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第12回商標制度小委員会 議事録

  1. 日時:平成17年2月18日(金曜日)10時30分~12時00分
  2. 場所:特許庁 特別会議室
  3. 出席委員:土肥委員長、小塚委員、琴寄委員、鈴木委員、高部委員、竹田委員、田村委員、西野入委員、松尾委員、本宮委員、山中委員
  4. 議題:
    • 地域ブランドの商標法における保護の在り方について
    • 模倣品の輸入及びインターネット取引に関する事例集について

開会

土肥委員長

それでは、委員の方全員おそろいになりましたので、定刻より1分前でございますけれども、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第12回商標制度小委員会を開催いたします。
前回は、パブリックコメントの結果を踏まえ「地域ブランドの保護について」議論を行っていただき、また、「模倣品問題に関する事例集」についても御審議いただき、皆様より御意見をいただきました。本日は、これら「地域ブランドの商標法における保護の在り方について」報告書及び「模倣品の輸入及びインターネット取引に関する事例集」についてとりまとめるべく、皆様に再度御審議を行っていただきたいと存じます。
それでは、まず事務局より配付資料の説明をお願いいたします。

花木審議室長

それでは、配付資料を確認させていただきます。
お手元の第12回商標制度小委員会資料ということで、まず、議事次第・配付資料一覧が1枚、その後ろに委員名簿が1枚、資料といたしまして、資料1「地域ブランドの保護について」、「模倣品に係る事例集について」と題した資料が1枚、その後に本資料でございますが、資料2といたしまして「地域ブランドの商標法における保護の在り方について」という報告書の案文をお配りしております。資料3といたしましては、第2の議案でございます「模倣品の輸入及びインターネット取引に関する事例集」、こちらも事例集のとりまとめ案をお配りしてございます。
参考資料といたしまして、1は「パブリックコメントに提出された主な意見に対する考え方」ということで、前回の審議会でもお配りいたしましたけれども、12月から1月上旬にかけて行ったパブリックコメントに対する考え方を整理したものを、若干加筆修正した上でお配りしてございます。また、参考資料2として「パブリックコメントに提出された主な意見」ということで、改めてお配りさせていただいております。
資料は以上でございますが、不足等ございましたらおっしゃっていただけますでしょうか。

土肥委員長

よろしゅうございますね。

地域ブランドの商標法における保護の在り方について

土肥委員長

それでは、早速でございますけれども、議題に入らせていただきます。
初めに事務局より、「地域ブランドの保護について」の説明を行っていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

