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第3回新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ議事録

  • 日時:平成20年10月29日(水曜日)10時00分~12時00分
  • 場所:特許庁特別会議室(特許庁庁舎16F北側)
  • 出席委員:土肥座長、青木委員、阿部委員、江幡委員、琴寄委員、清水委員、鈴木委員、堤委員
  • 議題
    1. 開会
    2. 法制上の論点と考え方について
    3. 今後のスケジュールについて
    4. 閉会

1.開会

土肥座長

おはようございます。時間でございますので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会第3回新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループを開催いたします。

本日は、法制上の論点と考え方について具体的な検討を行いたいと存じます。

早速ですが、事務局から本日の委員の出欠状況と配付資料の確認をお願いいたします。

鎌田審議室長

本日の委員の出欠状況でございます。本日は上野委員が御欠席をされております。

次に、本日の配付資料の確認をさせていただきます。本日の配付資料は、お手元の座席表、議事次第・配付資料一覧、委員名簿、これに加えまして、資料1「法制上の論点と考え方」をお配りしております。また、参考資料は、5点お配りしております。参考資料1としては、前回の議事録をお配りしております。また、参考資料2から5までにつきましては、前回にお配りした参考資料と同じものとなっております。皆様、お手元の資料に不足等はございませんでしょうか。

それでは、本日も前回同様、御発言をなさる際には、お手元のマイクのスイッチをお入れいただき、マイクを近づけて御発言いただくようにお願いいたします。

以上でございます。

土肥座長

ありがとうございました。

2.法制上の論点と考え方について

土肥座長

それでは、議題に入らせていただきます。

法制上の論点と考え方について、事務局から説明をちょうだいしたいと存じます。お願いします。

鎌田審議室長

資料1「法制上の論点と考え方について」、御説明をさせていただきます。お手元の資料1「法制上の論点と考え方について」をごらんください。全体で6部の構成になっております。1つ目は、1ページ目の商標の定義の見直しでございます。2つ目は、8ページでございますけれども、商標の使用の定義の見直しでございます。3つ目は、9ページの商標の登録要件等の見直しでございます。4つ目は、11ページになりますけれども、商標権の権利範囲の特定方法の見直しでございます。5つ目は、17ページでございまして、商標の類似の範囲、著作権等の他の権利との調整について整理しております。最後、マドプロの関係ですとか、経過措置について、20ページにその他として整理させていただいております。以下、順に御説明をさせていただきます。

1ページに戻っていただきまして、商標の定義の見直しでございます。この論点は新しいタイプの商標の導入に伴い、現行の商標の定義をどのように見直すかというものでございます。

現行制度につきましては、商標の定義として、構成要素を限定的に列挙し、かつ業として商品・役務に使用するものとしております。すぐ下に現行の第2条を掲げておりますけれども、「この法律で「商標」とは、文字、図形、記号若しくは立体的形状若しくはこれらの結合又はこれらと色彩との結合」とされております。したがって、色彩については、文字、図形と色彩が結合されて初めてが認められるわけでございます。これらを標章と称しつつ、標章であって、「次に掲げるものをいう」といたしまして、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡するものがその商品について使用をするもの」と、第2号は省略させていただきますけれども、このような定義になっております。

考え方でございますが、検討の前提といたしまして、前回、運用上の論点を御議論いただきましたけれども、これまでの議論を踏まえて、新しいタイプの標章のうち輪郭のない色彩、動画、ホログラム、音、位置を新たに商標法の保護対象に追加することを前提に、以下、検討させていただきます。その他のタイプ、具体的には香り・におい、触感、味、トレードドレスにつきましては、前回の議論で特定等が困難ということになりましたので、今回の検討の対象外とさせていただいております。

商標の定義の見直しにつきましては、まず輪郭のない色彩と音については、商標の定義に追加してはどうかと整理しております。現行の「標章」につきましては、必ずしも音などが含まれる概念とは認識しがたいこともありますので、例えば「標章等」と定義してはどうかというのが1つ目でございます。

さらに、動画、ホログラムについては、文字、図形、記号ではあるけれども、これらの形状ですとか模様が変化するものとして、商標法の保護対象に含まれることを明確化してはどうかというのが2つ目でございます。

1枚めくっていただきまして、位置商標でございます。位置商標につきましては、一定の使用方法のもとで初めて識別力が認められる商標として扱うのが適当ではないかと整理しております。標章等がそれ自体では識別力を有さない場合などに、ある一定の使用方法のもとで識別力が認められることを条件として、当該使用方法に権利範囲を限定する形で商標登録を認めてはどうか。例えば位置商標は、必ずしもそれ自体に識別力がない標章等が一定の使用方法、位置商標の場合は付し方ということになろうかと思いますけれども、この使用方法のもとで識別力が認められることを条件に、当該使用方法に権利範囲を限定する形で商標登録が認められる商標と整理してはどうかというのが基本的な考え方でございます。

細かくは、以下、見ていきますけれども、改正後の条文のあくまでイメージとして、第2条につきましては、「文字、図形、記号、立体的形状」の後に、ほかのものと結合しない「色彩」、それから「音声その他の音響又はこれらの結合」を追加し、これらを「標章等」として条文をまとめていってはどうかということでございます。以下、細かく見てまいります。

1-(1)新しいタイプを定義に追加する際の論点でございます。論点(1)といたしまして、輪郭のない色彩、音の商標でございます。輪郭のない色彩ですとか音につきましては、他の法律にならって「色彩」、「音声その他の音響」等と定義し、これらを現行の「標章」とあわせて、「標章等」と定義してはどうかということでございます。

色彩につきましては、現行の商標法の第2条の中でも、ほかのものと結合する形で「色彩」という定義が使われておりますので、これはそのまま使い、音声その他の音響につきましては、下に掲げさせていただいておりますけれども、電波法の施行令の中で「音声その他の音響」という言葉が使われておりますので、これを使って定義をいたしまして、色彩ですとか音声といったものが含まれる概念といたしました。ほかの言葉もあるかもしれませんけれども、今の「標章」概念で含めることができない場合には、「標章等」と定義してはどうかという趣旨でございます。

なお、輪郭のない色彩の商標につきましては、論理的には複数の色彩を組み合わせたものと単色の色彩によるものがあり得ますけれども、このうち単色の色彩によるもの、単色のベタ塗りのようなものでございますが、こういったものにつきましては、現行の第3条第1項第5号の「極めて簡単で、かつ、ありふれた標章のみからなる商標」に該当するものとして、同条第2項に該当しない限り識別力が認められないものが多くなるのではないかと予想されるところでございます。

1枚めくっていただきまして、3ページの論点(2)でございます。動画、ホログラムの商標でございます。動画及びホログラムの商標につきましては、視認できる標章等の形状等が変化するものと考えることができるのではないかと整理しております。標章自体は現行の定義のカバーする範囲ですけれども、動画の商標につきましては時間により標章等の形状等が変化をする、ホログラムの商標につきましては見る角度によって標章等の形状等が変化する、いずれにしても標章等の形状等が変化するものということでございます。

この点に関し、動的意匠を認めている現行の意匠法の規定ぶりを見てみますと、定義規定の中では、商標法と同様に物品の形状、模様、色彩や、これらの結合と規定しております。このように、必ずしも動く要素が定義規定の中に明確には書かれていない形になっております。

他方で、意匠登録出願に関する規定、第6条第4項でございますけれども、ここでは、いわゆる動的意匠を認めることを前提とした規定ぶりとなっております。したがいまして、意匠法の定義の第2条は、物品の形状等が変化するものをあらかじめ包含した概念であると考えられるのではないかということでございます。

以上を踏まえますと、動画及びホログラムの商標につきましては、視認できる標章等の形状が変化するものということで、商標法の保護対象となることを明確化するために、例えば以下のような法律上の手当てをすることとしてはどうかということでございます。定義規定の文字、図形、記号等の規定自体はそのままにし、確認的に第2条の中で、「第1項の標章等には標章等の形状等が変化するものが含まれるものとする」といった手当てを行ってはどうかということでございます。

次に論点(3)の一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標でございます。典型的には位置商標が該当します。これら標章等がそれ自体では識別力を有さない場合などに、ある一定の使用方法のもとで識別力が認められることを条件として、当該使用方法に権利範囲を限定する形で商標登録を認めてはどうか。例えば位置商標につきましては、標章等が付される商品等の形状を破線等で商標見本上に記載させると同時に、あわせて商標に別力が認められる使用方法に関する事項を願書に記載させる。こういったことを通じまして、その使用方法に権利範囲を限定する形で商標登録を認めることとしてはどうかという考え方でございます。

1枚めくっていただき、4ページでございます。こういった一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標としましては、位置商標と、標章等に識別力がないが、その動かし方に識別力を有する商標の2つのものがありますので、順に御説明させていただきます。

まず位置商標でございます。位置商標を認める理由としては、繰り返しになりますけれども、商標等に付す視認できる標章等が、ありふれた図形や色彩など、それ自体では識別力を発揮しない場合であっても、商品等の一定の位置に視認できる標章等を使用することで識別力を獲得する場合、当該商標をこの使用方法を条件に保護する必要があると言えるのではないかということでございます。したがいまして、願書に記載された商標見本等示された使用方法、標章等の付し方によって商標の識別力が認められる場合、当該使用方法によって商標権の権利範囲が限定されることを条件として、商標登録を認めるべきではないか。条件つきの商標登録ということでございます。

この考え方に立ちますと、位置商標として商品等に付す図形や色彩等は標章等、先ほどの文字、図形、記号、立体的形状に加えまして、色彩、音声等を加えた概念でございますけれども、こういった概念に含まれておりますので、商標の定義規定そのものに特段の手当てをする必要はないのではないかと、こういった整理ができるのではないかということでございます。

