、1点目として、操作性を有する一画面を意匠法第2条第1項に規定される物品、先ほどから申し上げております意匠の定義にある物品ですが、物品と同様のものとみなし、その操作部分及び領域等の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を新たな保護対象とする。
2点目として、具体的にどういうものを保護対象とするかという議論で、画面デザインのうち、対象となるもの、対象とならないものをどこで切り分けるかという点ですが、1つ大きな問題として、データベースから表示される事実内容、操作部以外の背景、コンテンツですけれども、そういった表現は保護の対象から外す。あくまでも操作画面のみを対象として、それ以外のものは対象から外す。
3点目として、どういうものを1つの意匠と考えるかということで、操作性を有する一画面の動的な変化の態様については、複数の画面に形態的な関連性を有するものに限り一意匠とする。これは現行と同じ考え方ですが、画面デザインの場合、変化の態様がいろいろ想定されるわけですが、そこのところは1つの意匠として特定する場合には現行と同じ考え方を踏襲しようというものです。
4点目は、操作性を有する一画面が有する機能は、これはプログラムの一部にすぎないということで、具体的な侵害の局面において権利行使の対象としてどこまで及ぶのかというプログラムの保護等の関係がございます。ここについては、権利行使の対象としてプログラムすべてが直接的にその対象とはならないように配慮する。
簡単に補足をしますが、参考資料1をご覧いただきたいと思います。
1点目に、デザインの対象となる物品に該当するものをどうするかということで、意匠法の定義に規定されている物品について、表示部を有する機器又は表示部に接続された機器の画面、つまり画面自体を物品として考えようということです。実際、いろいろな考え方がございますが、ソフトウエア自体を物品とする考え方も1つございますが、一方でソフトウエアそのものの外観という論理が成り立ちにくいこともありますし、具体的にソフトウエア自体を物品にしたときのいろいろな影響も大きいということで、操作画面という画面を物品として考えることが適切ではないかと考えております。
というのが、第1点目の画面を物品としてみなすという観点です。
2点目として、どの領域を保護対象とするかという点ですが、3ページの3保護対象となる画面が過度に拡大する。画面に表示されるデザインは非常に多岐にわたるわけですが、そのうち意匠法の保護がなじむのはどの範囲かということで操作画面に限定してはどうかということを考えておりますが、具体的に申し上げますと、画面デザインはいろいろなものがありますが、その中には当然コンテンツも含まれますが、コンテンツ全体、これはむしろ著作権の保護、創作された表現として保護されております。
一方、産業財産権法、これまでの意匠法の考え方からしますと、例えば機能を発現させるためにこの画面デザインがあるという考え方をとりますと、操作画面に限るというのが1つの考え方としてあり得るのではないか。ちなみに操作については、製品として擬物化された画面上の操作部分に対していろいろな指示を与え、それによってデータの入力・消去、選択、決定等の操作の指令を出す、そういうことを考えてはどうか。
4これまでもプログラムというものをいろいろな産業財産権法の中で保護をしてきておりますが、特許法のこれまでの考え方等を参考にしながら議論を深めていくことかと考えております。
本体の資料、26ページにお戻りいただきたいと思います。
論点として、従来の意匠法における物品、取り引きされる動産という考え方と、操作性を有する一画面を物品とみなす考え方、これをどう考えるかということですが、従来の意匠法の物品は操作性の有無にかかわらず物品を保護するという考え方をとっております。一方で、今回、私どもで考えております操作画面に限定する。つまりある種の機能を前提にするということについてどう整理できるのか。その場合、ソフトウエアの技術的特性を前提にして何らかの整理が必要ではないか。例えば事実を表示するようなもの、時計であるとか温度、そういったものを表示する機能を有する製品は、現在の意匠法において物品と認められているわけですが、今回、私どもの整理では操作性を持つものではないとして、それを保護対象にする。それについてどういった整理するかという点が1点目です。逆に言いますと、今まで意匠法の中で保護されている物品、商品が想定されないもの。例えば情報検索、銀行取引、商業取引、こういったものについて保護対象とすることが適当かどうか。
2点として、操作性を有する画面、操作画面の要素について、形状、模様、色彩、こういったものをどう当てはめていくか。これは類似というものを審査するときに、この部分は形状である、この部分は模様であるといったところをきちんと切り分ける、そういった作業を深めていく必要があるだろう。
3点目に、これは権利行使にかかわる部分ですが、従来の物品は、物品自体そのものについて、初めから何らかの美感を与えるものになっているわけです。しかしながら、画面デザイン、操作画面は、表示をされることによって初めてあらわれるということで、従来の物品概念を拡大することになるわけで、操作性を有する画面について、実施というものをどう考えるかという観点がございます。
参考資料1の5ページでございます。現在の意匠法の実施行為については、製造、使用、譲渡、輸入、貸渡し、申出等々が規定をされています。
その具体的な解釈ですが、製造については、物品をつくり出す行為ということで、工業的生産物の新たな製造のみならず、組み立て、構築、成形なども含まれる。
使用については、意匠の目的を達成するような方法で使用する。これは特許法で使用概念をアナロジーとして、こういうふうに解釈をされております。
譲渡については、物品の移転、有償・無償を問わない物品自体の移転。
輸入は、海外にある貨物を日本に搬入する行為。
貸渡しは、有償・無償を問わず、第三者に対してそれを貸与する。そういった整理をされています。
それをプログラムに当てはめたときにどうなるかということですが、10ページの4に画面デザインの実施規定について、現行の実施規定、製造、使用、譲渡、輸入等々と規定した場合にどのように解釈されるかということでまとめております。
まず、一番変わってくると考えられるのが使用で、操作画面等を機器の表示部に表示をして、操作をして何らかの指示を与える行為ということになるかと思います。
そのほか、製造については、操作画面等を構成するデータ、電子的な情報データ、プログラムといった電子的な情報をつくって、それを何らかの記録装置等に記録をする行為。または、生成された電子情報を別の記録媒体にコピーするような行為、そういったことが想定されるのではないかと考えております。
譲渡については、その記録媒体、記録媒体を組み込んだ機器を譲り渡す行為、またはその電子情報を電気通信回線を通じて譲り渡す行為になるのではないかと考えております。
そのほか、輸入、貸渡しについては同様の考え方です。
資料1、27ページにお戻りをいただきまして、一番最後の論点ですが、意匠権者の実施が保証される行為、これを直接侵害と。つまり実施する行為について、例えば第三者が製造に該当する行為を行った場合には直接侵害となっております。
一方、現在、意匠法の中では、間接侵害行為を意匠法第37条に定めており、その物品の製造のみに使用するものについての侵害行為を規定しております。その場合に画面デザインについてのみ表示等に必要なものがあり得るかといったところ、そのあたりを少し整理する必要があるのではないかと考えております。
以上です。

大渕委員長

ありがとうございました。それでは、今のご説明を踏まえまして議論に移りたいと思います。この論点について、いずれの面からでも結構ですので、ご自由にご質問、ご意見をお願いいたします。