花木審議室長

それでは、まず資料1でございます。地域ブランドの保護についてということで、前回の議論のまとめをごく簡単に書かせていただいております。
前回は、「地域ブランドの保護について」という12月10日に出しましたパブリックコメントに対する意見募集の結果を踏まえ、どのような意見があったか、また、それに対する考え方ということで議論をいただいたものでございます。
このうち、地域ブランドの保護についてですが、まず登録要件に関しましては、「周知性」のあるものを登録するとした場合、3条2項との関係について若干御意見がございました。
それから、法人格との関係で、権利能力なき社団について、入れないということについてはやむを得ないのではないかというような御意見があったかと思います。
それから、地域団体商標に係る商標権の効力については、特に「産地表示」について、現在と同様商標権の効力が及ばないこととすべきであるという御意見があったかと思います。
今回の検討事項でございますが、「地域ブランドの商標法における保護の在り方について」という資料2にとりまとめさせていただきましたので、こちらについて御審議をいただければと思っております。
それでは、資料2の方を説明させていただきます。地域ブランドの商標法における保護の在り方についてという資料でございます。
まず、第1ページでございますが、地域ブランドと地域ブランド化ということでございまして、地域ブランドとはどういうものか、最近どういう動きがあるのかということでございます。こちらは12月の報告書に書いてあったものに若干文言を修正いたしましたが、趣旨としては同じことを書いているわけでございまして、地域ブランド化の取り組みが非常に盛んになってきている。こういう取り組みというのは、地域ごとの創意工夫をもとに品質を高めて、付加価値を高めていこうということであって、地域の経済産業、地域産業の競争力強化につながるだけでなく、地域全体にとっても非常に波及効果がある、地域経済の持続的な活性化につながる、というようなことを書かせていただいております。
次に2ページでございますが、それではということで、商標法との関係がここから出てくるわけでございます。検討の背景として商標法とのつながりで申し上げますと、地域ブランドの中で用いる商標でございますが、こちらの方が通常地域名と商品名となるものが多いということでございます。
しかしながら、現在の商標法上は、こうした地名入り商標の登録がなかなか難しいということで、原則ということで改めて書いてございますけれども、現行商標法の第3条第1項第3号の規定により、特に文字の形でその商標登録を受けるということが基本的にできない。
最後のパラグラフでございますが、その理由といたしまして、こういう地域名と商品名のみからなる商標というのが一般的には出所表示としての機能を果たしにくいということ、また、特定の方の単に先願であるということによってのみ独占させるということになじみにくいということを理由として挙げさせていただいております。
続きまして、3ページでございますが、商標登録が認められる場合ということで、実際にはこういうような形で商標登録がなされていますということを書かせていただいております。
(ア)といたしましては、いわゆる第3条第2項により登録される場合ということでございます。こちらは、事業者が実際に使用した結果、全国の当該商品の需要者との関係において出所表示機能を獲得した場合ということでございまして、先ほどの登録しない理由の反対になるわけですけれども、現に出所表示機能を果たしている。信用が蓄積されている。そうしたものを保護する必要がある。また、現にそういう形で信用を獲得し、出所表示機能を獲得した者がいる場合には、その独占を認めることについて相当な合理性が認められるだろう。その背景には、多大な営業努力なり投資なりといったそういうものがあるということで、そういうものは保護できるということになっているわけでございます。
それから、(イ)といたしまして、文字商標だけでなく、識別力のある図形等と組み合わせる形、こちらが現実には多いわけでございます。こちらを登録する理由といたしましては、当該図形について、図形自体に出所表示機能があるということかと思います。
しかしながらというところで、(ア)の場合でございますが、需要者に認識できるということで、実務上全国的な範囲の需要者との関係で出所表示機能を獲得することが必要であるということで、先ほど申し上げましたように、多額の投資、長期の営業努力ということが必要になるわけでございます。
したがいまして、例えば夕張メロンの場合、実際に登録されるまでに20年以上かかっているわけでございまして、2度拒絶されている、そういうような実態もございます。そういう中で、その間全くにせものが生じなかったか、付加価値に対するフリーライドがなかったかということ、そんなことはないわけでございまして、その間の第三者の便乗使用に対して、なかなか現行商標法上有効な対策がとりにくいという指摘があるところでございます。
それから、(イ)でございますが、図形入り商標の場合でございますけれども、こちらにつきましては、こちらに書きましたとおり、ほかの方が図形の部分を意図的に別の図形に変えて地域ブランドを使用する、あるいは単に文字のみで便乗使用するといった場合に商標権の効力を及ぼし得ないということで、いずれにしても、現行商標法では、地域ブランドの便乗使用に対して十分な保護を与えることがなかなか困難ではないかということでございます。
例えばということで、伝統的工芸品につきましては、12月の審議会におきましてプレゼンテーションしていただいたわけですが、多くの場合地域名を含む名称が用いられているんですけれども、ほかの地域の事業者の方がその名称を用いて類似品を販売する、あるいは地域内の事業者であっても、組合に参加していない方が、通常用いられる原材料や製法を使用することなく安価な類似品を生産して販売するというような事例があるということだったかと思います。
また、農水産品につきましても、地域名を含む名称というのは後で御紹介いたしますように非常に多いわけでございますが、こういうものにつきまして、育成、栽培、飼育等の技術を十分に備えていない方がそういう名称を用いて商品を販売するという事例があるということでございます。
こういった状況がある中で、政府におきましては、地域ブランドの適切な保護育成が重要であるという観点から、「知的財産推進計画2004」、あるいは「新産業創造戦略」におきまして、制度的な整備も検討の必要性がうたわれているということでございます。
一番下の※印のところですが、本件に関しましては、平成7年に一度、まさに地域おこしを支援するという観点から、団体商標という枠組みを用いて、こうした地域ブランド的なものを保護しようというとりまとめがなされたという経緯があるということを書かせていただいております。
次に5ページ以降でございますが、地域ブランドの事例と登録ニーズ、今若干触れましたけれども、多少詳しく書かせていただいております。
いろいろな事例といたしまして、1つは伝統的工芸品がある。経済産業大臣が指定する伝統的工芸品、現在206品目あるわけでございますが、このうち201品目が大体地域名と商品名という組み合わせになっている。こちらについては商標登録しているものも多いんですが、文字で登録できているものは、実は西陣織だけでございます。ほかのものにつきましては図形と組み合わせる形で登録されているということで、文字のみで商標登録を希望している、先ほど申し上げましたような模倣品対策として非常に期待している、登録したい、しかし拒絶されている、あるいは弁理士から無理と言われて断念したといったようなところが、こういうようなところがあるということでございます。
それから、第2の大きなセクターといたしまして農水産品がございます。こちらは昔からあるものだけではなく、夕張メロン、あるいは最近に至って関アジ・関サバとか、さらにもっと新しい、いろいろあるわけでございます。そのほとんどが地名と商品名という組み合わせになっている。
6ページ、右側の方でございますが、文字のみで商標登録が現在できているものは、夕張メロン、前沢牛、佐賀牛の3つでございまして、そのほかは、関アジ・関サバ等を含めて図形入りで登録されているということでございます。
ここは比較的新しいもので、最近の事例で文字で商標登録を希望しているようなものとして、例えば北海道の十勝川西長いもですとか、山口県の高森牛、鹿児島の加世田かぼちゃといったようなもの、具体的な例えば都道府県からのアンケートで挙がっているようなものとして挙げさせていただいております。
それから、そのほかに工業製品とか加工品でございます。加工品になってまいりますと、生産活動と地域との関連性は、一般の工業製品については必ずしも高くなくなってくることが多いんですが、それでも地域名を入れることによって、他製品との違いを強調したい、品質のいいものであるということをあらわしたいというようなことですね。あるいは最近の脱下請、ニッチ分野への売り込みといったようなニーズから、産地等の地域名を用いているものがあるということでございます。幾つか食品、加工品、あるいは一般の工業品等の事例を挙げさせていただいております。
そのほか、(4)の役務でございますが、こちらは飲食とか、温泉とか、宿泊とか、そういったようなものにつきまして登録しているものがあるということでございます。
それから、7ページでございますが、今申し上げたような非常に具体的な事例をある程度抽象化して整理したものでございます。
まず、商標登録のニーズでございますが、現行商標法上は文字商標としての登録はできないわけでございますが、いろいろ調査しておりますと、やはり模倣品といいますか、地域の内外から周知となった地域ブランドの持つ信用、あるいは付加価値といったようなものにただ乗りして、粗悪な商品ですとか他産地の商品についてブランドを用いることが非常に多いということを聞くわけでございます。
しかしながら、先ほど申し上げましたような理由で、現行商標法では、的確な保護が困難でございますので、商標権に基づいて迅速に警告を行い、実際に市場に出回る前に類似品の生産販売活動を抑止、あるいは排除する、あるいは海外から持ち込まれた場合には水際で差し止めたいというような要請が非常に強いわけでございます。こちらにつきましては、実際に市場に流れてお客様のところに行ってしまいますと、一たん信用が失われてしまうとなかなか回復が困難であるというような事情もあって、特に商標に対して期待が強いということでございます。
そのほかにも、若干副次的な効果になるかと思うんですけれども、よく産地等の声として挙がるものといたしまして、商標を登録することによって、より多くの事業者が地域内で参加できるようになるんじゃないかとか、それから、商標のライセンスに当たって実務上一定の基準を定めたものについてのみライセンスするとか、品質を向上させようとか、そういった事業者の方の意識が高まるといったような効果に期待している。
