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第3回意匠審査基準ワーキンググループ 議事録

  1. 日時 平成21年11月16日(月曜日)13時30分~15時30分
  2. 場所 特許庁 特別会議室
  3. 出席委員 水谷座長、荒井委員、鈴木委員、船曳委員、堀越委員、牧野委員、山本委員
  4. 議題
    • 意匠制度の現況及び今年度の検討項目について
    • 審査の進め方(案)について
    • 意匠公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方について

開会

川崎意匠課長

定刻の1時半になりましたので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委員会第3回意匠審査基準ワーキンググループを開催いたします。

私、事務局を務めさせていただきます、特許庁審査業務部意匠課長の川崎でございます。よろしくお願いいたします。

本ワーキンググループは審査基準等について御審議いただく場として、昨年7月に設置が決定されたものでございまして、昨年度は2回開催させていただきました。

座長選任

川崎意匠課長

今回の座長につきましては、昨年度から引き続き、水谷委員にお願いしたく存じます。

座長あいさつ

川崎意匠課長

それでは恐縮でございますが、水谷座長、一言ごあいさつをお願いしたいと思います。

水谷座長

意匠審査基準ワーキンググループの座長を務めさせていただく水谷でございます。私は本業は弁護士でございまして、主に知的財産関連のさまざまな案件を取り扱わさせていただいております。

製品のデザインや外観の法的な保護に関しましては、私自身の実感から申しますと、意匠権よりもどちらかというと不正競争防止法のほうが、特に係争局面では出番が多いかなという感じを持っております。

その意味からも、本ワーキンググループが意匠制度をより使い勝手のよいものとしていくための一助として役に立つことを祈念いたしまして、ごあいさつとさせていただきます。よろしくお願いいたします。

川崎意匠課長

ありがとうございました。

では、以降の議事進行を水谷座長、よろしくお願いいたします。

委員紹介

水谷座長

本日は今年度の1回目のワーキンググループでございまして、新しい委員の方もいらっしゃいますので、事務局から委員の皆様の御紹介と、あわせて特許庁側出席者の御紹介をお願いいたします。

川崎意匠課長

それでは、委員の方を御紹介させていただきます。

まず、有限会社シーダブリュエス代表取締役・堀越敏晴委員でございます。堀越委員は新任の委員でございまして、堀越委員はそのほか社団法人日本インダストリアルデザイナー協会の職能委員会で部会長も務められております。

続きまして、名古屋大学大学院法学研究科教授・鈴木將文委員でございます。

日本弁理士会意匠委員会委員長、鈴木正次特許事務所副所長・弁理士でいらっしゃいます山本典弘委員でございます。山本委員は新任の委員でございます。

ユアサハラ法律特許事務所弁護士・弁理士の牧野利秋委員でございます。

日本知的財産協会意匠委員会委員長、本田技研工業株式会社知的財産部朝霞ブロック主任の荒井秀年委員でございます。荒井委員も新任の委員でございます。

株式会社東京デザインセンター代表取締役社長、船曳鴻紅委員でございます。

それでは、特許庁側からの出席者を紹介させていただきます。

まず中央、審査業務部長の橋本でございます。

次に、委員の方から見て左端から順に、私から御紹介させていただきます。

知的財産研究官の小林でございます。

上席総括審査官の江塚でございます。

意匠審査機械化企画調整室長の山田でございます。

意匠制度企画室長の木村でございます。

意匠審査企画官の宮田でございます。

審判部第33部門長の瓜本でございます。

意匠審査基準室長の小林でございます。

意匠課企画調査班長の北代でございます。

私の右でございます、上席審査長の本多でございます。

審査長の原田でございます。

最後に、審査長の温品でございます。

以上でございます。

水谷座長

ありがとうございました。皆様、よろしくお願いいたします。

審査業務部長あいさつ

水谷座長

それでは議事に入る前に、橋本審査業務部長から一言ごあいさつをお願いいたします。

橋本審査業務部長

審査業務部長の橋本でございます。

きょうは御多忙のところ、第3回の意匠審査基準ワーキンググループに御出席いただきまして、誠にありがとうございます。私は、この7月に審査業務部長を拝命いたしまして、前任の武濤から引き継ぎをしております。

審査業務部は御承知のとおり、意匠のほかに商標、それから事務部門の担当をしてございます。商標、意匠に関連して、先週は中国に出張しまして、模倣品対策に関するワークショップを開催してございます。

意匠につきましては、産業構造審議会のもとで本ワーキンググループを開催してございます。意匠に限らず知財関連の審査基準につきましてはこうした委員会を開き検討するとともに、パブコメをして、世の中に広く御検討いただくということでございます。

この審査基準ワーキンググループそのものにつきましては、引き続きやっていこうと思っておりますけれども、審査基準の検討体制につきましては、別途御相談するかもしれません。今回は引き続き、従来どおりやっていくということでございます。

きょう、お諮りします議題につきましては、今年度の知財推進計画2009の宿題を私どもいただいておりますので、この宿題に則って審査基準の明確化、あるいはデータベースの公開につきまして御審議いただきます。その対応の基本について、皆さんの御意見をお伺いして進めていきたいということでございます。

後ほど意匠課長から御説明いたしますけれども、意匠出願、登録の現状につきましてはこの経済情勢のあおりを受けまして、若干出願が減っているということがございますが、一方審査のほうは、審査順番待ち期間が大体平均で7.4カ月ということで、ほぼ目標どおりでございまして、すべて滞貨なく審査できるという状況でございます。今後ともよりよい制度を目指して、検討していきたいと思いますので、よろしく御指導お願いします。本日はありがとうございました。

水谷座長

どうもありがとうございました。

配付資料確認

水谷座長

それではまず、事務局で資料を用意されておりますので、その確認をお願いいたします。

川崎意匠課長

それでは、配付資料の確認をさせていただきます。

まず一番上で、議事次第・配付資料一覧の1枚紙がお手元にあるかと思います。その次、本委員会の委員メンバーの1枚紙がございます。資料1は、意匠制度の現況及び今年度の検討項目についてです。資料2は、審査の進め方(案)でございます。資料3は、意匠公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方です。資料4といたしまして、1枚紙で今後の予定でございます。重立った資料は以上、6点でございます。

その後で参考資料1、類似範囲の明確化に関するこれまでの取り組み。参考資料1-1、審査基準22.1.3.1の平成14年1月31日改訂版。参考資料1-2といたしまして、同じく審査基準22.1.3.1の平成19年4月1日改訂版。参考資料1-3、画像登録事例集について。参考資料2、意匠公知資料について。最後に参考資料3、これまでの意匠公知資料データベースの公開許諾の実績。

以上6点でございます。不足等大丈夫でございましょうか。

ここで、皆さんに1点お願いがございます。発言をされる際にはお手元のマイクのスイッチをお入れいただいて御発言していただくよう、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

水谷座長

ありがとうございました。

議事の公開について

水谷座長

次に、議題に先立ちまして、本ワーキンググループの議事の公開について事務局から説明をしていただき、皆様方の同意を得ておきたいと存じます。

川崎意匠課長

産業構造審議会は、その運営規程によりまして、部会、小委員会、ワーキンググループを含め、原則公開となっておりますが、本ワーキンググループにおきましては、各委員の方々の率直かつ自由な意見交換を確保するために、会議自体の一般の傍聴は受け入れないこととさせていただきたいと存じます。

なお、配付資料、議事要旨、さらに発言者名を記載いたしました議事録等につきましては、この会議後、特許庁ホームページに掲載して公開していきたいと考えております。

以上でございます。

水谷座長

ただいまの事務局からの説明について、何か御質問ございますでしょうか。

特にございませんでしたら、早速議題に入らせていただきます。

意匠制度の現況及び今年度の検討項目について

水谷座長

議題「意匠制度の現況及び今年度の検討項目について」、川崎課長より説明を行っていただきます。

川崎意匠課長

それでは早速、お手元の資料1の「意匠制度の現況及び今年度の検討項目について」の資料を中心に、御説明させていただきたいと思います。

まず、I.意匠制度の現況の1.意匠登録出願、審査の動向でございます。先ほども部長の橋本からも御説明がありましたとおり、意匠の出願件数につきましては、ここ数年若干の減少傾向はございますけれども、ほぼ3万件から4万件の間で推移しているという傾向が続いております。

それから審査順番待ち期間でございますが、これも約7月をこの数年維持しておりまして、こういう状況で今、推移しているところでございます。

2.国際関係の動きについても、本年度に限って少し御紹介させていただきます。まず①でございますが、第21回商標・意匠・地理的表示の法律に関する常設委員会、いわゆるSCTと呼ばれている委員会でございます。これは約80カ国の国々が参加して、WIPOが事務局となり、スイスのジュネーブのWIPO事務局において毎年会合が開かれているものでございます。ここは基本的には商標関係の議事がずっと進んできたわけでございますが、ここ数年、意匠における手続についても意見交換が開始されたということで、本年6月につきましても、意匠に関する手続について意見交換が行われたところでございます。

②といたしましては、これは単発的なイベントでございましたけれども、日・米・欧・中国の意匠セミナー。欧というのはOHIMでございまして、4カ国の意匠に関する専門家が中国に集まりまして、広東省で意匠制度の各国のセミナー紹介、意匠制度の紹介などを行ってまいりました。

次のページでございます。本年度につきまして、国際関係の委員会が結構ございまして、その一つでございますけれども、またSCTと呼ばれる会合が11月に、今年度第2回目が予定されております。

それから来週11月24日に日欧意匠審査官会合が日本国特許庁において開催されます。これはOHIMの方をお呼びいたしまして、意見交換をする会合でございます。

そのほか③といたしまして、第8回を迎える商標三極会合がございます。三極というのは日本、OHIM、アメリカの3カ国でございますけれども、そこで意匠についても議論を行おうではないかということで、今年意匠セッションが設けられました。

それから12月でございますが、日中の審判会合。審判と申しますけれど、中国は無審査主義でございますので、実際には向こうの審判官の方をお呼びいたしまして、日本は審査官等と意見交換をする予定でございます。