平野委員

ご説明ありがとうございました。画面のデザイン等をやっているデザイナー側から言うと、非常にわかりにくくて、何でしょうかと。あいまいなものがすごく多くて、なぜ、ここからこっちでないとだめかとか、例えば機能を持っているものでなければだめだとか、時計の表示がだめなんですという話もありましたけど、そこのところをデザインしているものはたくさんありますし、これはほかの研究会で話したのですが、そこで実際に流通しているわけです。我々デザインして、それに対して対価を払ってもらう。
ということは、「物品」という考え方、この間、第1回目のときにもご質問したとおり、そろそろ意匠法自体が物品という言い方が違うのかというぐらい、「製品」という考え方は我々GUIの中にあるわけです。要するにデザイナーの製品として流通しているということを考えると。だから物についていなければだめですと言われると非常に困ったなというのと、今の機能を持ってないと言われると、どこが機能なんですかということだとか、例えばオープン画面がどうなのか、動いている部分がどうなのか、画面の中にある1つの企業のマークはどうなるのか、ほかにいろんなことがあると思いますが、あまりにも線引きの部分が難しいので、なぜ、そこまでちょっとナイーブかなと、もっと広く考えて画面にあるもの、そういう意味でアイコンも含めて、あと機能がないものはあるかもしれませんが、そういうものも保護対象にならないのかというのが私の単純な質問でございます。

田川審議室長

まず物品概念から離れるべきではないかということですが、現在の我々の考え方は、意匠法の体系の中で保護すると。かつ具体的に何らかの形で表示をされたもの、そういったものが保護対象になるだろうということで、一応物品概念を何らかの形で拡張させるということで考えたいと思っております。
切り分けの話ですが、確かにご指摘のとおり、この点についてはいろいろなご議論のあるところだと思います。我々としては、あらゆる画面デザインを保護することでは、これは保護が過度に広がるのではないかということで、特にニーズが具体的にあるような部分ということでGUIといいましょうか、操作画面を1つ最初のたたき台といいましょうか、そこを画面デザインの保護の出発点にするということではないかと考えております。
操作画面で、かつ先ほども申しましたとおり、工業デザインというものになじむ画面デザインは何かということを考えたときに、何らかの機能性を発現させるという部分。そういった考え方を延長していきますと、操作画面が1つの解ではないかというふうに考えております。

水谷委員

今のことに関連して物品性のことについて意見を申し上げます。
「物品」という用語からも明らかなように、従来から物品については、有体物を前提にしていたことは間違いないと思うのですが、今回画面デザインについても意匠の保護対象にするという方向に一歩踏み出そうとしている。ここで、物品とは有体物であるという従来の考え方もある程度維持して、相互に矛盾のないようにしようと考えていらっしゃるのかなと今の意見を伺って考えていたのですけれども、ただ、素直に考えますと、従来は、有体物上に具現化されるデザインが意匠保護の対象であると考えられていたと思うんですね。
ところが、画面デザインを、別の観点から素直にながめれば、これは物品性から離れた無体物そのものであるのだろうと思います。もちろん無体物の画面デザインであっても、最終的に人間が視覚的に認識するためには、液晶画面とか有体物を媒介にしないと認識できないことはわかっておりますけれども、デザインそのものとしては、恐らく無体物だろうと思います。
ただいまの提案は、そこのところをうまく折衷させて、操作画面というような考え方を出してくることによって、操作画面というぐらいだから、何となく具体的な有体物のようなものをイメージしているのかなと。でも、外部から入ってくる信号のようなものまで保護対象にするとすれば、有体物の概念に本来内在されていないものまで保護の対象にしてくると。外部から入力されて来る信号の実体は無体物なのですけれども、操作画面を保護対象にすることによって、何とか有体物の範囲内におさめようとしているのかなという感じがするのです。
こういう努力は、例えば、もう既に法改正が済んでいる特許法でもかつて行われていたのですね。意匠の場合にはクレーム制度というのはございませんけれども、特許の場合にはあったと。
ソフトウエアに関して、特許のクレームが、審査基準、立法でどのように変遷してきたかと考えると、当初は、装置クレームしか認めないと。つまりソフトウエア単独をクレームしても不適法ということで却下すると。ハードウエアとソフトウエアが合体したような装置をクレームすれば、ソフトウエア特許として認めるという時代が長い間続いていて、その後、媒体クレームという時代が来て、このときには記録媒体に記録されたソフトウエアというふうにクレームしないと、ピュアなソフトウエアとクレームしても特許しないという時代がありましたね。現状は法改正も終わって、ピュアなソフトウエア自体をクレームしてもいいと、こういうことになっている。
仮に意匠についてクレーム制度があったとすると、ただいまの操作画面を、どのようにクレームするのだろうと考えますと、恐らく特許でいえば、媒体クレームなのだろうと伺っておりました。つまり、操作画面は物品であるということを前提にしているので、画面デザインの本質は無体物だと思うのですが、物品性とマッチングをとるために、操作画面というような、ある種の物品のようなものを持ち出してきて、その範囲で何とか処理しようとしていると。これは特許でいえば、かつての媒体クレームのようなものなのだろうかという感じを正直言って持っています。
もう一つ、申し上げますと、操作画面というのをどこまで具体的にとらえるのか、抽象的にとらえるか、によって具体的な立法が変わってくるのではないかと思います。例えば操作画面は液晶ですよ、ブラウン管ですよとか、具体的な物品性のところまで入ってきますと、外部から入力されて来る信号それ自体をどのようにとらえるかというと、これは間接侵害物ということに多分なるのだろうと思います。
これに対して、操作画面をもう少し抽象的にとらえた場合には、外部から入力されてくる信号も、直接侵害というふうに見る余地も出てくるのかなと。もう少し具体的に申しますと、さっき実施行為のところで説明ございましたけど、例えば生産というのを信号を記録媒体に記録すること。あるいはメモリーに入力することだとおっしゃっていたのですが、これも例えばネット上でダウンロード可能なサーバーに画面デザインのデータを入力する、アップロードすることと、さらに実際の使用はそれをダウンロードしたユーザーが自分のディスプレー上に表示するということになりますけれども、サーバー上にアップロードしただけの段階でも、形式的に言えば、記録媒体への記録がございますので、これで生産というふうにとらえるのか、それとも具体的な表示性装置にデータをインプットして、表示装置中のメモリーにデータが入っていると、この状態を生産ととらえるかによって、直接侵害、間接侵害の切り分け方が変わってくると思うんですね。操作画面を、どこまで具体的、あるいは抽象的にとらえるかということが、今言った生産概念みたいなものにも関連してまいりますので、全体としてどの辺を落としどころにするのか。
今回の意匠法の改正は、特許でいえば、媒体クレームのところにとどめるのか、それとも特許法と同じレベルまで持っていくのかというあたりの、それはどちらにするかは政策的判断だと思いますが、そういう認識というか、意識が必要だろうと思います。
以上です。