あるいは8ページ、右側でございますが、権利がないと地域外の方とか、あるいは基準を満たさないものについてどんどんその名称が使用されてしまう。それを効果的に抑止されない、できない場合には名称自体が普通名称化してしまって、単なる品種をあらわすものとなってしまうということで、財産的な価値が失われることを防止したいということかと思います。
こういうことで商標をとりたいという主体としてどういう方がいらっしゃるかということを(2)に書かせていただいております。本審議会においても第1回から議論がございますように、ブランドというのは企業活動にとって非常に重要なものであるということで、ブランド価値が向上するかどうかというのは事業者にとって非常に死活問題である。したがって、自ら管理したいというのが当然のことながら一番多いわけですございます。自らと言いながら、実際に地域ブランドの取り組みの担い手となっている者は組合が非常に多いわけでございまして、農業協同組合、あるいは工業協同組合等の団体が多いということでございます。
そのほかに、こういう地域ブランドといいますと、地域内の何らかの公的機関が参加し応援しているといった場合もあるわけでございまして、中には商標を登録している方もいらっしゃるわけでございますが、詳しく見てまいりますと、こういった公的機関というのは、通常管内の事業者の製品について一定の基準を満たしていることを認証するというようなそういう横断的な認証的な枠組み、それに満たしているものについて商標ということで、ライセンスという法形式をかりてそのマークを張ることを認めているということが実態として多いわけでございまして、そういう意味で、自らが商品の生産、提供の主体となっているものでは必ずしもないということかと思います。
それから、少し海外に目を転じまして、10月の第9回の審議会でも御報告したとおりでございますが、諸外国におきましても、商標法で地域名の使用を特定の者に認める制度というのが存在する。EUにつきましては、御承知のとおりGI規則があるわけでございますが、それに加えましてEU団体商標という制度があり、原産地表示のみからなる商標であっても、業界団体に帰属する構成員の商品と非構成員の商品等を区別する、そういう識別のための商標ということで、生産者団体に限り出願・登録することができるという仕組みかと思います。
また、同様の制度がイギリス、ドイツ、スペイン、アメリカ、中国、また本年に入りまして韓国におきましても、それぞれ国ごとに若干ばらつきはあるかと思いますが、大きな枠組みとしては団体商標である場合に、何らかの登録について容易にするという仕組みが設けられているところかと思います。
9ページ、10ページは各国の例を幾つか書かせていただいておりますが、重複になりますのでここは飛ばさせていただきます。
それから、11ページでございます。以上のような前提を受けまして、ここからが中身になってくるかと思うんですが、それでは商標法でどのような制度を設けるべきかということを考えるに当たって、今まで御審議いただいた御意見等を踏まえて、基本的な考え方を6点にわたって整理させていただいております。
まず、第1点は、早急に制度の具体化を図る必要があるということでございます。こちらはさまざまな実態、地域からのニーズを踏まえますと、全国の需要者との間では十分に出所識別機能を有しているとは言えない段階であっても、ある程度出所の識別がなされるようになったものにつきましては、他者の権利を不当に制限しないことに留意しつつ、商標登録できることとするための商標制度の導入が期待される。その際、必要ならば商標法の改正を視野に入れて、早期に具体化を図る必要があるという御意見があったかと思います。
それから、2番目でございますが、その際どのような商標を対象とするかということですが、できるだけ指定商品又は指定役務の範囲を厳格に規定する必要があるだろうということで、単に「地域名」だけ、例えば東大阪とか、愛知とか、北海道とかそういうブランドではなくて、「商品名」と組み合わさった地域ブランドということが言えるのではないか。また、実際多くの事例がそういうものである。
それからもう一つは、そういうものが単にこれから使えますというものではなくて、やはり現に使用されていて、全国周知まで至っていないもののそれなりに営業努力、投資等がなされて、需要者との間に実績として一定の出所表示機能を現に果たしている、いわゆる周知なものに限って登録するという考え方が第2点でございます。
それから、第3点に、登録の主体につきましては、生産者等を構成員とし自ら商品の生産・提供を行っている団体という仕組みとすべきである。これは通常の商標の登録基準によっては排他的独占権を与えるに達しないようなものについて登録しようということでございますから、あらゆるどのような方でもいいということではなくて、団体に限るという団体商標という枠組みに限って認めることとするということかと思います。これは平成8年に団体商標制度ができたときにもそういう趣旨があったわけでございますので、実際に団体商標制度を活性化するという観点からも、まさにその目的のために設けられた枠組みを使うことが適当ではないか。また、諸外国の同種の立法例におきましても、団体商標につきまして登録要件を緩和していることが多いということで、国際的な整合性という観点からも、それが適当ではないか。
ただし、団体という法形式はとるものの、一事業者と同様に排他的な組織であっては困るだろうということで、加入自由性のある団体ということが第3点でございます。
それから、第4でございますが、既に使用実績のある第三者、いわゆる先使用者の方との配慮、関係の配慮というのが非常に重要だろうということでございます。このため、こうした既に商標登録出願の時点で既にその地名入り商標を使用している第三者がいる場合には、こうした第三者に先使用権を認め、基本的に自己のための使用である限りそれまでの商標を使っての活動というのを引き続き可能とすることが妥当だろうということでございます。
それから、12ページですが、5番目といたしまして、産地表示あるいは原材料表示との関係、こちらにつきましては地域団体商標が登録された後もこの商標権侵害とはならないということで、これは通常の商標と同様、そういう整理であろうということかと思います。
6点目に品質との関係でございますが、商標法はあくまでも識別法ということかと思います。したがいまして、地域ブランドについて商標の登録を認めるというのは、特許庁が何らかのその商品、役務の優位性、品質を保証するような性格のものではないということが第6点でございます。
以上の6点が大きな枠組みといたしまして、制度改正の具体的方向ということで、以下の方向に沿って制度改正の検討を行うことが適切であるということかと思います。
まず、第1に商標の登録要件でございますが、商標の構成といたしまして、具体的には地域名と商品名からなる文字商標ということでございます。地域名につきましては、狭くとらえる必要はないということで、需要者に地域名と認識されているものであればよい、広く対象とするという考え方でございます。それから、商品名につきましても、メロンとか、みかんとかそういった名称に加えまして、「○○織」、「○○焼」、「○○塗」といったものが広く使用されておりますので、こういうものも保護の対象に含めるべきであろうということかと思います。
2番目に周知性でございます。周知性につきましては、先ほど申し上げましたように周知になったものに限り登録するということで、具体的には13ページでございますが、使用された結果、団体又はその構成員の商品を表示するものとして一定範囲の需要者に認識されるに至ったもの、というものを周知性を有するものとして登録するということかと思います。
3番目に(ウ)のところでございますが、地域名と商品名からなる商標といったときに、その地域名が商品と一定の関係性がある必要があるのではないかということでございます。したがいまして、特定の地域において生産されている、販売されている、あるいは提供されている、そういった地名であるということが必要ではないかということでございます。
それから、2といたしまして登録の主体の要件ですが、事業者を構成員とする団体ということでございます。こちらにつきましては、先ほど申し上げましたように団体商標制度という枠組み、現在7条でございますので、こういったものを中心に検討するということかと思います。
それから、加入自由性につきましても、先ほどの繰り返しでございますが、団体商標として認める場合にも、加入を不当に制限してはならないという旨が担保された団体に限るという考え方でございます。
以上が登録要件でございまして、次に14ページの右側で商標の効力でございます。効力につきましては、先ほどの基本的考え方のところにもありましたが、先使用権につきまして、現行法の32条に基づきまして先使用権というのはあるわけでございますが、出願の段階において周知な商標ということでなっているんですが、今回の制度というのが、一定程度の周知を前提に登録を認めるものでございますので、既に同一商標を使用している事業者の商標につきましては、いまだに周知性を獲得していない場合であっても先使用権があるという形にする。
また、そういうことによって部分的に出所の混同が生じる場合には、地域団体商標登録権者が混同防止のための表示を請求する権利を持つというような形がよいだろうということでございます。
それから、移転等に係る制限でございます。地域団体商標につきましても、物権でございますので移転というのはできるわけでございますが、ただ、登録の段階で一定の要件を審査した上で登録しているものでございますから、一定の合理的な制限は必要であろうということで、移転先の団体につきましても要件を満たした団体に限るということで、そういう要件を設ける必要があるだろうということを(ア)として書かせていただいております。
また、(イ)といたしまして、移転について制約を設けることとの関係上、専用使用権についても同様の趣旨の制約を設ける必要があるであろうということを書かせていただいております。
それから、15ページ、(3)ですが、異議申し立て、無効審判及び取消審判でございます。こちらにつきましても、いずれも通常の商標と同様に、登録要件に係る審査で本来拒絶されるべきものが誤って登録されたというような場合には、異議申し立てあるいは無効審判を請求することができるといった、そういった請求事由の追加ということが必要であろうというふうに思っています。
また、無効審判につきましては、登録後に明らかに周知性を失うに至った場合には、第三者が無効審判を請求できるというような形で措置をすべきであるということを書かせていただいております。
また、取消審判につきましては、こちらも通常の商標と同様に不正な使用があった場合には、取消審判を請求できる旨を規定することが適当であるということで、以上がこの地域団体商標制度を制度改正により設ける場合の具体的な改正点といたしまして挙げさせていただいております。
この報告書の内容は以上でございまして、16ページ、17ページに、それぞれこれまでの検討経緯と委員名簿をつけさせていただいておりまして、こちらについて報告書(案)として作成させていただきましたので、御審議、おとりまとめをよろしくお願いいたします。