それから来年2月にございますが、日韓意匠専門家会合ということで、韓国の審査官を日本にお呼びして意見交換をやるということが、国際的な予定となっております。

II.は今年度、皆様方に御検討いただきたい項目でございます。まず1.『知的財産推進計画2009』における指摘とこれまでの取り組みでございますが、皆様には御案内のとおり、『知的財産推進計画2009』におきましては、「意匠の権利範囲(登録意匠の類似範囲や部分意匠の権利範囲)の明確化及びデザイナーの創作基盤の整備を図るため、意匠審査基準の明確化を進めるとともに、特許庁の公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方について検討を行い、2009年度中に結論を得る」といった指摘をされているところでございます。これに基づきまして今般このように、皆様に御検討をお願いしているところでございます。

特許庁におきましては、これまでも意匠の類似範囲の明確化につきましては、産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委員会におきまして、平成16年から10回ほど御審議、御検討いただいておりまして、その報告書を平成18年にお出しいただいたのですが、それに基づきまして平成18年の意匠法改正におきましては、意匠の判断主体について、需要者であるといった法改正をしてきたところでございます。それに伴いまして、意匠審査基準の類否判断基準の明確化も行ってきたところでございます。

3ページでございますが、その次に運用面におきましては、審査部におきまして拒絶理由通知書へ、単に引例の番号を書くだけでなくて、審査官がなぜ類似するかといった具体的な判断理由を、平成16年から既に記載を行っているところでございます。

それから特許電子図書館、いわゆるIPDLでございますが、雑誌、カタログ等の意匠公知資料の写真の公開への取り組みを、平成17年から順次行っているところでございます。このような取り組みを、これまで類似範囲の明確化という観点から行ってきたところでございます。

さて、今年度の検討項目でございますが、2点ばかりございます。まず(1)でございますが、「審査の進め方」の策定でございます。意匠の類似範囲の明確化は、審査基準において、審査官の審査での各判断プロセスをまず明確化すること、つまり、実際に審査官が新規性等の調査をした際の調査の方法の具体的なやり方、あるいはその調査結果の記録、すなわち参考文献を記録して、それを皆さんに公開することを具体的に明文化することが、意匠の類似範囲の明確化に資するものではないかと、私どもは考えているところでございます。したがいまして、それらを明文化した審査の進め方について、皆様方に御検討いただきたいと考えているところでございます。

(2)といたしまして、意匠公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方の検討でございます。推進計画で宿題とされました登録意匠の類似範囲を定めるためには、公知資料の分析が必要不可欠でございます。

したがいまして、特許庁では先ほど御説明いたしましたように、IPDLによって著作権の許諾を得つつ、これまで公知資料の写真を公開してきたところでございますが、さらに公開促進の在り方について、今回皆様方に御検討いただければと考えております。

私からの説明は以上でございます。

水谷座長

ありがとうございました。

ただいまの事務局からの説明を踏まえて、御質問ございましたらいただきたいと存じます。いかがでしょうか。

審査の進め方(案)について

水谷座長

特に御質問もないようでしたら、次の議題に移らせていただきたいと思います。ここからはいよいよ、今年度の検討項目に関する御説明となってまいります。

次の議題について、事務局より説明をお願いいたします。

小林意匠審査基準室長

それではお手元の資料2「審査の進め方(案)」について、御説明をさせていただきます。

まず初めに、審査の進め方が誰に対して向けられているのかを御説明いたします。意匠審査基準は意匠審査に際しての審査官用の内規でありますが、外部にも公開されております。この審査の進め方につきましても、意匠審査の業務を時系列的に説明するものですので、意匠審査官に向けたものであります。

しかし一方で、意匠審査基準が外部にも公開されていることから、意匠出願に関わる方に読んでいただくことも想定しております。その中には、意匠出願に不慣れな方もいらっしゃるでしょうから、そのような方にも御理解をしていただけるように配慮をしております。

それでは「審査の進め方(案)」の内容につきまして、御説明を行います。時間の関係もありますので要点のみについて、私から説明をさせていただきたいと思います。

それでは、1ページをご覧いただきたいと思います。この「審査の進め方(案)」でございますが、概論と各論から構成されています。まず、概論から説明をさせていただきます。1ページ目中程ですけれども、審査の基本方針として3つを掲げております。(1)は、迅速性、的確性、公平性及び透明性を確保することに留意しつつ、審査基準等の指針に則って統一のとれた審査をする。(2)は、先行意匠調査及び登録要件等の判断に関し、審査の質の維持と一層の向上に務める。そして(3)は、出願人及び代理人(以下単に「出願人」という。)との意思疎通の確保に留意しつつ、効率的な審査をする。これらが基本方針です。

次に、審査手順の概要を示しております。ここには6つの項目がございまして、これらは末尾の図と対応しております。この6つの項目の詳細については、3ページ目以降の各論で詳しく述べられています。

例えばここの、審査手順の概要の(1)意匠登録出願に係る意匠、すなわち本願意匠の認定についてですが、これは後に出てくる各論の最初の項目に一致しています。同様に項目の(2)先行意匠調査ですが、これも次の2ページの冒頭で述べているとおり、先行意匠と公知(又は周知)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を発見するために行うものですが、これについても各論で詳しく説明をしています。なお、この先行意匠と公知(又は周知)の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合を合わせまして、「先行意匠等」とこれ以降表現したいと思います。

2ページの(3)以下の4つにつきましても同様に、各論での項目に対応しておりますので、各論の方で詳しく説明をいたします。

それでは3ページに移ります。ここからが各論になります。審査手続において意匠審査官がまず行うのは、意匠の認定でございます。本願意匠の認定は以下の2つの点に関して、その意匠の属する分野における通常の知識に基づいて、願書の記載及び願書に添付した図面などを総合的に判断して行います。その2つといいますのは、一つは意匠に係る物品、もう一つは意匠に係る物品の形態です。

部分意匠については、さらに以下の3つの点に関して認定を行います。①は、「意匠登録を受けようとする部分」の用途及び機能。②は、「意匠登録を受けようとする部分」の位置、大きさ、範囲。そして③は、「意匠登録を受けようとする部分」の形態です。

認定の際の留意事項としましては、工業上利用することができる意匠に該当するかどうか。2つ以上の意匠が包含されていないかどうか。組物の意匠の場合は、組物を構成する物品に係る意匠に該当するかどうかについて検討いたします。

4ページにまいります。認定の後に意匠審査官が行いますのは先行意匠調査です。ここではまず、先行意匠調査の目的を掲げております。先行意匠調査は、本願意匠の新規性、創作非容易性などの登録要件、先願の要件及び関連意匠の要件の判断に資する先行意匠等を発見するために行います。

次に、参考文献の定義を示しております。「本願意匠の新規性、創作非容易性等の判断に資する先行意匠等が掲載されている審査資料を参考文献という。」これが参考文献の定義です。

意匠審査官は、本願意匠と全体意匠として又は各部の形態において共通する点が認められる先行意匠等を発見し、それが掲載されている審査資料を参考文献として記録します。

また、審査官が本願意匠及びその意匠の属する分野を理解するための参考とした先行意匠等が掲載されている審査資料がある場合には、参考文献として記録することができます。

そして、先行意匠調査の手法を紹介しています。①ですが、先行意匠調査に当たっての基本的な考え方を示しております。意匠登録出願では、出願人がその意匠において重要と考える形態や、その物品において重視される部分についての説明を記載することを出願人に求めていません。よって、審査官は、まず先行意匠調査における審査資料と範囲の設定や参考文献の抽出のために、先行意匠調査に先立って、願書の記載及び願書に添付した図面等に基づき、みずからその意匠の形態について注意を引く部分や注意を引く程度を推測する必要があります。その推測においては、関連意匠の意匠登録出願の場合は、本意匠との形態上の共通点、また、意匠登録出願に特徴記載書が提出されている場合は、特徴記載書の内容も参考にいたします。

②は、対象となる審査資料を示しています。

③は、最初に調査をする範囲の設定です。通常は、願書の記載及び願書に添付した図面の記載等から、本願意匠の意匠に係る物品が含まれる日本意匠分類を調査範囲として設定し、その日本意匠分類に属する意匠登録出願及び公知資料から調査を開始いたします。

④は調査範囲の拡大についてです。調査範囲を拡大するべきか否かは、③で調査範囲として設定した日本意匠分類の調査結果を考慮しつつ決定します。新規性、創作非容易性等の判断に資する先行意匠等が発見される可能性があると予想される先行意匠調査手法が考えられるときは、先行意匠調査の迅速性と的確性の両面を考慮した上で、最も効率的に先行意匠を発見することが可能と想定される先行意匠調査手法を選択します。

その手法の例を、この5ページで紹介しています。手法の例の一つ目で(i)としまして、本願意匠の意匠に係る物品と用途又は機能に共通性がある物品が含まれる可能性がある日本意匠分類がある場合は、その日本意匠分類に属する意匠登録出願及び公知資料の調査を行うというものです。

時間の関係もありますので、ほかの手法についての説明は省略いたします。

6ページの冒頭でございますが、新規性、創作非容易性等を判断するのに十分な先行意匠などが発見されたとき、又は、調査範囲を拡大しても有意義な先行意匠等を発見する可能性が非常に小さくなったときは、先行意匠調査を終了することができます。

こうして調査を終了した後に、意匠審査官は新規性、創作非容易性等の検討に移ります。まず、資料の書誌的事項の確認を行います。具体的には、先行意匠等の公報発行日又は公知日と本願意匠の登録要件等の判断の基準日との関係を確認します。

少し飛びまして、次に新規性等の判断における意匠の類否判断について説明いたします。新規性、先願、先願意匠の一部と同一又は類似の後願意匠の保護除外に関する拒絶理由を検討する際の、先行意匠と本願意匠との対比及び判断は、以下の点等に留意して行います。

留意点の一つ目でございますが、類否判断の判断主体は需要者であるということです。ただし、この需要者には取引者が含まれます。

では、7ページに移ります。引用意匠を決定する場合は、本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品の用途及び機能が同一又は類似であるかどうかを判断します。そして、本願意匠と引用意匠を対比し、意匠に係る物品全体の形態及び各部の形態における共通点及び差異点を認定した上で、さらに共通点及び差異点の個別評価を2つの観点から行います。