光主委員

画面デザインにつきましては、産業界、特に電子情報技術産業界の分野、特に電気メーカー、通信メーカー、コンピュータメーカーが集まった産業界の意見をいろいろ皆さんのニーズについて一応確認してきて、基本的には一部には保護の必要性というのも企業としてはありますけれども、絶対数の会員数からいうと、画面デザイン保護についてはネガティブな意見が多かった。
具体的に保護の客体として画面デザインというのはどこを保護するのかということの必要性ですけれども、アイディアなのか、コンセプトなのか、画面そのものについての精査がもう少し足らないのではないかという感じは受けています。ちなみにアイディアであれば、ソフトウエア、特許も含めてですけれども、特許である程度保護はされであろうし、表現であれば、著作権法、不競法等で一応保護されると。そういう意味からすると必要性というのはどこに見出すのかというのは若干、産業界としてまだ見えない部分があるということですね。
それともう一つ、クリアランスという言葉が各企業で一生懸命言われているかと思うのですが、出願制度にかわる公知調査等をやっているわけです。意匠もそういう形で各社一生懸命やっているわけで、画面デザイン、例えば登録されるとなると、どういう分野をどうしてクリアランスしていけばいいのかという問題も若干ありますので、明確にどの部分を操作、操作画面と言われますけど、そこの部分はもう少し具体的に客観的な議論をしていかないと、ただ、操作画面を保護しますというだけでは産業界としては混乱を起こすだけかなというような感じは受けます。そういう意味ではクリアランスの問題、例えば携帯電話の1画面、物品画面をつくるにしても、100ぐらいの操作画面が出るわけですね。それを全部チェックしていくということになるのかなとか、そういう意見も出てくるものですから、ここはきちんとしたもう少し議論をする必要があるのかなということでございます。
そういう意味では、操作画面の限定についてなんですけど、操作画面にするかについての客体の基準がまだ明確になってない。水谷先生も言われたように、そこのレベルはどの部分で見るのか。特に操作画面というのは、もう少し恐ろしいのはユーザー・インターフェースでございますので、互換性を保つ部分があるわけですね。だれが見ても、例えばアイコンのケースはまずいと思いますので、例えばごみ箱ならごみ箱とか、いろんな操作画面というのは共通性を持つということもございますので、そういう意味で共通性の操作画面については独占権を与えていいのでしょうかという問題も若干あるものですから、そういう意味では、操作画面というものについての客観的な基準みたいなものを、もしかやられるのであれば、そこはきちんともう少し精査していただかないと混乱するのではないでしょうか。
あと、物品につきましても、先ほど水谷先生が言われたように、物品は画面ですよね、画面が物品ですね、と言われても、創作しているものは中の無体物の表示なんですね。物ではないのではないですかと、そこの飛躍が大分あるのではないかと私は個人的には思っていまして、先ほど水谷先生うまいこと言われましたけれども、特許クレームのときの媒体クレームの時代と全く似ている感じがしますので、保護するのであれば、物品というものは、そこに出ている表示が保護客体ですから、それをどういうふうに考えていくのか。そこをもう少し精査していかないとまずいのではないかという感じは受けております。
以上でございます。

平野委員

今おっしゃっていた話に関連するのかもしれませんけれども、確かに表示されているところという話になると、モック・アップの車でエンジンがない、外側だけの部分を対象として意匠と言っているような感じがして、あくまでもそこには走るべきプログラムがあってというような、車でいえばエンジンの部分があってみたいなことがあるはずだなというのは私も非常に思うんですね。だから画面だけのところと言われると非常に困るし、確かに画面の表示を生成させているというか、実際の表示をするためにはプログラムがないとだめだという話で、そこのところは確かに表示だけと言われると困るなという話ですね。
そういう意味では、GUIのデザインという話をしたときに、我々多分あるAという企業から、GUI、例えば製品のという話もあるのですけど、そうではなくて、サービス、例えば電力メーターのサービスに対していろんな画面が必要になると思うのですが、その辺のGUI、要するにユーザー・インターフェースをつくってくださいという話が来ますと。そうすると、ちょうど本を書くように、どういうふうな大きな流れがあって、どういう機能があって、どういうニーズがあってというところから分析し始めて、それに対して個々のニーズに合わせた、わかりやすい画面にするにはどうするかという話をして、その後にプログラムの構築を始めるという話になるのですね。全部ないと何の意味もないものですねという話があるのかもしれませんけれど、実際に製品に乗っかるとか乗っからないという部分も含めてPCの方にそれをダウンロードしてきて、実際にそれを使うというようなものがあるわけですね。
ですから決して何かの目的がある製品のために乗っかるというだけではなく、そういう意味でのユーザー・インターフェースというのは非常にあるはずなんです。これが今増えているとう状況なので、それが入るのか、入らないのかというのもわかりにくくなっているのですけれども、もう少し明快さがあった方が、解釈とか運用でできるのでしょうかとうのが非常に気になることなんですね。
もう一つは、一太郎かなんかの例があったと思うんですけれども、実際にアイコンの裁判があったと思うんですが、あのときにジャストシステムは地裁かなんかで敗訴して、その後に、問題になった部分のアイコンを違うデザインに変更して、それでモジュールをダウンロードさせたという、何かそういうのがあったと思うのですが、そういうことを考えると、決してプログラムを全部だめだと言っているわけではなくて、その部分もだめだという話であるわけですから、ただし、ここのところはプログラムがないとだめなんだけれども、その部分を変えればいい。例えば建物の一部が意匠権に侵害していても、建物を全部壊せと言っているわけではないとか、もう少し理解は柔軟にできるのではないか。そういうことで、プログラムとか家電とか、そういうことを中心から、アイコンというのは表示だと思っている方と、我々みたいにアイコンとか、実際の遷移の部分を中心に設計をしてきて、それにプログラムを乗っけてもらうという話と、両方の考え方が絶対あるはずなので、それをうまく整理してもらうのが今回の一番重要なポイントだと私は思っています。

脇本審査業務部長

審査業務部長の脇本でございます。私の方から質問的なことをするのは逆になるかもしれませんけれども、私どもの実情をちょっとお話し申し上げたいと思います。実は画面デザインに関しましては、こういった意匠の保護対象が物品だけでいいのかと。もうちょっとそういった画面デザイン的なものも保護する必要が時代の流れとしてあるのではないだろうかという考え方のもとに私どもは一生懸命、何か知恵は出せないかということで努力している状況でございます。
今のお話で、私、論点を整理すると2点あると思うんですね。1つは、意匠法で画面デザイン的なものをそもそも保護する必要があるのかどうかという議論が1点目。それから、2点目は、もし仮に保護するとすれば、どの範囲を保護するかという対象をどこまで限定するかという2点目の問題だと思うんですね。
今、1点目と2点目の2つの議論が混乱しているように思うのですけれども、仮に今は、私どもまだ努力が足らなくて申し訳ないと思っているのですけれども、非常に不明確な定義で、今のところ操作性ということを1つの切り分けの切り口にしておるのですけれども、この切り方が非常によくないと。別の考え方で切れば、画面デザインは保護対象にすべきかというのが考え方なのか。そもそもどういうふうに切り分けても画面デザインというものは意匠法で保護対象にすることが不適切であるということなのか、その辺が業界の方から忌憚のないご意見をお聞かせいただければありがたいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
方法論の問題か、そもそも保護対象にしない方がいいということなのかというところで、いまいち私どもでも悩んでいるというのが正直なところでございます。

光主委員

そもそも論の議論からしますと、業界全体的から言うと、そもそも論の議論だと思います。

脇本審査業務部長

方法論ではなくて。

光主委員

ええ。ただ、問題なのは、必要性・ニーズがどれだけあるかということをまだ感じてないですよね、企業が、企業というか、一部の企業の方は創作性についてもある程度保護してほしいですよねというメーカーさんもおられます。ただ、絶対数的には、企業的にはまだそこが早い。要は特許法と著作権と不競法である程度の保護がなされているのではないでしょうかという議論が根強い議論としてあります。そこのニーズ・必要性ということについてはもう少し産業界としては、特にJEITAとういか、我々業界としては、今のところまだ必要性はあまり感じてないというのが絶対数的な意見でございました。