自由討議

土肥委員長

ありがとうございました。
今事務局より説明がございましたように、私どもは第9回の小委員会から本委員会まで都合4回、主としてこの問題を集中的に取り扱ったわけでございます。それで、今説明のございました報告書(案)につきまして御検討をちょうだいしたいと思いますけれども、大きく言えば前半の部分と後半の部分に分けられようかと思います。前半の部分は地域ブランドの問題、その問題意識、問題点の所在、そういった事例、そういうことからなっておりますけれども、この点はこれまでもかなり出ておるところでございますが、一応確認させていただきますけれども、前半のところ、つまり10ページまで、ここまでについて何か御意見ございますでしょうか。
ここまではよろしゅうございますか、前半の部分は。
では、前半の部分は御異議ないようでございますので、前半の部分はこういう形で私どもの委員会の報告書(案)といいますか、考え方とさせていただきたいと思います。
それでは、11ページ以降の問題、地域ブランドの保護制度についてのところ以降、終わりのところまででございますけれども、どうぞ、西野入委員お願いいたします。

西野入委員

毎回いろいろといたしまして申しわけございませんが、地域ブランドの保護に関して私どもも反対しているわけではございませんので、あらかじめ申し上げたいと思います。ただ、前2回にわたって私の代理も申し上げたとおり、食品業界にとってこの地域名というのは非常に重要な問題ですので、改めて確認させていただきたいと思います。
確認させていただきたいのは、2月8日にたしか食品業界あてに説明会があったと思いますが、そのときに書いてありました資料の部分を、私は出席できなかったんですが、資料を読みまして、私どもとしてもまあ妥当なところだなということでかなり安心していたところだったんですが、今日いただいた資料のまとめ方ですと、幾つかこの資料になった中ですと、2月8日での説明会の中の説明の部分から、幾つか若干抜けてしまっているようなところがありまして、例えば周知性に係る判断基準を明確化しますという説明もあったと聞いていますし、あとその団体が使用している商標と同一の商標をほかの主体、団体や企業等が使用しており、ともに周知性を持つ場合には登録しないというところも今回抜けているように思われます。
また、先使用権に関しても自由な活動ができるという言い方がされていましたが、具体的に販路の拡張ができるといった言い回しも抜けてしまっているように思います。また、非常に前回のところでも私の代理が言っていましたが、26条に関しての手当てですね、そのあたりがこの報告書の中では抜けてしまっているのではないかというふうに思っておりますが、その辺はどのようにお考えなのでしょうか。

土肥委員長

本報告書における今おっしゃった4点についての事務局の考え方、そういうことですね。

西野入委員

はい。

土肥委員長

では、お願いします。

花木審議室長

実は我々の方も食品業界さんは非常に関係があるということで、随時説明会を開催しておりまして、そこでは今御指摘のような点について説明させていただいているわけでございます。ただ、今回、もちろんその内容はそういうことかと思うんですけれども、今回の報告書の制度改正の具体的方向として書かせていただいたのは、実際に法律改正によって措置する項目を挙げて書かせていただきました。
それで、まず第1の周知性の判断基準の明確化につきましては、今回地域団体商標ができた場合に、この周知性とはどういうものかについて、当然のことながら審査基準を準備して、考え方としては従来の御審議の中で出ておりますような現行法の4条1項第10号、これは拒絶理由のところではありますけれども、そこに言う周知性とほぼ同等の概念ということで考えているんですが、そのあたりを明確化していきたいと思っています。
また、ほかの企業がともに周知な場合、こちらはほかに周知な方がいる場合ということで、まさに4条1項10号で当然に拒絶になる。今回は、ほかにその点については特に法律改正する予定はございませんので、まさに4条1項10号で読めるだろうということですのでここには書いていないわけですが、ほかの企業が周知であれば、地域団体商標であっても4条1項10号で拒絶、そういうものは登録しないし、誤って登録されれば事後的に異議申し立て、あるいは無効審判という形の手続があるということかと思います。
それから、先使用権につきましては、32条に加えまして、今申し上げました周知でなくてもという形かと思います。先使用権につきましては、現行の32条におきましても同じ商標を同じ商品にということかと思いますが、販路の拡張については、現在の32条も特に規定はしていないかと思います。したがいまして、そこについては特段今回先使用権について、その点について32条、この地域団体商標に限って特別な規定を設けるわけではございませんが、制度の趣旨から考えて、販路の拡張が否定されるものではないのだろうというふうに思っているところでございます。
また、26条につきましては、改正事項には書いておりませんけれども、12ページの1.の(5)でございますが、商標法において、「地域名」と「商品名」の組み合わせが商品の産地名表示や原材料表示として用いられる場合には商標権侵害とならないのは、通常の商標の場合と同様であるということで、26条によって担保するということかと思いますので、そういう趣旨だというふうに考えております。よろしいですか。

西野入委員

そうしますと何度か私どもと協議をしたと思いましたが、そのあたりの考え方と今回のこの報告書(案)の考え方では、相違がないという考え方でよろしいのでしょうか。

花木審議室長

はい、相違がないというふうに考えています。

西野入委員

これからはお願いのことになるのですが、そうしますと特に26条のところですが、現状でも26条のところの解釈というのは非常に不明確があると思っております。この点は前回、私の代理からも発言があったと思いますが、私どもの考えている地域名という使い方と皆様の考えています地域名、品質表示という考え方が、どうも相違しているというふうに思っておりますので、その辺の基準の明確化というのをされる御予定はございますでしょうか。

花木審議室長

26条につきましては、これは効力制限要件ということで裁判所が判断されるような性格のものだろうと思っております。26条につきましては、いわゆる産地表示、原材料表示と判断されるかどうかにつきましては、実際の使用者の使用態様においてそれが記述的表示として単に情報伝達のために用いられているのか、あるいは出所識別表示として機能しているのかという、個別具体的な表示の態様、あるいは当業界における商慣行、あるいは諸需要者の認識といったものを勘案して商標権侵害の正否を考えるという、そういう考え方だと思いますので、一概にこういう表示であれば26条に当たるとか、当たらないとか、なかなかそういうものは出しにくいと思っております。ただ、その考え方としては今申し上げたような形で考えておりますので、例えば何とか産という形でないといけないという、そういうことは考えておりません。

土肥委員長

本委員会は、今事務局から示されたこの報告書(案)の内容、記載内容に基づいて議論いただくということでありますので、書かれたものについての表現ぶりとか、あるいは本来こういうようなことを入れるべきであったという御意見であれば、もちろんこれはここで検討させていただきますけれども、26条の具体的な解釈等については、少しここではできにくいというところがあろうと思います。

西野入委員

それは十分承知しているのですが。わかりました、ありがとうございます。

土肥委員長

高部委員お願いいたします。

高部委員

先ほどの26条の関係で今回の報告書(案)では、通常の商標の場合と同様であるという記載になっております。今回、地域団体商標として新しく認める商標が、「地域名+商品名」というものでございまして、そういった商標は、26条の例えば1項2号で該当するような表現のものとそのまま重なってしまうというところがございます。そうすると、通常の商標と全く同じと言ってよいかどうかという点については、立法するときの意思がどういったものであったのかが分かるように、この審議会の中でも議論をしておいた方がよいのではないかと思います。そういう意味で、どういう場合が「普通に用いられる方法で表示している」といえるのかということについて明らかにしておいた方がいいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

土肥委員長

わかりました。この点、他の委員の御意見もちょうだいしたいと思うんですけれども、いかがでございましょうか。そういう点もこの報告書(案)の中で明らかにしておく方が望ましいという、今の高部委員の御意見ですけれども。
本宮委員お願いいたします。

本宮委員

法律マターは別としまして、いずれにしても今までの議論の中で、この問題は何らかの火種というんでしょうか、争いがその後出てくるような気もしますので、制度設計の問題はもとより、その後の運用面もかなり重要な要素を占めてくると思います。そういう意味では、どこまで具体化できるかは別として、争いが生じないような運用がなされるべきであるというようなフレーズ、一言というんでしょうか、そういうのは入れた方がいいのではないか、つまり、どこまで具体的に入れられるかはわかりませんけれども、運用面が大事なんだという点も入れられるといいと思います。

土肥委員長

ありがとうございました。
鈴木委員お願いいたします。

鈴木委員

私ども企業の実務といたしましては、もともと26条に依存して実務を行うということは、危険だと考えておりますので、高部委員のおっしゃるように、できるだけ明確化をしていただければ非常にありがたいと考えております。