また、一定の使用方法で識別力が認められる商標の2つ目として、標章等に識別力はないが、その動かし方等により識別力を有する商標でございます。これは位置商標の位置、付している場所が動くというケースを想定しているわけでございます。いわゆる動く商標という場合には、例えばロゴが変化をするといったものですとか、4コマ漫画、6コマ漫画のようなアニメーション、こういったものでございますけれども、ここで想定しておりますのは、動くもの自身は変化しない、少なくとも識別力のある形では変化しない、しかし、それが画面上動いていくといったものが想定されるのではないかということでございます。こういったものも一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標として整理可能なものとして整理しております。

標章等に識別力がない場合、また、その形状等の変化に識別力がない場合でありましても、その標章等の位置が識別力を有する形で特徴的に移動する場合につきましては、位置商標と同様の考え方で当該使用方法、この場合は付し方ではなく動かし方ですけれども、これによって商標権の権利範囲が限定されることを条件に商標登録を認めてはどうかということでございます。

次に論点(4)でございます。これは包括的な定義規定を置くことについて、どう考えるかという点でございます。商標の定義につきましては、新しいタイプごとに個別に追加するのではなく、包括的な定義規定を設けることも一案であるといった指摘があるということでございます。

ここまでは、色彩ですとか音声その他の音響を追加するということで、条文のイメージを提示させていただいておりますけれども、例えば包括的に書く場合には、その下に書いておりますように、「この法律で「商標」とは次に掲げるものをいう」といたしまして、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をする表示」という様に書くということになります。

このような包括的な定義規定を置きますと、この条文を前提にさまざまなタイプの商標が出願された場合、これまでの議論を踏まえますと、結果として、登録の段階で現在検討中のタイプに限定されることになります。こうした場合ですと、審査基準を整備することによって、あらかじめ制度の透明性を図るとしましても、出願人や第三者にとって商標制度に対する予見性が低下することとならないかという問題があります。また商標の定義を包括的なものとする場合は、使用の定義についてもあらゆるタイプに対応する網羅的なものとなるように包括的に規定することが自然であるとも考えられます。しかしながら、使用に関する包括的な定義規定が、商標制度に関する透明性の低下につながる可能性もありますし、刑事罰の関係も絡んできます。使用の定義について、網羅的に個別に規定することの妥当性については、慎重に検討すべきではないかということでございます。

次に、その他の論点とさせていただいておりますけれども、定義をどう書くかということとは直接の関係はない、いわば間接的な論点でございます。

まず論点(1)一商標一出願でございます。一商標一出願につきましては、従来どおり、運用において当該商標の客観的な態様に基づいて判断することで足るのか。例えば複数の識別力を発揮する表示が含まれる商標につきましても、それが表示上、一つのまとまったものとして利用者に一体的に認識されるものと判断する限りは一商標と解する。こういった例などがあります。

他方、新しいタイプの商標が導入されますと、さまざまなものが出てきますし、動く商標などになりますと、時間的にも一定程度の長さを有するものが出てまいりますので、こういった多様な商標の出願が想定されることに対応し、一商標一出願の概念を明確化する必要があるか、もしくはどのような明確化が可能なのかという論点があります。現行の一商標一出願の規定につきましては、下に書いておりますけれども、「商標登録出願は、商標の使用をする一又は二以上の商品又は役務を指定して、商標ごとにしなければならない」といった規定があります。

次に論点(2)でございます。商標登録表示、第73条の関係でございます。商標登録表示に関する現行の訓示規定でございますけれども、これは商標が視認できることを前提に規定されております。「付する」という言葉を使って条文上前提にしているだけではなく、努力義務のかけ方自体が視認できる商標であるということを前提に規定されております。視認できない音の商標につきましては、その使用態様を考えますと、当該規定の対象とする必要性は必ずしも高くないのではないか、この点をどう考えるかという点でございます。

1ページめくっていただきまして、6ページでございます。商標登録表示に関する規定との関係でございますが、虚偽表示の禁止、第74条につきましては、第73条の訓示規定と異なりまして、まさに商標制度への信頼を守る等の観点から、いわば不正行為と認識し得るものについて事前に防止をするという趣旨の規定でございますので、念のため視認できない商標も対象とすべく、「付する」という用語を見直す必要があるのではないかということでございます。

次に論点(3)でございます。不正競争防止法における商標・標章でございます。不正競争防止法の中では、下の不正競争防止法の条文の第2項と第3項をごらんいただきますと、「商標とは、商標法第二条第一項に規定する商標をいう」と、標章も同様の規定がございますけれども、こういった形で商標法における商標及び標章の定義をそのまま引用しております。商標法の中で、商標及び標章の定義を見直した際の対応については、検討していく必要があるのではないかということでございます。

最後に6ページの下のほうでございますけれども、定義に識別性の要件を追加してはどうかという指摘が昔からあるわけでございますけれども、この点はどう考えるかという点でございます。

商標制度の役割につきましては、出所識別機能を有する商標の独占的使用を認めることで、商標の適切な使用に基づき蓄積される信用の保護を行うことにある。しかしながら、現行法における商標の定義につきましては、識別性が商標の要素であることが明確に規定されてはいない。この結果として、社会通念上の商標の意味とも異なっている。こうしたことから識別性が商標の要素であることを明らかにした商標の定義を検討すべきではないかという指摘があるところでございます。

他方、定義規定を見直すことによりまして、これまで積み重ねられてきたいわゆる商標としての使用に関する裁判例との齟齬が生じないように担保する必要があるということと、使用の定義のあり方とも整合性を確保する必要があるということでございます。また、識別性の要件を定義に追加することとした場合、権利行使の際に商標権者または警察等の執行当局が、侵害に係る他人の商標の使用について識別性を立証する責任を負うのではないかという指摘もございます。その場合、商標権者または執行当局が立証すべき客観的な識別性、需要者による認識可能性といったものは、どのような内容を想定しており、どの程度の事実を証明すればよいのかが問題となります。

したがって、商標の定義に識別性を追加することにつきましては、新しいタイプの商標の導入に直接関係する話ではなくて、商標制度全体にかかわる問題でもございますので、新しいタイプの商標の導入に係る検討とは別に慎重な検討が必要なのではないかということでございます。

あわせまして、ここには書いておりませんけれども、現在の商標としての使用に関する裁判例につきましては、今回、新しいタイプの商標を導入したことによって、更に判例がどのように動いていくのかということも見きわめ切れないという段階で、識別性の要件を追加することを検討するということについては、そういった観点からも慎重な検討が必要なのではないかという指摘もいただいているところでございます。

以上が商標の定義でございます。

1枚めくっていただきまして、8ページでございます。ここからが商標の使用の定義の見直しでございます。論点は、新しいタイプの商標の導入に伴い、現行の商標の使用の定義をどのように見直すかでございます。

現行制度は、商標の使用の定義について、商標が視覚的に認識できることを前提に規定されております。定義規定の第2条第3項を載せておりますけれども、例えば第1号ですと、「商品又は商品の包装に標章を付する」といった形で、視認できることが前提とされております。

考え方でございますけれども、商標の定義に新しいタイプの商標を追加する際には、音の商標が視認できないということに対応して、使用の定義規定を整備する必要があるのではないかということでございます。他方、動画、ホログラム、さらに一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標、位置商標などでございますけれども、こういったものについては視認できますので、使用の定義を改正する必要はないのではないかということでございます。

具体的には論点(1)でございますけれども、音の商標の使用の定義でございます。現行の標章を付するという規定では音の商標に対応できないため、例えば現行の標章の形状に関する規定を参考にして、標章を付することには、音声その他の音響を含む標章等を再生することが含まれるものとすると、こういった種類の規定を整備する必要があるのではないかということでございます。9ページでは、そのための参考の条文を載せておりますけれども、音の商標の使用についての定義の条文イメージにつきましては、「音声その他の音響を含む標章等を再生することが含まれる」ということで、一種のみなし規定のようなものを置いて対応することとしてはどうかということでございます。

論点(2)動画、ホログラムの商標の使用の定義につきましては、これらは形状等の変化が視認できますので、特段の改正は不要ではないか。論点(3)の位置商標等につきましても、付された標章もしくは動かされた標章については視認できますので、特段の改正は不要ではないかと整理をしております。

以上が使用の定義でございます。

次に商標の登録要件等の見直しでございます。論点は、新しいタイプの商標の導入に伴い、現行の商標の登録要件をどのように見直すかということでございます。

現行制度の確認でございますけれども、現行制度では第3条で商標の登録要件として識別性等を定めております。第4条では、主として公益的見地や私益の保護といった立場から不登録事由を定めております。特に立体商標については、商品等の機能を確保するために不可欠な立体的形状を不登録事由として定めております。

1枚めくっていただきまして、考え方でございます。登録要件に新しいタイプの商標の特性に応じた識別性に係る規定を加える必要があるか、さらに新しいタイプの商標につきまして、公益的な見地、機能性といった観点からの不登録事由を加える必要があるかということでございます。

論点(1)の識別性に係る要件でございます。商標の識別性に係る要件については、現行の第3条第1項各号の規定で十分対応できると考えるか。あるいは、新しいタイプの商標に応じて、特に新たな規定を設ける必要があるかということでございます。

論点(2)はいわゆる公益的な音でございまして、例えば音の場合ですと、公益的な音、国歌ですとか緊急のサイレンを、現行の国旗を規定している第4条第1項第1号といった規定に含める形で規定する必要があるか。あるいは同項第7号に公序良俗違反の規定がございますけれども、こういった規定でカバーすることとして、あとは審査基準等で柔軟に対応していくということで足りると考えるかという点でございます。