平野委員

デザイン業界というのが、業界と言っていいのかどうか、またあるのかもしれませんが、デザイン側とすると、これはもちろん保護してもらいたい。実際、非常にメーカーの方々も我々に高額な金額を払って、GUIのデザインとか、あとメーカーがないところが実際に我々にGUIを売り込んでくることがあるわけですね。例えば電力会社とか、自分たち製品でないものを持っているところが、サービスや何かの製品をわかりやすくするためにGUIが必要になる。当然それに対してプログラムも必要になるわけですが、そういう部分に対して何の保護もないという形になるのは非常に怖いことですし、それに対してかなり高額な対価は、高額であろうと少額であろうと対価を払っています。その払った企業があって、それが保護しないのだという話になって、勝手にみんなまねしてくださいとなると、それはどうなってしまうのですかと。払った企業、それに対して対価をもらった企業が非常にばかをみればいいのか。これはまさに意匠の問題というところになってくると思うのですが、そういうことで言えば、これは絶対保護してもらいたいし、ある意味でもっと幅広く製品に乗っかるというだけではなくてやってもらいたい。2つの論拠で言えば、方法の部分ももうちょっと明快にしていただきたいというのが我々の意見だと思います。

岡崎委員

先ほどJEITAさんの意見が出たと思います。日本知的財産協会意匠委員会には電気業界以外に、自動車、精密機械、楽器とかいろんな業種の方々がおられます。意匠委員会の方でこの点議論しまして、今、すぐに保護するニーズがあるかどうか、議論いたしました。確かに一部の会社の方で、こういうニーズを感じられている方もおられますけれど、先ほどJEITAさんの意見と同じく、全体の意見としては、今すぐにこういう画面デザインを保護する必要性があるかといったら、そうではないというのが大方の意見でございました。
現在、表現でしたら著作権で保護されており、今の段階では事足りるのではないか。とりわけこれを意匠権の中に盛り込んで保護する絶対的なニーズというのは今感じてないというのが現状の意見でございます。

茶園委員

今の議論はそもそも画面デザインについて保護すべき必要性に関することで、もし保護する必要性が一部の画面デザインであれば、それは何かという問題の議論だと思うのですけれども、その問題とは別に、画面デザインの一部を意匠の保護対象にする場合には、当然今まで意匠法の秩序の中になかったものを新たに取り込むことになるわけですから、現在の意匠法秩序との整合性、そして著作権法等の他法との関係というのを考慮しなければいけないことになります。
恐らくその点を考慮して、今回操作性というところに着目して、その点から保護対象を確定しようというご提案だと思うのですけれども、そうした場合に具体的にどうなるのかというのをもう少しお教えいただいた方がわかりやすいのかなと思ってお聞きしたいのですけれども、1つは、そうした場合に、例えば参考資料2にありますように、4ページとか5ページのアメリカにおける画面デザインの保護、欧州における画面デザインの保護の中で具体的にどれが保護されることになり、逆にどれが保護されないことになるのか。例えば、先ほど出たアイコンについて、アイコンをクリックして何か起こるという場合は、恐らく操作性があるというものになるのかなと思いますが、そうであるのか。
もう一点は、操作性という言葉からは、ある機器があった場合に、その機器に指令を発するプログラムがあって、クリックをすれば、そこで動く場合には操作性が認められると思うのですけれども、例えばインターネットで、どこかのWebにアクセスして、そこで操作した場合に、その場合でも操作性という要件を満たすことになるのかという点をお聞きしたいです。
それと最後なのですけれども、恐らく操作性という要件を定められている1つ重要な理由は、コンテンツ自体の保護を回避しようというところにあると思うのですけれども、例えば1つの画面にクリックするところが一部分あって、それ以外のところが一般的にはコンテンツみたいなもの、美術といえるようなものだとした場合に、部分的に操作性が認められるという部分があれば、そこが保護されることになるでしょうが、それによって、操作性のない他の本来保護されない部分が保護されることになるのか、つまり、操作性という要件を定めることによって保護を回避しようとしたものを取り込むということになるのか。
いろいろごちゃごちゃ申し上げましたが、操作性を要件とした場合に具体的にどういうことになるのか、もう少し詳しくお教えいただければと思います。
以上です。

田川審議室長

まず1点目でございますが、例えば参考資料2で、具体的にどれが保護され、どれが保護されないか。現在操作画面ということで考えておりますので、操作性があるという観点からは、これらすべてについて概念上は入ってくるのではないかと思っております。
今回、意匠法の中で、画面デザイン、操作画面を保護するとしたときに、ほかの法律との保護の整理をどういうふうにするかという観点ですが、ここは具体的にどの範囲を対象にするかによっても変わってくるのかと思っております。さらに精査をしたいと思っております。

水谷委員

先ほどそもそも画面デザインを保護した方がいいのかどうかという政策論の話と、保護するとした場合の物品性をどう考えていくのかということを区別して議論してくださいというサジェスチョンがあったと思います。後者の物品性のことについてだけ一言申し上げたいと思うのですけれども、同じ議論がかつて特許法改正のときにございました。
特許では、物の発明ということで、物品とは用語が違うのですが、民法に、「物とは有体物をいう」というような規定があったものですから、ソフトウエアを物の発明に入れようとすると、ソフトウェアは無体物であるから、法改正をしなければいけないのかというような議論がありました。その際には、民法学者の方がいらっしゃって、それは法律毎に相対的に考えればいいだろう。民法では、物とは有体物と言っているけれども、特許法における物は無体物を含めると解釈して何ら矛盾はない、というような意見が出て、それで特許法の改正に際しては「物(プログラム等を含む)」というのは確認的規定であるということで処理がなされたわけです。
一方、意匠法の場合には物ではございませんで、物品なものですから、「物品」という言葉は、物以上に有体物性を強く示唆する用語になっておりまして、ここで結論をこうだとまでは申し上げられませんが、物の場合に比べて、無体物が物品中に含まれているというふうに解釈することは、不可能とは申し上げませんけれども、よりハードルは高いだろうなという感じがしております。そういうことを前提に、画面デザインを意匠の中に取り込む場合に、どういうことを考えなければいけないかということだろうと思います。
画面デザインといっても、先ほどご説明にありましたように、初期画面以外の画面を保護するかどうかとか、あるいは機能性と直接結びついてない装飾的なデザインを保護するかどうかというような話は、多分物品性の概念を緩くすれば十分対応ができるのだろうと思うのですけれども、外部から入力されてくる画面デザイン信号をどう保護するかという話になると、これは、無体物がケーブルを通じて物品の中に入って来るという関係にありますので、そういう無体物であるデザインをどうやって、どの局面で保護するのかというのが多分考えなければいけない問題だと思います。無体物のみで存在している状態も、意匠権の保護対象にするのか、あるいは有体物中にダウンロードされて表示可能な状態になっている、そこだけを意匠権保護の対象にしていけばいいのかということによって多分分かれてくるのかなと。後者の立場を考えると、現状の物品性で何とか対応できるだろうと。
ただ、無体物である画面デザイン、これは操作画面というふうに限定するにしても、有体物と遊離した形で取引対象になっているというような場合、そういう場合までを意匠権の保護の対象にしようとすると、物品性で抑えるということが難しくなってくる場合も考えられると。したがって、結局物品性の枠内で処理するか、しないかというのは、どういう局面を侵害形態としてとらえるかということと、多分すごく深く結びついているのかなという感じがしております。
とりあえず申し上げたいことはそれだけです。