土肥委員長

ありがとうございます。
ほかにはございませんでしようか。
本委員会としては、今3委員の御発言がございましたけれども、26条のその点についての運用上の問題がないようなそういう表現を一つ考えると、こういうことかと思いますので、また事務局の方でといいますか、検討させていただくというか、私。

花木審議室長

ちょっとよろしいでしょうか。高部委員のおっしゃるように、今回地域団体商標というのは、もともと26条1項2号に当たるようなものが多いということかと思います。そうだとすると、例えばこういうようなものであれば産地表示であると認められるのではないかとか、あるいはこういうものであれば出所表示的な機能を果たしているのではないかとか、最終的にはなかなか一概に判断しにくいとは思うんですけれども、その取っかかりとなるようないろいろな要素があると思います。判例も御指摘のように数が必ずしも多くないとは思うんですけれども、そういう中で表示の態様、大きさ、あるいは業界の慣行とか、いろいろな切り口というか観点が考えられるかと思いますので、その辺につきまして我々これから、これは審査の段階ではないんですけれども、何らかの考え方を少し具体化するように、立法者意思ということでその点明確にする必要があるということかと思いますので、それを今後できましたらこの報告書につきましては、通常の商標と同じという考え方ではあるんですが、その具体的なものはどういうものかということにつきまして、解釈を何らかの形で特許庁の責任において、関係委員等とも適宜御相談させていただきながら出させていただくというような形でお願いできればと思うんですが、いかがでございましょうか。

土肥委員長

今説明がございましたけれども、高部委員の御提案になった部分については、ガイドラインなり基準なりそういったもので検討して、運用上問題のないような形にするんだけれども、本報告書(案)としては、もし委員の御了解が得られれば、この通常の商標の場合と同様であると、そういう表現は置いておきたいということなんですけれども、そういうことでよろしゅうございますか。それとも、何かもう一言書いておくということが、本委員会の中でそういう発言がございましたので、間違いはないと思いますけれども、一言書いておくという必要があればということなんですけれども、よろしければ今の説明で私どもとしては了解したいと思いますけれども、よろしいですか。
西野入委員。

西野入委員

よろしければ、やはり今の花木室長がおっしゃったところを若干ですが、加えていただければなというのは、希望ですが、思っております。

土肥委員長

わかりました。その点は御一任いただければ、と思います。
ほかにはいかがでございましょうか。高部委員。

高部委員

要件のところで2点ほどお伺いしたいのですが、1つは周知性の要件でございます。報告書(案)の12ページの一番最後のあたりですけれども、地域団体商標における周知性というのは、3条2項の特別顕著性よりはもう少しレベルの低いものと考えられます。そのレベルが低いという意味は、横の広がりについては、地域で言うと全国ではなくて、もう少し狭くてもいいだろう。また周知性の程度という意味でも、特別顕著性で言うほど高くはなくて、もう少し低い程度のものでもいいだろうと、そういう趣旨で書かれていると思うのですけれども、13ページの冒頭のところで、「一定範囲の需要者に認識されるに至ったもの」というのは、具体的に言うとどういったものなのかということをお聞かせいただければありがたいと思います。それが第1点です。
それからもう一つは、地域名と商品名の関連性、13ページの(ウ)というところですけれども、産地とか販売地、あるいは役務の提供地というのは、地域と密接な関連性を有するということが比較的明確であると思いますが、これ以外にもあるのかどうかという点があればお聞かせいただきたいと思います。

土肥委員長

これ以外というのはどういう意味ですか。

高部委員

産地、販売地、それから役務の提供地ですね。ここで例示に挙がっておりますけれども、それ以外にもあるのかどうかということでございます。

花木審議室長

まず、2点目でございますが、これはあるというふうに思っておりまして、例えば歴史的なつながり、非常に密接なつながりがあるとか、例えば具体的な例で申し上げた方がわかりやすいと思うんですが、大島紬というのが奄美大島でもともとつくられていて、それが歴史的な経緯でそういう方々が集団で鹿児島市に移住してそこで今はつくっているというような場合に、現在は鹿児島市ではあるんですけれども、「大島」という名前を使う密接性があるのではないかと思っております。
また、そのほかに例えば具体的な事例はあれなんですが、社会的に考えて主たる原材料が特定の地域の生産品であって、その原材料をもとにして加工しているということでその地名を使っていることが明らか、そういう意味で商品名に原材料産地を付すことがこれは社会的に見て密接な関係があるだろうと思われるような場合、そういうような場合が挙げられるのではないかと思っております。
それから、前者の周知性につきましては、具体的にはということでございますが、一定範囲の需要者ということで、例えば一つの町内あるいは村内で、有名であるといった程度の広がりでは足らないだろうなと思っておりまして、先ほど申し上げましたように、現在は4条1項10号に該当するような一つの都道府県、あるいはそれを超えるような2~3県程度の都道府県ということかと思います。これはどういう地名を使っているかとか、その商品の特性とか、需要者の範囲とか、そういうものによって変わるかと思いますが、そういったような需要者との関係で周知であるということで、その関係については先ほど高部委員の方から、深さと広がりという両面あるということで言われたかと思いますが、その両面について、現在の3条2項に比べて緩やかに解されるようなものというふうに考えています。

高部委員

その点は、改正法の条文上明らかになるような形で立法していただけるのでしょうか。特に御留意いただきたいのは、先ほど4条1項10号と同じような解釈とおっしゃったのですけれども、4条1項10号の書きぶりは、「需要者の間に広く認識されている商標」と規定されておりまして、片や3条2項の方は、「何人かの業務に係る商品であることを認識することができる」という規定ぶりになっております。にもかわらず3条2項の方は特別顕著性で、地域も広くかつ周知性の程度も高いというものを要求しているのに対し、4条1項10号の方は、この文言にもかかわらず地域的にはもう少し狭く、かつその程度も低いという形で運用されております。そういった条文の表現との逆転現象が生じているところでございますので、立法に当たっては、そこのあたりを十分に留意していただきたいと思います。

土肥委員長

もし高部委員、何かそこの点についてお考えございますか。

高部委員

近い将来商標法全体の見直しということも予定されていると伺っておりますので、従来の条文にとらわれないで立法できないでしょうか。今は条文と解釈にギャップがあって、もし全く新しい地域団体商標という制度の中に4条1項10号と同じ文言を入れると、3条2項よりも緩いと言いながら、条文上見ただけでは、3条2項よりもむしろ厳しい条件を入れているのではないかという誤解が生じかねないと思います。例えば需要者の範囲を少し限定をつけておくとか、もしくは認識の程度がもう少し低くてもいいことがわかるような、そういった文言を工夫していただければと思っております。

土肥委員長

難しいことだと思うんですけれども、恐らく4条1項10号というふうに事務局の方から説明しておりますのは、恐らくそことそろえるという、そういう趣旨なんだと思うんですね。だから、そこが変わればまた話は変わってくるんだろうと思うんですけれども、地域ブランドで今後何か法制的な手続に入るとすると、ほかの方は動いておりませんので、かなり難しい縛りということになるんだろうと思うんですが、今の御意見はこの後のステップでの御意見ということでございますので、ちょうだいするということにさせていただきたいと思います。
松尾委員どうぞ。

松尾委員

その後のステップは今高部委員が言われたとおりだと思いますが、この案にも、例えば先ほど花木室長が説明されたようなことを、そのすべてではなくていいんですけれども、やはり今までの経緯を知らない人がこれを読んでもわかるように、それから素人の人が読んでもわかるように、少し具体的なことを書いていただきたいと思います。例えば、全国ではなくてよくて、一定の広がりがある都道府県単位とかいった、具体的なことを書いていただきたいと思います。