論点(3)でございますけれども、これは機能性等でございます。欧州共同体商標規則では機能性の要件を立体商標に限っております。日本も立体商標に限っているわけでございますけれども、米国などですと、立体商標のほかに色彩や音などの商標にも機能性の要件を設けておりますので、こういった対応が必要かどうかということでございます。仮に色彩や音等の商標に機能性要件を設けることとした場合には、機能性の範囲をどのように考えるかということでございます。その範囲の検討に当たりましては、例えばアメリカですと、技術的機能性ですとか美的機能性、この美的機能性というのは商業的成功に結びつく色を指しているようでございますけれども、こういったものも考慮すべきかどうか。

さらに、こういったものを認めるにしても、法律上、機能性という言葉を使うことが適当かどうかという論点でございます。例えば、教育サービス業のピアノ教室について、ピアノの音から構成される商標が出願された場合、役務の提供の用に供するもの等の機能についても検討する必要があるのかどうかといったものが限界事例として挙げられます。下に欧州共同体商標規則と米国の商標法を載せております。

論点(4)のその他の不登録事由といたしまして、公益性ですとか機能性以外にも、例えば安全性を示すものなど、不登録事由を新たに設ける必要があるかという点でございます。ちなみに、安全性の場合ですと、アメリカでは機能性の範囲に含めて考えているようでございますけれども、機能性の概念をどの範囲に設定するかとの関係で論点(4)の対応の仕方も変わってまいります。

以上が登録要件の見直しでございます。

次に商標権の権利範囲の特定方法の見直しでございます。ここは、新しいタイプの商標の導入に伴い、その権利範囲の特定方法として出願時の願書の記載事項等をどのように見直すかという点でございます。また、タイプごとに異なる商標の特定方法との関係におきまして、出願日をどのように認定するかということが論点になります。

現行制度の確認でございますけれども、第5条第1項によりまして、登録を受けようとする商標を願書に記載しなければならないと定めております。かつ、同条第2項によりまして、立体商標の出願については立体商標の出願である旨を願書に記載しなければならないと定めております。

また、第5条の2では出願日の認定要件を定めておりまして、当初の出願日に提出された願書において商標の記載がない場合などにつきましては、特許庁長官は当該出願について補完を命じなければならないこととされております。この結果、補完された日が当該出願の出願日として繰り下がって認定されるということになります。これは補正の場合と異なる取り扱いになるという趣旨でございます。さらに、第27条によりまして、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定めなければならないとされております。

下に関係の条文を載せております。商標登録出願の第5条第1項第2号の中で、商標登録を受けようとする商標を願書に記載しなければならないとしております。さらに、第5条第2項の中では、立体商標について、その旨を願書に記載しなければならないとしております。さらに、第5条の2の中で、出願日の認定としまして、第1項第3号で「願書に商標登録を受けようとする商標の記載がないとき」と、こういったものを補完の対象としているわけでございます。さらに、第27条の中で、登録商標の範囲は願書に記載した商標に基づいて定めなければならないということとされております。

基本的な考え方でございますけれども、願書の記載方法の関係では、現行制度で記載事項とされている立体商標の出願である旨、第5条第2項の関係でございますけれども、こういった記載と同様に、当該出願が輪郭のない色彩の商標である、音の商標である、動画の商標である、ホログラムの商標である、一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標であるという場合につきましては、その旨の記載をしなければならないということにしてはどうかということでございます。それぞれにつきまして特定方法が変わってきますので、あらかじめどのタイプのものなのかということを明示させるという趣旨でございます。

さらに、出願人は、商標の権利範囲を特定するため、出願に係る商標のタイプに応じて、願書に商標見本、商標の説明文、商標の使用方法に関する事項を記載し、または商標を格納した電子ファイルを願書にあわせて提出しなければならないこととしてはどうか。

さらに、出願日の認定でございますけれども、現行制度の考え方を踏襲し、出願に係る商標のタイプごとに特定方法が異なることを踏まえまして、出願人が提出すべき商標見本、商標の説明文、商標の使用方法に関する事項、電子ファイル、これらに不備がある場合には、その不備の程度に応じて手続補完の対象としてはどうか。補完と補正の振り分けをしてはどうかということでございます。

以下、個別に見てまいります。

論点(1)でございます。出願時における商標の権利範囲の特定方法でございます。これは前回、御議論いただいたところでございますけれども、出願人が出願時に願書に記載する「商標登録を受けようとする商標」につきまして、当該商標のタイプにより、そのタイプの出願である旨を記載させるとともに、前回の議論を踏まえ、以下のような特定方法により商標の権利範囲を特定させる必要があるのではないかということでございます。

この下が、前回御議論いただいた点でございます。商標のタイプ、特定方法をそれぞれ整理しております。輪郭のない色彩につきましては商標見本と商標の説明文、音の場合は音声ファイルでございます。動画の場合は商標見本及び商標の説明文、または電子ファイル。前回の議論では、これは出願人が選べるということになっていたかと思います。ホログラムにつきましては商標見本及び商標の説明文。ただし、商標の説明文を補足するものとして動画ファイルの提出を認める。さらに、一定の使用方法で識別力が認められる商標につきましては商標見本及び商標の説明文。これに加えて、商標の使用方法に関する事項を願書の中に記載させてはどうかという点でございます。最後の点につきましては、前回の御議論の中で、必ずしも含まれていなかった点です。

この場合、商標見本、商標の説明文、商標の使用方法に関する事項は願書に記載をする。商標を格納した電子ファイル、これは動画ファイル、音声ファイルともにありますけれども、これは願書に含めることができませんので、願書にあわせて提出をするということとしてはどうかということでございます。

この結果といたしまして、12ページの第27条に、「登録商標の範囲は、願書に記載した商標に基づいて定めなければならない」となっておりますので、この「願書」について、願書と電子ファイルをあわせて、「願書等」と定義してはどうかということでございます。

1枚めくっていただきまして、ここからは表の確認でございます。論点(2)輪郭のない色彩の商標の場合は、輪郭のない色彩である旨を願書に記載するとともに、商標見本、説明文で特定をする。論点(3)音の商標の場合は、音の商標である旨を願書にあらかじめ記載した上で、電子ファイルで特定をさせる。論点(4)動画、ホログラムの商標の場合は、動画である旨を願書にあらかじめ記載した上で、複数の図による商標見本と商標の説明文で商標を特定する方法、例えば、6コマ漫画、4コマ漫画といった形で特定する方法と、動画の電子ファイルで商標を特定する方法、いずれも出願人が選択できるようにしてはどうかということでございます。

なお、電子ファイルによらず複数の図による商標見本と商標の説明文によって商標を特定する場合、商標見本または商標の説明文に記載されていない部分、いわばすき間の部分につきましては、識別性の判断において考慮されず、かつ権利範囲にも含まれないということになりますので、登録しようとしている動画の内容に応じて、こういった制度の選択肢を出願人が選んでいただくということにしてはどうかということでございます。

また、ホログラムの商標につきましては、ホログラム自体を電子ファイルで再生することは困難でございますので、ホログラムの商標である旨を願書に記載するとともに、複数の図による商標見本と商標の説明文で商標を特定することとしてはどうか。また、商標の説明文の補足として、必要に応じてホログラムを傾けた際の実際の見え方を動画の電子ファイルで示すことができるようにしてはどうかということでございます。この辺は前回の御議論を参考にさせていただいております。

次に論点(5)でございます。一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標、位置商標ですとか動かしたりする商標でございます。一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標につきましては、その旨を願書に記載し、商標見本等によって商標を特定する。あわせて、その商標が識別力を有する使用方法に関する事項も願書の中に記載をさせる。この使用方法によって商標の権利範囲を特定することとしてはどうかということでございます。

位置商標に関する商標の見本の記載としましては、一定の位置に付す標章等を記載する。あわせて、付されるものである商品等の形態を使用方法の説明として破線で示すこととしてはどうかということでございます。また、商標の使用方法に関する事項の記載としましては、当該商品等や標章等を付す位置を記載することで、商標見本中の破線等に加え、その使用方法を特定するものとして商標の権利範囲を特定することとしてはどうかということでございます。

なお、位置商標につきましては、商標見本において破線等で示された商品等の形態や付す位置につきまして、一定程度の幅を持たせることが重要であるといった指摘がございまして、前回も御議論いただいたところでございます。この点につきましては、商標見本の中で破線等で示されたものと全く同一のものに当該位置商標の専用権が及ぶと厳密に解した上で、付されるものである商品等の形態や標章等を付す位置が異なる場合につきましては、自己の登録商標に基づいて禁止権を行使するということで対応できるのではないかということでございます。このように考えますと、破線の使い方等、諸外国における商標見本の記載方法とも調和した運用ができるのではないかということでございます。

論点(6)登録商標の権利範囲でございます。登録商標の権利範囲につきましては、各タイプごとに今までの論点を踏まえまして、商標のタイプごとに異なる特定方法ではありますけれども、基本的には願書等の記載、具体的には商標見本、商標の説明文、電子ファイル、商標の使用方法に関する事項、これらに基づいて定めることとする必要があるのではないかということでございます。また、新しいタイプの商標に関する登録防護標章の権利範囲につきましても、同様に決めてはどうかということでございます。

次に論点(7)出願日の認定の関係でございます。現行の第5条の2におきましては、出願に不可欠な基本的事項に不備がある場合、典型的には商標見本の記載がない場合ですけれども、こういった場合には手続の補完を命じ、その補完がなされた日を出願日として繰り下げて認定することとしております。したがいまして、新しいタイプの商標につきましても、出願時の商標の権利範囲の特定方法に不備があった場合のうち、以下のものについては、手続の補完がなされた日に繰り下げて出願日を認定すべきではないかということでございます。

