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第19回商標制度小委員会 議事録

  1. 日時 平成20年6月10日(火曜日)15時00分~17時00分
  2. 場所 特許庁 特別会議室
  3. 出席委員 土肥委員長、阿部委員、内海委員、遠藤委員、小塚委員、小山委員、鈴木委員、高尾委員、竹田委員、田村委員、松尾委員
  4. 議題
    • 商標政策を巡る最近の動向について
    • 海外における地名等の商標出願・登録問題について
    • 商標制度の見直しに係る検討課題について
    • 「新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ」(仮称)の設置について
    • 商標の審査基準の策定方法について
    • 早期審査・早期審理の運用の見直しについて

開会

土肥委員長

ちょうど3時でございますので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第19回商標制度小委員会を開催いたします。
本日は御多忙の中をお集まりいただきまして、まことにありがとうございます。
それでは、最初に前回の部会以降、新たに本小委員会の委員になられた方々について事務局から御紹介をお願いいたします。

間庭審議室長

御紹介させていただきます。
東京地方裁判所民事第47部総括判事 阿部正幸様
社団法人電子情報技術産業協会商標専門委員会委員長 富士通株式会社 法務・知的財産権本部 法務部担当部長 内海正人様
日本化粧品工業連合会 商標委員会委員長 花王株式会社ブランド法務部長 遠藤明様
日本知的財産協会常務理事 カシオ計算機株式会社知的財産センター ブランド戦略室長 小山雅夫様
社団法人日本食品・バイオ知的財産権センター商標委員会委員長 キッコーマン株式会社知的財産部主幹・弁理士 鈴木英之様
日本弁理士会副会長 高尾裕之様
以上でございます。

土肥委員長

ありがとうございました。
本日は議題が多いために、前半と後半の2つのパートに分けさせていただきたいと存じます。
まず、前半は商標を巡る現状と特許庁の取り組みについて、「商標政策を巡る最近の動向」、「海外における地名等の商標出願・登録問題」につきまして御紹介をいただき、御意見があれば賜りたいと存じます。そして、後半部分につきましては、今後の本小委員会における検討課題といたしまして、「商標制度の見直しに係る検討課題」、1つ「新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ(仮称)の設置」、「商標の審査基準の策定方法」、最後に「早期審査・早期審理の運用の見直し」、それぞれについて検討を行いたいと存じます。
それでは、事務局から配布資料の確認をお願いいたします。

間庭審議室長

本日の配布資料でございますが、
資料1 商標政策を巡る最近の動向について
資料2 海外における地名等の商標出願・登録問題について
資料3 商標制度の見直しに係る検討課題について
資料4 参考資料集
資料5 新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ(仮称)の設置について(案)
資料6 商標の審査基準の策定方法について(案)
資料7 早期審査・早期審理の運用の見直しについて(案)
以上7点です。不足等ございませんでしょうか。

土肥委員長

よろしゅうございますね。
ありがとうございました。

商標政策を巡る最近の動向について

土肥委員長

それでは、早速、議題に入らせていただきます。
初めに、前半の議題であります「商標政策を巡る最近の動向」と「海外における地名等の商標出願・登録問題」について、続けて事務局から説明を行っていただきます。
それでは、これは森吉商標課長、よろしくお願いいたします。

森吉商標課長

商標課長の森吉でございます。よろしくお願いいたします。
では、早速資料1の「商標政策を巡る最近の動向について」から説明させていただきます。
1ページでございます。特許庁への出願数、2003年度から昨年度まで増加していましたが、昨年度は、暫定値ですが、21万9000件と、区分数でございますけれども、若干下がっております。しかしながら、全体のトレンドとしては引き続き上昇傾向ということが言えるのではないかと考えております。トータルでは下がっておりますが、マドプロにつきましては一番下のグラフでございますけれども、5年間で2.3倍に増加しているという状況でございます。これを産業分野別に見ますと右側のグラフになりますが、一番上の赤い折れ線グラフで示してございますサービス、役務につきまして、昨年度、これは暫定値でございますが、急増しております。もちろん、これは小売等役務商標を昨年の4月に導入したということが一番大きな原因になっていると考えております。それに比しまして、商品の方は全体的に減少しているという状況でございます。
続きまして、2ページ目でございます。「商標審査を巡る現状」ですが、実施庁目標ですが、昨年度はFA件数は20万9000件以上、FA期間を6ヵ月以内という実施庁目標を設定させていただいたのですが、2008年度、今年度につきましては区分数を21万500区分、昨年度より1500区分上乗せしました。しかしながら、FA期間につきましては6.0月だったものを6.5ヵ月以内と、0.5ヵ月ほど延びてしまう目標になっております。これは昨年4月に導入いたしました小売等役務商標、この関係で、あるいは3条の柱書き、使用の意思の確認の強化という点で審査負担が増大しているということからこのような目標になっております。
続きまして、3ページでございますけれども、三極会合、これは昨年の10月に中国商標局をゲストとして初めて迎えて開催したということと、日中商標長官級会合を同時に並行して行ったということでございます。
続きまして、4ページになります。マドリッド制度でございますけれども、中ほどにあります、今年の5月に作業部会が開催されまして、保護認容声明の送付を指定国に義務づけるということの規則改正案が採択されました。マドリッド協定議定書は12ヵ月もしくは18ヵ月以内に拒絶の通報が来ない場合は登録は認められるという制度でございますけれども、近年の各国の処理期間の短縮に伴いまして、結果的に本来ならば、もっと早くに登録が決まっているにもかかわらずその通知がないというようなことから、かえって登録になったという情報を把握するのが遅くなってしまうという状況がございます。その点を解消するために保護認容声明、要するに、登録を認めるという声明、この送付を指定国に義務づけるということでございます。ただ、これは今年の9月の同盟総会へ勧告され、そこで承認を得るということが必要になっております。また、承認を得たとしても、義務化されるのは、2011年の1月を予定しております。これは加盟国には各国諸々の状況がございますので、直ちには義務化されてもなかなか対応できない国も少なくないことから、2011年まで猶予期間と言いますか、時間がかかるということでございます。
ニース協定につきましては、この7月、来月の3日、4日にアドホック会合が予定されておりまして、内容としましては、作業部会のあり方について検討することが予定されております。年に1回の通常の作業部会は10月に予定されております。
以上でございます。
それから5ページ、SCTにつきましては、これもこの7月に「新しいタイプの商標」、あるいは「異議申立手続」、あるいは「意匠制度」、これらについて議論を行う予定とされております。
シンガポール条約でございますけれども、今日現在で4ヵ国が批准または加盟しております。この中でブルガリアが今年の1月、ルーマニアが今年の3月に批准をしております。
続きまして、6ページでございます。「地域団体商標制度の現状」でございますけれども、6月6日現在となっておりますけれども、6月9日現在、昨日現在と読み替えていただいても数字は変わりません。出願件数が814件、登録査定の件数が385件でございます。昨年度までは全国各地で説明会を開催いたしましたり、「地域団体商標2007」というPR用の書籍を発行しましたけれども、今年度は今年の3月までに登録査定された地域団体商標371件を収録した「地域団体商標2008」を作成しております。タッチの差で、実は今週の金曜日に印刷が上がる予定でございまして、この場で配付できるようになればよかったのですけれども、残念ながらちょっと間に合いませんでした。来週になりましたら委員の先生方には御送付させていただきます。もう一点は、周知用のビデオコンテンツを現在、作成中でございます。
7ページは登録査定された385件、これらを地域別に分けた日本地図でございます。
続きまして8ページ、「小売等役務商標制度の現状」です。6月6日、先週の金曜日現在で小売等役務商標の出願の合計は、約2万1500件ございます。このうち施行後3ヵ月間の特例期間に出願されたものが約1万7000件ございます。昨年11月より着手しまして、先週金曜日までに約4,400件に対して登録査定がなされております。
続きまして9ページでございます。「新しいタイプの商標への取り組み」ですが、この後、この小委員会で議論していただくわけでございますけれども、昨年度、知的財産研究所におきまして、我が国の保護のあり方について調査・研究を行いました。この調査・研究の報告につきましては特許庁のホームページに掲載させていただいておりますので、後ほどごらんいただければと思います。
以上でございます。