土肥委員長

ありがとうございました。そういう御要望ということです。
ほかにいかがでしょうか。山中委員どうぞ。

山中委員

基本的な考え方はよくまとまっていると思うんですけれども、実際にユーザー側に立った場合の運用上の方向性ということで1点お尋ねしたいんですけれども、今回の改正によって、地域名プラス商品もしくは役務ということで、基本的に文字商標登録を認めるということなんですけれども、実際の運用に当たって、既に従来、地域ブランドが認められないことによって、図形もしくはデザインと組み合わせて既登録の商標がございますね。それと全く異なる同業でありますけれども別の団体から、今回の地域ブランドにあわせて出願があった場合には、これの類似の判断をどうするのか。両方の並存を認めるのかといったことで、仮に並存を認めるということになると、地域ブランドが登録になった後に、やはり図形との組み合わせで出願があったときに、これの類否の基準をどう判断していくのかという、幾つも並存があるということになると結果的に地域ブランドが守られないということで、最終的にフリーライドを許してしまうようなことになると本来の趣旨が若干損なわれるんじゃないかなということで、考え方としてはこのとおりでいいと思うんですけれども、実際の運用のところで今何かそういった対策を考えておられるようであればお伺いしたいと思います。

土肥委員長

同じ団体がということですね。

山中委員

いえ、別の団体。別の団体があって、別の団体が文字で地域ブランドを出願したときに、既登録との関係をどう判断するのかというようなところで。

土肥委員長

わかりました。

花木審議室長

非常に重要な点かと思いますが、考え方はこれから可能な限り明確にしていきたいと思いますけど、今考えていることを申し上げますと、山中委員御指摘のありました図形つき商標があって、そこに文字が入っていて、その文字が同一又は類似の商標が今度は文字商標として出てきた場合ということかと思いますが、そういうものはまず登録できるのかということについては、登録できるというふうに考えております。
この理由といたしましては、図形つき商標、登録された図形つき商標につきましては、いわゆる識別力のある部分が図形ということですので、したがって、そこについては地域団体商標は文字のみということで登録できるだろう。
それから、地域団体商標が登録された後、また違う図形が出てきた場合、これは登録できないことにしませんと、せっかく地域団体商標を登録した意味がありません。したがって、結論としては登録できない。それが現在の4条1項11号を適用して、拒絶ということになるのだろうというふうに思っております。ただ、この辺につきましてはなお法制的な検討を、考え方はそういう考え方でございますが、法制的な検討につきましては、さらに詳細に検討していきたいと思っております。

土肥委員長

よろしゅうございますか。
ありがとうございました。委員からたくさん御意見をちょうだいいたしましたけれども、いかがでございましょうか、大体御意見は以上というふうに受けとめさせていただいてよろしゅうございますか。
ありがとうございます。それでは、本日の委員会の中で2点御意見がございました26条問題、周知性の問題、こういう問題につきましては、本報告書に修文が筆謳歌検討を加えまして報告書とさせていただきたいと存じます。これは来週水曜日の産構審に報告するということでございますので、それまでに、よろしければ私の方の責任において一任していただき、産構審に報告するということにさせていただければと思いますが、いかがでございますか。
〔「異議なし」の声あり〕

土肥委員長

ありがとうございました。御異議がないというふうに受けとめさせていただきます。

長官あいさつ

土肥委員長

この地域ブランド問題については非常に難しい問題でございましたけれども、皆様の御意見に基づいて私どもの委員会の原案としてまとめることができたと思います。皆様の御協力に心から感謝をしたいと存じますけれども、本日、特許庁を代表して、小川長官がおいでになっておりますので、この点について一言ごあいさつをいただけるということになっております。お願いいたします。

小川長官

どうもありがとうございました。今委員長からもお話がございましたように、大変難しい問題につきまして、最後の最後まで活発な御議論をいただきまして、ありがとうございます。心からお礼を申し上げたいと思います。
この小委員会は、15年の6月でございますが、知的財産政策部会のもとに設置されまして、ブランド戦略から見た商標制度の在り方ということで御審議を賜ってきたわけでございます。今回とりまとめていただきました地域ブランドの問題につきましては、皆さん御承知のように、さっきの報告書にもありますけれども、全国各地でこういった形の取り組みがどんどん広がってきております。また、政府の中で知的財産戦略本部の「推進計画2004」、あるいは私ども経済産業省の「新産業創造戦略」の中でも、地域ブランド確立のための支援のあり方、その支援の制度について検討、整備するということが求められていたわけでございます。
そういう意味では、私どもの知的財産政策、あるいは産業政策という観点からも非常に重要な政策課題であるわけでございます。今回、先ほど委員長からお話がございましたが、9回から12回まで集中的にこの問題について御審議をいただきまして、今回こうして報告書をおとりまとめていただいたわけでございます。土肥委員長を初めとしまして、委員の皆様方には心からお礼を申し上げ、感謝申し上げたいと思います。
特許庁としましては、今日こうやってまとめていただきました、修文が別途あるわけでございますが、この地域ブランド保護のための商標法の在り方につきまして、速やかに検討を行い、できる限り早く商標法改正の成案を得まして、今通常国会に改正法案を提出すべく努力していきたいと思っております。
本日は、地域ブランドの保護につきましておとりまとめいただいたわけでございますけれども、21世紀にふさわしい商標制度の実現という観点から考えますと、ブランド戦略の重要性の高まりに対応した制度の在り方、見直し、経済のグローバル化に対応しました国際的な保護の問題、あるいは模倣品対策といったいろいろな課題がまだ山積してございます。解決しなければならない問題がたくさんあるわけでございます。引き続き当委員会におきまして御審議を賜りたいと考えておりますので、これからもよろしくお願いを申し上げたいと思います。
また、繰り返しになりますが、これまでの御審議につきまして改めてお礼を申し上げまして、あいさつにさせていただきます。ありがとうございました。

模倣品の輸入及びインターネット取引に関する事例集について

土肥委員長

では、次に本日の議題としては2つ目になるんですね。「模倣品の輸入及びインターネット取引に関する事例集」のとりまとめでございますが、この事例集につきまして御審議をお願いしたいと存じます。よろしければ事務局から事例集についての説明をお願いいたします。