大渕委員長

ほかにいかがでしょうか。

山本(建)委員

少しそもそも論の方に戻って恐縮なのですけれども、グラフィック・ユーザー・インターフェースを専門につくっているデザインの立場の意見を代表して言わせていただくのですけれども、当然自分たちが創作したものは保護されたいという本音の気持ちはあるのですが、実情で申しますと、例えば携帯電話の非常に開発の期間の短いところで、あるメーカーからGUIの中のユーザー・インターフェースのところだけデザインと設計を依頼されたとしますと、非常に期間が短い。その間に、先ほどもありましたけれども、ページの数が多い。アイコン等を入れると、デザインが取り組まないといけない個数を数えるのは難しいでしょうけど、500点とか、そういう言い方になると思うんですね。もし、500点という数が某社によって独占的な排他的な使用権が認められていたとするともう創作活動は非常に困難に陥るわけです。ほとんど数カ月とか半年の間に、その500点なりの意匠が全部侵害してないか、抵触してないかをクリアして、なおかつ創作活動に入らないといけないということで、大変な、もう仕事できないという状態に陥ってしまうという実情が現にあるということなんですね。
一方では、携帯電話の例で言いますと、キャリアごとに、今、ユーザー・インターフェースが若干違っていまして、生活者からの視点で言いますと、できるだけ標準化してほしいということもありますので、今後、大きな排他的な独占権が1社に認められるようなことになっていくと非常に公共的な意味というか、生活者の前提の利益にならないような形になってしまうというところがちょっと心配なところでもあります。
以上、2点を述べさせていただきました。

大渕委員長

ほかにどなたかございませんか。平野委員、どうぞ。

平野委員

今のお話も我々よく遭遇する部分なのですが、逆にユーザー・インターフェースで一般の社会としてコモン的に使うものというのを標準化、ISOではないですけれど、もっと標準化すべき部分というのが、今、要するに規制をされてないから、逆に500のデザインも自由にできるという話と、自由に勝手使っていいという話があるので、それは実際にデザインしていく中で、これはみんなで使えるものだよねというのをもっと考えていくためにも、規制があるからそういうことも起こるのではないかということだと思っているのですけれど、どうでしょうか。

山本(建)委員

その件について、ちょっと感想みたいなことになりますけれども、恐らくデザインする側からはある種のモラルだとか、自分たちの取り組みやすさとか、社会的なことも考えて、お金という利益を度外視して考えれば、そういう協調的な方向も多分考えられると思いますが、気になるのはお金目的で利権を取ってしまわれたら困るなというところだけなんですね。

平野委員

まさにおっしゃるとおりだと思うんです。逆に悪意を持ってコピーをされるのはまた困るなという両面ありますよね、お互いに。そういう感じです。これも感想です。

大渕委員長

ほかにございませんか。
それでは、時間の関係もございますので、また、何かございましたら後ほどご発言いただく機会を設けることといたしまして、次のテーマであります「意匠登録手続の見直し、利便性の向上」という点の議論に移ってまいりたいと思います。まず事務局から説明をお願いいたします。

田川審議室長

それでは資料1の27ページ以降、順次、ご説明をいたします。
「意匠登録手続の見直し、利便性の向上」につきましては、ユーザーの方の使い勝手をいかに向上させていくかという観点からの項目を挙げております。
まず1点目が関連意匠制度の見直しでございます。現在、自社ブランドの構築のために、市場で成功した製品の基本的な特徴を残しながら、どんどんそれを改良させていく、マイナー・チェンジを加えて行うという製品開発の実態があるわけでございます。ただし、マイナー・チェンジを加えた改良デザインというものはもともとのデザインの特色を有していることから、比較的意匠の類否という観点から見ますと、さきのもともとの意匠に類似していると判断されることが多いわけでございます。
現行の意匠制度においては、デザインの開発段階において、1つのデザイン・コンセプトから多くの意匠が同時期に創作をされるという実態に即して、創作の観点から同等の価値を持つだろうという意匠群について、同日で同一人により出願された場合に、それを便宜的に本意匠、関連意匠という関係を設けて、独自の効力を持つ登録を認めておるところでございます。
したがいまして、現在関連意匠の出願を同日に限っているということですので、同日以後のものは自分のもともとの意匠権によって、意匠出願により拒絶をされるということになります。これに対して後日の改良出願そのものが保護されないという状況になっているという指摘がなされているところでございます。
対応の方向としましては、後日に出願された改良意匠についても、本意匠の審査係属中であれば、その関連意匠を登録できるようにするべきではないか、そういう考え方をとっております。
なお、どの時期までに出願を認めるかということについてはいろいろな考え方がございますけれども、これは意匠法の考え方をできるだけ安定した権利を付与する、あるいは第三者との関係、そういったものを踏まえ、できるだけその期間はバランスのとれたものにするべきではないかということで、手続のいくつかの段階の中で審査係属中というものが適当ではないか。一番短いケースですけれども、というふうにしております。 論点としては、後日の関連意匠出願を認める場合には、本意匠の出願日と関連意匠の実際の出願日の間に他人の先願意匠、公知の意匠が存在する場合というものが想定されます。その場合に、第三者等のバランス等を考慮して、関連意匠と通常の意匠出願を同等にすることではなく、本意匠の出願には遡及しない。実際に出願された日にすることによって安定を図るべきではないかという点が1点目です。
2点目の論点として、仮に公報発行後ということにしますと、先ほど申し上げたとおり、第三者との関係、新規性喪失の例外といった関係についてもいろいろと考慮すべきということですので、この措置自体がそもそも例外をいかに拡大するかという観点からは慎重に検討することが必要ではないか。
3点目が関連意匠の後日出願を認めた場合に、本意匠の出願と関連意匠の出願の間に公然実施された意匠、刊行物に記載された意匠の十分な把握が重要になっておるわけですが、関連意匠の出願人には何らかの形で自己が知り得た公知意匠、これを願書に書いていただくという情報提供、先行意匠開示制度等を設けるといったことも必要ではないかという論点でございます。
2点目が、部品及び部分意匠の保護の在り方の見直しでございます。
部分意匠については、全体のデザイン、先にデザインが完成されて、詳細なデザインが、これは後で決まってくるという、そういう開発実態があるということですが、現在では意匠法の第3条の2という規定がございまして、同日の部分意匠出願のみしか認められないことになっております。これをさらに自分の部分意匠について出願できる期間を延ばすべきではないかというご指摘があるところです。
対応の方向としては、先願意匠の一部と同一又は類似の後願のものであっても、先願の出願日から公報発行までの期間について登録を許容するべきではないかと考えております。
なお、この公報発行までの期間とここにしておりますのは、今、部分意匠について、同日にしか出願できないという規定になっておるもともとの条項が3条の2の規定で、それは公報発行までの間の手続です。その例外ということで、公報発行までの期間を許容することが考えられるのではないかと考えています。
論点として、同人については、出願人同一のみで十分かという観点。特許法の第29条の2においては、自己の既存創作の一部の保護という観点から、創作者同一の場合も可能とするということが必要ではないかという論点が1つございます。
先願意匠について秘密請求されている場合については、最大3年間秘密意匠とすることができますが、意匠公報が発行されるまで出願を認めることにいたしますと、非常に長い期間、部分意匠について出願を許容することになります。秘密意匠自体がそもそも例外中の例外の規定ですので、これについてどう考えていくかという観点がございます。
3点目としては、先願意匠と先願の意匠の一部と同一又は類似の後願意匠とが相互に類似する場合についての手当てをどうするかということですが、これについては意匠法第10条が後日の関連意匠登録を認めると改正された場合に、先願の意匠の一部と同一又は類似の後願の意匠について関連意匠として考えるべきではないかという論点であります。
3が秘密意匠制度の見直しです。
これは意匠登録出願人は意匠権の設定の登録の日から3年以内期間を指定して、その意匠を秘密にすることができるという制度がございます。その手続について、出願時に請求をしなければならないということがございます。一方で、意匠登録出願の審査が早くなったということで、予想よりも早く設定登録をされると、それによって意図しない形ですが、早く公報に掲載されるということがございまして、請求をできる期間についてもう少し柔軟にならないだろうかというご要望がございます。
これにつきまして、対応の方向ですが、出願人の方々の利便性を考慮する観点から、請求できる時期を出願時に限らず、ある程度柔軟にいいのではないか。請求期間についても、審査係属中というのが考えられあり得るのではないかと考えております。
論点として、拒絶査定不服審判において登録査定となる、判断が変わる場合もございます。審判の係属中に秘密意匠を認めることが必要かどうかといったところが論点となるかと考えております。
4点目が新規性喪失の例外でございます。
現在の制度では、意匠登録出願の日からさかのぼって6カ月以前の間であれば、意匠登録を受ける出願人がみずから公開した意匠等について、ある一定の条件のもとに新規性の例外、つまり既に公知になったものも公知でないとみなすという例外規定がございます。例えば、みずから展示会に出品をするといったようなケース、そういった場合に新規性喪失の例外規定の適用を受けて公知にはならなかったとみなすわけです。ただし、この場合に、例えば展示会に出展をしたといった証明を求められるわけです。現在はその書面の提出期間が出願日から14日となっております。これを30日、特許法等の例を参考にしながら30日以内と延長することが考えられるのではないか。
以上です。