一つは、その形態を対比観察した場合に注意を引く部分か否かの認定及びその注意を引く程度の評価です。もう一つは、先行意匠群との対比に基づく注意を引く程度の評価です。

部分意匠については、「意匠登録を受けようとする部分」における用途及び機能、位置、大きさ、範囲、形態の共通点及び差異点を認定した上で、さらに共通点及び差異点の個別評価を行います。

最後に、意匠全体として両意匠のすべての共通点及び差異点を総合的に観察した場合に、需要者に対して異なる美感を起こさせるか否かを判断いたします。ここまでが新規性等の判断です。

そして、創作非容易性の判断。さらに、意匠法第17条各号に該当するか否かの判断を行います。

8ページは、拒絶理由通知についてです。拒絶理由通知を行う際の留意事項と、出願人との意思疎通の確保を掲げております。まず、その拒絶理由通知を行う際の留意事項の(1)ですが、拒絶の理由は出願人が理解しやすいように、できるだけ簡潔かつ平明な文章で要点をわかりやすく記載するということです。

(2)として、意匠が具体的なものではなく、工業上利用することができる意匠に該当しないことが明らかな意匠については、願書の記載及び願書に添付した図面等における不備の箇所及びその理由を具体的に示します。

(3)として、新規性、先願等の要件を満たさない場合は、拒絶理由通知書に審査判断の理由を具体的に示します。

そして(4)でございますが、創作非容易性の登録要件を満たさない場合は、拒絶理由通知書に審査判断の理由を具体的に示します。

次に、出願人との意思疎通の確保です。審査官は、迅速、的確な審査に資すると認められる場合には、出願人との意思疎通を確保するための補助的な手段として、電話、ファクシミリ、面接等を活用し、出願人に対して丁寧でわかりやすい対応を図ります。

9ページは、意見書又は手続補正書が提出されたときの審査について述べています。意見書又は手続補正書の内容の検討についてですが、意見書の内容を十分に理解した上で、意見書において争点とされている各事項について検討を行います。また、手続補正書の内容を十分に検討し、先に示した拒絶理由が解消されたかどうかを判断します。

手続補正書の取扱いについてですが、補正が、出願当初の願書の記載又は願書に添付した図面等の要旨を変更する場合には、当該補正を決定をもって却下します。

10ページは、登録査定と拒絶査定についてです。まず登録査定についてですが、登録査定を行う際に、本願意匠について、拒絶の理由を構成するには至らないが、以下に該当する先行意匠等が存在する場合は、その先行意匠等が掲載されている審査資料を参考文献として意匠公報に掲載します。

一つは、本願意匠と、意匠全体として共通点が認められる先行意匠です。もう一つは、本願意匠と、形態の一部において共通点が認められる先行意匠等です。「等」には先ほどお伝えしましたとおり、例えば公知の形状が入ります。

次に拒絶査定についてですが、留意点を3つ掲げております。まず、簡潔かつ平明な文章で記載すること。次に、意見書の争点については、審査官の判断を明確に記載すること。3つ目は、無理な拒絶の査定をしてはならないことでございます。

次は最後のページになりますが、ここに今まで申し上げてきた審査の流れを、図にして示しております。

簡単ではございますけれども、私からの「審査の進め方(案)」については、以上のとおりでございます。

水谷座長

ありがとうございました。それでは議論に移りたいと存じます。

この「審査の進め方(案)」の内容、書きぶり等につきまして、ここはよくわからなかったとか、あるいはここはこう思うのだけれどどうだろうかとか、御質問でも御意見でも何でも結構ですから賜りたいと存じます。

鈴木委員、どうぞ。

鈴木委員

この案、実は事前に時間的余裕を持ってお示しいただいたので、非常に細かい点については既に御意見申し上げて、かなり取り入れていただいていますので、その点は感謝申し上げます。残った点について、質問というか意見というかちょっとわからないのですが、申し上げます。

一つが、10ページの登録査定における先行意匠等の審査資料の参考文献としての掲載、6.1のところについてです。調査の対象になり得るものというのは、ほとんど無限にあるわけで、その中で実際の審査のときは、現実的に必要な範囲で限って調査対象とされていると思うのですが、ここの書きぶりですと、先行意匠等が存在する場合は参考文献として掲載するということで、ちょっと無限定のように読めないのかなという気がいたします。こういった記述で問題ないのかという点を、申し上げます。

それからちょっと細かい話ですけど、3ページの(2)の部分意匠の認定の1行目に、「全体意匠の観点に加えて」とあるのですが、ここの読み方として、「全体意匠の認定もした上で」というふうに読めないのかなという点が、私個人はちょっと気になるのでどうでしょうかという点を、2点目として申し上げます。

以上です。

水谷座長

ありがとうございます。

今の2点について、いかがでしょうか。

小林意匠審査基準室長

まず、最初に御指摘のあった10ページの書きぶりについてですが、事務局といたしましては、ここに掲載の基準を2つ書かせていただきました。

一つは、先ほども言いましたけれども、「本願意匠と、意匠全体として共通点が認められる先行意匠」と書いてございます。今、鈴木委員の御指摘は、例えばこの書きぶりですと、「意匠全体として共通点が認められる先行意匠」としただけでは、要するにその程度といいますか範囲といいますか、この書きぶりだと際限がないといいますか、無限に参考文献として意匠公報に掲載すべき先行意匠が増大してしまうというか、この書きぶりだと増えてしまうのではないかという御指摘だったと思うのですが、ここにつきましてはその程度といいますか、「意匠全体として共通点が認められる先行意匠」と単に書くだけではなくて、例えば「参考文献として意匠公報に掲載する」という説明の文言の中に、例えばこういう観点のものをとか、あるいはこの範囲でとか、そこをある程度、際限なく先行意匠が増えてしまうことを避けるような、そういう誤解を避けるような書きぶりに修正するように、今後検討したいと思います。

あとはまたここについて、本当にそれ以外の観点で、書きぶりについて過不足がないかについては、ほかの委員の皆様の御意見もあろうかと思いますので、それは拝聴したいと思います。

2つ目の御指摘、3ページの真ん中の部分意匠の認定のところの「全体意匠の観点に加えて」という書きぶりですが、私から鈴木委員に確認したいのですが、この書きぶりだと、いわゆる全体意匠の観点に加えて、この部分意匠の認定をさらにやるというところの理解が、はっきりとされないということでしょうか。もう一度確認したいのですが。

鈴木委員

私は意匠をそれほど突っ込んでやっているわけではないですけれども、部分意匠の認定については議論があるところかと認識しています。要するに、全体意匠の中の位置づけ等をどの程度勘案するのか、そもそも勘案するのか、しないのかというところについて、いろいろ意見があるようでありまして、この辺の書きぶりは、非常に注目されるところなのではないかと思われます。

今回の文書は、審査基準を変えるものではないという趣旨かと思いますので、審査基準にないような、誤解を招きそうな表現はなるべく避けたほうがいいかのではないかと思われますが、私が見た限りでは、審査基準にこういった表現はないように思ったのです。こういう表現を入れると、部分意匠の認定において、全体意匠との関連を従来以上に強く配慮するような、新たな考慮要因を設けたように受け取られる可能性もあるのではないかというところを、ちょっと気にした次第でございます。

小林意匠審査基準室長

了解いたしました。従前の審査基準に則って、今回の「全体意匠の観点に加えて」という表現については、今後書きぶりにつき、修正の方向で考えたいと思います。

水谷座長

ありがとうございました。

ただいまの鈴木委員からの御指摘ないし御意見に関連して、委員の方々、何かおっしゃりたいことがございましたら、どうぞお願いしたいと思いますが。

私から今の点について質問ですけれども、まだ御説明がされておりませんが、本日配付の資料3の5ページを拝見しますと、意匠公報の例が掲載されておりますが、その中で赤で囲んだ部分に参考文献が記載されております。

先ほど鈴木委員からの御質問とも絡んでくるのですが、意匠公報に参考文献が記載されておりますものの、掲載されているだけで特に分類はされておりません。先程の説明では、こういうものにつき、登録査定のところで、全体として共通点が認められる先行意匠であるとか、形態の一部において共通点が認められる先行意匠というふうに2分類するということでしたが、これは具体的には資料3の5ページの参考文献の欄を、2分類するというようなイメージで考えてらっしゃるということでしょうか。

小林意匠審査基準室長

お答えいたします。今、水谷先生からお示しいただいた5ページでございますけれども、これはまさしく意匠公報のサンプルでございまして、ここにある(56)【参考文献】の欄に、幾つかの参考文献が列記されております。このように、数は少し変動しますが、参考文献が意匠公報に載っている例でございます。

今、御指摘いただいた点でございますけれども、今回、事務局の案といたしましては、「審査の進め方(案)」の10ページでは、「本願意匠と、意匠全体として共通点が認められる先行意匠」と、「本願意匠と、形態の一部において共通点が認められる先行意匠等」の2つの観点について、参考文献として意匠公報に掲載することを書かせていただいておりますが、現状の資料3の5ページの意匠公報の記載は、実際に審査官が2つの観点でつけておるところ、このように分類づけというか、種別分けがされない状況で、今は記載がされております。

これにつきましては、今回は「審査の進め方(案)」の中に掲載基準という形で観点を2つ今、掲げておりますけれども、ここの公報に現状載っている参考文献が種別分けされていないという点については、実際にそれが改善できるか、あるいはいつできるかも含めて、今後については検討をしてまいりたいと考えております。

水谷座長

どうぞ、船曳委員。

船曳委員

質問させていただきます。今後の作業の手順について伺いたいのですが、一応今年はこういう審査の進め方でいきますとか、この大枠のところを決めていくことだと思うのですが、実際その先のことを考えますと、具体的に意匠が図像データや図面データもないという中で、類似ということをイメージするのは大変難しいですよね。

ですので、電子図書館がどのくらい類似するかということと一体の関係にあると思うのですが、現在のお考えとしては、電子図書館は大体どのくらいまで充実した段階で、具体的に審査の公開方法をとっていこうと思っていらっしゃいますか。