商標を特定するための商標見本等の全部または一部に不備がある場合でございますけれども、商標を特定するための商標見本、商標の説明文または電子ファイルの全部または一部が欠けている場合については、商標の内容が特定できないため、第5条の2第2項の手続補完命令の対象とし、手続補完書の提出日を出願日と認定してはどうかということでございます。

ただし、ホログラムにつきましては、補足的に提出する電子ファイルの提出がない場合など、商標の特定に必要不可欠でないものにつきましては、手続補正命令の対象としまして、当初の出願日を維持してはどうかということでございます。

また、輪郭のない色彩につきましても、商標見本が提出された場合には、商標の説明文によらずとも商標の主要構成要素が明らかにされていると考えられますので、商標の説明文が補完された日を出願日とする必要はないのではないかということでございます。

さらに、商標の使用方法に関する事項の記載に不備がある場合でございます。願書に一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標である旨の記載があるにもかかわらず、商標の権利範囲を特定するための商標の使用方法に関する事項の記載が欠けている場合については、商標の使用方法の内容が特定できませんので、第5条の2第2項の手続補完命令の対象として、手続補完書の提出日を出願日と認定してはどうかということでございます。

さらに論点(8)補正の却下でございます。新しいタイプの商標の出願について補正がなされた場合につきましては、出願時において提出された願書等の記載によって特定された範囲に基づいて、その要旨を判断するということで、現行の補正の却下に関する規定、これは第16条の2でございますけれども、「願書に記載した」となっていますので、「願書等に記載した」といった手当てをする必要があるのではないかということでございます。

1枚めくっていただきまして、論点(9)記載欄の地色との関係、第5条第4項の関係でございます。現行の商標法では、商標記載欄の地色と同一の色彩である部分は、特段の表示がない限り出願された商標の一部ではないとみなすこととする規定が設けられております。新しいタイプの商標につきましても、特段の表示がない限り、地色と同一の色彩である部分については、その商標の一部ではないということを想定する出願人が多いと考えられますので、当該規定をそのまま適用させる必要があるのではないかということでございます。

論点(10)商標公報でございます。願書の記載事項や電子ファイルによって特定された商標につきましては、特許庁が商標公報により公示することで権利範囲を明確に特定する必要があるのではないか。さらに論点(11)商標登録証について、電子ファイルによって特定された商標をどのように記載するか検討する必要があるのではないか。さらに、電子ファイルによって特定された商標に係る認証謄本等の証明をどのように発行するか、これも検討する必要があるのではないか。これらも、重要な論点でございます。

次に商標の類似の範囲、著作権等の他の権利との調整でございます。

1つ目は商標の類似の範囲でございます。新しいタイプの商標の導入に伴いまして、審査時及び侵害時の類否の判断につきまして、新しいタイプの商標に特有の事情を考慮すべきかという論点でございます。

現行制度につきましては、他人の未登録周知商標、第4条第1項第10号の関係ですとか、他人の登録商標、第11号ですけれども、これらに係る商標ですとか、類似する商標などにつきましては不登録事由としております。また、侵害とみなす行為、第37条の関係でございますけれども、登録商標に類似する商標の使用等が商標権等の侵害とみなされております。

1枚めくっていただきまして、考え方でございます。これは後ほど御説明させていただきますけれども、法律上、所要の経過措置を設けることを除き、あえて新しいタイプの商標に特有の事情を定めることはせず、特定された権利範囲に基づいて運用において判断することを基本とすべきではないか。ただし、一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標、位置商標などでございますけれども、こういったものにつきましては、商標の類否だけではなく、使用方法に権利範囲が限定されますので、その使用方法についても類否を判断すべきであって、そのために必要な法律上の手当てを行うべきではないかということでございます。

論点(1)類似する商標でございます。現行制度のもとでもタイプ横断的に商標同士の類否判断を行っておりますので、新しいタイプの商標を追加する場合におきましても、あえて法律上新しいタイプの商標に特有の事情は定めず、これまでと同様に新しいタイプの商標も含め、タイプ横断的に商標の類否判断をすることとしてはどうかということでございます。

この場合、問題になりますのは文字商標の音声的使用でございます。現行制度のもとではタイプ横断的な商標の類否判断を行っておりますけれども、音が商標の定義に含まれておりませんので、結果として、登録されている文字商標について他者が音声的に使用することが商標権の侵害に当たらないこととなっております。しかし、今般、商標の定義に音が含まれることになる結果、これまで可能であった上記音声的使用が音タイプの商標の使用に当たってしまいまして、結果として、登録されている文字商標の侵害に当たることとなってしまいます。このため、既に使用されている音声的使用に限り、例えば継続的使用権等の法律上の手当てが必要ではないかとさせていただいております。

さらに、一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標の類似の関係でございます。一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標については、その権利範囲が使用方法によって制限されておりますので、類否を判断する際には、一方の商標が使用方法によって制限されている場合には、商標の類否だけではなく使用方法についても類否を判断すべきであり、そのために必要な法律上の手当てを行うべきではないかということでございます。

1枚めくっていただきまして、論点(2)侵害とみなす行為でございます。第37条の関係でございます。現行の侵害とみなす行為に関しても、基本的には、あえて新しいタイプの商標に特有の事情を定めることとはせず、商標の権利範囲に基づいて商標の類否を判断することとしてはどうか。ただし、先ほど申し上げましたように、一定の使用方法のもとで識別力が認められる商標、位置商標などの類否につきましては、使用方法についても類否を判断すべきであり、必要な法律上の手当てを行うべきではないかということでございます。下に、侵害とみなす行為、第37条の条文を載せさせていただいております。

次に論点(3)色彩のみが異なる商標、第70条の関係でございます。現行の第70条では、登録商標に類似する商標であることを前提に、色彩を除く要素が同一である商標はすべて登録商標と同一であるとみなすこととされております。一般には多少の色彩の相違は同一のものとして取り扱われているためでございまして、およそ色彩に関する商標については、すべてに当てはまるものと考えられるのではないかと考えられます。また、本規定の効果につきましては、色彩についての専用権の範囲を禁止権の範囲に拡大するものでありまして、類否判断の対象範囲に直接の影響を及ぼすものではありません。したがいまして、新しいタイプの商標の中にも色彩に関するものが幾つかございますので、新しいタイプの商標につきましても、およそ色彩に関するものについては、すべて第70条の規定を適用させてはどうかということでございます。

次が特許権、実用新案権、意匠権、著作権、他の権利との調整でございます。論点としましては、新しいタイプの商標の導入に伴い、現行の著作権や意匠権等の権利との調整規定について見直す必要があるかという点でございます。

現行制度でございますけれども、第29条で、他人の権利と抵触するときは、抵触する部分について、その態様により登録商標の使用をすることができないとされております。考え方といたしましては、新しいタイプの商標について、現行法とは異なる取り扱いをする特段の事情がないと考えられますので、これまで同様、他人の著作権等と抵触するときは、抵触する部分について登録商標の使用を制限するということでいいのではないかということでございます。

最後、その他のところでございます。マドプロですとか、パリ条約の関係でございます。

現行のマドリッド協定の議定書に基づく国際出願の中では、電子ファイルを提出することが認められておりません。このため我が国において電子ファイルによる商標の権利範囲の特定を求める場合には、マドリッド協定の議定書に基づく国際登録出願並びに国際商標登録出願は認められないこととなります。また、パリ条約による優先権主張を伴う出願につきましても、電子ファイルによる商標の権利範囲の特定を求める場合には、当該出願に係る商標と外国が発行した優先権証明書上に記載された商標との同一性の認定が困難な場合があります。各国制度が違いますので、こういった場合には優先権主張が認められないことがあります。

さらに、国内出願に係る商標の権利範囲が電子ファイルにより特定されている場合には、我が国で発行する優先権証明書上に商標を記載することができず、仮に電子ファイルを添付するとしても、外国では受け入れられないことも想定されます。このため、外国出願をする際に、パリ条約による優先権主張をすることができない場合がございます。こういった点について、どのように考えるかということでございます。

最後に、経過措置でございます。過去の商標法の改正におきましては、保護対象を拡大した際には、取引秩序の混乱の回避あるいは制度の円滑な導入等の観点から、以下のような経過措置を講じてきております。主に3つございます。

1つ目は継続的使用権でございます。一定の要件を満たす場合に、他人の登録商標と抵触する商標を制度施行前から使用している者につきましては、改正法の施行の際、現に行っている業務・地域の範囲内において当該商標をその商品または役務について使用する権利を認めるといった特例措置でございます。

2つ目が出願日の特例でございます。制度施行当初に出願が集中することによる事務処理上の混乱を回避するため、一定期間にされた新制度に係る出願はすべて同日にされたものとみなすという先願主義の特例措置でございます。

3つ目が使用に基づく優先・重複登録の特例でございます。新制度に係る商標登録出願が複数あった場合には、使用に基づく特例の適用の主張を伴う出願が優先して商標登録を受け得るものとし、使用に基づく特例出願が複数あるときは、原則として、そのすべてが重複して商標登録を受けられることを認める特例措置でございます。

過去に、役務商標、立体商標、小売等役務の場合について継続的使用権を3回とも使われておりますけれども、(2)(3)については、立体商標の場合は使われていないということになっております。

1枚めくっていただきまして、立体商標を導入したときに、(2)(3)の部分の経過措置をあえて設けなかったのは、相互に類似関係にある立体商標と平面商標を異なるものが所有する事態を避けるといった観点から、継続的使用権を認めることで十分な保護が担保できるということが理由になっていたようでございます。

したがいまして、今回、新しいタイプの商標を導入するに当たりまして、立体商標導入時にならいまして、相互に類似関係にある新しいタイプの商標と現行の商標を異なる者が所有するという事態を避けることが必要ではないかということでございます。