土肥委員長

ありがとうございます。
それでは、続けてお願いいたします。

海外における地名等の商標出願・登録問題について

小柳国際課長

国際課長の小柳でございます。資料2に基づきまして、「海外における地名等の商標出願・登録問題について」ということで御説明させていただきます。
この問題につきましては、委員の皆様も昨今、よくマスコミ等で報道されておりますので、そういう問題があるというのは御案内かと思いますが、その辺の問題の所在と、先週、特許庁が総合支援策ということで取りまとめを行いましたので、あわせてその辺をまとめて今日御紹介させていただきたいと思います。
資料の1ページでございますが、「商標制度の国際比較」というところでございまして、各国概ね同じなのですが、若干差異のあるところはありますということで、この表は日本、それからアメリカ、欧州共同体となっておりますが、これはOHIMという欧州共同体商標意匠庁というところでございますが、それをまとめたもの。それから韓国と中国等がそれぞれどんなふうに同じで、どんなところがちょっと違うかといったところをまとめた表でございます。一応3段に分かれていますが、一番上が地名に関するところでございます。それから2段目、3段目については周知商標についてどんなふうになっているかということを表にまとめました。
まず1段目でございますが、日本をはじめ中国まで、国内の事業者に周知な外国地名が商標出願された場合、どんなふうに取り扱われているかということでございますが、これは日本、アメリカ、欧州、それから韓国につきましては、まず指定商品の産地名として認識されるような場合は、これは出願が拒絶されているということで、同じ運用でございます。これに加えまして、韓国については顕著な地理的名称というものは出願を拒絶される。これは産地に関係なくということでございますが、それから中国については、産地との関係についてはちょっとございませんで、公知の外国地名は出願拒絶といったところで、中国につきましては日本、米国、欧州とちょっと違った制度になっているというところでございます。
それから、地名に関するところが今のところでございますが、2段目、3段目。まず2段目なのですが、国内の需要者に周知な外国の商標が出願された場合、これは各国共通でございまして、基本的には出願が拒絶されるということで、これはそろっております。
それから最後の3段目でございますが、外国においてのみ周知な商標ということで、これは日本、韓国におきましては、これが当該国では周知ではないのですが、外国で周知な場合に、不正目的の出願の場合は拒絶になっております。米国、欧州、中国についてはこれに関連するような規定はないのですが、ただ中国につきましては若干中間的なところがございまして、「(注2)」というふうにちょっと記載させていただいておりますけれども、中国国内で先に使用している一定の影響力のある商標を不正な手段で登録した場合は、これは異議とか、無効の方で審判を起こすことが可能というふうになっているということでございます。
以上、表にまとめたものが1ページ目なのですが、その辺を説明したところが2ページ以降でございます。2ページ目の2.の(1)は外国の地名に関するところでございますが、(1)は今ほどちょっと御説明したものをまとめたものでございます。(2)なのですが、では、その原則に反して商品の産地名が商標として登録されてしまった場合にどうするのかということなのですが、以下の点を主張して、異議とか無効審判で対抗することができるということで、(2)の1でございますが、地名が当該国の需要者に指定商品の産地名であると認識される、あるいは中国においてはすでに当該国において外国地名として公知であったということで、2は中国に特化したものでございますが、そういったことで無効、あるいは異議申し立てをすることができるという、そういう対抗ができるということでございます。
それから(3)でございますが、これは中国を含む各国においては商標が単に産地とか販売地を示すというふうな名称で表示されている場合というのはそもそも商標権が及ばないということになっていますので、こういう使い方をする分には仮に地名等が登録になっていても余り問題はないというところでございます。
1ページめくっていただきまして3ページでございますが、これは周知商標に関する部分でございます。3.の(1)は先ほど御説明したとおり、基本的に当該国の需要者の間で周知である商標は各国ともこれは保護されているというところで、大きな問題にはならないということでございますが、(2)でございますが、外国においてのみ周知な商標の保護ということでございまして、これにつきましては、我が国は商標法の4条1項19号で、不正目的で出願した場合には商標登録できないというふうになっているというところでございます。(注2)に、韓国についても日本と同様の規定があるといったところを記載してございますが、以上御説明いたしましたように、商標制度の国際比較ということで、概ね同じということが言えるのですが、若干部分的にルールで違うところがあるといった部分で、地名とか周知商標の保護でいろいろと国際的に問題が生じるというところでございます。
それからもう1ページめくっていただきまして4ページでございますが、これが先週、6月4日に、特に中国とか台湾で今問題になっております我が国地名の第三者による商標出願問題への総合的支援策ということで、特許庁が公表したものでございます。真ん中辺に二重丸で3つほど書いてございます。これが大きな柱でございますが、まず中国・台湾での商標の検索方法とか、法的対抗措置についてまとめたマニュアルを作成して提供するということでございまして、これは今月末までには中国・台湾とも両方ともそろえたいということで、すべての都道府県、それから政令指定都市に配布いたします。それから農水省を通じて農業関連団体にも配布するということで、またジェトロ、それから交流協会・特許庁のウェブサイトからダウンロードできるようにもいたしますし、この辺のマニュアルを用いて自治体等の関係者に説明会、あるいはセミナーを開催して、幅広く情報提供をしていくということでございます。この3つのマニュアルにつきましては商標の検索方法、それから、都道府県名とか地域団体商標の冒認出願に対する法的措置をわかりやすく取りまとめたリーフレットとか、それからもう少し詳しく解説した「商標冒認出願対策マニュアル」という3点セットでお配りする。資料の方で後ろの方におつけしておりますので、今回は詳しくは説明できませんが、お時間があるときにちょっと見ていただければと思います。
2番目は、北京・台北に「冒認商標問題の特別相談窓口」を設置するということで、これはジェトロの北京センター、それから交流協会の台北事務所に相談窓口を設置いたしまして、知財専門家が各国の商標制度の解説とか説明とか、いろいろな手続について説明するとともに、現地の弁護士事務所なども紹介するといったような支援をやっていくというところでございます。
最後、3点目は、これは政府レベルでも適切な権利保護という観点から中国政府等への働きかけを行っていくといった3つの対策を柱とする総合支援策を先週、公表したところでございます。
4ページ目の下の方に、非常に細かい文字で恐縮なのですが、これはジェトロの北京センターの方で「商標検索マニュアル」というものをつくりましたものですから、それを使って試しに都道府県とか政令都市がどれぐらい、あるいは地域団体商標がどれぐらい中国で登録されているかといったものを調べたものをジェトロの北京センターの資料から抜粋させていただいたものでございます。都道府県については47都道府県名のうち27について出願ないし登録がある。それから政令指定都市については川崎、名古屋、横浜の3つについて一応確認された。それから地域団体商標についても九谷焼、美濃焼等について確認されているといったような状況でございます。
最後、5ページ目でございますが、そのような問題はあるのですが、中国は中国できちんと対応していただいている部分もあるという紹介でもあるのですが、「青森」の地名の問題につきましては、一応出願がされたのですが、異議申し立てがされまして、5つの区分、29類をはじめ全区分で、今年の4月までに一応出願を却下するという中国商標局の判断がされた。これにつきましては出願人の方もさらにもう一回争うということをしなかったということでございまして、全件、確定しているというような状況にございます。
それから、その下の方でございますが、日本の関係者がきちんと商標登録をしているというところもございまして、これからこういうことをきちんと対策をしていくことを、これからビジネスをやっていくような場所には先行して登録をきちんとやっていくということが重要だということで、例で言いますと「本場奄美大島紬」とか「松阪牛」などはきちんと関係者が出願して登録になっているものもあるということでございますので、特許庁としてはこういったことをきちんと自治体とか関係者にいろいろ御説明していきたいと思っているところでございます。
以上でございます。

土肥委員長

どうもありがとうございました。
それでは、この2点、商標政策を巡る最近の動向と海外における地名等の商標出願・登録問題につきまして、これらの御説明を拝聴して皆様の御意見、御質問等がございましたらお出し願います。
特にはございませんか。この2点は御報告いただくという種類のものでございますので、それではこの御報告を本委員会としては承ったということにいたしましょうか。よろしいですか。
それでは、そのようにさせていただきますけれども、本日予定しておりますところの時間が2時間と、こうなっておりますので、終わりの方でまた出てまいりましたらその折に時間があります場合に出していただければというふうに思います。
ありがとうございました。

商標制度の見直しに係る検討課題について

土肥委員長

それでは、次の議題になりますけれども、「商標制度の見直しに係る検討課題」、「『新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ』(仮称)の設置」、それから「商標の審査基準の策定方法」、「早期審査・早期審理の運用の見直しについて」、これらについて、事務局から続けて説明をお願いいたしまして、御意見、御質問はすべての説明の後にまとめてお願いをしたいと、こう思っております。
それでは、審議室長、お願いします。