確定ではないと思うのですが、電子図書館の中で例えば過去5年、本当はもっと昔からあったほうがいいと思うのですが、例えば5年の意匠登録をされたものの図像イメージが、大体3割集まったからいきましょうとか、そのあたりは何かあるのでしょうか。

小林意匠審査基準室長

今、先生がおっしゃっているのは、例えばこの後の議題で説明させていただきます、公知資料データベースのイメージ公開の話ですか。

船曳委員

そのことです、はい。

小林意匠審査基準室長

それについてはこの後に説明がございますので。

船曳委員

では、そのときまた伺います。

小林意匠審査基準室長

この後、資料3の説明をさせていただいた後に、今の点につきましても説明をしたいと思います。

水谷座長

どうぞ、荒井委員。

荒井委員

各論の3ページの全体意匠の認定のところでお聞きしたいのですが、3行目のところから「その意匠に属する分野における通常の知識に基づいて」というところがあるのですが、こちらのほうは類否判断のところに出てくる当業者という判断になるのでしょうか。

小林意匠審査基準室長

お答えしたいと思います。審査基準においては、今、荒井委員から指摘のあった「意匠の属する分野における通常の知識」というところについては、「当業者の知識」と言いかえているところが、審査基準のところで既にございまして、その意匠に属する分野における通常の知識を有する者、イコール当業者ということで、そのような説明をしている箇所が既に、意匠審査基準にございます。

そこを踏まえますと、ここは「当業者の知識」という形になります。既に基準でそういう言いかえているページもございますので、「通常の知識」のところに、例えば案として、ですけれども「当業者の知識」というふうに明示的に入れるとか、そういう修正の方向があるかどうかについて、今いただいた意見を踏まえまして、よりわかりやすさも別途求められておりますので、事務局として検討させていただきます。

荒井委員

わかりました。あともう1点よろしいですか。

7ページの(3)創作非容易性の判断の②ですけれども、「公然知られたものであること又は広く知られたものであること」という文言があるのですが、こちらは先行意匠のところでは「公知(又は周知)」という表現になっています。特段の意味がなければ、合わせたほうがよろしいのかといったところで、意見させていただきます。

小林意匠審査基準室長

御指摘ありがとうございます。そちらについても、あわせて検討させていただきたいと思います。

水谷座長

ほかに何か御意見ございますでしょうか。

山本委員、どうぞ。

山本委員

まず、認定のところで、意匠法7条の二以上の物品に該当するかどうかが判断されますが、それ以降の先行意匠調査の中で、二以上の物品が入っていると認められたものについては、先行意匠調査をやらないという流れになっているか、あるいは先行意匠の調査も進めるかを、はっきりさせていただきたい。

また、その関係で、8ページの拒絶理由通知を行う際の留意事項のところで、7条関係の項目が載ってないので、それについても少し補足していただきたいと思います。

以上です。

小林意匠審査基準室長

まず、2つ目の点の拒絶理由通知について、7条の観点がないというところですね。御指摘ありがとうございます。そこにつきましては、事務局として検討させていただきたいと思います。

最初の点でございますけれども、先行意匠調査を行う前に認定の際に、例えば7条ですとか、それから工業上利用することができる意匠に該当するかどうかの判断をして、先行意匠調査をしないのかという御質問だったと思うのですが、今、実際の現時点での審査について申し上げますと、認定についてはいろいろなケースがあるのですが、例えば本当に出願された際にその意匠が、極端に言いますと物品名が記載されていたとしても、意匠に係る物品が認定できないというものもありますので、そういうものについては先行意匠調査の前に拒絶理由通知を発して、出願人の意見を聞くということはしております。

それ以外のものについて、そういう極端なものでないものについては、今の意匠審査では先行意匠調査をやっております。すなわち先行意匠調査をやることによって、過去の認定の例とか、あるいは先行意匠調査をする中で審査官がいろいろ周辺の知識を得ることができますので、そうして初めて再び、例えば7条の問題ですとか8条の問題について判断をするということをしております。

ですので、認定の際にすべて7条、8条、それから工業上利用可能性についての判断をしてしまうと、ここで終わらせてしまうということではございません。

山本委員

ありがとうございます。それをどこかで触れていただけると、非常にありがたいと思うのですが、御検討ください。

小林意匠審査基準室長

はい、そこについては検討いたします。

水谷座長

ほかに何か御意見、あるいは御指摘等ございますか。

堀越委員

4ページの先行意匠調査手法の①に、特徴記載書の内容についての部分がございますが、私、デザインをする側としては、この部分の充実を図っていきたいと思うのですが、なかなか難しい問題もあるということですので、参考にする具体的な内容について、今後いろいろ検討していただきたいと考えています。これは意見でございます。

小林意匠審査基準室長

御意見ありがとうございます。審査基準の第11部というところに、特徴記載書についての記載がございます。そこには特徴記載書の記載内容は、「意匠法第24条に規定する登録意匠の範囲を定める基礎とはしないため、権利範囲に対しては直接的に何ら影響を与えない」という記載がございます。すなわち、登録意匠の範囲にはかかわらないというのが、特徴記載書の整理でございます。

ただし、特徴記載書については、審査基準にはこう書かれております。「審査における的確なサーチ範囲の決定のための参考情報となる」と。今回の審査の進め方の記載は、この①に書かせていただいているところですが、この参考情報とはどうあるべきか、特徴記載書についての役割という御意見だというふうに賜りました。

水谷座長

いろいろ御意見、御指摘いただいておりますが、さらに何かございますでしょうか。

お願いいたします、山本委員。

山本委員

6ページから7ページの初めてにかけての類否判断のところで、(2)の②に当たる部分ですが、類否判断は物品面と形態面で判断しますが、物品面の判断が「用途及び機能が同一又は類似であるか」ということしか書かれておりません。審査基準では「用途及び機能の共通性があるかどうか」という内容でおさめていると思いますので、それも一言入れていただけると、もう少し審査基準との関係がはっきりするのではないかと思います。書きぶりは少し難しいのですが、その辺を御検討いただければと思います。

小林意匠審査基準室長

了解いたしました。②の書きぶりにつきまして、検討してまいりたいと思います。

水谷座長

ほかに何かございますでしょうか。

それではいろいろ御意見を承ってまいりましたけれども、そろそろ御意見は出尽くしたということのようでございますので、この議題についてはこのあたりで終わりにいたしまして、次の議題に移らせていただきたいと存じます。

意匠公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方について

水谷座長

次の議題について、事務局より説明をお願いいたします。

北代企画調査班長

それでは、「意匠公知資料データベースの公開促進のための方策の在り方について」、事務局の意匠課企画調査班長の北代が説明させていただきます。よろしくお願いいたします。

資料は3になります。最初にこの資料に基づきまして、公開におけるこれまでの経緯について、簡単に説明させていただきます。

特許庁では、新製品の写真・図面等のイメージデータを内外国の雑誌やカタログ、インターネットホームページから抽出、電子化し、意匠公知資料としてデータベースを構築しております。

意匠公知資料の詳細につきましては、今回添付資料として参考資料2がございますので、そちらをご覧になっていただければと思います。

このデータベースに対してですけれども、意匠制度ユーザーから公開を求める要望がございますが、これら写真・図面等のイメージデータは著作権により、許可なく公開することはできません。そのため、平成14年7月3日に策定されました『知的財産戦略大綱』において、「魅力あるデザインの創造やブランドの構築を促進するため、特許庁の保有するデザイン、ブランド関連情報の活用を促進するための方策について検討し、2003年度末までに成案を得る」という旨の指摘がなされておりました。さらに、『知的財産推進計画2003』におきまして、「特許庁の保有するデザイン関連情報を公開・提供するための方策について具体策をまとめる」というところでも、約束はされております。

これを受けまして、平成16年度に調査研究事業を行っております。委員会を設置しまして、『審査資料の内容充実及び公開に関する調査研究報告書』をまとめております。

ここで、この結論だけポイントでまとめますと、アンダーラインのところですけれども、諸外国の著作物については許諾を得ることは困難であること、また著作権の所在が比較的明らかなインターネット掲載画像を主な対象とすること等が結論として提示されております。

また、上記調査研究の結果を受けて、各企業担当者に電話あるいは面会にて事業趣旨を説明し、試行的に公開利用の許諾事業を実施しておりました。

実際に許諾事業として開始したのは平成17年度以降、前年度に蓄積された国内のインターネット情報に対して許諾を取得する事業を実施しております。当初は国内のインターネット情報に限っておりましたけれども、平成20年度、昨年度からは雑誌・カタログにつきましても対象を広げまして、この事業を行っております。これまで43,133件の公開許諾を得て、インターネット上で公開をしております。これまでの詳細な公開許諾の実績につきましては、資料をさらに添付しております。

それから、ここで※をつけています「インターネット上での公開」ですけれども、これは、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)の特許電子図書館(IPDL)による公開です。

次のページにいっていただきまして、実際に許諾を得て事業をやっておりますが、どういったことをやっているのかということを簡単に紹介させていただきます。最初に、許諾となる対象について説明させていただきますと、これは前年度に蓄積した国内企業による意匠公知資料を対象としております。17年度から始まりまして、前の年のものをどんどん蓄積していくということでやっております。したがいまして、今年度も引き続きやっておりますが、今年度の事業につきましては、平成20年度に抽出した内国雑誌、内国カタログ、国内企業のインターネット情報から作成した意匠公知資料が対象になります。

下の円グラフにあるとおり、昨年度、平成20年度は131,142件が蓄積されておりますけれども、その中で対象となるのはピンク色の部分の、内国の資料72,030件が許諾の対象となっております。

それぞれの蓄積の内訳ですけれども、右の四角枠に書いてあるとおり、内国雑誌につきましては昨年度1073件が抽出の対象となっております。これにつきましては収集率等に関して、INPITのホームページで公開しております。INPITでは、収集した冊子等について保管、閲覧の対応もしております。

それから内国カタログですけれども、12,814冊の内国カタログが昨年度抽出の対象となっております。これは基本的に見本市等の展示会から新製品カタログ等を収集するという形で集めたものになります。

