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産業構造審議会 知的財産政策部会 第9回意匠制度小委員会 議事要旨

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 12月20日(火)13:30〜15:30に、産業構造審議会 知的財産政策部会 第9回意匠制度小委員会(委員長:大渕哲也 東京大学法学部大学院法学政治学研究科教授)が開催された。
 
1.審議内容
   事務局から資料1に沿って、「意匠制度の在り方について」(案)の各項目にについて説明した後、それぞれ自由討議を行ったところ、委員からの意見は以下のとおり。
 
  (1)権利期間の延長
   ・ 今回、権利期間を延長するとの方向はありがたいと思っているが、20年に止まった点に不満が残る。他国の制度と異なる期間であると、国によって権利行使を行えるか否かに差異が生ずることともなる ため、ヨーロッパの国で採用されている25年に合わせても良いのではないか。
 
  (2)権利侵害行為への「輸出」の追加
   ・ 「通過」について「輸出」に該当すると解釈すると、同時に「輸入」にも該当するのではないか。このような解釈により、今回規制することを想定していない、貨物が単に我が国領域を通過する場合(a)や、 荷繰りの都合上一旦我が国に陸揚げされた場合(b)も規制の対象となってしまうおそれがあるのではないか。
 
  (3)権利侵害行為への「譲渡等を目的とした所持」の追加
   ・ 譲渡目的の所持、輸出目的の所持を間接侵害として規定するとのことだが、従来の意匠法38条、あるいは類似規定である特許法101条とはまったく異なる規定であり、むしろ一部批判のある商標法37条に 近い条文構成を導入することとなるが、この方向性はふさわしいのか。
 
  (4)意匠の類似の範囲の明確化
   ・ 判断主体を明文上「一般需要者」と規定することは、公知意匠の参酌を重視して類似を判断する現在の判断手法が制約されるおそれがあり、賛成できかねる。意匠法の、創作保護法としての位置付けを 保持するために、例えば、欧州共同体意匠規則に規定されている「情報に通じた使用者」のような、その意匠に精通した者の視点を含めるべきではないか。
 
   ・ 公知意匠の参酌については、現行の判断手法においても、意匠に通じた者が把握している意匠の範囲に限定されるわけではないのと同様に、一般需要者を主体とした場合であっても、その主体が把握して いるか否かを問わず、単に刊行物に載った公知意匠があれば、それを意匠の創作部分から除いていき創作部分を特定していくといった手法が採用されるのではないか。そして、残った創作部分についてそれを 見て判断する者が誰なのかについて、今回明確化しようとしているのではないか。
 
   ・ 「一般需要者」と規定してしまうと、それとは別の性質の需要者がいるかのような誤解を与えてしまうため、「一般」は付けないほうが良いのではないか。
 
  (5)画面デザインへの保護対象の拡大
   ・ 法律改正をするか否かが明示されていないが、意匠に係る物品以外の物品に表示される画面デザインを対象に含めるという変更については、現行法を変えずに運用で対応することには無理があるの ではないか。仮に運用で対応可能となると、将来的に保護対象が無秩序に拡大することとなりかねないので、法改正による対応とすべき。
 
   ・ 具体的な改正案を検討する際は、保護対象を拡大した場合に起こる問題についての本委員会での議論を十分尊重し、対象を広げ過ぎないよう配慮すべき。
 
  (6)無審査登録制度の導入によるダブルトラック化
   ・ 意匠法は創作の奨励を目的としているにもかかわらず、独創的なデザインを創作しているデザイナー自らが、戦略的に権利形成を行うことが困難な状況となっており、世界的に見ても日本の意匠制度の 活用が停滞していることが、問題の所在として重要ではないか。また、欧州等における無審査登録制度において、権利の濫用的な利用の問題は起こっていないという報告については、実感として同意でき、 我が国に導入した場合に権利濫用の問題を引き起こすとの指摘は杞憂ではないか。
 
  (7)関連意匠制度の見直し、部品及び部分意匠の保護の在り方の見直し
   ・ 関連意匠制度を9条の例外規定と位置づけるならば、本意匠が秘密意匠の期間は関連意匠の出願が認められるべきではないか。同様に、3条の2についても先願が秘密意匠の期間は出願が認められるべきで はないか。意匠公報の発行までという期間は、将来、審査がより迅速化したときに短期化するおそれがあり、そのような事態となれば、関連意匠出願のために本意匠の出願を待つという、先願主義に反する 行動を余儀なくされるのであって、本意匠の秘密期間中は後日出願が許容されるべき。
 
   ・ 秘密意匠制度は、長期間登録意匠が公開されないことにより、他人の権利との抵触関係について予測可能性が低下したり、重複開発の可能性を高めるといった弊害があり、秘密期間中にさらに出願を 認めると、これらの弊害を増幅する結果を招くのではないか。通常の意匠権者は、実施物品の公開後は、秘密を解いて公報を発行させることであろうが、これは義務ではないのであって、場合によっては、 意図的にあるいは無作為に秘密の状態を保持した後に、不意打ち的な権利行使がされる懸念もあるのではないか。
 
2.今後の予定
   報告書案については、本日の意見を踏まえた修正を加えた後、パブリックコメントに諮ることとし、寄せられた意見も踏まえ、次回小委員会において、更に議論をした上で報告書 としてとりまとめる。
 次回、第10回小委員会を来年1月30日(月)に開催する予定。


[更新日 2005.12.27]
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