間庭審議室長

制度改正審議室長の間庭でございます。
私は資料3に基づいて「商標制度の見直しに係る検討課題について」、御説明させていただきたいと思っております。
今回、商標制度小委員会を再開いたしまして、私ども事務局としてぜひ御検討いただきたいものを6つばかり並べてございます。
1枚めくっていただきまして、まず「総論」とございますが、今回の検討の視点といたしまして、大きく3つでございまして、1つが商標の保護の在り方、効力範囲についての検討、2番目が周知な地名を商標登録の対象から除外することについての検討、3番目が制度の利便性向上のための手続の見直しについての検討、このような3つに大括りできるのかなと考えてございます。
この中で、まず「商標の保護の在り方、効力範囲についての検討」の中身でございますが、個別の中身については後ほど説明させていただきますが、この中に3つほど検討課題があると考えてございまして、1つは欧米等で見られているような音ですとか動きですとか、そういった新しいタイプの商標の保護制度の整備、こういったことが国際的な趨勢となっている中で、我が国の商標制度の国際調和の観点から、このようなものを導入する必要があるのかないのか、それが1つ目でございます。また2つ目として、これまた欧米諸国等において商標法の中で著名商標の保護、著名商標についての商標権の効力を拡大するというような動きが顕著になっている中で、私どもの現行防護標章制度、著名商標保護のために商標法の中で設けておるわけなのですけれども、これのみの対応で十分であるかどうか、そこのところの検討も行っていただきたいと考えてございます。3つ目として、要は登録後に商標が普通名称化してしまうような場合がある中で、このようなものについての取消制度の創設について検討を行う必要があるのではないかということでございます。 次に2つ目として、「周知な地名を商標登録の対象から除外することについての検討」、これについては、要は地名を普通に用いられる方法で表示する商標というのは、その地名が周知なものであっても、その産地とかと認識されない、あるいは商品の品質等について誤認を生じさせるおそれがない場合というのは現行の商標法においても商標登録が排除されるとは言えないということが、要はこういった格好でいいのかどうなのか。国内外の周知な地名というものは誤認を生じさせるおそれがあろうがなかろうが、その不登録事由というふうに整理することができるかどうか、そこのところの検討でございます。
最後に「制度の利便性向上のための手続の見直しについての検討」ということで、ここでは2つ、現行の登録異議申立制度、付与後の登録異議申立制度、これを従前、付与前であったものを付与後にしたわけでございますが、無効審判との併存の状況をどう考えてどう整理していくのかどうなのか。また、商標権消滅後、1年間の他人の商標登録排除規定がございますが、これが果たして必要であるかどうか、そういった観点からの検討ということになります。
これらの課題について、これは非常に多岐にわたるものでございまして、私ども事務局としてはこの商標制度小委員会において御検討いただきたいわけでございますが、一定程度の時間はかかると考えてございまして、来年、平成21年12月あたりを目途に検討結果をまとめていくというようなことを現在、考えてございます。
3ページ以降、それぞれの課題について簡単に御説明いたしますが、まず新しいタイプの商標の導入ということで、これは音ですとか動きですとかホログラム、あるいは香りですとか味ですとか、そういったものが主要な諸外国では商標法の保護対象となっている。ここに表がございますが、米国、EC、英、仏、独、豪州、すべて保護対象になっている。韓国では「視認し得るもの」ということで、色彩、動き、ホログラムが現在、保護対象になってございますが、これをすべてのもの、香りとか味とか視認し得ないものも含めまして保護対象とするような法改正を予定しているというところでございます。
このような外国の状況の中で、4ページ目に「検討の方向」とございますが、国内にも一定程度のニーズが存在している中で、新商標というものを我が国において商標法上の保護対象とする検討をする必要があるのではないかと考えておるわけでございます。
ただ、そこのところで論点として下の方に書いてございますが、これは非常に難しい、商標として保護すべき対象を視認し得るものに限定するのか、あるいは視認し得ないものについても含めるのか、あるいはそういったものの商標の特定方法ですとか権利の範囲をどうするのか、どう考えていくのか、また同一ですとか類似の範囲というものをどう確定するのか、音について言うと著作権ですとか、そういった他の権利との調整も必要になってくるであろう。また、こういったものを仮に導入するとなりますと、商標の定義ですとか、あるいは商標の使用の定義ですとかの見直しも必要となってくるところで、その定義規定をどう変えていくのか、こういったものが論点になっていくかと考えてございます。
次に5ページ目に「我が国における著名商標の保護の在り方」ということでございます。これについて、2.の「我が国における著名商標の保護の現状」でございますが、「出所混同を生ずるおそれがある範囲での保護」というものについて、商標法上は現在、先ほど申し上げました防護標章制度というものが設けられているところでございます。また、これは7ページ目の上に表がございますが、防護標章制度によりまして、指定商品・指定役務と非類似のものについても、そういったものに対して同一の商標を使っていると、これは商標権侵害になるという話でございます。また、商標法のみならず、不正競争防止法の、要は2条1項1号で周知表示について、他人の商品または営業と混同を生じさせる行為については不正競争と位置づけられてございます。
次、8ページ目、「出所の混同の生ずるおそれのない範囲での保護」でございますが、ここのところで商標法は出所の混同を生ずるおそれがない場合については特に保護規定は置いていない。不競法について言うと2条1項の2号の方でございまして、著名な表示について、他人の著名な商品等表示について、同一または類似の商品等表示を使用する行為というものを不正競争と位置づけているということでございます。周知性よりも高度な著名性を要求する一方で、1号の周知表示の場合と異なって、需要者における混同というものは必ずしも要件になっていないわけでございます。
諸外国における状況について8ページ目の下から書いてございますが、諸外国においては商標法の中で、出所の混同を生ずるおそれがある範囲において商標権の効力を及ぼすとともに、その出所の混同を生ずるおそれがない場合であっても、著名商標の希釈化、あるいは信用の毀損に対し、商標権の効力が及ぶ法制度となっているということで、例えば9ページ目の欧米諸国、米国、欧州(欧州共同体、英国、ドイツ、フランス)においては、非類似の商品、役務について他人による当該著名商標の使用を排除する場合には名声または周知性の証明をすることにより、著名商標としての商標権の効力が非類似の商品・役務にまで及ぶと、商標法の中でそのような制度をとっているというところでございます。
また(2)で豪州、ニュージーランド、台湾においても、ニュージーランド、台湾では防護標章制度を廃止して、登録商標の希釈化を防止するような規定を設けている。豪州でも防護標章制度は維持しながら、著名商標についての商標権侵害が認められやすくするような規定を置いているということでございます。
そういったところで、10ページ目になりますけれども、出所の混同を生じるおそれがある範囲での保護の在り方として、商標法においてその対象をどこまで広げるのかを検討し、その上で現行の防護標章登録の制度の在り方についても検討すべきではないかと考えられるところでございます。また、(2)の出所の混同を生じるおそれがない範囲での保護についても、これは11ページ目にございますけれども、その諸外国における著名商標の保護の現状ですとか、保護ニーズなども考えながら、著名商標の希釈化、信用の毀損への対応について、商標法でどのような保護が考えられるのか検討していくことが必要ではないかと考えてございます。
次は12ページ目で、「登録後に普通名称となった商標の取消制度等の創設」ということでございますが、これは要は、登録時にはその出所識別機能があったものが、使用されているうちに普通名称になってしまったというような場合において、普通名称であれば商標法上、商標権の効力はその普通名称、普通に用いられる方法で表示するものには及ばないという規定は設けられておるわけですけれども、それが普通名称化しているのか、していないのかというのは裁判所での個別の判断になってくるわけでございまして、第三者が不測の損害を被るような事態も考えられる。なおかつ、この(2)にございますように、登録商標の普通名称化の原因の1つに、辞書等において当該登録商標が登録商標としてではなく、他の普通名称と何ら区別されることなく記載されるというようなことも挙げられるわけでございます。
この点、14ページ目、諸外国におきましては、普通名称化した登録商標への対応ということで、普通名称化した登録商標を取り消すことができる旨の規定がある、準備されているということでございます。さらに、(2)にございますように、欧州共同体商標規則ですとかドイツ商標法では、辞書等において登録商標が普通名称として記載されている場合に、登録商標である旨を表示するように、商標権者が出版社等に請求できるような規定も置かれているという状況でございます。
そういったことも踏まえまして、16ページ目に「検討の方向」とございますけれども、事後的に普通名称化した商標を取り消す制度を導入することについてどう考えるのか、また普通名称化を防止するための措置が必要か、先ほど申し上げましたような商標権者に出版社に対して請求権みたいなものを与えるのか、与えないのか、そういったあたりのことが検討課題になってくると考えられます。
17ページ目、「国内外の周知な地名の不登録事由への追加」でございますが、これについては問題の所在として、本来的に出所表示機能が弱い地名が商標として登録されることを排除するため、我が国において周知な地名、外国の地名も含みますが、これについては指定商品との関係で、その商品の産地・販売地と認識されない場合であっても、不登録事由とすべきではないかとの指摘がございます。このような背景に、やはり地名というのは観光資源になっているとか、そういった現状もあるところで、このようなものを特定の者に商標として使用を独占させることは好ましくないのではないかという考えがあるところでございます。
これについて18ページ目、「検討の方向」とございますけれども、そういった地名について、特定の者に商標として使用を独占させることの適否を検討していくことが必要ではないかということでございます。
次、19ページ目、「登録異議申立制度の見直し」でございますが、これについて、現行、登録異議申立制度と無効審判制度というものは、これは効果については、それが認められれば商標権は初めから存在しなかったものとみなされるということで、効果は共通。登録異議申立は査定系による簡易な手続、無効審判というのは訴訟に類似した当事者系の審理構造を採用しているということでございます。平成8年の法改正によりまして、従前、付与前の異議申立だったものが現行の付与後の異議申立に移行したわけでございます。この点、特許制度については、御存じのとおり平成15年の法改正によって異議申立と無効審判制度を統合している。その際、商標制度においてもその統合が検討されたわけでございますが、両者が重複して請求されるといった事例が少ないですとか、あるいは異議申立制度、この簡易な手続でございますので、なお存在理由が商標の場合はあるということで、統合整理について、今後の検討課題とされたわけでございます。これについて、昨今の状況を見ながら、もう一度商標の登録異議申立制度と無効審判制度の機能分担ですとか、それを要すれば統合すべきかどうか、そういったものをもう一度レビューする必要があるのではないかと考えておる次第でございます。
最後、22ページ目、「商標権の消滅後1年間の他人の商標登録排除規定の見直し」、商標権が消滅した後、1年間は他人が同じ商標、あるいはそれに類似する商標を使えないという、現行制度ではそうなっているわけでございますが、果たしてこれは1年間排除する必然性が本当にあるのか、もう少し早期権利化の観点から現行の4条1項13号の規定を見直すべきではないかということでございます。