大渕委員長

ありがとうございました。それでは、今のご説明を踏まえまして議論に移りたいと思います。どなたからでも結構ですので、ご自由にご質問、ご意見をお願いいたします。菅井委員、どうぞ。

菅井委員

私どもの方で一番注目している観点としては、審査制度を継続するか、無審査を採用するか、しないかという観点と、もう一つ、今回ご説明いただきました関連意匠制度の見直しについてでございました。そういった意味で、無審査のお話はちょっと置いておきまして、関連意匠制度について、方向性として後日出願対応の提案になっておりまして大変ありがたいと感謝しております。
その中で次に来るのが一体いつまで可能になるのか、時期の問題かと思っております。この時期については、現在ご提案いただいている係属中というところではなかなか不足かなというのが正直な感想です。それは理由としては、審査も先ほど言ったように、一部では7カ月とかというお話の中では非常に早くなっていると。早ければ早いほど、実は関連意匠の出すタイミングでいくと間に合わないというのが実情です。今の私どもの業界の中でいきますと、2年に1回、あるいは4年に1回というようなデザインの大幅な見直し、小幅な見直しがなされます。これは先ほど来から言われておりますデザイン・ブランディングの一環の中で踏襲するケースです。また劇的にデザインを変える場合もございますので、その場合は関連意匠はあまり関係なくなるわけでして、そういった観点でいきますと、関連意匠を出願できる時期はもう少しほしいというのが正直なところでございます。
これに対しまして、いろんな論点のご提案していただいていますので、これを伺えば伺うほどその時期を確定するのが非常に難しいというのが正直な感想です。ただ、私どもの方の業界の特殊性なのか、一般的にそうなのかなというのはなかなか難しいのですが、先ほど言いましたように、2年、4年というのは最低限ほしい。4年であればフルモデルチェンジのタイミングに間に合うので出願可能な時間としてはほしいのが正直なところです。
特に、どうしてそんなにこだわるのかという観点があるかと思います。これは後ほど部分意匠にもかかわるところですが、どうしても一番の関心事項は模倣品対応でございます。最近の例えば中国のモーターショーなどを見ますと、部分的にフロントマスクの一番大事なところだけ似ているとか、サイドビューだけ似ているとか、それぞれの成功している商品の一部をまねているようなものがどんどん出てきています。これは我々の部分的な変更というようなものも当然権利にしていくという観点でいきますと、追従してくるメーカーへの牽制力としても非常に大事になってきます。少なくとも我々が実施している意匠、これについては登録していくということで追従メーカーからデザインを守りたいと考えています。それをどんどん派生して実施しない意匠までを意図としているわけではありません。
もう一点は、最近同じ模倣品対応の中でも日本に入ってくるということですね。日本に入ってくる際に、登録意匠でしか税関での差し止めというのは非常に難しいのが今の実情である。そうしますと、たとえ本意匠が登録になっているから、その範囲にある類似意匠だったら税関はとめてくれれば良いのですが、中にはそういうこともあるのですが、類似の判定作業のような大変な思いを実はしなければいけないということもございまして、ぜひこの件につきましては、もう少し関連意匠の後日出願可能な時間をいただいて、実施する意匠については登録できる制度にしていただければと思います。
以上です。

茶園委員

ご提案は、現在、関連意匠制度は9条2項の例外に当たるものですが、それを9条1項の例外にもしようというものと理解しています。今、おっしゃられた2年とか4年になりますと、ここにも書いてありますように、新規性規定の3条1項との関係での例外というのも考えなければいけない。そもそも平成10年に関連意匠制度が設けられたのは、それまでの類似意匠制度がいろいろ複雑な問題があったのですっきりしようということでした。今回の提案は、この平成10年改正のものをさらに変えようというものですけれども、9条1項の例外とすることにはそれほど弊害が生じないのかなと思うのですが、新規性の例外まで認めて、現在の関連意匠制度の中にそれを入れるというのは、前の混乱をまた復活させることになるのではないかと思います」。
おっしゃられている要請はあるのだろうと思いますが、それを満たすために関連意匠制度を改正することはちょっと難しいのではないか。もしやるとしたら、別立てのものを考えた方がよろしいのではないかと思います。
以上です。

峯委員

先ほどの菅井委員のお話、2年、4年というようなサイクルでモデルチェンジされると。それについて登録がほしい。その一番のねらいというのは、一番かどうかわかりませんけれども、少なくとも税関で差し止めをしたい、そこにかなりの力がおありのように聞こえましたけれども、関連意匠登録を認めない中で、税関での差し止めをどうやって効率的にやっていくのかという観点もあり得るかなと。そうすると1つ、意匠法の中には判定の制度というのがあるわけで、判定等をうまく利用できるような形でやっていく。例えば、極端な話、モデルチェンジしました。その意匠を拒絶覚悟で出願して拒絶査定受けますと。そういったことも状況証拠として特許庁に判定を請求していく、そういうやり方もあるのかなという気はするのですけれども、その辺はいかがなんでございましょうか。

