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審議会
 

産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会
第1回新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ議事要旨


平成20年 7月31日
経済産業省特許庁
 
 7月28日(月)午後、産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会第1回新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ(座長:土肥 一史 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)が開催された。
 
1. 審議内容
   事務局から配布資料に沿って説明した後、討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。
   
  (商標として保護すべき対象について)
  新しいタイプの商標を商標法で保護することには、概ね賛成。ただし、タイプによっては独占権を与えることが不適当なものもあるため、そのようなタイプの商標は保護対象から外すべきではないか。
   
企業の立場からは、動きや音にニーズが多い。例えば、携帯電話の着信音にはある程度識別力があるものもあると認識しており、実際に海外で出願している例もある。制度調和の観点からも保護のニーズはあるのではないか。
   
他方、香り・におい、味、触覚のニーズは低く、制度設計に当たっては検討が必要。
   
改正コストに見合うだけの立法事実の蓄積が必要。ただし、現時点であまりニーズがなくても、今後の新しいタイプの商標の使用が期待できるのであれば、導入の余地はあるのではないか。
   
アンケート調査の結果だけを見ても、必ずしもニーズが高いと評価できない。国際動向も踏まえて、慎重に検討していくべき。
   
国際的な制度調和のみでは、制度改正の理由には不十分。
   
企業戦略としては自社ブランドをいかに伝達するかが重要であり、様々な情報を商標に載せて発信することが確保できれば企業の信用も維持でき、需要者の保護も図られることとなり、ひいては商標法の目的が達成できることになる。ニーズが低くても、新しいタイプの標識が実際に使われているのなら保護すべきではないか。
   
新商標については、情報伝達媒体(例えば電子媒体)に載るものは保護し、載らないものは識別力なしと考えてはどうか。
   
諸外国の登録件数の絶対数だけで新しいタイプの商標の導入の是非を判断するのではなく、産業の発展に寄与するという商標法の目的に立ち返って、制度のあるべき姿は何かという観点から、社会において実際に標識として機能しているものについて保護を判断すべきではないか。
 
  (タイプ別の議論)
  ホログラムは果たして商標といえるのか。真正品と模倣品を区別するために使用されることも多く、消費者がホログラムを商標として捉えているのか疑問。
     
  商標権は全国的な独占権であるから、適切な基準を設けて運用すべき。特に色彩(単色)は、特定の企業に独占させることで他の企業活動を阻害することのないよう、厳しい基準を設けるべき。
     
  香り・においや味等は消費して初めて分かるものであるから、商標として識別力があるとは言えないのではないか。
     
  トレードドレスについては、企業が長期的に使用している商品の保護にメリットがあると認識。意匠権の取得や不正競争防止法によっても保護されているが、模倣品が多く、色と形状の組合せからなる特異なデザイン性を保護の対象とできないか。
 
  (商標の特定方法、権利範囲について)
  商標権は独占排他的権利であり刑事罰も科されるものであるから、明確性、安定性、客観性があり、かつ、識別力があるものに限って商標法による保護の対象とすべき。
     
  権利範囲については、第三者にとって権利の範囲並びに何が登録されているのかが明確に分かるようにすべき。新しいタイプの商標については、過去は出願書類等の提出が技術的に困難であることを理由に認められてこなかったかもしれないが、現在では事情が異なっている面も考慮すべきではないか。
     
  新しいタイプの商標はイメージが掴みにくく特定が難しいため、出願人のみならず第三者の立場も考慮すると、現物(電子ファイル等)の提出及び説明文による商標の特定がわかりやすいのではないか。
     
  商標の現物を提出する場合も、審査の観点だけではなく、他者のアクセスを確保することも重要。
     
  香り・におい、味、触覚は特許庁における長期保存の問題と再現性の問題がある。
     
  新しいタイプの商標については、海外でも紛争や侵害の事例があまりなく未解明の問題が多いので、商標の特定方法を議論する際には想像力を働かせつつ検討する必要がある。
 
  (商標の定義の見直しについて)
  商標の定義を包括的に定めるのは問題が大きいのではないか。間口を広げると、実際に出願されるか不明なものについても、事前にルールを定め、人的・物的な体制を整備せざるを得ない。
     
  商標の定義の見直しについては、一定の方向性を出してもらい、議論を深めたい。
     
  定義に識別性の要件を明示的に入れないと、何でも商標になるとの誤解を与えかねず、多くの出願がなされかねない。
     
  定義に識別性を入れた場合、商標法3条に定める登録要件との関係をどのように整理するのかが問題。
 
  (不正競争防止法との関係について)
  不正競争防止法の目的は不正な競争活動の規制であって、商標法の目的である企業の信用維持と需要者保護とは異なっているのであるから、新しいタイプの商標は商標法でも保護すべきである。
 
  (その他)
  産業界の混乱を招かず、また、裁判所による救済を適切に受けられるようにするためにも、新しいタイプの商標に関する審査基準は客観的かつ明確である必要がある。
     
  我が国は審査主義を維持すべきであり、相対的拒絶理由の審査の負担が増える問題は、審査体制の中で対処すべき。
 
2. 今後の審議スケジュール
    来年1月頃の取りまとめに向けて月1回のペースで残り5回程度の開催を予定。 また、第2回開催は9月を予定。
 
<この記事に関する問い合わせ先>
 特許庁総務部総務課制度改正審議室
 電話:03-3581-1101 内線2118
 FAX:03-3501-0624
 E-mail:PA0A00@jpo.go.jp
 
 特許庁審査業務部商標課商標制度企画室
 電話:03-3581-1101 内線2806
 FAX:03-3508-5907
 E-mail:PA1T80@jpo.go.jp
[更新日 2008.7.31]
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