「新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ」(仮称)の設置について

間庭審議室長

以上が検討課題でございまして、引き続きまして、資料4はそれの参考資料ですので、またお時間のあるときに眺めていただければと思いますが、これらの検討課題のうち、特に新しいタイプの商標について、今回御提案させていただきたいのは資料5でございますけれども、産業構造審議会知的財産政策部会商標制度小委員会、この下に、これは仮称ではございますが、「新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ」、これを設置して、この新しいタイプの商標について検討をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
検討事項については先ほど申し上げました保護対象ですとか、権利範囲、特定方法、あと同一、類似の範囲、著作権等の他の権利との調整、あと商標の定義あるいは商標の使用の定義等になるかと思われますが、なかなかいずれもこれは難しい検討課題ですので、ワーキンググループで精力的に検討をお願いしたいと考えてございます。
スケジュールとして、来月の7月中に初回を立ち上げまして、5回程度開催、来年の1月ごろにワーキングとしての結論を取りまとめた上で、その後、商標制度小委員会にも取りまとめの中身について議論していただきたいと考えておるわけでございます。
委員については、現在、法学者ですとか実務家の方々、産業界の方々から構成させていただくということで、人選を進めておるところでございます。
以上、商標に関する検討課題についての説明でございました。

土肥委員長

ありがとうございました。

商標の審査基準の策定方法について

土肥委員長

それでは、続いて「商標の審査基準の策定方法について(案)」ですけれども、それでは、林審査基準室長、お願いします。

林審査基準室長

商標の審査基準室長の林でございます。枝番を含めた資料6について説明させていただきます。
まず枝番なしの資料6でございますが、まず、1.として基本的な考え方を説明させて頂いています。基本的には、昨今の経済情勢や何かを踏まえますと、商標を巡る紛争とか、商標権を取得しても実は訴訟で覆ることが起きかねない、またよく起こるというような不確実性というのがビジネスに与える影響が非常に大きいのではないかということで、一層安定した商標権の付与が重要になっている。そういうような意識のもとに、そのためには、当然審査の質を向上させなければいけないということがあるわけでございますが、そのため、審査上の指針となっている商標の審査基準について一層の的確性、予見可能性の向上を図るとともに、審査基準の策定方法についても、透明化を図るような検討が必要ではないかという考え方に立っています。
続いて2.になりますが、大きく2点ございます。そのうちの(1)でございますが、策定方法の透明性を高めるということで、従来より関係団体、さらにはパブリックコメント等を通じて基準の策定というのを行ってきたわけでございますが、そのようなパブリックコメントを求めるというほかに、実は、まさしくこの商標制度小委員会においても御検討いただけないであろうかというお願いがこの1点目でございます。
続いて、2点目ということで、実際に策定をする基準について、商標を使用する方々、出願人、代理人、さらには消費者の方々とか、法曹関係者の方々等々、幅広い範囲で理解しやすいものにしてまいりたい。そういう観点で、単に審査基準を公表するということにとどまらず、いわゆる条文から審査基準、さらに審査便覧というものもございますが、そういうものの項目や、その項目についての審決、判決、さらに、場合によっては審査事例というようなものを体系的に整理し、そのように整理したものを公表していわゆる基準等の視覚化といいますか、構造化、ここではハイパーテキスト化というような言い方もしておりますけれども、そういうものを進めていく努力をしていきたいということでございます。基本的には、策定方法の方向性としてはこの2点を考えてございます。
続いて2ページ目の3.ですが、実際に今、想定している基準の策定は何かということで2つ挙げております。歴史上の人物名の商標の審査基準の策定、さらには「類似商品・役務審査基準」の見直し、この2つでございます。前者の1の歴史上の人物については、商標制度小委員会でお諮りした後に、速やかにパブリックコメントを求めるような形にしてまいりたい。さらに2の「類似商品・役務審査基準」の方ですが、これについては別途、枝番の方の資料にスケジュール等を示してございますが、そのスケジュールを踏まえて来年度に具体的な見直しの方向性等について、この小委員会にお諮りするとともに、パブリックコメントというような段取りで進めてまいりたいというふうに考えてございます。そういう前提で、実際の歴史上の人物名の商標の審査基準、それをどのような方向で進めていくかというのが資料6-1になってございます。
基本的には、従来、歴史上の人物名についてどのような審査が行われてきたのかと申しますと、商標法上、歴史上の人物名に関する商標がそのまま当てはまるような条文というのは基本的にはないものと思います。例えば、人物名について言うと、商標法の4条1項8号という条文がございますが、この条文についてもいわゆる現存する者、いわゆる生きている方の人名というのが一般的な解釈になってございます。さらに、4条1項10号とか15号、19号、いわゆる周知商標の保護という観点の規定もございますが、こういうものについて言うと、いわゆる商品・役務の出所表示である商標を保護する条文ということで、いわゆる出所表示として周知・著名というわけではない歴史上の人物名がこれらの規定にそもそも該当するかというと、なかなか困難な場合があるという状況にございます。そういう状況の中、一部例外はありますけれども、歴史上の人物名というのは非常に多く登録されている現状がございます。
では、(2)でございますが、歴史上の人物名についてどういう事情があるのかというのを書かせていただいております。基本的には歴史上の人物名は、いわゆる高い名声とか著名性を有しているということで、そういう意味では強い顧客吸引力みたいなものを持っている。そういう観点から、それを商標として使用したいというような方も数多くいるのではないか、そのように考えております。そのために、例えば郷土であるとかゆかりの地等では、住民の方々にとっては郷土の偉人だということで敬愛の情を持って親しまれている、そういう結果、例えば記念館が運営されていたりとか、さらに、地域興しであるとか、地域の観光振興や何かにそういう人物名等が商標として使われているというようなところもあろうかと思います。片や、そういう人物名を全く関係のない第三者が商標登録することについてどのように考えられるのかという観点からしますと、先ほど御紹介した地域興しとか地域産業に悪影響を及ぼしかねないのではないかとか、さらには遺族の方々からすると、故人の名声、名誉を傷つけるのではないかという意味では、不快の念がどうしても残るというような懸念があります。
2ページ目に参りますと、実際に、昨今もちょっと話題になりました「吉田松陰」等の商標登録などにおいても、新聞報道、さらには山口県の市長会等の要望書、別紙1と2に添付してございますが、そういう歴史上の人物名について商標登録を認めるのはよろしくない場合があるのではないのかといった趣旨の要望も出ているということでございます。
