| (1) |
特許制度に関する主な検討課題として、審査請求期間の短縮、特許侵害に対する救済措置の拡充、特許存続期間の延長制度、インターネット時代に対応した制度のあり方について議論を行った。なお、その際に委員から出された主な意見は以下のとおり。 |
| |
| |
@審査請求期間の短縮について |
| ・ |
審査請求期間を3年とすることにおおむね賛成。欧州特許庁も近年の日本特許庁が行っている権利の早期化に対する努力を評価。 |
| ・ |
審査請求期間を短縮する時期であるが、改正するに当たっては、段階的な短縮や分割・補正の時期の見直し等を検討してほしい。 |
| ・ |
審査請求制度は、特許庁の審査処理に時間を要したために導入された制度であり、本来ならば請求期間はゼロとすべき。審査請求期間が出願人の権利という考え方はおかしい。 |
| ・ |
横並びという企業の考え方を変えるには、審査請求期間の短縮が必要。期間を3年に短縮しても、最終年に審査請求が集中するという出願人の行動パターンは変わらないことが予想されるので、審査請求額を年毎に上げていくことで審査請求の早期化を図ったり、後日見直すとの付記を法律の条文に付け加えること等が必要。 |
| ・ |
審査請求期間を短縮すれば、特許庁及び企業の双方に一時的なコブが発生するので、施行時期への配慮が必要。また、料金負担が大きいので、中小やベンチャー企業支援の観点からも料金体系の見直しを進めてほしい。 |
| |
| A特許侵害に対する救済措置の拡充について |
| |
| (イ)侵害行為の立証の容易化 |
| ・ |
秘密保護の観点からインカメラ審理を活用することには賛成だが、当事者への開示については、裁判官のみで行うとする本来のインカメラ審理の枠組みと相容れないとの認識。 |
| |
| (ロ)損害の立証の容易化 |
| ・ |
当事者が文書提出義務を負わない場合にも鑑定人に対し提示義務を負うとする趣旨ならば、制度全体に係わる問題となるが、そうでない趣旨ならば、説明義務の中で読み込むことが可能。保存命令については、現在も民事訴訟法の証拠保全で対応できていると思われる。命令をおく場合は、実効性の確保、費用負担のあり方等の問題が生ずる。 |
| |
| (ハ)侵害者利益の立証の容易化 |
| ・ |
新102条1項が導入された中で、更なる検討の必要性があるのか。 |
| |
| (ニ)損害額の立証の容易化 |
| ・ |
損害額の立証の容易化に加えて、仮に損害発生の事実についても立証を軽減するのであれば、大胆な考え方であり、理論的根拠が必要。立証の容易化の方向性は理解するものの、損害の発生については一般原則を適用することとし、248条の解釈の問題の中での改正の方向を考えていくべきではないか。 |
| ・ |
民訴法248条はモノや人体等の損害を想定しているのに対して、特許侵害の場合はマーケットの中で損害が発生するため、損害と損害額が明確に分けられない性質があり、それを踏まえてどう考えるかという問題となる。 |
| |
| (ホ)刑事罰の強化 |
| ・ |
法人と個人に対する罰金の連動を切り離すことが理論的に可能なのは当然のことと認識。その根拠としては、罰則の実効性の観点から法人に対する罰金を自然人より高くする必要があること、両罰規定が存在しているということは既に法人による犯罪が想定されていると考えられることが挙げられる。 |
| ・ |
特許における詐欺行為、虚偽表示罪の告発等の実態、不正競争防止法における商品・役務内容等の誤認惹起行為と特許法の虚偽表示との相違等を考慮した上で検討すべき。 |
| |
| (ヘ)判定制度の強化 |
| ・ |
強化の方向性には賛成。求判定の義務化については、裁判の迅速化につながるのか疑問。義務とするのではなく、裁判所において迅速化に資すると判断すれば活用するような形で、運用に委ねてはどうか。 |
| |
| (ト)その他 |
| ・ |
法理論や現行法制の枠組だけで考えると現実的にわりきれない問題が生じてくるが、知的財産制度については政策的考え方に依存するという立場から、考えていく必要がある。 |
| |
| B特許存続期間の延長制度について
(特段の意見は提示されなかった) |
| |
| Cインターネット時代に対応した制度のあり方について |
| ・ |
インターネット情報は、頒布性、公開性、情報性から見て立証さえできれば、公知資料として認めてよいのではないかとの意見が多数。 |
| ・ |
オンディマンドのものは、アップロードされた段階をもって公開されたものとの認識でよい。 |
| |
| (2) | 事務局より、パブリックコメントの結果を紹介した。 |
| |
| (3) | 第五回企画小委員会は10月29日(木)午前10時に開催される。 |