菅井委員

私の意見に対して、非常に沢山の反論を受けているようで、大変お答えづらいのですが……。

峯委員

反論をお聞かせいただきたい。

菅井委員

今の税関の話はその1つでございますし、それだけではございません。例えば日本の審査結果が、中国の侵害訴訟で引用されていく。日本でつぶれているものを何で中国で権利行使するのだということが、中国での侵害訴訟で被告の無効反訴の主張に利用されている事情がございます。ということは、本意匠と同じだといって拒絶された次の世代の車が、意匠権について中国で争われてしまうと、これは非常に苦しい戦いになります。当然法制度が違いますから、中国はそのまま被告主張を取り入れるのかどうかはまだわかりませんけれども、そういった日本の審査結果が他国でも注目されて、あるいは訴訟の中で影響を受けていることも事実です。
税関のお話が一義かというお話ですけれども、まだ大きな被害なり実績がそこであるわけではありませんが、部分的にはそういうことも起きてきておりますので、私どもとしては、ほかの手もあるであろうということであれば、それはどんな手を使ってでもやっていくということは間違いないです。
一方で、なぜ実施している商品が意匠が守れていないか、いくつかある手段の中でいきますと、それが一番であろうと考えている。そういったことで今お話をさせていただきました。
以上です。

岡崎委員

知的財産協会でも、関連意匠について議論いたしました。菅井委員からもありましたように、産業界として、ある製品のデザインがブランド化するという傾向が多々ございます。日本を代表するような商品がこのデザインによって会社の顔となり、商品の顔となり、日本の製品の顔となって、日本国内のみならず世界にも流れていくと、そういうような事情がございます。そのときに特徴となるデザイン、これを踏襲して、第1世代、第2世代、第3世代と商品開発していくというのが企業の1つの流れでございます。そうしたときにそういう特徴あるデザインを会社として長く保護したいというのが基本的なニーズでございます。そのためにこの関連意匠は非常に大きな役割を果たしてくれるのではないかと、我々はこの制度にはウエイトを置いているという次第でございます。
第1世代、第2世代、第3世代となったときに、第1世代の意匠登録が足を引っ張って、第2世代、第3世代の意匠権を取れないというような事態になったとき、それは特徴あるデザインを保護する制度、すなわち、今回の議論の中心になります魅力あるデザインを手厚く保護しようという制度の趣旨からちょっとずれてくるのではないかという気がしています。
そういう意味で、この審査係属中でしたら、今、特許庁の方でかなり早く審査がなされていること自体は企業として非常に喜んでいるわけですけれども、逆にそういう短くなった期間が、こういうブランド化したデザインを守るということについては逆にマイナスになってきているということになるわけです。できましたら、この審査係属期間というものを、我々は厚かましい要望ですけれど、登録期間という制度にしていただければ、日本の魅力的なデザインがより守れるのではないかと考えております。

大渕委員長

ほかにいかがでしょうか。勝尾委員、どうぞ。

勝尾委員

済みません、初歩的な質問で恐縮なんですけれども、秘密意匠制度なのですが、仮にダブルトラックが導入された場合、無審査トラックも、従来の審査の部分も両方同じように運用されるのでしょうか。

貴田審議企画班長

ご質問の趣旨は、秘密意匠制度を仮に無審査トラックを入れた際に、やはり同様に導入するかどうかということでしょうか。

勝尾委員

はい。

貴田審議企画班長

意匠の場合、公開することでまねされるおそれがあるという性質があると思いますので、秘密意匠制度として、現行制度と全く同じかどうかというところは議論のあるところだと思いますけれども、何らかの形で公開を一定期間制限するということは流れとしては十分あり得るのではないかと思います。

大渕委員長

ほかにございませんか。

峯委員

メーカーの方への質問ですけれども、先ほど来出ていますブランド構築との絡みという話で、関連意匠を最長登録期間内認めていただきたいという話がありましたけれども、その場合、関連としての連鎖的な登録、類似で類似で類似でずっとつながっていくというような登録、これもあわせて導入してほしいということにつながることでございましょうか。現在類似の連鎖、これは認められておりませんけれども、これも認めてほしいというようなことになりましょうか。

菅井委員

それぞれの業界によってニーズが違うのかもしれませんが、類似意匠制度から関連意匠制度に変わった時期はどの様な運用が良いのか出願人側も明確では無かったと思います。自動車業界のユーザーとしては類似意匠制度の使い方が連鎖と見られるような手法を含めて誤ったのではないかという反省もしております。私どもの業界ですと、類似意匠の方が使いやすかったというのが正直な感想です。ただ、連鎖と思われるような出願手法を改めない限りは類似意匠制度はきっと成立しないと思います。そういう意味では連鎖を要求するものではありません。あくまでも統一的なデザイン・ブランディングのラインを守りたいだけであり、そこから派生していった先が際限なく拡大して行く事を意図しているものではありません。先ほど4年というお話、あるいは少なくとも本意匠の権利期間内というのは、連鎖を許容した時点でまた破綻するだろうと思います。そういう意味では類似の連鎖的出願はあり得ず、そこは自粛しなければいけないのだと私は思っております。ここはあまり議論したことがない部分なので、私の個人的な見解で言わせていただきます。
以上です。

岡崎委員

知財協の方でも、この点、議論いたしまして、大方の意見は、本意匠の関連の範囲内です。関連の関連、そこまでは要求する考えは今のところございません。

大渕委員長

ほかにいかがでしょうか。茶園委員、どうぞ。

茶園委員

同一出願人の場合に、3条の2の例外を設けるべきかということについてですけれども、29ページの(3)の論点で、一番最初の「○」は、創作者同一の場合にもその例外を認めるべきか、29条の2と同じようにすべきかということですけれども、特許法29条の2と、意匠法3条の2の趣旨はかなり違っていて、意匠法3条の2でしたら、権利関係の錯綜を回避するというところがあります。出願人同一の場合には同一人に権利が発生するということで権利関係の錯綜という問題はそれほど生じないのでしょうけれども、創作者同一の場合も含めるとすると、創作者は同一だけれども、出願人は異なっており、そのため権利者が異なるという場合が生じることとなって、恐らく特許法29条の2と同じようには考えられないのではないかと思います。
また、あるいは、出願人同一の場合に例外を認めるにしても、権利関係の錯綜の回避を重視するとすれば、関連意匠制度のように分離移転はさせないといった措置も考えないといけないかもしれないというように思います。
一番最後の「○」、私は3条の2を、出願人同一の場合に例外を設けるとした場合に、もし、これが先願意匠との間で類似関係が成り立つといった場合には、何も規定を設けなければ、普通9条1項で拒絶を受けることとなり、拒絶させないためには10条にその例外を設けることになる。むしろ、特に特別な措置を考えないのであれば、むしろ関連意匠登録でしかできないということになるのではないかというように思います。
以上です。