花木審議室長

それでは、資料3でございます。こちらにつきましても前回第11回のときにお配りし、その後、何度かにわたりまして御意見をいただきました。その内容を反映させていただいております。
まず、どういう点が変更になったかということでざっと御紹介させていただきますと、1つは事例の順番を幾つか入れかえさせていただきました。個人輸入を偽装した輸入、いわゆる輸入、本来は業としてではあるんですが、一見個人輸入のような形で行われる、グレーゾーンといいますか、実際は黒ということだと思うんですが、そういうような輸入の事例を先に記載して、その後で純粋に個人が海外に出かけて買ってきたとか、そういうようなものを記載するという、そういう事例の順番をかえた。
それから、形式といたしまして、委員長から御指摘がございました各事例の解説の冒頭に、数行で結論がわかるような要旨を書くべきであるということで、そういう要旨をそれぞれの事例に入れさせていただきました。
また、委員から前回の委員会で御指摘のありました並行輸入につきまして、フレッドペリー事件判決の判断基準等を盛り込む形で、参考事例といたしまして書かせていただきました。
それからもう一つは、特にインターネットの関係ですが、海外のサーバーに日本語で偽ブランド品を売るためのサイトを構築するという、そういうような事例を一つ追加させていただいております。
あとは、そのほかタイトルを若干変えたりとかしております。あるいは表現ぶり、文言等について修正させていただいたということでございます。
それで、改めましてざっと説明させていただきます。まず、資料3の目次の後に基礎編ということで、それぞれ基礎知識ということで書かせていただいております。実際の事例は7ページからでございます。
事例1といたしまして、先ほど申し上げましたように、偽装的なものを先に書くということで、個人輸入を偽装した輸入ということでございます。バッグ、小物、洋服等を輸入・販売する会社Aが購入費用を負担するという条件で、従業員を動員して、海外で個人的に偽ブランドの買い付けを行わせ、日本国内に輸入させる事例。従業員は、輸入した偽ブランド品を会社に引き渡し、会社から代金の支払いを受けるということでございます。
こういうものは個人輸入を偽装した「業として」の輸入であるということで、商標権侵害となるということを書かせていただいております。
それから、9ページ、事例2でございます。これは個人Aが偽ブランド品の腕時計を国内で販売しようということで、自分だけでなく友人や知人の名義、あるいは住所を使ってインターネットオークションサイトを通じて海外から偽ブランド品の腕時計を購入し、国際小口貨物郵便を利用して1個又は数個単位で輸入する。友人・知人等に届けられた腕時計につきましては、個人Aが引き取って販売するということでございます。
これは個人Aが友人・知人等を使って輸入しているということで、他人の名義まで用いてやっているということですので、業性が非常に高いということで、商標権侵害となる可能性が高い。また、個人Aに言われて輸入した友人・知人につきましても、商品を保管し引き渡しているということで、こちらも商標権侵害となる可能性があるということを書かせていただいております。
次に事例3、10ページでございます。雑貨の輸入販売業を営む会社Aが個人輸入手続を代行するとして、複数の個人の依頼を受けて、偽ブランド品を海外から輸入する。
これは輸入代行業でございます。名称が輸入手続の代行と称している場合であっても、業者自身が輸入して販売しているとして、業者の行為自体が商標権侵害となることがあるということを書かせていただいております。
事例4以降は個人の行為ということでございます。個人Aが海外へ旅行して偽ブランド品のバッグを1個又は複数個購入し、手荷物、携行品として日本国内に輸入するということです。
こちらにつきましても商標権侵害となる可能性があるということでございます。具体的には4行目以降でございますが、偽ブランド品を1個輸入する行為や1回だけ輸入する行為であっても、輸入した商品を継続的に販売している者であるなど、反復継続的意思に基づく経済活動として(業として)商品の譲渡等を行う者によって使用されている場合には、商標権侵害となる、そういうことを書かせていただいております。
次に12ページ、事例5でございます。先ほどの事例で、個人Aが輸入したバッグは真正品であると信じていた、偽ブランド品であることを知らなかった、故意がなかった場合でございます。
故意がなかった場合につきましても、民事上の責任は負うということでございますので、商標権侵害となる可能性があるということを書かせていただいております。
それから、13ページですが、偽ブランド品といいましても、例えばデジタルカメラ用バッテリーパックとかそういうようなもの、また、インターネットのサイトを通じて買っている、そういうような場合でも、これは同様、個人が自分で出かけて行って買った場合だけでなくて、同じような考え方で商標権侵害となる可能性がある。これは事例4とほぼ同じで、バリエーションというような考え方だと思います。
それから、14ページは意匠権でございますが、意匠権についても同様に、例えばこれは指標がついていないとか、意匠がそういうもので意匠登録があるような場合は同様に侵害になります、ということで書かせていただいております。
それから、15ページは前回なかったものですが、並行輸入につきまして、考え方を参考という形で掲載させていただいております。並行輸入品の販売を行う会社Aが海外の卸売業者から有名ブランドのライセンス商品のTシャツを仕入れ、日本国内で販売するために輸入したということでございます。
これは並行輸入であっても商標権侵害となる可能性があるということで、ここに(1)、(2)、(3)というように先ほど申し上げました最高裁判決の判断基準、具体的には、当該商標が外国における商標権者又は商標権者から使用許諾を受けた者によって適法に付されたものである。また、当該外国における商標権者と我が国の商標権者が同一又は法律的、経済的に同一と同視し得るような関係があるものである。(3)番目といたしまして、我が国の商標権者が直接的又は間接的に当該商品の品質管理を行い得る立場にあることから、我が国においても、実質的にその品質保証という観点において差がないと評価されるような場合には、商標権侵害としての実質的違法性を欠くというような判断になっているかと思いますので、こういうことを判例に即して参考として記載させていただきました。
それから、16ページ以降でございますが、こちらはインターネットによる販売という事例でございます。まず、事例8といたしまして、個人Aがインターネットを利用して偽ブランド品を販売する。そういう行為につきましては、商標権侵害となる可能性があるということでございます。
それから、17ページですが、販売がオークションサイトへの出品という形で行われている場合、しかもこちらは実際に販売に至らずに、出品という段階はどうかということでございますが、こちらにつきましては商標権侵害となる可能性がある。理由といたしましては、商標法第2条第3項第8号のいわゆる広告等の行為に当たる、出品行為が当たるということ、可能性があるということを書かせていただいております。
それから、19ページでございますが、事例9で、真正品であると出品者が信じていた場合。こちらにつきましても、故意がなかった場合はどうかということですが、輸入した場合と同様、民事上の責任を負うということでございます。
それから、事例11ですが、偽ブランド品であることを明示的に表示しながら販売した場合はどうかということでございます。こちらにつきましては、偽ブランド品であることを表示している場合であっても、業として商品を譲渡する者により行われる出品行為、販売行為は商標権侵害となるということを書かせていただいております。
それから、事例12ですが、これは偽ブランド品であることを伝えるのが、出品の段階でなく落札後に伝えた場合はどうかということですが、落札後に伝えても商標権侵害となるということを書かせていただいております。
それから、事例13ですが、ID名義、いわゆるオークションのIDを貸与する場合はどうかということでございます。こちらにつきましては商標権侵害に関与するという形になりますので、いわゆる共同不法行為により損害賠償請求を受ける、あるいは刑事罰に処せられる可能性があるということを書かせていただいております。
それから、インターネット上の広告、23ページの事例14といたしまして、インターネット上の広告の事例で、サイドビジネスとして偽ブランド品の販売を行っている個人Aがインターネット上のサイトにおいて、ブランドの名称・ロゴ、あるいは商品の写真を使う場合はどうかということでございます。こちらにつきましては、先ほど来出ております2条3項8号の使用行為の一つとしての広告に当たると、あるいは展示に当たるということで、商標権侵害となる可能性が極めて高いということでございます。
それから、24ページの事例15は追加させていただいております。外国のサーバーを利用してインターネット上で偽ブランド品の広告等を行う場合ということですが、少なくとも個人Aが日本において、その情報を外国サーバーに送信した場合には、日本の商標法が適用されて、商標権侵害に基づく責任が認められる可能性があるということを書かせていただいております。こちらにつきましては下の注1のところで、最高裁の平成14年の判例を引用させていただいてるところでございます。
最後が26ページですが、事例16で、同様に意匠権の侵害の場合ということで、意匠権につきましても、インターネットオークション上侵害となる場合があるということでございます。
以上の16の事例は、我々がヒアリングを事業者あるいは関係省庁等に行った際に、主として問題になり得るということでピックアップしたものでございまして、そういうものにつきましての考え方、詳しくは各委員に事前にお送りし御意見等もいただいておりますので、細かくは説明しませんでしたけれども、そういう形でとりまとめさせていただいておりまして、こちらにつきましても御了解いただけましたら、産業財産権法所管官庁の特許庁の責任で、最終的にはもちろん裁判所が判断されるものではあるんですけれども、考え方の整理ということで公表させていただければと思っている次第でございます。
以上です。