それから内国のインターネット情報ですけれども、これは基本的には意匠出願経験のある企業のホームページのサイトを中心として集めております。平成20年度は6,980サイトが抽出の対象となっております。以上が、抽出の対象になります。

次のページにいっていただきまして、事業の概観を簡単に説明させていただきます。まず左側の図ですけれども、審査官はインターネットやカタログ・雑誌に載った新製品情報のうち、意匠公知資料として資料化されたものを、審査の中で見ております。

こういった情報に関しましては、先ほどのINPITに公開情報については提供しておりまして、例えば登録になりました意匠公報、あるいは意匠公知資料につきましても、具体的な写真のイメージはだめなんですけれども、書誌情報につきましてはINPITに提供して、IPDLで公開をしています。

また、その右側に記載している整理標準化データというのは、特許情報提供事業者向けに基礎データとして提供しているもので外に出ています。ただし、右側にありますように、雑誌やカタログ等の写真を公開するに当たっては、イメージデータの公開許諾が必要となってきますので、それに対して公開の許諾の事業をやっております。

この事業をやるに当たりまして、やはり許諾の対象となる新製品の写真等のイメージを、カタログであればメーカーさん、雑誌であれば出版社等に確認していただく必要がありますので、まず我々がデータベースとして蓄積したものを確認してもらう相手方に送るために、媒体にコピーをして送ることになります。したがいまして、一端データベースからコピーが発生してしまいますので、相手方にまずこういった事業に協力していただいて、そのコピーを了承していただけるかどうかを確認する事業を最初に行います。「A.送付確認(第1事業)」と書いていますけれども、そういった事業を先に行います。

その事業で、「コピーして送っていただいていいですよ」と回答していただいたところに、実際に許諾書と一緒にデータを送りまして、許諾の確認をしていただいて、それを特許庁に返信していただきます。返信いただいたものをIPDLに出せるようなデータの加工をして提供することが、事業の全体の概要になります。

次のページにいっていただきまして、実際に許諾事業に当たりまして、許諾をしていただく方にどういった書類が送られているかを紹介します。「送付確認(第1事業)」と書いていますが、ここで事業の趣旨を説明した紙に、協力していただけるかどうかということをチェックしていただいて返信していただきます。「はい」のほうに返信いただいた企業に対して、イメージデータつきの電子データを送りまして、実際にはその中でイメージを確認していただいて、A欄、B欄とありますけれど、ここに○をつけていただいたり、開始の年月日を入れていただいたりして、最後に許諾書とあわせて特許庁に返信いただくといったことをやっております。

次の5ページで具体的な使い道ですけれども、まず考えられるのは先ほど出ましたが、参考文献として審査官が集めました、審査に参考となった情報を意匠公報に掲載しております。これは登録にはなったのですが、周辺にはこういった意匠がありましたということで載せております。その参考文献に、例えばIPDLでアクセスして、許諾がとれているものは、下に「いす」がありますけれども、こういったように直接画像を確認することができます。許諾がとれてないものは右側のように、書誌情報は見えるのですが、イメージについては直接見ることができないといった状態で表示されます。

次の6ページでは、IPDLの機能について紹介させていただきます。公知資料の番号を入力して1件1件紹介するという機能は、18年度末にできておりますけれども、今年の10月にIPDLの機能が拡張されております。6ページにあるように、「イメージ公開が許諾された資料のみ」にチェックして、許諾されたものだけが見られるようになりました。あるいは物品名、机とかテーブルといった名称を入れていただく、あるいは日本意匠分類で検索していただけるといったように、許諾の件数もふえてきておりますので、そういった検索ができるようになっておりまして、その分野の情報が照会可能となっております。

次の7ページでは、今まで公開に関しまして寄せられた意見、要望について紹介させていただいております。(1)は平成19年度の小委員会の報告書の中で、このときは類似の明確化ということで、判断主体についても検討がされましたが、このときに意匠制度の在り方についてのパブリックコメントに対して、データベースの公開についても意見が出ております。

四角枠の(1)のアンダーラインのところですが、「公知意匠データベースの整備・公表が急務であるとの意見」、「類否判断のベースとするために特許庁が保有する意匠審査用のデータベース、特に公知資料データのIPDL(特許電子図書館)等での一般公開を望む意見」がありました。

それに対しまして特許庁側は、(2)考え方のところのアンダーラインのように、「また、現在特許庁が所有するデータについても、発行元である各企業が使用許諾に関する協力をする等、官民の連携を強めていくことが必要である」といった回答をしております。

(2)では、昨年度は対象を広げて、事業としては拡大して行ったわけですけれども、そのときにいただいた意見、要望についても簡単に紹介させていただきます。

①公開に積極的な意見ですけれども、「出願者側には大変メリットとなるので、是非推進していただきたい」。あるいは「国(特許庁)のこのようなデータベースは著作権フリーにしてもらいたい」。それから、「メーカーとしては意匠公知資料照会を製品の存在証拠として利用したいと考えている」といった意見がございました。

一方では、公開に反対であるという意見も出ております。それは「カタログを分解して、分類付与してネット上で公開することについて、特に外国の模倣の助長を懸念している」といった意見。それと「国際状況に鑑みて、この事業は時期尚早。各国の知財意識が成熟したときにやるべき事業ではないか?今のタイミングだと途上国の模倣を助長させる」といった意見もございます。それから「模倣されても権利は主張できないというデメリットもあるので注意が必要」といった意見もございました。

8ページの③では、実際に許諾をするには非常に煩雑な作業が必要であるといった意見を紹介させていただきます。「パッケージデザイン会社やキャラクターの著作権保有会社との契約の制限があり、許諾できない。」「人物や肢体が写っておりまして、肖像権の問題から許諾できない。」あるいは「米国の親会社がすべて管理・コントロールしており、日本では判断できない。」「著作権を持っているのは主に海外にいるカメラマンで時間がかかる場合は許諾できない。」「著作権を保有している海外法人が既に存在しないため、第三者利用の許諾を取る方法がない。」あるいは「1件ずつ各担当部署に問い合わせが必要なため、対応ができなかった」ということです。

あとは、IPDLの検索機能について。先ほど紹介した検索機能は、今年の10月にリリースされたばかりですので、その機能が無い段階での意見となりますが、「公知資料について、番号照会のみでなく、意匠分類や物品名で検索できるとよい。」一方で、「電子図書館で照会可能となることで、海外からのアクセスも可能となり、容易に閲覧できることで、模倣を助長しないか」という心配もあるという意見もございました。

それから、製品写真等のイメージデータの取り込みについてですけれども、「画像データ中に含まれる、人物等がなければ許諾しやすい。」あるいは、「プレスリリース資料は許諾しやすい」といった意見もございました。

その他としまして、「新製品のイメージデータを取り込む対象となったHPサイトのリストの公開を希望」するといった意見もございました。

四角枠のところで1点紹介させていただきたい項目がございます。「~フェアユースについて~」とありますけれども、先ほど紹介しました①b.に、「国(特許庁)のこのようなデータベースは著作権フリーにしてもらいたい」という意見もございましたが、こういったものに関しまして、現在文部科学省に設置されている文化審議会におきまして、フェアユースの検討が行われております。

意匠公知資料のデータベースというのは、このような規定が導入されれば、許諾なく公開できる道が開ける可能性もあるのではないかと思われますけれども、データベース化されている公知資料には海外の雑誌、カタログ等から抽出したものも含め、さまざまなものがございます。どこまでがその対象となり得るか等の課題もありますので、我々としても今後、こちらの動向については注視していく必要があると考えております。

9ページになりますけれども、本日検討いただきたい項目になります。推進計画で指摘されています意匠の権利範囲の明確化及びデザイナーの創作基盤の整備を図るための方策の一つとして、意匠公知資料データベースの公開促進の在り方を検討するということで、まず公開による効果、権利範囲の明確化にどのように資するのか、デザイナーの創作基盤の整備にどのように資するのかといったメリットを御議論いただきたいと思います。

先ほど紹介しましたように、製品イメージの公開により模倣につながるのではないかという意見がございます。この辺をどういうふうに整理していくべきなのかといったことについても、御議論いただければと考えております。

ただ、先ほど紹介しました平成17年3月にまとめた報告書ですけれども、『審査資料(公知資料)の内容充実及び公開に関する調査研究報告書』におきまして、「特許庁の資料化対象は、あくまでも公知となった資料、情報であり、個々の情報は既に企業等自らが積極的に公開したものであり、意匠公知資料の公開が、今までにない新規な情報を模倣者に与えるものでもない」という整理はされております。

それから(2)が、公開促進の在り方について(考えられる方策と課題)です。事務局としてもいろいろなアイデアを出しまして、それぞれの効果及び課題についてまとめております。これに関して御意見いただければと考えております。

①資料収集の際、許諾をとればよいのではないかという考え方もあるのではないかと思います。効果としましては、収集事業の中に許諾の依頼も含めるほうが作業効率がよいと思われます。

ただし課題もありまして、収集段階では、例えば1冊の雑誌からどの製品の写真を抽出するか決まっていないため、冊子単位での許諾が必要となりますけれども、1冊の中に複数の著作権者が存在しており、冊子単位での包括的な許諾は非常に困難ではないかと考えられます。

もう一つは、雑誌、カタログの発行、インターネットにおいては情報の更新のタイミングでそれぞれに許諾書が必要となり、今は年に1回1枚ということですけれども、雑誌単位、カタログ単位で許諾書が必要となり、許諾者側にとっても管理負担が大きなものになるのではないかという課題があるのではないかと思っております。

②としまして、公開許諾可能な資料を提供してもらえばよいのではないかという考え方もあるかと思います。効果としましては、許諾の確認作業等の必要はなく、効率的に公開可能な資料が蓄積できるのではないかと思われます。

課題としましては、カタログの場合、公正な公知日の確保が困難ではないかと思われます。企業側に提供を任せていると、事務手続等から発行して半年後といった段階で資料が提供されるといった可能性もあるのではないかと思われます。また、発行する全カタログ、全冊子は企業側の負担が大きく現実的ではないのではないかという課題もあります。すべての情報が提供されるわけではないので、結局のところ収集・許諾事業はなくなりません。さらに、提供資料の許諾書及び許諾データの作成と、通常の許諾事業における許諾書及びデータの管理と両方ともやってしまうとばらばらになって、管理負担が大きくなるのではないかということが課題として考えられます。