以下、当時の経過措置の条文は、長くなりますので省略させていただきます。

以上でございます。

土肥座長

どうもありがとうございました。

引き続きまして、ただいまの説明を踏まえて議論に移りたいと思っております。残り1時間ぐらいを想定しております。

ただいま説明ございましたように、1.から6.まであって、全体からすると6つぐらいに分けられるのかもしれませんけれども、ここでは新しいタイプの商標に関する検討でございますので、商標の定義あたりが前半の中心課題かなと思っております。余り細かく分けて議論をしませんで、前半と後半ぐらいに分けてで集中的に議論をしていければと思っております。

そういう意味からいたしましても、1.の商標の定義の見直しあたりを中心に御意見をちょうだいできればと思いますが、いかがでございましょうか。

阿部委員、お願いします。

阿部委員

裁判所の阿部でございます。

定義規定ですけれども、今回の資料にありますように、これまでの議論も踏まえますと、香りですとかにおい、触感、味、トレードドレスについては、特定性、客観性、明確性等に問題があることから、保護対象に追加しないということに関しては賛成いたしております。

これに対しまして、このペーパーでは、輪郭のない色彩、動画、ホログラム、音、位置等を保護対象に追加するということを前提に定義されておりますけれども、これを入れるべきかどうかということにつきましては、入れること自体についても議論が成熟しているとは言いがたく、そこについては多角的かつ慎重な議論が必要であると考えております。

例えば位置の商標について、定義規定には明確に入らず別の規定で入れるということにつきましては、位置の商標につきまして、その権利範囲、保護範囲というのは、なかなかつかみにくいというか、イメージしにくいところもありまして、このような規定ぶりで第三者の予測可能性を担保できるのかどうかとか、そういうことについても若干疑問があるところでございまして、そのあたり議論が必要なのかなと思っております。

それから、新しい商標につきましては、現行の規定で商標法3条の登録事由の適用につきましても、ありふれた標章というところがありますけれども、それでは、位置とか音につきまして、ありふれた音とか、ありふれた位置というのは一体何だろうかなと考えますと、実際上、イメージしにくいのかなと思います。そこでいろいろ考え出しますと、そのあたりもうまくできるのかどうかなど、多角的な検討が必要なのではないかと考えております。

それから、商標の定義、特に識別性の要件を加えるかどうかということに関しては、これまでの実務の運用と整合するような形での規定ができるのかどうかということについて、かなり慎重にやらなければならず、ここで議論するのが適切なのかどうか、かなり根本的な問題になりますので、その辺は慎重に検討すべきではないかと思います。

土肥座長

ありがとうございました。

私のほうで前半、後半というふうな大まかな分け方をいたしましたけれども、阿部委員がおっしゃったように、定義に関連して登録要件という形で御発言いただいて一向に構いませんので、よろしくお願いいたします。

ほかに御意見ございますでしょうか。

琴寄委員、お願いします。

琴寄委員

ただいまの商標の定義等に関連したお話ですけれども、今回の論点の一つとして、商標の定義、使用の定義の取り扱いが挙げられており、保護を考慮すべき新しい商標の範囲を限定的に列挙するような形式をとられております。

これはそもそも論なのかもしれませんけれども、商標の範囲を限定しないで、識別力を商標の要件として商標の定義に加えるということが、現行法上の定義規定における文言上の商標と、社会通念上の商標の乖離を補正するという意味で望ましいのではないかというふうには思っております。他方、今回、御報告いただいたように、関連する条文との整合性ですとか、さまざまな論点を克服する必要があるというのも事実でございます。

また、使用の定義についても、現行法は想定される具体的な使用行為を細分化して限定的に列挙されているという形式をとっておりますけれども、新たな行為類型等が生じた場合には追加、修正の必要があるという点もございます。

本来的には、商標の使用の定義というのは、ある意味、包括的な規定とすることが方向性としては望ましいのではないかというふうには考えております。理由としては、柔軟な対応が行えるという部分ですとか、同様な規定ぶりが欧米の規定にもあるということで、国際調和という観点からも望ましいとは思っております。

ただ、今回の検討におきましては、一方で時間的な制約があるということも事実として認識しておりまして、現状保護すべきニーズがあるものを優先的に保護する必要があるという点ですとか、今申し上げたような包括的な定義をするということになりますと、さまざまな論点を検討して克服しなければならないという状況等を考えますと、加えまして、実際の権利の特定方法が確立されていない商標等の存在があるということも考えあわせますと、現状はこの報告書の中での方向性でやむを得ないのかなという気はします。

ただ、今後のニーズの動向ですとか権利の特定方法につきましても、時間の経過とともに解決される部分がある可能性もございますので、それらの状況が整理されてきたような段階において、再度見直しを図っていただくということも視野に入れた形で進めていただければと思っております。

土肥座長

ありがとうございました。

清水委員。

清水委員

先ほど阿部委員もおっしゃられていたんですけれども、今回、新しいタイプのうち輪郭のない色彩、動画、ホログラム、音、位置等を保護対象に追加するということを前提で、この中では議論が進んでおるんですけれども、まずはホログラムですね、第1回目にもちょっと申し上げたのですが、本当に出所表示として機能しているのか、真贋識別の他にデザインとしてでもなく、これを需要者が頼りに物を購入したりするのかというところを、もう一度、原点に立ち戻って議論していただければなと考えております。

それから、位置商標です。この中で言っていますけれども、識別力のない図形ですとか文字が対象です。しかも、それ単体、単独では使用による識別力獲得するのが困難な、3条2項の適用も難しいものに対して、使用方法を特定して保護しようというものであって、場合によっては今回、保護対象から外しておりますトレードドレスに該当するようなもの、輪郭のある色彩、こういったものも保護対象の中に含有される可能性もありますし、立体商標との関係もありますので、位置等についてももう少し突っ込んだ議論が必要ではないかなと考えております。

それから、一商標一出願関係です。基本的に、全体として一商標という見方については特に異論はないのですけれども、意匠法の6条4項の文言を持ってきているというところが、本当にこれでいいのかなと疑問に思っております。

というのは、意匠の場合ですと、必ず物品とセットといいますか、一体不可分ですので、物品が動く、形状・色彩が変化する、例えばカニの手足が動くとか、そういったものになるかと思うのですけれども、今回、動画の商標ですとか、例えばホログラムも入れさせていただきますけれども、見え方に連続性があると言えなくもないですが、カボチャが馬車にばけるような場合もあります。そういったものも一商標と認め、しかも意匠法の6条4項の文言をそのまま持ってきて定義するのが妥当なのかなというのを、ふと疑問に思いましたので挙げさせていただきます。

商標の定義、識別性要件を入れるかどうかというのは一長一短ありまして、非常に難しい問題かなと考えております。今までお二人がおっしゃっていなかった点から言いますと、不競法でも商標の定義が引用されておりますので、そことの関係ももう一度慎重に考えていく必要があるのかなと思っております。

土肥座長

ありがとうございました。

江幡委員、どうぞ。

江幡委員

まず定義に関して一つコメントさせていただきたいと思います。

資料の「商標の定義の見直し」のところに、新しいタイプの商標として輪郭のない色彩、動画、ホログラム、音、位置があります。その中で、色彩や音に関しては現行の標章の概念に入らないという整理をされているのですけれども、色彩や音が、印といいますか、マークといいますか、出所を表示するものとして機能しているからこそ、今回のような検討がされるのだと思います。そうしたことからすれば、何もそれを標章の概念に入らないというふうに理解する必要もないのではないかなと個人的には思っております。

そうしますと、「標章等」というちょっと不明確な、なぜ標章ではないのかという疑問の生じるような概念を入れてしまうよりも、新しいタイプの出所表示ないしマークがあるということを受け入れて、それも標章の概念に入れるという整理をしたほうがいいのではないかと思います。

不競法などでも、「標章」という用語が使われているわけではありますが、いずれにしても、不競法の場合は、最後は表示ということで、標章に入るのか、別の形での出所表示なのかということでの整理ですので、少なくとも不競法との関係では仮に音や色彩が標章に含まれるとしたとしてもそれほど問題はないのかなというふうに感じております。

以上が定義に関してのコメントになります。

土肥座長

ありがとうございました。

青木委員、どうぞ。

青木委員

弁理士会の青木でございます。2点ございます。

1点目は、立法技術の問題もあるでしょうが、標章等というのは、標章としてまとめたほうがわかりやすいというのは江幡委員と同じでございます。

2点目は、新商標の定義について、限定列挙にするか、包括表示にするかですが、日本弁理士会で何回検討しても意見が二つに分かれます。限定列挙がいいというのは、その都度、国民のコンセンサスを得て立法したほうがいいだろうというのが理由でございます。もう一つの意見は、包括表示にしておいて、裁判で争って出所識別力をうまく立証できたものが新しいタイプの商標についても登録できるというシステムのほうが望ましいというものです。そういう2つの意見がございまして、拮抗しているという状況でございます。

土肥座長

ありがとうございました。

鈴木委員、どうぞ。

鈴木委員

私が言おうとしていたことは既に何人かの委員がおっしゃったので繰り返しはなるべく避けるようにしますが、まず定義のそもそもで包括的な定義にするか、識別性の要素を定義に入れるかという点については、私、琴寄委員がおっしゃったところに同調いたします。私個人は、本来であれば包括的なもので識別性という要素を入れるというのが望ましいと思っています。これは、それによる影響、立法技術的な側面等々いろいろあるかと思いますので、最終的には、このワーキンググループとして出せる結論に従いたいと思います。