2.のところで「近時の判決、審決の動向」というふうにさせていただいておりますが、4条1項7号、いわゆる「公序良俗違反」と俗に言われる規定でございますが、これについて言うと、商標自体が公序良俗に反するというものではなくても、例えばいわゆる著名な人物の著名性を利用するとか、さらには名声を僭用して不正な利益を得るというような取引の秩序を乱すもの、さらには人物の名声に便乗していわゆる独占を図る、さらには人物の名声・名誉を傷つけるおそれがあるというような社会道徳的に反するようなものについて、その公序良俗に反するとした判決、さらには審決等々もございます。そういう観点を踏まえて、3.に、審査基準の策定の方向性ということで、そのような地域振興とか地域産業に悪影響を与えるとか、それによって公正な取引秩序を乱す、さらに、人物の名声、名誉を傷つけ、遺族の心情を害するというようなものについて、公序良俗に反するものとして登録を拒絶をすることが適切ではないのかとしております。そういう観点で、3ページ(2)には骨子案を提示させていただいております。
基本的には著名な歴史上の人物名等の商標について、いわゆる著名性や評価を自己の事業に利用する等の意図やその名声を僭用して利益を得る、そういうことによって地域の産業に悪影響を与えるとか、公正な取引秩序を乱すおそれがある、さらには、名声・名誉を害することで遺族の心情を害するおそれがあるというようなケース、こういうものについては4条1項7号に該当するものだとして扱わせていただけないだろうかというのが1点でございます。
2点目として、では実際にそれをどうやって審査するのか、もう少し踏み込んでどういう審査をするのかという観点で少し書かせていただいております。出願の経緯、例えば次ページに少し括弧書きで書いておりますが、どういう理由で出願人が商標を採択しているのかとか、使用状況がどうなっているのかとかといったもの、さらには個人とかその遺族との関係であるとか、さらには指定商品・役務との関連性であるとか、さらにはいわゆる社会とか産業への影響、そういう観点から種々調査をいたしまして、その結果、なお先ほど1で申し上げたような事例に当たるとしかいいようがないケースについては7号によって拒絶をするという方向で審査を進めたいというふうに考えてございます。
なお、それ以降に関連の参考資料がついてございます。
さらにもう一点、資料6-2でございますが、「類似商品・役務審査基準」の見直しの現状」となってございます。
1枚めくっていただくと、類似商品・役務審査基準の見直しに関しましては、いわゆる小売等役務商標制度の導入の際の商標制度小委員会の報告書、18年2月になりますか、それを初めとして、知財の推進計画等でも見直すべしという御指摘をいただいております。
2ページ目に参りますと、これらを受けて今まで何をやってきたのかということを簡単にまとめさせていただきました。まず1.で書いてございますのは、国際分類、いわゆる商標を出願するときの商品・役務の分類に関するものですが、国際分類の第9版というものに対応する際に、あわせて、商品・役務の類似範囲の変更を伴わないものですが、御要望のあったような商品・役務の追加とか変更、または削除等の改正を行わせていただきました。さらに、2.でございますが、先ほど御紹介した商標制度小委員会の御指摘のもう一点として、いわゆる取引実情を知る当事者が実情表す説明とか証拠を出したときは、それを踏まえた類否判断を行う枠組をつくるべしという御指摘をいただいたので、同じ商品役務の類否判断に関連するものとして、平成19年にその旨の審査基準の改正をしております。
続いて3.でございますが、これまで36の業界団体からいろいろ基準の改正の意見取りというものを行わせていただきまして、18の団体から意見を頂戴いたしております。そして、その18団体と個別にいわゆるヒアリングといいますか、意見交換をさせていただいております。
このような意見交換の結果を踏まえて、今後何をやっていかなければいけないのかを書いてあるのが3ページ目でございます。まず1つは、業界団体によっていろいろと意見がやはり違います。例示ということで書いてございますが、例えば商品「被服」、これについて言うと、もっと類似の範囲を細かくすべきだというような団体があるかと思うと、被服にとどまらず、例えば原料関係、いわゆる反物であるとか糸であると、そういうものを含めて類似とすべきではないかというような御意見を賜ったような団体もございます。もちろん、いただいた意見同士が相違する、競合するという関係のほかに、片方の団体から意見が出ていて、実際に関連する一方の団体から何も出ていないような場合でも、そういう意見どおりにした場合にどういう影響があるのかという、そういう意見の調整をしていかなければならないのではないかというふうに考えてございます。
さらに2点目、「過去の権利との関係の整理」というふうにタイトルをつけさせていただいておりますが、一番下の方に1、2というふうに書いてございますが、例えば、いわゆる「けり合い」というようなものがございます。これはどういうことかというと、今までの類似基準に基づいて、今まで登録されていた登録商標はそれなりの商品・役務で棲み分けていたという状況にございますが、類似基準を変えるということになりますと、当然今まで非類似だったものが類似になったり、逆になったりということがございますので、例えば商標「ぱてまる」を社標や何かを一緒にくっつけた状態で今度は登録をしたいというようなことを考えたときに、「ぱてまる」の文字だけは登録できたのだけれども、社標をくっつけて出願したときは類似基準の変更によって、ある意味ほかの商品との類似関係になってしまったということで、今度は双方登録できなくなってしまうとか、そういうような心配がございます。こういう場合はどうなるのだろうかというようなお声をいただいたということもございます。さらには、導入方法に関する問題というふうに書いてございますが、ある日突然類似していたものを非類似にしたり、また逆にしていいのか、ある意味、そうしますとある日突然、類否を一斉に変えてしまいますと、それまでやっていた、例えば拒絶理由通知、また拒絶査定や何かが、変えた後に拒絶査定なり審決なりというふうになったときに、果たして類否が変わって結論が変わってしまうことにならないのか。それでは、例えば出願の前後で区切ったらどうだろうかというようなことも考えたりするわけなのですが、その際に4条1項11号は査定審決時を原則に類否判断をしなればいけないというふうに解釈されてきているかと思いますので、そういうこととの関係をどういうふうに整理していくべきなのだろうかというようなこと等、やはり類似基準を変えるとなるといろいろと問題が生じるということもございますので、こういうことの整理を進めていかなければいけないなということが2点目でございます。
さらに3点目で、これがある意味一番大きい作業になろうかと思っているのですが、いわゆる類似基準を変えるだけでは実は済みません。登録商標、さらには出願中の商標について、特許庁では個別のデータにその指定商品なり指定役務の類似群をデータ化したものを記録しまして、それをもって検索ができるようにしているという実情がございます。したがいまして、類似基準を変えるという場合、改正後の基準で検索をするためにはバックデータ、そのデータを全部変えなければいけないという事情が生じます。その変更、付替作業が必要になるというようなことを考えてございます。
このような課題があるという前提で4ページ目、今後どうやって取り組んでいくかということで、大体のところでございますが、まず、今年度、類似基準を変更する場合のいろいろな諸問題について、できれば外注による調査・研究というのを実施して、それなりの目安をつけたい。それと同時に、具体的にどういう商品、役務を類似にする、あるいは非類似にするというような検討を進めてまいりたい。それで来年度、21年度に具体的にそういう諸問題をどうするのかということを含めた具体的な方向性を、パブコメ等々を踏まえて決定をする形に持っていきたいと考えてございます。次に、バックデータの付け替えのために期間を置かなければいけないということで、そのバックデータの付け替えの作業を22年度、23年度にかけて行う予定です。そして、24年の1月に、今のところ国際分類の第10版というのがこの頃に発効するのではないかと言われておりますので、それに合わせて新しい基準をスタートできないだろうかというように考えてございます。
以上、資料6の説明をさせていただきました。よろしくお願いいたします。