③としましては、庁内に審査官用の検索端末を別途設置しまして、意匠公知資料について外部公開可能としてはどうかという考え方もあります。効果としましては、庁内での照会であれば、公衆送信に該当しないのではないかという期待があります。

ただ課題としましては、庁内に限定したとしてもデータベースの公開使用は、著作権法上の第42条1項による行政目的の内部資料としての使用に当たらないのではないかという指摘もございます。要は、目的外使用ではないかということです。

それから④としまして、登録査定書の送付時に、イメージ情報を含む参考文献情報を提示してはどうかという案がございます。これは現在、意匠に関する審査の手続のために必要と認められることから、拒絶理由通知書に引用意匠の画像については、著作者の許諾を得ずに添付しております。これは著作権法第42条2項に規定がございます。この運用を拡充し、登録査定で参考文献を有するものについて、参考文献の画像を添付することで、公開利用許諾がないものも出願人は直ちに当該意匠の周辺情報を確認することができ、権利範囲の明確化に資することが期待できるのではないかと考えられます。

ただしこちらも課題がございまして、著作権法第42条2項における、「審査のために必要と認められる場合」に、果たして該当しないのではないかといった意見もございます。

また、何人も、登録となった出願資料について、閲覧若しくは謄写又は書類の交付を請求することができるというのが意匠法上にあり、登録になったものは何人も請求できることになっております。これについて、著作権法第42条2項は、ここまで予定していないのではないかという指摘もございます。

下のほうに参考までに、著作権法と意匠法の関連条文を掲載しております。

11ページの⑤ですけれども、他に考えられることとしまして、許諾を得やすいよう、抽出時に工夫はできないかということで、抽出時に、肖像権等、他人の権利が混入していると思われる資料を選別し、他の資料と区別できるようにすることが考えられます。あるいは抽出時に、プレスリリース資料を選別し、他の資料と区別できるようにする。そうすることによって、許諾リスト上でその仕分けができ、ここからここまではプレスの資料だというのがわかりますので、作業の負担が軽くなるのではないかと思われます。

課題としましては、抽出事業の仕様の変更が多少必要になってくると思います。

⑥インターネット公知資料について、各資料の収集先のURLの一覧を公開することはできないかというものがあります。こうすることによって、収集対象が明確になることが期待されます。

課題としましては、公開するURLをどの階層まで、トップページまでとするか、下の階層までとするかといった、公開方法の調整が必要なのではないかという課題があります。

以上になります。

水谷座長

ありがとうございました。

いろいろと問題点山積という感じですけれども、議論に移りたいと思います。ただいまの資料ですと最後の9ページからですが、検討事項ということで整理していただいております。大きく分けると(1)の意匠公知資料データベースの公開によってどんな効果が生まれるのか。それから(2)の、どのようにして公開促進を進めていけばよいのかという、大別して2点に整理されております。

そこで、まず(1)の公開による効果について、どなたでも、どんな内容でも結構でございますが、御意見ございますでしょうか。

どうぞ、船曳委員。

船曳委員

私は大変効果があると思っています。その第一の理由は、ここにある「デザイナーの創作基盤の整備」ということで、これだけ世の中に物があふれているときに、自分がコピーと言われるのではないかというおそれを、実はかなり皆さんが持っていらっしゃると思うのですね。そこのところで手が縮こまるよりは、自信を持って自分のデザインとして公表できるのではないかと思います。特に若い方ですね、過去のいろんなプロダクトの蓄積に、それほどまだ触れてない方にとっては、非常に教育効果も上がるのではないかと思っています。

コピーということについては後ほど私、一つ意見を述べたいと思います。非常に旬の短い、新しいデザインがどんどん生まれる――ファッションなんかがそうですが、そういったものについてです。

ただ、いわゆる産業デザイン、例えば家電製品、運搬車両等々に象徴されるような、確かにデザインの旬の時間は短いんだけれども、一つのものが大量生産される、世界的に非常に影響力が大きいものということについては、また全然別の意見があると思いますので、特にその点について皆さんの御意見を私も伺いたいと思います。

水谷座長

ただいま船曳委員からは、意匠公知資料データベースの公開は、デザイナーさん、特に若いデザイナーの方に大変資するところが大きいのではないかという御意見がございました。コピーの点については、後ほど御意見をということでございましたが、只今御指摘がありました積極的な効果、それから模倣の助長が現実化すれば消極的な効果ということになるかと思いますが、このあたりのところを含めて、どうぞ御自由に御意見をおっしゃってください。

産業界を代表する荒井委員はいかがでしょうか。

荒井委員

ここの「効果について」のところで、権利範囲の明確化に関しては、やはり重要な位置づけになってくるのではないかと考えています。ただ一方で、許諾する側の負担というものが現実問題としてかなりありまして、特に過去案件です。著作権の所在がはっきりしていないものについては、許諾はなかなかしづらいというところが、どうしてもつきまとってきていると思います。

ですから産業界的に言いますと、権利範囲の明確化にはつながってよいのですが、自社に許諾を求められると、なかなかそこが難しいという、相反する部分が出てきてしまっているのが現実ではないかなと考えています。

ですから先ほどもお話の中にありましたけれども、著作権法の改正での対応が何とか図れないのかなというのが、一つ考えているところではあります。

それと、先ほど船曳委員からもお話がありましたけれども、一部否定的な意見が出ているところがございましたが、やはりそれはデザインのサイクルの問題もあって、全体のところを指しているのではないと考えられるのではないかなと思います。

この資料の中でも、今の反対されている業界だとかがどこまで書けるのかわかりませんが、もう少しそこのところの記載があれば、傾向も伝わりやすいのかなと思います。皆さんがいろいろ判断するに当たっての判断材料としては、こういった分野からは反対意見が多いというところも、今の資料では見づらい部分がありますので、可能な限り記載いただければ、検討しやすいかなと感じます。

水谷座長

船曳委員に伺いますけど、先ほどデザインのサイクルを絡めて、コピーについては後で意見を述べたいとおっしゃいましたが、今伺うことができますでしょうか。

船曳委員

本当に産業界全体としては、ホンダさんとかそういうところが一番大きい問題だと思うのですが、その次元とは少し違うところで一般の方々にもいかに意匠権に申請を出していただくか、そのインセンティブを高められるかという観点から、ちょっと自分なりの意見を述べたいと思います。

例えば私がこのところよく行っているのは、いわゆる日本中の地場産と呼ばれるような、極端な話、伝統産業に近いようなところがあるわけですね。それこそ紙とか漆とか。陶磁器になるとまたいろんな幅があると思いますけれど。

そういうところで新製品というか、新しい意匠のものを出したときに困るのは、すてきなデザインの意匠のものが出れば、例えばテレビでもわっと取り上げられたりして売れるわけです。それが3年も5年も売れるかといったら、売れるのは大抵1年半ぐらいなわけですね。その1年半の間に、すぐに同じようなこと、生産者の立場から言えばコピーと思われるものが、バーッとほかの産地から出てきてしまった場合に、市場で取り合いになってしまいます。

それを防ぎたいという気持ちがすごくあるわけですよ。このごろ日本も単に日用品雑貨を輸入するだけでなく、中国なんかの市場も目指していきたいと思っています。ところがよく言われるのは、「中国は見本市に出した途端、明日全く同じものが全部出ちゃってるよ」というような脅しの声も聞こえて、なかなか踏み込めないということがあるので、どうしたらいいのかということを常々考えているのですね。

これは特許の許認可というのとは全然離れるのですが、もっと広く言って、我々日本の生産者が生み出した新しい意匠の知恵を、いかに自分の財産とできるか。どうやったら広く保護ができるかというところから考えていただきたいと思うのですが、自分なりに考えてみますと幾つかの方法があります。

まず、そのコピーをどこでストップさせられるかなんですが、一番効果が大きいのは、見本市に出させないことですね。大体そういう先進的な意匠のものを広く売ろうと思うと、そういうディストリビューターとかバイヤーが来る見本市に持っていって、そこで売るのです。この前もちょうど9月に、パリの有名な国際見本市に行ったのですが、わずか100m四方ぐらいのところに、同じような商品が4社並んで出しているのですね。もしくは日本のメーカーが出していた面白グッズを、どこかの欧米の企業がまねして、もう出している。本当に新製品を出してから数カ月先にでも、まねられちゃうというところがあるのですよ。

そういう国際見本市の場合、一応、見本市側がそれをチェックすることになっているのですね。国際見本市としての名声を高めるためには、そういうコピー商品を許してないよという強い姿勢が必要で、例えば日用品雑貨ですと、フランクフルトでやっているアンビエンテという有名な雑貨見本市があるのですが、ここでいつもかなり広い面積をとって、アンチコピー商品という展示を毎年毎年やっているのですよ。

そこに行きますと、去年出て、コピー商品として押収したものがここにありますよって2つ並べて、本当に同じものなのです。ちょっとロゴの名前が違ったりという程度なのですが、そういうのを摘発して並べてあります。

そういうふうに、国際見本市というのはどんどんいい企業、生産者に応募していただいて、ブースを借りていただくというのが国際見本市の名声を高めることですから、コピーを放置していたら逆にそのブランドは下がりますので、割といいところになればなるほど神経質になっているし、いいところになればなるほど付加価値が高い商品があるということで、いいバイヤーがつくということがあるのですね。まず、それが見本市だということです。

そういう見本市の運営会社に対して、あらかじめそれがネット上でもリーフレットでも、どういうツールで送るかわかりませんが、一般の会社がやったのではインパクトが弱いけれど日本の特許庁が、これだけのものが新しく日本としては認めて出しているのだよと。それから、国際的な意匠特許のほうにも申請はしているのだよと、用心してねということの資料を送るだけでも、そんなことはほかの国はどこもやっていませんから、そういうのがあればものすごく向こうは気遣うと思うのですね。とりわけ日本は物づくりの国という認識がありますので、向こうも丁寧に見てくれると。