2点目は標章等というところで、私も江幡委員や青木委員がおっしゃったところと同じでございます。商標制度の基本的な概念のおしりに「等」という言葉がついているというのは非常に違和感があり、なるべく避けるにこしたことないと思います。実務的にも、「等」という言葉を基本概念の最後につけることによる混乱はいろいろあるのではないか。例えば契約上、「等」を入れず、そんなところははしょって契約をしたけれども、実際は入れて解するべきじゃないかとか、いろんな混乱も予想されるところであります。

それから、標章という概念に音とかが入らないのかという点については、必ずしも判然とはしないんですけれども、私が調べたところでは、例えば小野昌延先生の「商標法解説」という教科書の代表的なものの一つですが、それを見ますと、「音響標章」という言葉も使われております。標章という概念に音とかが入らないものではないという理解は、専門家の間でもあるのではないかと思います。

土肥座長

ありがとうございます。

商標の定義規定に関連して多くの委員の御意見をちょうだいしたところでございます。そもそもこの問題は識別力を盛り込んで包括的な定義とするか、あるいは限定列挙の明確性を考慮すべきかという大事な問題でございますけれども、従来から、その点については議論があって、商標制度全体を見直す際に、そのこともあわせて考えるべきではないかということになっていたかと思います。そういう大変に大きな問題と、もう一つ標章等というところを皆さんに御意見をお出しいただいているところですけれども、標章の中に音響なんかも含むのかどうかという点ですね。

外国の立法例、例えば欧州を見てみますと、音も入れたり、文字も入れたりやっているんですけれども、そこをくくっているのもツァイヘン(Zeichen)を使っております。ツァイヘンは標章ということになるんだろうと思うんですけれども、おっしゃる御意見を伺っておりますと、そういうふうにも考えられるなと考えております。そこはワーキンググループとしての全体の意見がどういう意見になのかというところでまとめていきたいと考えております。

ほかに定義規定のところで御意見がございますか。その程度でしょうか。

堤委員、ございますか。

堤委員

まず商標の定義の包括化なんですが、出願人の立場からすると、包括的なものは出願しにくいのではないかと思います。ある程度、特定したほうがよいということ。これは、皆さん同じ考えではないかなという気がします。

あと一点、商標というものが出所表示を明確化するためのものという考え方に立ちますと、標章として使用でき、出所表示できるものが商標ということになりますので、その使用方法や権利範囲を明確化することは絶対必要だと思います。そうしなければ、出願人も、その商標を識別する需要者も、一体この商標権はどこまでが権利範囲なのかを明確にしないと、それこそ先ほども阿部委員がおっしゃっていましたように、予見性という面からすると、混乱を招くことになるのではないかと思います。

土肥座長

ありがとうございました。

今おっしゃっておられるように、ユーザー、出願人の観点もございますし、第三者の観点もございますので、あらゆる関係者にとって新しいタイプの商標が安定的に明確な制度として構築するということをワーキンググループでは考えたいということで、御提案のようになっているのだろうと存じます。

包括的にとらえて、後は利用者が自己努力でとかいうような考え方の場合、恐らく使用主義だったらそういうことも考えられるだろうと思うんですけれども、登録主義という場合に、果たしてそういう考え方がなじむのかどうかという懸念がございますね。

まだ時間ございますので御遠慮なく出していただければと思いますが、使用の定義ももちろん大事なところの一つですが、今回の説明ではそんなに時間をかけて説明はなかったわけですが、音の商標の使用というところで、再生することも含むという形で考えておるんですけれども、そこは特に御意見ございませんか。

鈴木委員、どうぞ。

鈴木委員

必ずしも自信はないんですけれども、再生という言葉は、例えば著作権法を見ますと、録音されたものを再生という文脈で使われておりますので、例えば生演奏のようなものは入らないおそれがないのかということを感じました。

土肥座長

ありがとうございました。

使用について、ほかに何かございますか。

堤委員、どうぞ。

堤委員

動画とか音声商標の使い方ですが、最近、テレビコマーシャル等では、商品自体のコマーシャルではないのですが、ある会社のロゴマークを広告しているものをよく見ます。例えば製薬会社は、処方せん薬は宣伝ができません。そこで、医薬の情報という立場で、薬剤商品そのものの商標は、宣伝せず(出さず)、この会社が出すこのロゴマークが付された薬剤は信用や信頼性がありますよと、会社のイメージ伝達のためにと申しますか、そういう商標が付されたことによる信用を識別させてから結果的に出所を識別してもらうように使われています。このような広告が、商品商標としての使用に当たるのかどうか。

例えば、需要者がある病院に行って、その薬を処方してもらい、手に取って初めて、その会社のロゴマークを識別する。そうすると、広告で知った会社のロゴマークから、どこどこの会社の薬なんだなというところで出所を知るわけです。それによって品質の保証といいますか、そこで安心感を持ってその商品(薬剤)の出所を識別して使用するということになる。このような広告の場合にも、それが商品商標の使用に当たるのかどうか。その辺ももう少し議論していく必要があるのではないかと思います。

土肥座長

ほかにいかがでございましょうか。

青木委員、どうぞ。

青木委員

ちょっと細かいところですけれども、15ページの位置商標のところで、破線を認めていただけるようなので賛成致しますが、「厳密に解し」という文言が入っています。たしか同一性についてはパリ条約の規定(5条C(2))があって、識別性との関係を見ていくというのがありましたので、それを踏まえての解釈ということになるのではないかと思います。

それから、13ページですけれども、これも前回申し上げた点です。音の特定のところをさらに、弁理士会で検討したのですが、外国の登録例をよく見ると、電子ファイルによるもの、楽譜によるもの、音符等も示しながら言葉で特定するもの、の3パターンがあるようです。このような出願がマドプロ経由や、優先権主張ベースで日本に入ってくる可能性がありますので、もう一度、音の特定方法のバリエーションについて御検討いただけないかということでございます。

審査のことを考えると、楽譜のほうが審査しやすいのではないかという点もあります。

今回は新しいタイプの商標を不正競争防止法で保護できるところに加えて、商標法で保護するということで、その商標法のメリットである特徴点をきちんとわかりやすく公示できるというところも踏まえて、3パターンのどこまで採用していただけるかというところをもう一度、御検討いただきたいと考えております。

土肥座長

今の特定方法の話は、音について、このワーキンググループでも既に何人かの委員から出ておりまして、楽譜で特定できるものもあるのかもしれませんけれども、音階以外の部分で音というのはさまざまでございましょうから、基本的には、それだけでは難しいのではないかということではないかと思うんですが、この点について御意見ございますか。

江幡委員。

江幡委員

外国の、特に欧州などで、楽譜であるとか、言葉の説明が出ている理由としては、写実的表現でなければならないという要件があるということも関係しているのかなと思っております。

一方で、私も特定方法としては電子ファイルの音によることが適切ではないかと考えているのですが、審査の便宜であるとか、それを見た人の理解の便宜として、音や、場合によっては動画の電子ファイルが提出されるような場合に、特定とは関係ないけれども、参考となる、あるいは補足的な資料として楽譜が出されたり、これは猫の鳴き声であるというような言葉の説明が付されるという仕組みとしたほうが、いろいろと便利なのではないかというふうにも思っております。

土肥座長

それは、特許庁にとっても、審査をする場合においても便利だし、第三者にとっても……

江幡委員

ユーザーにとっても便利ではないかと。

土肥座長

青木委員、どうぞ。

青木委員

その場合、電子ファイルをメインにするということですから、権利範囲は電子ファイルだけで判断することになり、参考資料として楽譜が出された場合には、権利範囲の中には含めないということになると理解しております。もし含めるということになると、電子ファイルと楽譜との同一性も審査しなければいけなくなるので、審査負担はふえると考えています。

今の御意見だと、電子ファイルだけ公示して、楽譜は公示しないということになるのではないか。もし公示するのであれば、電子ファイルと楽譜との関係もチェックをしなければいけないということになるのではないかと思います。

土肥座長

商標の説明として、例えば願書に記載させるという仕方がありますけれども、願書に添付させるという仕方もありますよね、説明文として。そういう形であれば、それは公示できるんじゃないですか。

青木委員

先程の御説明ですと、願書等というふうにして商標の説明文を含めると書いてありますので、その場合は権利範囲の解釈に入ってくるというふうに理解しました。

江幡委員が言われたのは、参考ということではないかでしょうか。説明文に含めてしまうと、権利範囲の解釈に入ってくるということですから、そうすると、審査でも電子ファイルと楽譜の同一性をチェックしなければいけなくなるのではないでしょうか。

江幡委員

青木委員がおっしゃったとおりでございまして、特定方法のところですが、商標見本と商標の説明文の両方を要求している場合の商標の説明文とは、少し性質の違う説明を音や動画に関して出願人に出してもらうということが考えられないかという趣旨でございます。

ですので、特定のためには要求されないということで、万が一、矛盾がある場合は、当然ながら、ファイルで特定されたものが商標として優先するといいますか、それに基づいて解釈されるという取り扱いができないかという意見でございます。

土肥座長

ありがとうございました。

青木委員、よろしいですか。

青木委員

審査の対象としないのであれば、今の意匠でも特徴記載書について審査をしておりませんという注意書きをつけて公示しておりますので、そういう方法であれば公示はできると思います。

土肥座長

ありがとうございました。

特定方法のところが問題になっておりますけれども、登録要件の3条関係ですね、識別性の問題ですね。3条の識別性で足りるのかどうか、あるいは公益的な音の問題とか、機能的な商標の問題とか、そういった問題について御意見ございませんでしょうか。