大渕委員長

ほかにいかがでしょうか。峯委員、どうぞ。

峯委員

今、茶園委員が指摘された3条の2と関連の関係ですけれども、まず、この考える前提として、全体意匠と部分意匠とはどういう関係にあるのか。現在、特許庁では、どうも関連意匠と全体意匠というのは異質なものだから、原則非類似なのだという運用ですべて一貫されている。それは置いておくとして、まず全体意匠というものの中に複数の部分意匠が含まれていると考えるのかどうなのかというところは一度真剣に議論しておく必要があるのではなかろうかという気がしております。
ちょっとこの議題から離れてしまいすけれども、今回テーマに挙がっていませんけれども、分割をどうするのか。先ほど企業の方から関連意匠を取っていきたいという中に、自社のシンボル的な部分の形態、これを強く保護したいのだというお話がありました。シンボル的形態、初めから部分意匠を出願すればいいではないかという話もあるけれども、これのよしあしは別として、もし全体意匠から部分意匠が分割できるというお話になると、発表した後、ここのところが需要者から支持を受けているというような部分について部分意匠に分割していく、こういうような制度体系もあり得るのかもしれない。それがかえって事業者を混乱させる、権利関係を複雑にさせるという弊害はあるのかもしれませんけれども、考え方としてはあり得るだろう。
そういうことを含めて、3条の2とのつながりの中で、部分意匠と全体意匠の位置づけ関係も一度議論しておく必要があろうかなというふうに考えております。

大渕委員長

ほかにいかがでしょうか。岡崎委員、どうぞ。

岡崎委員

新規性喪失の例外規定について、関連意匠から外れますけれども、今、提出期間を14日から30日にするというのが対応の方向性で挙がっております。もう一つの論点として、そもそも新規性喪失の例外を6カ月から1年にするという案もあろうかと思います。例えばアメリカとか欧州で例外期間が1年と定められております。そういう意味で、ハーモナイゼーションを考えたとき、この6カ月を1年にすることをもう1つの論点に入れていただきたいと考えております。

大渕委員長

ほかにございませんか。それでは、今、議論の対象にしておりました「意匠登録手続の見直し、利便性の向上」というテーマにつきましてはこれぐらいにいたしまして、本日の議論全体について何かご発言等がございましたらお伺いいたします。

峯委員

非常に素朴な、あるいは基本的な話になってしまうのですけれども、いわゆる物品を離れたデザインという中で、画面デザインのほかにタイプフェースやピクトグラムというものがあるわけですけれども、今回その中で画面デザインだけがここに取り上げられてきたということについてご説明いただければと思います。

貴田審議企画班長

どこまで保護を対象に拡大するかというのは、特許のソフトウエアの場合もそうですけれども、かなり政策的な観点が大きいのではないかと思います。今回は画面デザインということで、特に情報家電分野の模倣の懸念について、実際に個別の企業から、ニーズがあったということで保護対象にしてはどうかというような議論をさせていただいております。
概念的には、おっしゃられたような、フォントのデザインとかいろいろ入ってくるのがあろうかと思いますけれども、現時点で緊急の法改正の検討が必要だといったような状況には必ずしもないのではないかというのが認識であります。

牧野委員

よろしいでしょうか。

大渕委員長

牧野委員、どうぞ。

牧野委員

最初に戻りまして、操作画面等の保護の関係について、この参考資料1の1ページ目に書いてあります対応の方向で示されたところは、今回の法改正として実現すべきであろうと思っております。ニーズについていろいろな御意見もありますけれども、画面デザインを創作される方々の保護を図るという点は、立法化の根拠として十分に考慮されるべきであると思っております。それが1点です。
では、どの範囲で保護するのかという問題ですけれども、保護対象となる画面デザインを操作画面という、ある意味でややあいまいな概念を用いざるを得なかったというのは、これまでの議論の経過からしましても、これなら少なくとも最小限何とか境界領域を定めることができるということで、政策的考慮も入れられた苦心の策だろうと拝見し、これがあいまいだから採用すべきでないとは言い切れないであろうと思っています。この程度のあいまいさは、どのような法律をつくっても解釈の余地が生ずるということを考えますと、今後それぞれの具体的事案において保護すべきものが保護されていくということで解決される問題と思います。
それから、最後に、実施との関係です。この参考資料1の10ページに、「画面デザインに関する実施規定の在り方」ということで、製造以下、実施の態様が書かれておりますけれども、これを拝見すると、水谷委員がおっしゃった、かなり物品性を離れた、それこそプログラム自体がある意味で保護されているような形になっているように思われます。画面デザインの保護を立法化し、それを実効あらしめるためには、実施行為としては、この程度のところまで取り込まないといけないだろうと思います。
そういう意味で、私はこの際、操作画面の保護というのを立法化すべきであって、このご提案に賛成するという意見です。
以上です。

大渕委員長

ほかにございませんでしょうか、この機会に。山本委員、どうぞ。

山本(建)委員

今の操作画面について、非常にディテールな質問で恐縮ですけれども、ちょっと教えていただきたいのですけれども、操作画面ということで意匠を審査するときに、あくまでも操作のためにつくられたグラフィックで、操作性そのものを審査されるわけではないということになりますね。そうすると操作しない、操作をいざなうグラフィック・デザインがあるのですけど、それを見た目だけで操作しないで、審査されるわけですけれども、そうなってくると、静止した画面ではあるけど、物体にくっついた飾りみたいなもので、グラフィック・ユーザー・インターフェースは操作しない限り、本来的な人に訴えるインタラクションは何も起こらないわけです。ただ、ただ見た目の美感だけということであれば、美感を与える装飾的になるものになってしまうのではないかと思ったのですけど、そのあたりについて、ちょっと教えていただければと思うんですが。

瓜本意匠課長

制度を導入したときにどういった審査をするのかというご質問だと理解してお答えします。それは事案にもよるのですが、現在の機器の審査と同じだと考えております。操作画面に対象を絞ろうとはしていいますけれども、操作性そのものを審査でどうこうするということはなくて、つまみや表示パネル等のレイアウトの与える美感の問題を今の機器でも審査しているように、操作画面であっても、同じように、ここにつまみがある、表示部分がある、ここに一部コンテンツを映し出すスクリーンがあるというような、そういうレイアウトの構成態様の共通点・差異点を審査することになると思います。操作画面に限ったから、操作をしないで審査できるのかということにはならないように思いますが、お答えになっていますでしょうか。

山本(建)委員

ありがとうございました。

大渕委員長

ほかにございませんか。
それでは、時間もなくなってまいりましたので、本日の小委員会はこれくらいにしたいと思います。
最後になりましたが、今後のスケジュールについて、事務局からご説明をお願いいたします。

田川審議室長

今後のスケジュールでございますか、次回、第7回は11月7日(月曜日)13時30分開催を予定いたしております。それ以降の日程につきましては、皆様のご都合を事務局で調整した上で、後日またご案内をいたします。
また、次回の会場でございますが、未定ということでご案内しておりますが、16階特別会議室、こちらの会議室でございますので、あわせてご案内をいたします。よろしくお願いいたします。

大渕委員長

それでは、ほかに何もなければ、以上をもちまして産業構造審議会知的財産政策部会 第6回意匠制度小委員会を閉会させていただきます。本日も熱心なご議論をありがとうございました。

閉会

[更新日 2005年11月18日]

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