その結果何かというと、見本市に出てきたときに摘発してくれますから、日本の特許庁からこういうのが来てるよといって初日に撤去とか。そういうことが度重なれば、安易なコピーをして、国際市場に持ってこようとするのが、だんだん減るのではないかと思います。

それがまず一つで、また後ほど別のことをお話しします。

水谷座長

ありがとうございました。

今の御意見に対して、特許庁側はいかがでしょうか。

北代企画調査班長

御意見ありがとうございました。実際に見本市でコピーが出るというケースは何件か聞いておりまして、例えば中国とかでは非常に問題も大きいので、詳細はわかりませんけれども、中国の特許庁あるいは役所の関係者が見本市に行って相談窓口を設けているという話を聞いております。

つい最近の日本のある見本市でも、見本市の中で某外国のブースでコピー商品が見つかったと。もちろん同じ業界の見本市ですので、当業者なんかも明らかにわかると。そういったところで、主催者の中で弁理士先生がいらっしゃって、ちゃんと意匠権を持っているかどうかを確認して、そこで検証して、確かにこれはコピー品だから撤退しなさいといったことは実際にも行われております。

船曳委員

存じております。ただ、ちょっとお時間がかかるのですね。問題は、初日出てきたものを、午前中に撤去させるかどうかということです。そのためにはあらかじめ、すすっと事が進むように、見本市の運営会社側に、特許庁からこれが来てたねと。すぐに検証することなく、これはだめだろうということの判断がつくようなインフラストラクチャーといいますか、そういう仕掛けをつくっておくのが実質的かなと思うのです。

水谷座長

意匠公知資料データベースというものは、文字どおり公知な意匠を公開するデータベースだと思うのですが、他方で今、お話が出ていたようなことと絡めますと、データベースに公開されている意匠というものと、それから当該意匠に権利が成立しているのかどうなのかという相互関係については、今のお話を伺っているとどんなことになるのでしょうか。

逆に言えば、公知資料だから誰でもコピーしていいよという趣旨でデータベースを皆さんがごらんになると、それこそ模倣の助長というところにつながりかねないところもあるのですが、現実には存続期間の問題はもちろんございますけれども、別途意匠権が成立しているようなものもあるとすると、両者の関係をどんなふうにイメージしていけばよろしいのでしょうか。

北代企画調査班長

意匠の権利情報となると、IPDLの中でも登録になったものの情報を検索するというところでは出しています。ただし、今回議論になっている意匠公知資料につきましては、権利の情報と直接結びついていません。今のところは権利情報として意匠公知意匠を出しているということではありませんので、その辺は我々ちょっと注意しておきたいかなと思います。

今回何件か主な要望を紹介させていただきましたけれども、我々が許諾をとる相手側は出願の経験もない方もいらっしゃいまして、権利情報が出るのかといった期待をされて問い合わせをいただくケースもありますので、その辺は改めてこちらでも注意していきたいと思っております。

水谷座長

どうぞ、船曳委員。

船曳委員

今のことがよく頭の中に入らなかったのですが、許諾を求められるというのは、意匠権をお持ちではない方が資料の中で、例えばこういう御自分の製品を持っていると。それが電子図書館の中に、過去にはこういうものもあったよということで紹介されるということですか。

北代企画調査班長

意匠公知資料のデータベースの公開というのはそういうことです。権利とは関係なくて、そういったボールペンが雑誌に載っていたとしまして、その雑誌から新製品情報として我々が切り取って抽出して、審査官の資料としています。そういったものを公開することになります。

船曳委員

済みません、私はそこまで思いが及ばないで、単純に日本で意匠権をとっている製品の範囲の中でという気持ちでおりました。

水谷座長

先ほどの製品サイクルとの関係で言うと、きょうの御説明ですと、とりあえず現在は1年間のタイムラグを置いて、許諾がとれた意匠について公開をしているということになるわけですね。そうすると1年間のタイムラグがあったとしても、なお模倣が助長されるような分野と、1年経てばもう大丈夫だという分野と分かれてくるのでしょうか。どんな感じなのでしょうか。

北代企画調査班長

それは分野によるのではないかなと思います。分野と企業の方針として、国内だけで終わるものなのか、国内でしばらく様子を見て、それを海外進出まで考えると、1年ではなく2年も3年というケースもあるのではないかと考えられますので、そこはちょっとまだこちらとしては何とも言えないところであります。

水谷座長

確かにそうですね。日本のマーケットで1年やればもう大丈夫だけど、途上国はその後盛り上がるということになると、またちょっと事情が違ってくるということですね。ありがとうございます。

どうぞ、堀越委員。

堀越委員

今の公開による効果について、一言感想を述べたいと思います。権利範囲の明確化ということについては、登録をする側としては大変範囲がわかっていいと思います。それが改めて画像も含めて見られるということは、大変参考になると。

それから、②の「デザイナーの創作基盤の整備」という中で、先ほど船曳先生から、若いデザイナーのためというお話も出ましたけれど、これは誠にそのとおりだと思います。特に教育の場におきまして、例えば創作という話とか、デザイン誌という話の中では、特に近代のものはなかなかいい画像がなかったりしますので、そういった意味ではなかなかいいことかなと思います。

模倣については非常に複雑な問題がありますので、次回に私の中で整理して話をしたいと思っているのですが、その前に一つすごく大きな問題がありまして、許諾を得るときに、特に海外のものは非常に権利関係が複雑だと聞いております。特にデザイナーのものであっても、大概今、存命中の人というのは、その国の著作権団体に加盟しているということで、著作物扱いをするといったようなことが、美術館関係者からの取材でわかったのですが、ほとんど本人許諾で済むものもあるのですが、場合によってはその当時所属していた企業の許諾が要ると。

それからもう一つは、その物を撮った画像の所有者は誰かと。次に、画像を撮ったカメラマンは誰かということで、全部に許諾をとらないとその画像が使えないという現実があります。

さらに、存命中の方はそういうことなのですが、既に亡くなられた方、デザインでもたくさんいらっしゃいますけれど、その場合はヨーロッパではほとんど財団を持っていますが、その許諾が要るという問題があると聞いています。それから遺族ですね。遺族の場合も配偶者が複数いたりしまして、なかなかこれも複雑と聞いております。

私はここで何が言いたいかというと、フェアユースという問題も出てくるのですが、海外のものについてはまず、労を多くしてOKになるものが少ないのではないかという感がすごくするのですね。

日本も今後、こういう問題が出てくる可能性があるということなのです。実は私、日本インダストリアルデザイナー協会というところで理事をやっておったころの話なのですが、創立50周年の記念史を出そうということで、画像とともに作者のコメントを載せたりしたのですが、1件、ある会社のバイクで本が出た後で、「あのデザインには私もかかわっている」というクレームがつきまして、「記事を削除しろ」になったのですね。事ほど、企業にいたころにデザインをしたと。今はやめてフリーになっているという場合は、なかなか複雑な問題があると。

日本でも終身雇用がこれからなくなるという中で、契約型デザイナーが増えてくるわけで、そのときに社内の企業内創作とした場合と、出た後、その本人が作者であると主張した場合どうなるかとか、なかなか大きな問題をはらんでいますので、これは単に画像の公開という話を超えて少し大きな枠組みをつくらないと、合意と解決がつかないのではないかなという気がしています。

ということで、少し意見です。まだ話が整理できていませんけれど、デザイナーとしては非常に注目をしている分野です。

以上です。

水谷座長

ありがとうございました。

それでは、時間の関係もございますので、(2)公開の在り方についても御意見を頂戴したいと思います。どなたからでも、どうぞお願いいたします。

鈴木委員

ちょっと質問ですけれども、許諾というのは無償なのでしょうか、それとも有償なのでしょうか。

北代企画調査班長

無償でお願いしております。

鈴木委員

わかりました。

水谷座長

有償なら許諾してもいいなんていう方はいらっしゃるのですか、現実に。

北代企画調査班長

今のところ有償なのか、無償なのかという問い合わせは実際ございましたけれども、有償ならばとおっしゃっている方はまだ聞いてはおりません。

水谷座長

先ほど堀越委員からも意見がございましたけれども、許諾をとるという場合のここでの許諾とは、著作権について著作物利用の許諾ということだと思いますが、製品の写真等であれば、その写真を撮影した方の著作権の問題が出てまいりますし、それから写真ではなくて製品そのものが著作物に当たるのか、当たらないのかという問題もございます。これは工業的な量産品について、そのデザインにつき、著作物性が認められるかどうかという議論ともつながってまいりますが、工業製品の場合は、一般的には著作物性が認められにくいと、少なくとも日本では考えられているかと考えられます。

そうすると、写真については撮影者の著作権が認められることが多いと思いますが、製品そのもののデザインについては、著作物性が認められる場合は、少なくとも日本ではそれほど多くはないだろうという感じがいたしております。

基本的にはそうすると、許諾といっても写真とか、あるいは製品のイラスト、デッサン等をお書きになった方についての許諾をとるということで、製品そのもののデザインではなくて、製品の写真であるとか、製品の絵画というかイラストみたいなものについて、専ら許諾をいただいているという理解でよろしいわけでしょうか。

北代企画調査班長

今の対象は国内に限っていますので、そのとおりですね。写真家なりイラストレーターによる著作物になります。

ただ、堀越委員からの先ほどの御指摘は、海外では法体系がいろいろありますので、中にはデザイン自体に著作権があるような国もあるので、大変ではないかという指摘だと考えております。

水谷座長

そうですね。

船曳委員

私は、この電子図書館データベースを迅速に行ったほうがいいという意見なのです。どうやって迅速に行うか。でも、今おっしゃったようないろんな問題があるわけです。それで私は、有償も考えていいのではないかと思っています。

それはなぜかというと、いずれにしても無償といっても、それを探し出すという人的なコストがかかるわけですね。ですから効率を考えて、そこに人を張りつけて、無数の雑誌から選び出して、そしてその雑誌に連絡してカメラマンの名前を聞いて、それで「載せていいですか」という許諾をとるなんて考えれば、一日幾らかわかりませんけど、それなりの人のコストがかかっているわけです。