青木委員、どうぞ。

青木委員

その前に、登録要件に関係あるかもしれませんが、13ページ、前回、質問するのを忘れてしまった点ですが、輪郭のない色彩商標の場合、アメリカの場合は、使用方法というのでしょうか、何に使うのかというのを特定させている。特にサービスの場合には、輸送サービスであれば、機体に使うのか、スチュワーデスのユニフォームに使うのか、特定させているわけです。それは義務になっているようで、欧州は義務にはなっていない。書きたい人は書くことができるようになっているようです。

日本の場合は、義務にはしない方向のようですが、書きたい人は書けるようにすることになりますでしょうか。その場合、商標法3条2項適用というのがほとんどだと思いますので、書いたものと出された証拠を見て、3条2項の適用範囲も使用されているものだけに限定して登録をするということにされるのかどうかという点を確認しておきたいと思います。

土肥座長

それは御質問になりますか。

青木委員

そうですね、質問です。

土肥座長

今の質問、まだ先の話ですので、こうなるということは100%、答えるのは難しいのかもしれませんけれども、仮に輪郭のない商標を入れるという場合には、実際には、青木委員のお話のとおり、3条2項の問題になってという、そこの部分の見通しを言い得る範囲で御説明いただけますか。

関根商標制度企画室長

御説明いたします。

アメリカ型のような使用対応を特定するという形はとらないということにはなると思います。欧州型のように、特段、特定の対応をさせない、これまで何度も議論になっているように、まず、識別力がないという形で拒絶の理由が掲示され、3条2項の適用で出された証拠、使用されている状況をもって保護されるという形になるのではないかと思います。

青木委員

そうすると、使用態様を特定するのは義務にはなっていないけれども、出願人側から、例えば、輸送の役務について、この色は機体にしか使っていないので、証拠も機体についての証拠を出した場合、3条2項を適用される範囲も、機体についての色ということで権利が特定されることになりますでしょうか。

土肥座長

商標権の効力の話になるわけですね。専用権、禁止権の問題になるわけですね。

青木委員

そうですね。専用権の範囲がどこなのかという。

土肥座長

だから、その場合でも、指定商品は当然ある。

青木委員

役務があって、使用態様を特定した形で登録になるのかどうかというところです。

土肥座長

今の話は輪郭のない色彩の話ですね。

関根商標制度企画室長

ちょっと補足させていただきます。

輪郭のない色彩ということで、使用する形状は問わないということが前提にしております。ですから、使用する証拠は、機体なら機体のどういう形に使うかの積み重ねが出されるということで、それをもって、その色彩を保護するかどうかを決めていくということになると思われます。

青木委員

わかりました。

土肥座長

ほかにございますでしょうか。

登録要件のところは非常に重要になるんだろうと思うんですけれども、清水委員、お願いします。

清水委員

これに関しては知財協内でもいろいろ議論させていただいたのですけれども、会員の企業の大半は、今回の新しいタイプの商標は、基本的に3条2項が適用されるケースが多いだろうということは予想しています。それでしたら元々有限ということもあり、法律上は、もしかしたら少々ややこしくなるのかもしれませんが、地域団体商標のように、最初から使用、識別性、強いて言えば、周知性までを要件とするような方法もとれないかどうか検討していただきたいという話が出ております。

音ですと、例えばクラシックですと著作権もないような状況です。ほとんど知られていないようなメロディの一部を取ってきて、恐らくだれも知らないであろうということで簡単に登録になってしまうというのも、既にパブリックドメインになっているものが一権利者に独占されてしまうというおそれもありますので、基本的には、使用による識別性、周知性を要件として入れていただきたいという要望が出ております。

土肥座長

要望としてですね。難しいところでございますけれども、パブリックドメインに落ちている音楽の著作物の一部を特定の一事業者が独占するといっても、あくまでも商標としてですね。商標として、今のところでいえば、出所表示的な対応において使用されていると、出所を表示するために、そういう表示として独占するということになるわけです。

江幡委員、お願いします。

江幡委員

登録要件に関して若干コメントをさせていただきたいと思います。

1つは先ほど御指摘のあったところでもあるとは思いますけれども、新しい商標の場合、これまでは商標法上の商標としては認識されていなかったということもあって、出所表示として、識別力があるようなものは、実際には使用されて識別力を得たものが大半なのではないかなというふうに思います。そういう意味では、あえて登録要件として明文化しなくても、実際は3条2項が適用されるということが多い取り扱いになるかなと思います。

ここで機能性の要件を設けるかというところもありますが、機能性の要件とするのか、あるいは、これはそもそも識別力がないというふうに整理をするのかというところはありますけれども、そういう種類の新しいタイプの商標というものは、あえて機能性の要件を設けなくとも、機能性の観点で問題があるようなものは識別力がないということで登録がされないということになるのではないかと思っております。

土肥座長

その場合に、例えば26条ではっきり書いておくという必要はありませんか。出願段階では識別力のところで見てくれるという期待を持っても、このワーキンググループでは、あらゆる関係者にとって新しいタイプの商標の権利が明確で安定的でという前提で動いておりますので、第三者との関係において、26条で機能的な商標というものが効力のところから外しておくという必要はありませんでしょうか。

江幡委員

そうすると、新しいタイプの商標に限らない話ではないかなというふうにも思いますので、そこは商標一般として機能的なものをどう考えるのかというところともかかわってくるのではないかと思います。

まだ深くは検討しておりませんけれども、個人的には、26条はこのままでも、実務においてそれほど影響はないのではないかと考えています。といいますのも、もちろん26条1項の何号という形で反論する場合もあるでしょうが、それとともに商標的な使用でないということでの主張が認められる場合もありますので、実務上、今のような機能的なものを26条に入れなくとも、それほど問題がないのかなというふうに感じております。

土肥座長

ありがとうございました。

青木委員、どうぞ。

青木委員

商標の定義のところで識別性を入れた場合、そこの識別性に3条2項をかぶせなければ、そこで絶対に登録すべきでないものを排除できるということになるのではないかと考えておりますので、識別性の要件を2条に入れるか、入れないかともあわせて考える問題かと考えております。

土肥座長

ちょっとわからなかったんですけれども、3条2項をかぶせるというのはどういうことになるんですか。

青木委員

イメージとしては欧州共同体商標規則の規定があって、登録できない商標ということで、識別性を含めた4条の商標の定義に該当しないもの、それとパラレルに識別性がないもの、あと品質と表示に該当するもの、立体商標の絶対的不登録事由というのがありまして、たしか商標の定義については使用によって識別力を取得した場合という規定がかかってなかったと思いますので、そういう規定ぶりになりますと、日本でいえば3条2項がかからないで拒絶になるというものが出てくるのではないかという理解です。

土肥座長

よくわかりました。ありがとうございました。

鈴木委員、どうぞ。

鈴木委員

細かいところで恐縮ですけれども、11ページでピアノの音の例を挙げられているんですが、これを挙げられた趣旨は、3条1項3号との関係ではどうなんですか。要するに、別途、絶対的な拒絶の要件として機能性というのを、識別力が仮に認められても、機能性の要件のようなものは設けるべきだという趣旨なんでしょうか。それとも、これは1項3号でも切れないという趣旨なんでしょうか。

土肥座長

お願いします。

鎌田審議室長

この例は、機能性という概念がアメリカなどでは広がりのある概念として使われていますので、どこまで広げていくことが現実的なのかという事例として、ここに挙げさせていただいているところでございます。ピアノ販売業などの場合ですと、商業的成功に結びつく音として、ピアノの音から構成される標章が出願された場合に、機能性に該当する可能性があそのではないかということはある程度言えるのかと思いますけれども、さらに、それが役務との関係で広がっていったときに、機能性の概念をどこまで広げていくことが可能か。機能性という概念が極めて抽象的なので、法律上、この境界領域があいまいなままに使って本当にいいのかという問題提起の意味で、ここに書かせていただいております。

土肥座長

立体についてあるように、音についてもあるのではないかということだと思うんです。

ほかにいかがでございましょうか。全体を通じて、終わりのほうのところでももちろん結構でございまして、類似の問題ですね、それから、まだ出ておりませんけれども、音の音声的使用という問題と、例えば継続的使用権の問題についての説明があったと思いますけれども、そういうところはいかがでございましょうか、大事なことではないかなと思いますが。

江幡委員、どうぞ。

江幡委員

15ページのところですが、先ほどから御説明いただいております位置商標については付し方というか、使用方法によって権利範囲が限定されるという新しい考え方を取り入れるということだと思いますけれども、考え方の整理として半分御質問のような形でお聞きしたいのです。

まず、商標として、位置商標の商標とはどこかといった場合、それはあくまでも付されている図形ないしマークそのものであって、それをもって商標の類否判断をし、次に指定商品、指定役務と商品、役務の類否判断をして、さらに、ある付し方同士の類否を判断するということになるのかなと思います。

現行の25条の商標権の効力の規定をそのまま使うとすると、付し方の類否を見るというところがすぐには導かれないだろうと思います。ここで考えておられる立法的対応というのは、例えば位置商標の場合は、商標権者が専有する範囲は、その付し方による使用に限定されるというような明示的な規定を置くようなことをイメージされておられるのかお聞きしたいと思います。

個人的には、そういうふうにはっきりさせないと、非常に新しい概念、考え方なので混乱を招くのではないかと思っております。どうして専用権の範囲がその付し方による使用に限定されるのかについて、理論的な説明が必要ではないかと思います。

この辺は何か理解が違うとか、どういうふうに考えておられるのかというところを御説明いただければと思います。

鎌田審議室長

ここの整理の仕方はいろいろな方法があろうかと思いますけれども、この資料では、商標と使用方法はそれぞれ別に類否判断をするということを前提にまとめさせていただいております。したがいまして、江幡委員の御指摘の考え方で整理をしております。