自由討議

土肥委員長

ありがとうございました。
今の事例集は前回も出ておるものでございまして、若干項目も追加し、あるいは読みやすく、見やすくしたということもされておるようでございます。御意見ございましたらお出しいただければと思います。田村委員どうぞ。

田村委員

新しく追加された15ページの並行輸入については、中の解説自体は特に問題はないですが、要旨のまとめ方が、ややきつ過ぎるような気がいたします。「それは商標権侵害となる可能性があります」という言い方ですが、ほかの言い方と比べますと、「商標権侵害となることがあります」と書いてあるときと、より慎重に、「商標権侵害になる可能性があります」と書いてあるところが多々ありまして、「商標権侵害となる可能性があります」よりは、この並行輸入の方がむしろ侵害にならないことが明らかな場合が多いのではないかという気がするんですね。だから、例えば真正商品の並行輸入は原則商標権侵害になりませんが、外国の商標権者が日本の商標権者と異なる場合や、あるいはライセンス契約の違反で品質に相違がある場合などは、商標権侵害になる可能性がありますというような形で書いた方が誤解がないような気がしますが、いかがでしょうか。
ただ、もちろん最高裁の判決があって、それで具体的な事例もまだそれほど豊富ではないので書きにくいと思うのですが、何か、可能性がありますという言い方が、この全体の報告書自体も少しトーンが強いと思いますので、いかがかと思うということであります。

土肥委員長

ありがとうございます。もしこの表現について他の委員に御意見がございましたら、それを伺った上でと思います。他の委員におかれましては、何かこの表現についてございますでしょうか。松尾委員。

松尾委員

私は単にこれを、並行輸入であっても商標権侵害となる場合がありますと書いたら、それだけでも随分違うんじゃないかと思います。

土肥委員長

それでよろしいんですか。

田村委員

それでもいいですよ。

土肥委員長

どこかの試験の問題みたいになっていますけれども、わかりました、これは前回、田村委員が先にお帰りになった後に入ったものでございますから。それでは、そういう形に。よろしいですか。
ほかに御意見ございますでしょうか。小塚委員どうぞ。

小塚委員

前回ちょっと欠席しまして、事前にも意見を申し上げずやや出し遅れなのですが、この題名がちょっと気になりまして、「模倣品の輸入及びインターネット取引に関する」とありますが、実際の内容としてお書きいただいているのは、1つは個人輸入ですね。輸入と言っても、個人輸入の問題です。それから、インターネット取引というのは、インターネットに出品することを書いておられるわけでございますね。ちょっとその点整合性があるかどうか御検討いただけませんでしょうか。

土肥委員長

そうですね、確かにそれはありますね。
ほかの委員の御意見はいかがでございましょうか。今小塚委員がお出しになりました、確かに個人輸入というのが前半の部分の話になっているんですけれども、本委員会において、もしよろしければこの場で、「模倣品の輸入及び」とこうなっているところでございますけれども、「個人輸入及びインターネット」というふうな表現に変えさせていただいてもよろしいですか。
それでは、そのようにさせていただきます。
ほかにございますか。よろしゅうございますか。

山中委員

済みません、タイトルをもう一度聞かせていただけますか。

土肥委員長

個人輸入及びインターネット取引に関する事例集。

山中委員

模倣品は入らないんですか。

土肥委員長

模倣品の個人輸入ですね。

山中委員

すべて模倣品に関することですよね。

土肥委員長

それでよろしいですね。模倣品の個人輸入。失礼いたしました。私の言葉足らずでございましたけれども、模倣品の個人輸入及びインターネット取引に関する事例集、こういうことでございます。
よろしゅうございますか。
それでは、御意見をちょうだいしたと思います。本日2回目でございますので、本日いただいた2つの御意見を入れさせていただきまして、この事例集をまとめさせていただきたいと存じます。事務局から説明がございましたように、これは特許庁の一つの考え方、これを示したもの、こういうことでございますので、むろんそれは御留意いただければと存じます。
それから、時間が若干ございますので、先ほどこの報告書の案の方ですけれども、案のところで2点御意見があったわけでございますが、まず周知性の部分に関して、ここで言う周知性に関しては、使用されている地域名、商品特性にもよるけれども、例えば隣接都道府県に及ぶ程度の範囲を必要とすると、そういう趣旨の文言を入れるということでいかがでございましょうか。よろしゅうございますか。

高部委員

商品の特性とか場合によるということを余り強調しますと、地域というのは一定地域で、一定範囲というのは大きくなったり小さくなったりするという趣旨が明らかになってしまいます。それは全国で効力を有する商標権を与えるということと少しずれてくることはないでしょうか。そこのあたりの表現は慎重にしておく必要があると思いますが。

土肥委員長

そうすると確かに商品名、サービス名によって、委員がおっしゃる横の広がり、深さが多分変わってくるんだろうと思うんです。そういったことも考慮して周知性を判断したいということなんだと思うんですね。それで、そこを書かないでおく方がいいということになりますか。高部委員のおっしゃることによると。

高部委員

特性とか物によって違うということが余り表面化しますと、具体性に欠け、独占権を与える根拠としては少し不明確になるのではないかという心配です。

土肥委員長

それを登録してもですね。竹田委員お願いいたします。

竹田委員

今の問題は、法律の条文化する段階の問題と、この審議会でのどういう方向、認識でこの報告書ができたかという問題を分けて考えますと、先ほど高部委員からも御指摘があったように、私も一定範囲の事業者にというのは非常に具体性に欠けるところがあって、審議会がどういうことを考えて、事業者についてどういうことを、深さと広がりと両方あるかもしれませんけれども、この答申をしたのかということがわからないことになると思います。その意味ではこの報告書に、今ご提案されたことぐらいを書いておかないと、指針にならないと思います。ただ、条文化するとなると、これは先ほども3条2項との関係がありましたけれども、周知性の要件には、一般的には需要者の間に広く認識されている「広く」が入っており、これは商標法だけではなくて不競法とも統一された書きぶりです。確かに3条2項の問題はありますけれども、需要者の前に、その地域やその数というか数量的なもので限定するのは難しいから、そのまま今までの規定と同じ書きぶりにせざるを得ないと思います。

土肥委員長

ありがとうございました。そういう方向でもう少しまた考えさせていただいて報告書(案)の方は固めさせていただきたいと存じます。それから、26条の方ですけれども、これは先ほど本宮委員からも出ておりますけれども、適切な運用を図るために基準等を設けることが望ましいとか、いろいろその表現としてはあるんだと思うんですけれども、委員の御指摘としては、適切な運用を確保する、それから基準その他の考え方を設ける、ということでございます。よろしゅうございますか。
ほかには何かございますか。よろしいですか。
それでは、時間的にはまだ12時少し前なんですけれども、本日の議題としてはすべて終わったのではないかというふうに考えております。貴重な御意見をちょうだいいたしましてありがとうございました。本日いただいた御意見に基づいて報告書(案)及び事例集をまとめさせていただくということでございます。
以上をもちまして、産業構造審議会の知的財産政策部会第12回商標制度小委員会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

閉会

[更新日 2005年3月15日]

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