土肥委員長

どうもありがとうございました。

早期審査・早期審理の運用の見直しについて

土肥委員長

それではもう一つなのですけれども、引き続いて、関根商標制度企画室長に早期審査・早期審理、これについて説明をお願いします。

関根商標制度企画室長

関根でございます。資料7の「早期審査・早期審理の運用の見直し(案)」について御説明いたします。
最初に2.の「現行の早期審査制度の概要」についてですが、模倣や侵害事件が生じている出願に関する早期の処理のニーズ、これとか経済活動のグローバル化を踏まえて、商標登録出願の早期審査制度を平成9年の9月1日より導入しております。
この早期審査の対象となるためには次の2点を要件としております。1点目といたしましては、出願人自身、またはライセンシーが出願商標を指定商品・役務に使用しているか、もしくは使用の準備を相当程度進めていること、2点目といたしましては、権利化について緊急性を有する出願であることということになっております。そして早期審査に関する事情説明書が提出された場合には、これらの要件を満たすものに限って通常出願に先行して審査を開始するということになります。その後においても遅滞なく処分が終了するように審査手続を進めることにしております。
2ページの(参考1)をごらんください。このグラフは「商標登録出願件数及び早期審査申出件数の推移」のグラフでございます。平成19年の数値についてはまだ暫定値というところですけれども、商標登録出願件数約14万3000件に対して、早期審査申出件数は407件となっております。
続いて3.(1)の「商標登録出願の審査順番待ち期間について」ですが、(参考2)をごらんください。平成15年度からの5年間を見てみると、大体6ヵ月から7ヵ月で推移していることがわかります。
続いて(2)の「ユーザーニーズ」についてですけれども、3ページの(参考3)のグラフをごらんください。これは「平成17年度商標出願動向調査」によれば、審査順番待ち期間につきましては、大体67%のユーザーが6ヵ月ないし7ヵ月が適当という回答をしております。このことから、現在の商標登録出願の審査順番待ち期間は概ねユーザーニーズに合致しているということが言えるのではないかと思っております。これとは反対に、個人や商品のライフサイクルの短い商品、食品とか日用雑貨、アパレル関係、これらの中小企業のユーザーにおいては模倣品対策などの観点から、審査順番待ち期間については大体2ヵ月から4ヵ月が適当という回答が大体26%ございました。これによれば、審査順番待ち期間はさらなる短縮化が必要というニーズがあるということがわかります。
続いて4.の検討の方向性についてですけれども、(参考4)の「指定商品の記載状況」をごらんください。商標登録出願の商品等の指定状況については、これも平成17年度の商標出願動向調査によればということですけれども、使用予定のない商品・サービスを指定商品・役務として記載しているものが79%あるということです。これに対して、出願商標を使用している商品・役務のみを指定しているというものが21%となっております。商標というものは実際に使用するということで信用が蓄積されていくということになっております。実際に使用している商標、これらについては早期に権利化を図ることが重要と思われます。また、商標の使用の準備を相当程度進めているものについても、これも現実の使用と同等のものと考えられますので、そのような商標についても同様に早期に権利化を図ることが重要と思われます。今回の早期審査制度の見直しというものは、出願商標の使用に重点を置いて利用の拡大を図るものでございます。したがいまして、3ページのボックスの記載欄に書かれている具体案のとおり、出願人などが実際に使用している、または使用の準備を相当程度進めていることを明らかにした上で、その使用に係る商品、サービスを指定商品・役務とする商標出願につきましては、他の権利化についての緊急性を求めるまでもなく、出願人等の申出によって早期審査制度の対象に追加するのが適当ではないかと、こう考えております。これらの出願を新たに早期審査の対象にすることにより、早期審査を望む出願人においては、実際に使用をする商品・役務のみを指定する。つまり、使用しない商品・役務は指定しないということになります。このことが不使用商標対策にも有効に働くのではないかと考えているところです。また、審判の早期審理についても同様の理由により、出願人等がその出願に係る商標をすでに使用しているか、または使用の準備を相当程度進めているという商品・役務名のみを指定している出願については新たに早期審理の対象に加えることといたします。
以上でございます。この運用の見直し案について御検討いただければと思います。

土肥委員長

どうもありがとうございました。
たくさんございましたけれども、これらの御説明をお聞きになりまして、御意見、御質問等がございましたら全体を通して、どうぞ御遠慮なくお出しください。
竹田委員、お願いします。

竹田委員

本日は議題が盛りだくさんなので、1つ1つ取り上げて意見を述べるわけにはいきませんけれども、新しいタイプの商標と、審査基準の策定方法の2点について発言させていただきます。
新しいタイプの商標の導入を検討することと、その検討のためにワーキンググループを設けるということに賛成いたします。新しいタイプの商標につきましては、この検討課題についての3ページ以下に記載がありますように、国際的調和という観点もありますし、また産業界のニーズという問題もありましょうが、このタイプの商標について、その立法化に向けての検討をするということは十分な意義があるものだと思います。
ただ、私もこの委員会の土肥委員長が委員長になられて知財研でこのタイプの問題の調査・研究にも参加したことがありますけれども、いろいろの点から検討すべき課題が多くて、この検討課題の4ページに論点として1、2、3、4、5と挙げてありますけれども、このうちの1、2、3はこの新しい商標特有の問題として、そのいずれについてもどこまで保護対象とすべきか、その特定方法、権利範囲、類似の範囲をどうするか、さらに他の知的財産権との調整をどうするか、どの観点から見ましてもいろいろな検討すべき問題点を含んでいると思います。
それらの点について十分な検討をするためには、とてもこの委員会で2、3ヵ月に1回検討するというようなことでは追いつかないことだと思いますし、今のような問題点に加えて、これはこの商標制度小委員会でこれまでも何度も議論になりましたし、その点は松尾委員がしばしば御発言なさっているので松尾委員から御発言いただいた方がいいかもしれませんけれども、商標の定義とか、使用の定義については、これもこの新しい商標を取り入れた場合に問題になってくることですので、そういう意味では商標法の体系にも影響する重要な問題だと思います。その点については、先ほどの御説明ですと単年度ではなくて、来年度まで、来年の12月までかけて検討するということで、それは大変結構なことだと思いますので、その辺で、ワーキンググループで十分な検討をした上で、また小委員会で検討をして結論を出すのが妥当と思います。
それからもう一つ、審査基準の策定方法についてですが、審査基準は御承知のように、審査官が商標出願・登録すべきかどうかの審査をするに当たっての指標になると同時に、それを公表することによって出願人やその他、この商標制度を利用する者にとっての予測可能性を与えるという意味で非常に重要な機能を果たしているわけですけれども、先ほどの御説明ですと、今まで特許庁が案をつくって、それをパブリックコメントにかけて、そして策定するという方法をとっていたのに、もう一段階、その中間の段階を設けて、一般の有識者等がこの審査基準の策定に参画するということで、そのことは大変結構なことだと思います。
その具体的な見直しの1つの例として、資料6-1が挙げられているわけですけれども、商標法の4条の1項7号のいわゆる公序良俗に関する規定は、民法の90条と異なってかなり幅広く運用されているのが実情だと思います。これは商標を伴う経済取引の観点等から、また商標の機能から考えても、商標として登録されることがふさわしくないというものについては、ほかに規定がなければここに持ってくるというのが実情だと思いますし、添付された幾つかの判例を見ましても裁判所もその方向で対応しているわけで、そういう意味である程度この公序良俗違反の規定が商標の不登録事由として幅広く活用されることになるのはやむを得ないというか、必要なことだろうと思います。そういう観点から見て、内容的にもこういう方向で歴史上の人物名についての審査の基準を設けるということは好ましいことではないかと思います。
以上、2点について発言させてもらいました。

土肥委員長

ありがとうございました。
引き続いて御意見ございますか。
田村委員、どうぞ。

田村委員

多岐にわたりますので、私も竹田先生と同じく、特に気になった点を2点ほど申し上げたいと思います。
まず1つは著名商標の保護の範囲の問題であります。資料3の10ページに「検討の方向性」と書かれております。特に、ここでは(2)が問題になるかと思います。そこでは不正競争防止法2条1項2号が押さえているところ、そしてさらには2条1項2号で押さえ切れていないところについて保護の検討をするということになっております。これで注意すべきなのは、不正競争防止法の2条1項2号が果たしてどのような行為を規律しているのかということでございます。条文上はやや立法の過誤のようなところもございまして、著名であれば類似の商品等表示をすべて禁止できるかのような文言に読めるわけですけれども、例えば、いつも私、例を挙げてしまって恐縮ですが、ビクターが著名だからといってスキーのビクトリアを止めることができるのか、又、スキーのビクトリアが著名だからといって、ステーキのビクトリアを止めることができるのか、というようなことがございます。つまり、ストロングマークと呼ばれているようなものは結構なのですが、ウイークマークの保護の範囲の拡大については慎重であってしかるべきだろう。
実際、不競法の方の裁判例でも、ドメインネームに関するものではありますが、営業上の利益を害されるおそれという3条、4条の請求権の方の規定の解釈として差し止めを認めてよいかどうかということを営業上の利益を害するおそれのところで相互考慮して決めるという裁判例が2つほど出ているところでございます。ですので、2条1項2号の字面だけではなく、裁判例なども踏まえて考えるべきだろう。諸外国を見ましても、著名であれば類似のものも必ず止められるという法制になっているところは、むしろほとんどないのでありまして、名声の不正な利用等の何らかの相互考慮型の条文が必要ではないかと思われます。
2点目は、不正競争防止法2条1項2号を超える範囲のところでございますが、11ページには商品等表示として2条1項2号は限られているので、これを超える範囲を検討すべきではないかということでございます。これについてはかなり慎重であってしかるべきではないかと思います。当然、比較広告はセーフになさるおつもりだと思いますが、比較広告と言えるかどうか分かりませんが、事件になったものでは「香のタイプ事件」というようなものもございます。シャネル№5が有名なときに「香のタイプシャネル№5」と表示することがどうかとか、あるいは「チキンラーメン味」というお菓子を販売することが出来るかどうか等、そのような紛争がございます。また、例えばこれはもちろん禁止するつもりはないと思われますが、映画等に軽く、簡単に自動車等のマークなどが混入する場合です。映していたらそういうふうに混入することもございますし、より限界線上に近づくかもしれないものとして、私が過去に接した事例では、CM等で、例えばカメラと無関係なCMにカメラを使ったところ、カメラのマークが入ってくる場合、あるいは立体商標がもしこれからより一層登録が認められるようになったとして、その場合の立体商標、そもそもマークが見えなくても問題になるのではないか等、かなり広がりのある問題になって来かねないということでございます。そう考えると私はこれはむしろ慎重であってしかるべきではないかなと思います。
続いては、最後の「類似商品・役務審査基準」の見直しのところでございます。資料6-2の3ページに「けり合い」と導入方法に関する問題点ということが掲げられております。これはもう皆さま御存じの通りでございまして、そもそも審査基準というのは裁判所を拘束するものではございません。ここで若干、3ページの「1を採用した場合」の後ろから2行目には、「違法になったり」というような言葉があるわけですが、厳しく言いますと、審査基準というものは裁判所を拘束するものではないので、今まで審査基準に従っていたものが違法か適法か実は分からないということでございます。また、類似群コード等はもともと大量な出願を効率的に捌くために定められているものと理解しておりまして、裁判所のように個別具体の案件について、混同の範囲などを睨みながら類似の範囲を消していくということとは、そもそも思考方法が違うものであります。
そうは言っても、法的な拘束力が必ずしもないかもしれないが、実務上極めて重要であることは明らかですから、周知期間等を設ける、そして慎重な判断や手続で改正していくという方法は賛成でございますし、そのときに取引の実情をより取り入れたものにしていく、現実に即したものにしていくというこの方向性には全体的にもちろん賛成でございます。しかしその際に、例えば「けり合い」の問題等、一般的に判断基準値を査定審決時にしていることとの関係などに関しましては、これはもはや取引の実情等に応じて商品・役務の類似の範囲がここだと決まった以上はそれを中心に考えるべきだと思います。そうして、それまでの、今までは類似群コードで入っていなかったから登録できたかもしれないという期待はあくまでも法的なものではないと思っておりますので、「けり合い」に関しても類似判断に関しても、査定審決時基準で粛々と変更すればよいのではないか。そのための周知徹底等はもちろん必要だというふうに考えている次第であります。
他にもいろいろとありますが、長くなりますので、この辺にしておきます。