また、一定の法的手当てをする必要があるというのは、類否の判断のときに、商標と商品区分に加えて、使用方法についても類否判断を行うという明文の手当てが必要になるということでございます。

ただ、この点につきましては、使用方法についての類否を見るとしても、いろいろな考え方の整理があると思いますので、どういった対応が適切なのかということについては、まさにこの場で御議論いただければと思っております。

土肥座長

付すものに識別力がある場合は、どこにつけてもいいですね、商品に付す場合は。位置商標ということになると、商品の位置が問題になってくるわけです。だから、位置商標の場合、つけるものが識別力ある場合のことまで考える必要あるんですか。

江幡委員

ここも整理しなければならないところだと思うのですが、位置商標の場合は位置商標であるということを明示して出願するという整理ということのようですが、そうすると、付するものに識別力がある場合、本来、位置商標として出願しなくても登録できるのに、あえてそうした場合には、その使用方法に限定された形での権利が与えられるということなのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。

土肥座長

そういうことなんでしょうね。

江幡委員

先ほど青木委員から御指摘のあった輪郭のない色の商標と位置商標との関係が気になっております。つまり、輪郭のない色の商標に関しても、例えば飛行機の機体あるいはスチュワーデスのコスチュームに用いるというある特定の使用方法がされて、それによって識別力が生じたという場合に、特定の使用方法での識別力なのか、それを超えた航空機の役務の提供として、抽象的に識別力の範囲が大きくなっているのかという、位置商標の考え方と同様の問題があるのではないかなというふうに思います。

また、図形に関して通常の3条2項の適用を求める出願がされた場合に、ある方法で図形が使用されている限りにおいては、識別力が生じているけれども、それがいかなる方法で使用されたとしてもその図形は識別力があるとは言えない場合のような、普通の3条2項の場合とこの位置商標との関係をどう考えるのかというところは少し悩ましいなと感じています。

土肥座長

堤委員、どうぞ。

堤委員

類否判断を考えるときに、今回の新しいタイプの商標の類否判断というのは、これまでの称呼類似とか外観類似ではなくて、恐らく観念類似がメイン(主流)になるのではないかと思います。そういう場合、それぞれ人によって観念というものは大きく違ってくると思いますので、だからこそ、最初の出願時点で、その商標の説明や、使用方法、使用者あるいは出願人が取りたい権利範囲といったものをある程度明確に記載させるのがいいのではないかと、思います。そうすることによって、江幡委員がおっしゃったようなこともある程度回避できるのではないかと考えています。

土肥座長

出願人が、新しいタイプの商標について、観念というものをどうするんでしょう。つまり、観念類似が重要になってくるので……

堤委員

観念類似が大事になってくるので、ある程度、観念というものを明確化したい、明確化すべきではないかと。

土肥座長

出願時に。

堤委員

はい、出願時に。あるいは、3条2項的な使用によって、そのときにその使用方法がはっきりするのかもしれません。そのときに権利の範囲が明確になってくるんだろうと思います。例えば類否判断をするときに、考え方とか観念とかその辺のところがわかっていれば初めから類否判断しやすいのではないかと。特許庁でも審査に当たって対応しやすいでしょうし、出願人でも出願にあたって権利主張しやすいのではないかと、あるいは需要者も商標の類否判断がしやすいのではないかと思います。

土肥座長

3条2項の適用の関係でね。わかりました。

青木委員。

青木委員

位置商標ですけれども、先ほど江幡委員の発言された付すものに識別力があって、あえて位置商標の登録をとる場合は、権利範囲は限定されるのだと思います。だったら、位置商標を出さなくてもいいのではないかという考えもあるかとは思いますが、そこの位置に商標を付せば、位置は特定しているわけですから、その位置に付するのは商標的使用態様ではないと主張して被告のほうは逃げられなくなるというメリットはあるのではないかと考えます。例えば靴の裏に位置商標の権利を取得した場合、靴の裏というのは商標を付さないところであるということで、商標的使用態様ではないという抗弁ができなくなる。その辺が、付すもの自体に識別力があって、あえて位置商標で取るメリットではないかと考えております。

土肥座長

したがって、位置については専用権が生ずるということですよね。

さっきからこだわっているんですけれども、音声的使用については御意見ないですか。従来、文字商標として商標登録を取っている先行する商標権があって、その後に音声についての商標の権利が発生したり、出願があったりすることになるわけですけれども、そこは当然、抵触するわけですね。しないですか。

青木委員

使用の定義を変更した場合、文字商標を登録して、それが音声的に使われた場合には商標の使用になるということになるわけですね。

最近の音が同じでも外・観概念が違えば、非類似だという裁判・審決の流れと、音の商標を導入し、使用の定義を変えた場合とで、特に矛盾は出てこないという理解でよろしいでしょうか。

土肥座長

ほかに御意見ございますか、この点。

伝統的な類似の考え方からいくと、例えば文字が「HISAMITSU」で、音も「ヒサミツ」だったら、それはどう見ても……。

堤委員

これは特許庁の審査の話ですが、類否判断されるときには、文字商標であれば必ずまずは称呼の類似・非類似で判断されるわけです。そういう呼称上の類似・非類似で審査されておきながら、文字商標の音による使用は商標の使用とは認めないという考え方すら、私としてはこれまでにも全く理解できなかったというところがあります。今後、音商標が導入されるにあたり、これからの裁判例も変わってくるのだろうと思います。座長がおっしゃったように、「HISAMITSU」という文字商標があって、音商標で「ヒサミツ」というものがあると。これは類似扱いにしないと、それこそ市場の混乱を招くのではないかと思います。

土肥座長

この報告書というか案は、そういう考え方になっていると思うんです。

江幡委員、どうぞ。

江幡委員

今の点についてなんですけれども、文言上、文字商標について音声的に使用することは侵害に当たるというふうには商標法の条文を見る限りは読めないのですが、解釈としては、そういう場合も侵害になるという学説も相当程度有力でございます。そういったことからすると、例えば久光製薬とは何ら関係のない薬局が「ヒサミツ、ヒサミツ」といつもテープを流していたようなケースを想定した場合、そのケースで継続的使用権が認められるということではよろしくないのかなと思います。単純に過去から使っていれば継続的使用権が認められるという整理ではなく、もう少し実態を考えた手当てをすべきではないかと思います。

土肥座長

この点、何かありますか。さっきから出ている話の中で、音声的使用について、この段階でお話しになるような何か、林さん、ありますか。

林審査基準室長

私の解釈が間違っていたら逆に指摘をして頂ければと思います。文字商標で登録をしたときに、音声的な使用も商標法上の使用になるか、すなわち、専用権の範囲としての使用かというと、必ずしもそういうふうには言い切れないのではないか、という点です。

類似関係にあるというのは想定されますから、文字商標と音商標が類似の関係にあって、音タイプの商標の使用ということは当然、商標の使用にはなりますけれども、文字商標の使用の態様として音声的に使うというのは、改正後に、商標法上の使用の態様として認められることになるのかというと、必ずしもそうとは言い切れないのではないのか。

そういう意味では、侵害の問題は37条で類似の範囲との関係でみなし侵害が成立する可能性はありますけれども、専用権の範囲としての使用というのは別の問題ではないかなというふうに私は思っているんですがいかがでしょうか。

土肥座長

ありがとうございました。

そこのところは非常におもしろいテーマで、もっともっとやりたいところなんですけれども、時間があと5分になっているんですね。このままずっとやれればいいんですが、できませんので、そろそろ閉じることを考えながらやっていきたいと思います。

青木委員、どうぞ。

青木委員

最後に1点だけですね、経過措置のところです。

我々、サービスマーク、立体商標、小売等役務商標と経過措置を経験してきましたけれども、今回の新しい商標は、まず概念を理解するのが非常に大変で、それを商標法3条2項の適用も踏まえてどう特定していったらいいのか、そのドラフティングも従来の商標に比べると非常に難しいので、例えば特例期間として3カ月ぐらい認めていただいて、その間に出したものは、同日扱いにする規定を入れていただけると非常にありがたいと考えております。

土肥座長

3条2項との関係もあって。

青木委員

立体商標が新しい商標として既に入っておりますが、こちらもドラフティングが非常に重要で、海外に出すときも、何回も現地とやり取りしながら特定していくということをやっていますので。

土肥座長

最近の御事情はよくわかりました。

ほかに御意見ございますか。もちろん全体を通じてでも結構でございますけれども、よろしゅうございますか。

今日の議論の詰めの段階がまだあるようでございますので、今日のところはこれでということにさせていただきましょうか。よろしゅうございますか。

〔「異議なし」の声あり〕

土肥座長

ありがとうございました。

時間が来てしまいましたので、今日御意見をちょうだいしたものは事務局でまとめさせていただいて、次の議論に反映すると、こういうふうにさせていただきたいと思います。

3.今後のスケジュールについて

土肥座長

最後に、今後のスケジュールについて御説明をお願いいたします。

鎌田審議室長

今後のスケジュールについて御説明させていただきます。

本日は3回目ですけれども、次回の第4回については11月28日金曜日、午前10時からの開催を予定しております。それ以降の日程につきましては、委員の皆様の御予定を伺った上で御連絡させていただきます。

次回、第4回の議題は、これまでの御議論を踏まえて論点整理について御審議いただくことを予定しております。今日の法制上の論点に加えまして、第2回の運用上の論点なども、今日再度問題提起などいただいておりますので、この点をあわせまして全体の論点整理について御審議いただくことを予定しております。

その後、第5回以降は報告書の取りまとめに向けて御審議いただく予定でございます。

以上でございます。

土肥座長

ありがとうございました。

以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会第3回新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループを閉会させていただきます。

本日は熱心な御議論、御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。

4.閉会

[更新日 2008年12月2日]

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