そういった計算をしたら、例えば有償にしても1件当たり、それが100円なのか、200円かわかりませんけどどこかで合理的な価格が見つかると思うのですけれど、何万件をターゲットにするといったら自然にその金額が出てきますから、人的コストをかけるよりも、明らかにこちらのほうが安いという金額であれば、私は説得性があると思うのですよ。

有償にして何を集めてもらうかといったら、図像が多い雑誌を編集しているところ、どこに権利者がいるかわかりませんけど、それは出版社によって全部違うと思いますが、そことの契約によって提供してもらう。カメラマンとのやりとりについては、その雑誌社の範囲でやってもらうというような具体的な便法をいろいろと考えていけば、逃げ道といいますか、やり方が見えてくるのではないかなと思っています。

水谷座長

有償であっても、基本的には許諾をとる必要があるのですけれども、ただいまの御意見は、有償であればどこかワンストップのようなサイトがあって、そこにお金を払えば、そちらが権利処理をしてくれるというサイトがあるということなのでしょうか。

船曳委員

いえ、サイトではないです。申し上げていたのは、幾つかの雑誌社に別に限定することはなくて、特許庁のほうから一般的に、出版社を中心として告知されればいいと思うのですね。具体的にこういうものについて、こういう情報をくれたら1件当たり幾らですよと。それはもちろんいろいろな条件があります、最後の許諾をとったところに条件がある場合――あんまり深く考えていませんので、今、条件として何があるというのは、さっとはわかりませんけれど、恐らくそういうこともあり得るのではないかと。

これから出版社も、データで商売する時代になっていますよね。ですから、恐らく社内的にはいろんなデータの厚みを持っておられる筈です、ここ5年か10年ぐらいまで。だから、言われればピーンと来て、社内的にそういう発掘するシステムなんてつくれるところが何社もあると想像しています。彼らが改めてそのために人員を雇うということなしにできるので、したがって1件当たりの有償といっても低い金額の提示で、十分請け負ってもらえるのではないかと思ったのです。

水谷座長

今おっしゃった情報というのは、デザインそのものに関する情報ですか、あるいは誰が権利者かという情報ですか。

船曳委員

いえいえ、結局電子図書館に載せるためには、具体的にはほとんどの場合、まずその図像、写真を撮ったカメラマンか、その権利者の許諾が必要なわけですよね。そこのところです。

水谷座長

権利者情報が提供してもらえるという御趣旨でしょうか。

船曳委員

権利者情報にもつながってくるかもしれません。具体的に言えば、写真イメージをもらえるということですね。それを特許庁のウェブサイトに張りつけちゃって構わないという状態にすっと持っていくためにはどうしたらいいかと。

水谷座長

主に企業の製品についてのデザイン情報なのですけれども、出版社が持っている情報というのと……。

船曳委員

企業御自身で、例えばサイト上でたくさん製品情報、これはもう全然問題ないわけですね。今問題となっているのは、そういう仕組みを持ってないところだろうと思うのですね。余りそういう意識を持ってないところ。でも、先進的な意匠をつくっているところは幾らでもあるわけで、そういうのは割とメディアが見つけているのですよ。見つけて広告で載せているのではなくて、こういう面白商品がありますよということを、一般的にパブリックに情報として提供しているわけです。

水谷座長

今、最後におっしゃったような情報というのは、当然今も許諾の申し入れ先の中にあるのですか、ないのですか。

北代企画調査班長

あります。今、御指摘いただいたような情報も、各雑誌が紹介するような新しい、面白い製品だといったものは雑誌社が編集していると思うのですが、そういった情報も特許庁は収集しておりまして、そういったところに出版社に対して協力をお願いしております。

今は無償でお願いしていまして、有償でとなってこの議論が公開されると、「有償になるまで待ってみよう」というところも出てしまうとどうなるか。

船曳委員

無償で大変協力的で、どんどん情報が来ているのでしょうか。

北代企画調査班長

今、雑誌社の方々に何社か我々もヒアリング等をさせていただいて、いろいろ検討していただいているところという話は聞いております。ただ、今回資料として参考資料3の5ページの一番最後に、去年事業を広げていって、雑誌とかカタログとかインターネットから許諾をお願いしているのですが、その集計を載せております。

ご覧になってわかるように、雑誌のほうは許諾率が非常に低いという状況です。今とれているところも、業界団体が発行する業界誌といったものは許諾をいただいているのですが、一般誌は非常に難しいといったところで、そういった会社にもどういった状況でしょうかと聞いてみますと、やはり権利関係が一冊の中に、その雑誌で契約しているカメラマンさんは比較的明確なので可能性は高いのですが、その中には個別的に依頼しているカメラマンさんも何人もいて、そこの調整が、非常に難しいというお話を聞いております。

船曳委員

ただ、無償ではそこまでやらないけれど、少しもらえるならやるということはないですか。

北代企画調査班長

今回の資料の中に、検討項目として確かに入っていませんでしたので、こちらも課題等いろいろと整理しまして……。

船曳委員

ちょっと聞いてみたらいかがかなと思います。

北代企画調査班長

はい、検討させていただければと思います。

水谷座長

ほかに御意見ございますか。

どうぞ、鈴木委員。

鈴木委員

今の話の関連なので申し上げますけど、私が有償か無償かと伺ったのは、水谷座長が御指摘になった、著作物性の認定については結構いろいろな難しい問題があるというところと関連しまして、無償であればある程度前広にやっていればいいと思うのですが、有償で公的な資金を払うとなると、権利がそもそも成立しているのかどうかというところをきちんと検討した上でないと、支出ができないという話になっていくと思うので、そういう点も念頭に置く必要があろうかと思いまして、先ほどちょっと御質問したということでございます。ちょっと補足させていただきます。

船曳委員

済みません、誤解があるといけないので。私はずっと一貫して、写真データ、図像データということで頭にあって発言していたのですが、もしそれが製品の権利関係にもかかわることでしたら、いろんなことを今、撤回させていただきます。

水谷座長

はい、わかりました。

ほかにどなたか。

牧野委員、何かございますか。

牧野委員

(2)の③についてでもよろしいでしょうか。

水谷座長

はい。

牧野委員

「庁内に審査官用の検索端末を別途設置し、意匠公知資料について外部公開可能としてはどうか」というのは、そこにアクセスできるということですか。

北代企画調査班長

今はありません。

牧野委員

一般の見たいと思う方がアクセスできるという構想なのですか。

北代企画調査班長

③については今はないのですが、そういったことができないかという案です。

水谷座長

これは庁に足を運んでいただくということが前提になっているのですね。

北代企画調査班長

庁内で、です。

牧野委員

「庁内で」という限定があるとしても、著作権法で許容されている範囲と言えるかどうかについては、私はかなり疑問があると思います。

水谷座長

ありがとうございました。

今後の予定

水谷座長

それでは議論は尽きませんが、残り時間も少なくなってまいりましたので、議論はこのあたりにさせていただきまして、今後の予定につきまして、事務局から説明をいただきたいと思います。

小林意匠審査基準室長

それではお手元の資料4、今後の予定について説明をさせていただきます。

第4回意匠審査基準ワーキンググループを、来年1月25日に開催する予定です。この第4回意匠審査基準ワーキンググループでは、その後2月にパブリックコメントを募集する「審査の進め方(案)」を決定させていただくことになります。よろしくお願いしたいと思います。

水谷座長

ありがとうございました。

それでは時間となりましたので以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会意匠制度小委員会第3回意匠審査基準ワーキンググループを閉会させていただきます。本日はありがとうございました。

船曳委員

次回出席できないものですから、民間から変なアイデアばかり挙げてお困りになるとは思うのですが、一つアイデアがあるので述べさせていただきます。これは別に、意匠権の権利関係をどう守るというところとはちょっと違って、意匠権をどうやってもっと皆さんに、これは上手いものだなと、ありがたいものだなということを啓発していくというか、積極的に宣伝していくためにということでご提案なのですが、例えば私の一番身近な日用品雑貨、とりわけ家具とかは積極的には意匠権をとらないのですね。これは世界的なレベルで。

国際的なレベルでは何をするかというと、非常に影響力のあるデザイン誌に載せるのですよ、記事広告で。それに載ると、同じような製品が出てきたら、あれはこれの亜流ねとか、コピーねということが、見本市は1年に1回ですけど、雑誌はすぐに出ていますのでわかるわけですね。これで抑えるというのが実質的なのです。

すべてがそれでカバーできるとは全然思いませんけれども、そういうふうな国際的なデザイン誌、日本ではちょっと無理だと思います。やっぱり英語雑誌となりますが。

そういう雑誌に広告を載せるということは、とても有利なのです。ただ、広告料が一般的に高い。でも、これはそれなりのルートがあれば安くもできる。それから確実に年間何回か載せると言えば、掲載料が当然下がります。

そういうことで、特許庁が御自分では無理だったら何かの機関を使って、そういう契約関係に、例えば世界的なデザイン誌に載せるという仕組みをつくったとしますね、仮定なのですけど。その掲載料は、例えば3分の1補助するとか、私はすごく効果があると思うのです。日本の知財についてもっともっと推進していくという、ドライブをかけるためにはすごくいいことで、ぜひ経産省にも財務省にも賛成してもらいたいと思いますが、3点の1補助か何かをしてそういうところに載せる。

1つには、自分一人ではとてもそういう国際雑誌に載せられない。それから2つ目には多少補助がある。こういうインセンティブをつけると、本来は意匠権をとったほうがいいのだけれども、とったメリットと、それからそれの宣伝効果ということでいかがなものかと思っていたところが、すごく興味を持つのではないかと思うのですね。

そういうことをして、全部来たらどうするのかと、そんなに補助金も出せないよと、金額もと。これはあくまでも向こうの世界的な雑誌に編集権があるので、申しこまれたけど、これは載せられないよというのははねる。特許庁の中で審査をやるのではなくて、それぞれの雑誌の編集者にその審査をさせるということであれば納得性が高いのではないでしょうか。

勝手ですが、一つアイデアとして申し上げました。

水谷座長

それではこれで終わります。ありがとうございました。

閉会

[更新日 2009年12月14日]

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