土肥委員長

ありがとうございます。
前段の方なのですけれども、著名商標の方の検討を進めるということについては、田村委員としては御異論はない、特に商標的使用を超えるような、そういう方にわたるような場合があるときにはその検討として慎重であってほしいと、こういう御意見でよろしゅうございますか、前半の方は。

田村委員

先生に今おまとめになっていただいたものに、2条1項2号の範囲も、不正競争防止法の規定の文言にもよく気をつけて、著名であるから絶対的に保護されるというわけではないということを加えて頂ければ十分です。

土肥委員長

はい、ありがとうございます
ほかに御意見、ございますか。
松尾委員、どうぞ。

松尾委員

竹田委員、田村委員からいろいろと御主張していただきまして、私もそれに賛成したいと思います。
ちょっと付け加えたいと思いますのは、資料3の商標制度の見直しについての検討課題です。これを2ページで見ますと、先ほどのお話ですと、来年の1月ごろまでにワーキンググループの一応の結論を出して、そして21年12月をめどに検討結果をまとめるということになるようですが、先ほどからありました資料3の4ページの3あたりは1が一番大きな具体的な問題であって、2、3というのはそれにかなり密接に関係があります。しかし、そのほかの新商標の導入に伴う商標の定義の見直しとありますが、商標の定義とか使用の定義というのは、新商標を導入することを超えた、先ほどからありました商標制度の根幹に関わります。そしてこの防護標章制度の問題など、かなり過去においても何度も議論していまして、商標制度の根幹に関わることなので結局結論が出ないできたわけです。私はこういう根幹に関わるものはワーキンググループで、一応の結論ということにはなるのでしょうけれども、どうも余り適切ではないのではないかなと、さっさとこの商標制度小委員会の方に持ってきていただかないと困るのではなかろうか、そう思います。私も不正競争防止法との関係で、商標法の方でCTM、ヨーロッパ商標法などと同じように商標権の拡大を図ってどうなるのか、日本の制度としてそれでいいのかどうか、大きな問題が残ると思います。まあ、そこら辺にとどめておきます。
それから、これはいずれにしましても21年の終わりということなのですが、商標の審査基準に係る6の方ですが、これは6-2の方は類似商品・役務審査基準ということで、一応これを見ますと予定がさらに具体的に書かれております。しかし、6-1の方については具体的にいつまでということは記載されていないのですね。私は歴史上の人物等の商標審査の方向性というのを4条の1項7号に持っていく点について、これだけでいいのか、これでいいのかということに大変疑問を持っております。確かに7号を広く見るという判決例もありますけれども、やはりいろいろな意見があります。審査基準を予測可能にするからといって、今ある6-1の3ページにあるような審査基準、まあこれは骨子案ではありますけれども、これで予測可能になるかというと、そうはなっていないと思います。私は多分4条1項7号だけではなく、8号の方についても手を加えるというようなことをしないと適切な運営、それから予測可能性を持つようなことができないのではなかろうかというふうに考えております。
それで、このごろ正直なところ、パブリックコメントというのは、うまく、上位概念でまとめられているというような感じで、非常に意見が言いにくくなっています。工夫していただかないと、いい意見が出せないというふうに私は思います。
それから、最後の7でしたか、審査期間の短縮でしたね。「早期審査・早期審理の運用の見直し」というのはやはり必要だと思うのですが、先ほどのところで3ヵ月ぐらいが適当だというところがあるのですね。現実にすでに使用しているとか、使用の準備が相当程度進んでいる。それを早期審査の対象にする。そうすれば3ヵ月ぐらいで行くでしょうというお話なのですけれども、もともと商標というのは、かなり具体的な使用の意図があって商標出願をするはずなのですね。それで、短く3ヵ月にするために早期審査とか早期審理の対象にするだけではなくて、ここにおいても、私は、例えば英国で相対的な拒絶理由(レラティブグランド)というものについては審査しないように最近変更したとか、韓国でも一部、やはり早期の登録が必要な部分について審査をしなくしたとか、そういうものとの関係をよく、調査、検討し、(私は英国で初め相対的拒絶理由というのを審査しないと中小企業が困るのではないかという理由で反対する意見があったけれども、結果から見るとうまくいっているというふうなことを最近聞きましたけれども、)日本でも3ヵ月ぐらいにするためには審査しない部分をつくるとか、何か1つのものだけでギューッと制度を変えるのではなくて、広い視野でもう一度制度を検討し直していただいた方がうまくいくかもしれないと思っています。それは私もわかりませんが、何かちょっと弾力的に制度を見ていただいた方がいいのではないかと思います。今はこの点だけを申し上げたいと思います。

土肥委員長

どうもありがとうございました。
それで、先生におっしゃっていただいたことは大変重要なところがありまして、いわゆる著名な歴史上の人物名等の商標審査の方向性についての6-1につきましては、これは予定としてはパブリックコメントをこの後にかけるという想定のもとに出ているわけですけれども。

松尾委員

そうですね。

土肥委員長

先生、そこをもっと慎重に、つまり7号だけではなくて他の号も合わせて行うというご意見でしょうか。

松尾委員

私はそう思います。私が意見を聞かれたらば、7号だけではなくてほかもいじれという意見を出すと思います。それはそうとして、やはりこういう具体的なもので出していただけると意見を書きやすいので、そういうふうにぜひお願いしたいと思います。

間庭審議室長

それは具体的なこのような格好で出すことを予定しております、パブリックコメントというものは。

松尾委員

はい。というのは、この前の通常使用権登録制度です。あれも初めはパブコメ案としていいと思っていたら、だんだん、パブコメのときになったら、何か抽象的になって意見を言いづらかった記憶があります。

間庭審議室長

いえ、あれはちゃんと報告書の原案をかけましたので、あれほど具体的なものはございませんでした。

松尾委員

よろしくお願いします。

土肥委員長

それでは、この資料6-1の3ページの審査基準の骨子案という、こういう形でパブコメにかけるということについては御賛成いただけるということですね。

松尾委員

はい、もちろん賛成です。

土肥委員長

それから、最後の点の早期審査・早期審理のところなのですけれども、こういう運用の見直しというのもわかるけれども、もっとやる場合には外国の制度、状況等も調べた上でやってほしいと、これは御意見ということでよろしいですか。

松尾委員

はい、それは意見です。

土肥委員長

わかりました。
ほかにございますでしょうか。よろしゅうございますか、皆さん、御意見としては大体いただきましたでしょうか。

間庭審議室長

よろしいですか。

土肥委員長

どうぞ。

間庭審議室長

竹田委員と松尾委員から新商標についての検討の進め方において、おっしゃるとおり、この論点の1、2、3あたりは、これはむしろやはりワーキングできっちり特定の対象、特定の方法、同一、類似の範囲を検討した上で、新商標を入れるとした場合のその定義の規定の仕方についても、これは検討させていただきたいと思っております。ただ、これはおっしゃるとおり商標法のある意味根幹に関わる見直しでございますので、その点についてはワーキングで方向性を出したものを商標制度小委員会できっちりやって議論していただきたいと考えてございます。時間はそれなりにかかりますので、ちょっと御容赦いただきたいと思っております。
また、田村委員から御指摘がございました著名商標保護につきましては、私どもまだ検討が追いついていない部分もございますので、御指摘の点も考慮に入れながら、我が国の商標法上でどこまでやれるのか、あるいはそのときに不競法との関係をどうするのか、また事務局なりに勉強いたしまして、御相談させていただきたいと考えてございます。
以上でございます。

土肥委員長

ほかに何か。
どうぞ、内海委員。

内海委員

先ほど松尾先生からお話がありました資料7の方に関しまして、電機関係の団体であるJEITAの立場でお話をさせていただきたいと思っています。
まず資料7に関して言いますと、私どもJEITAとしましては、これは基本的に賛成ということで考えております。先ほど松尾先生からもいわゆる絶対的拒絶理由だけ見るべきですとか、あるいはそれはもともと無審査でやるべきではないかという御意見がございましたけれども、我々電機としましては、いわゆる製品サイクルの短い部類のものは最近かなり増えておりまして、その点で一番気にするのは、まさに相対的な拒絶理由の部分なのですね。絶対的拒絶理由で、例えばたまたま普通名称に該当するという判断であればまだ使えるということで我々は救いがあるのですけれども、他社の権利にぶつかるというお話になりますと、それはまさに商標そのものが使えない。場合によっては製品の差止ですとか、あるいは自主的に判断してカタログの回収を行うとかになりますと、数千万、数億と、物によってはそういう単位のお金がかかってまいりますので、我々としてはこれはやはり相対的な拒絶理由まで含めての従来の審査の期間の短縮ということでお願いできたらありがたいと思っています。
もちろん、期間的にはそれは早いに越したことはございませんので、それはなるべく短い期間でお願いしたい。電機の場合ですと、例えばパソコン関係では製品の企画から出荷までというのはサイクルはかなり短いのですね。特にネーミングというのは製品の技術的な開発が終わった後で決まってくることが多いので、発売まで1ヵ月とか、場合によっては1ヵ月を切っている段階でネーミングの検討になりますので、これはなるべく短くという話でお願いしたいと思っております。
以上です。

土肥委員長

ありがとうございました。
ほかに御意見、ございますでしょうか。
遠藤委員、どうぞ。

遠藤委員

今、内海さんからお話があった点について、私は、化粧品業界なのですが、その立場でも、やはり同じ意見でございます。相対的な拒絶理由を審査しないということになると、審査期間を短くする意味が余りないかと思います。現在、登録前に使用を決定するというのがほぼ100%でございますが、こういった早期審査を導入されると、登録になってから使用するかどうかを判断できるということでとってもメリットがあるわけですね。ですから、その辺の審査をしていただけるととてもメリットがあるというふうに思います。
それからほかの点ですけれども、企業活動全般を見ますと、既存の権利を保護するというか、そういうのも大事なのですけれども、企業というのは新しい事業を始めて、新しいブランドを創造するというところをやっていかないと発展しないのですね。新しい商標の制度を創設するに当たっては、既存の権利を守るのはいいのですけれども、新しく我々が何かしようとしたときに、その権利が障害になるというのはとっても困る。だから、新しいハードルができてしまうというのはちょっとなるべく避けたいなというふうに思います。新しいタイプの商標の制度については、諸外国にも同様な制度があるというふうに書かれていますけれども、諸外国は例えば使用主義であったり、無審査の制度を採用していたり、日本とは違う状況で採用されている場合も多いと思いますので、その辺も考慮に入れて、これからワーキンググループで検討されるというのは賛成ですので、その辺、十分検討していきたいというふうに思います。
それからあと1点だけ、普通名称化した登録商標への対応ということで、これの取消制度というのは非常に賛成します。我々、ちょっと普通名称化しているだろうなと思うのに、登録商標が生きているために使いづらいというのはあります。ですので、賛成です。ただ、一方で事後の登録商標の普通名称化への対応ということで、普通名称化しないように登録商標の表示をつける要求をできる権利を創設するとなると、それというのはちょっと矛盾する部分もあるのかなと思います。というのは、普通名称化しそうな商標というのはそもそも登録時点で弱い商標というか、識別力が弱い商標であることが多いと思います。それを延命させる動機にもなるのかなというふうに私は思うのですね。だから、その辺も慎重に検討したいと思います。
以上です。

土肥委員長

おっしゃっていただいたように、そういう問題はこの小委員会で検討をするということでございますから、この検討課題としてお認めいただければ、その際において本委員会でこの問題に取り組んでいきたいと思います。
ワーキンググループの在り方についても御意見をちょうだいしておるところでございますので、この委員会においてワーキンググループを立ち上げるということに御賛成いただければ、ワーキンググループの方で引き続いてここでいただいた御意見を踏まえて検討を進めるということになります。この「新しいタイプの商標に関する検討ワーキンググループ」、仮称なのですけれども、この設置については皆様方、御意見、御了解いただいたというふうに考えさせていただいてよろしゅうございますか。

〔「異議なし」の声あり〕

土肥委員長

ありがとうございます。
それでは、そのワーキンググループを立ち上げるという方向で今後進めていきたいと存じます。
それから、このワーキンググループの委員の選定でございますけれども、先ほど審議室長が少し言及されておられましたけれども、産構審の関連規定がございますので、その関連規定に基づいて、委員の選任については私に御一任いただければ幸いに存じます。
それから、商標の審査基準の策定方法、これについて多々御意見をちょうだいしておるところでございますけれども、方向性としてこういう審査基準の透明性、それからハイパーテキスト化とおっしゃいましたか、要するに、より立体的にこの審査基準というものを把握できる、こういう商標審査の方向性、これについても御了解いただけましたでしょうか。

〔「異議なし」の声あり〕

土肥委員長

ありがとうございます。
それでは、そのように基本的な了解をいただいたという方向で進めさせていただきたいと存じます。
それから、早期審査・早期審理の運用の見直しでございますけれども、こういう問題についてはより広く制度の検討ということも必要になるわけでございますが、当面、本日の委員会において、現に使用しているか、使用の準備を相当程度進めている商品又は役務のみを指定している出願について、早期審理・早期審査を行う。そういうユーザーニーズに対応するために、運用を見直していくということについてもよろしゅうございますか。

〔「異議なし」の声あり〕

土肥委員長

ありがとうございました。
それでは、そのような方向で運用を見直していきたいと思います。
それで、時間も余り残っていないのですけれども、最初の方で御意見をちょうだいしなかったこともございまして、全体を通して何かございますか。
どうぞ、内海委員。

内海委員

先ほどのワーキングの件でございますけれども、ワーキングの設置をしていただいて、具体的な検討が来月から進むことになるかと思いますけれども、そのワーキングでの議事、どのような検討がなされたかという、そのアウトラインでも構わないのですけれども、それはぜひこの委員全体で共有させていただくような手段をとっていただければありがたいと思っております。

間庭審議室長

議事そのものは恐らく非公開でやることになりますが、議事概要等についてはホームページにも出しますし、また委員の皆様にもお知らせしたいと思っております。

土肥委員長

内海委員、今のでよろしゅうございますか。

内海委員

はい。

土肥委員長

ほかにございませんか。
ありがとうございます。
それでは、こうした方針に沿いまして、今後、パブリックコメント等々を進めていきたいと存じます。審査基準の具体的な改正案については次回以降の本小委員会に再度お諮りすることになると存じます。また、早期審査・早期審理の具体的な運用案についてもパブリックコメントを踏まえ進めていくという段取りになるのだろうと思われます。
それでは、今後のスケジュールにつきまして、事務局から説明をお願いします。

間庭審議室長

本日御承認いただきました新商標のワーキンググループを来月、7月から開催すべく準備を進めてまいりたいと考えてございます。その審議、方向性を取りまとめた上で本小委員会、来年2月ぐらいに再開、もちろんその間に必要があれば小委員会をやりますけれども、新商標についてのワーキングの取りまとめを受けて、またその定義規定の話、使用の定義の話及び著名商標その他の今回の検討課題について御検討いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

土肥委員長

ありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会第19回の商標制度小委員会を閉会いたしたいと存じます。
本日は長時間御審議をいただきまして、本当にありがとうございました。

閉会

[更新日 2008年6月27日]

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