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第10回知的財産政策部会 議事録

  1. 日時:平成19年4月4日(水曜日)10時00分~12時00分
  2. 場所:特許庁 共用会議室
  3. 出席委員:
    中山部会長、青山委員、井川委員、小泉委員代理(佐々木氏)、篠原委員、土肥委員、長岡委員、中島委員、中村委員、野間口委員、松尾委員、宮川委員、森下委員、諸石委員、安田委員、山口委員、山根委員、山本委員
  4. オブザーバー:大渕意匠制度小委員会委員長
  5. 議題:
    1. イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007について
    2. 戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-
      <知財戦略事例集>(案)について
    3. 地域知財戦略本部の活動方針について
    4. 地域ブランドフェスティバルについて
    5. 弁理士法の改正について
    6. 発明の進歩性判断について

開会

中山部会長

時間でございますので、ただいまから産業構造審議会の第10回知的財産政策部会を開催いたします。
本日は御多用中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

中嶋特許庁長官挨拶

中山部会長

それではまず最初に、当部会の開催に当たりまして、中嶋特許庁長官から一言御挨拶をちょうだいしたいと思います。

中嶋特許庁長官

おはようございます。本日はお忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。
前回、たしか1月の中旬にこの部会を開催させていただきまして、その時点で最近の状況を報告させていただいたのでありますけれども、本日はその後の進展を中心に御報告をさせていただきたいと思っております。
実は、前回の部会の後、今、経済産業省の中で大臣をヘッドにします特許審査迅速化・効率化推進本部というものがあるわけですけれども、その省内の本部で「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」、今日後で御報告申し上げますけれども、それを策定いたしました。もちろん、国内で特許審査の迅速化ということも当然なのですけれども、それと同時に、今、国際的にいろいろな特許制度を巡る動きもございます。そういう中で、できるだけ日本がリーダーシップを取っていきたいということでやっているつもりでございます。
あわせて、国内的には多分産業界におかれましても、ちょうど今、知的財産戦略をより深めるというか、肉付けしていく時期ではないかと存じます。かねてから、知的財産戦略を事業戦略とか、あるいは研究開発戦略と三位一体でということが言われておったわけでございますけれども、いろいろお聞きしますと、では具体的にどういうことをやっていけばいいのか。それは研究開発との関係、あるいは事業戦略との関係、それから最近になりますと標準化の戦略とか、あるいは企業全体のブランド戦略とか、そういった中で本当の意味で知的財産戦略が21世紀、より深まるようなことを考えていく時期かなというふうに思うわけでございます。
そういうこともございまして、私ども、企業150社にいろいろ出向きましてお話を伺うことをしながら、この中には海外の20社ほども含まれるのですけれども、そういった知財戦略を巡る事例集、これは必ずしも成功事例だけではなくて、失敗事例も入っているのですけれども、そういうものをまとめてみましたので、それも御報告させていただきたいと存じます。
それから、かねてから指摘があったのですけれども、発明の進歩性の判断につきましても、国内的ないろいろな事例、あるいは国際的な比較研究と言いますか、そういうことにも取り組んでみましたので、その報告もさせていただきたいと存じます。
今、二、三の例示を挙げましたけれども、そういったようなことを御報告しながら、今後知財戦略と言いますか、今の内閣の言葉を使いますと、国内におけるイノベーションのより促進に資するような知財の制度運用が少しでも充実できるように委員の皆様方からいろいろ御意見をちょうだいできればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。

中山部会長

ありがとうございました。

委員紹介

中山部会長

それでは、新たにこの部会の委員となられた方が2名おられますので、事務局から御紹介をお願いいたします。

間庭制度改正審議室長

それでは、御紹介いたします。
お二方、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授、土肥一史委員。

土肥委員

土肥でございます。よろしくお願いいたします。

間庭制度改正審議室長

日本弁理士会会長、中島淳委員。

中島委員

中島でございます。よろしくお願いいたします。

間庭制度改正審議室長

以上、お二人に新たに委員に御就任いただきました。

中山部会長

ありがとうございました。
本日は、本年の1月25日に甘利経済産業大臣を本部長とする特許迅速化・効率化推進本部におきまして、特許審査の迅速化・効率化に係る数値目標及びそれを達成するための重点政策を一体的に取りまとめました「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」につきまして、事務局より御説明をいただきます。また、本プランにおいて策定するとされております知財戦略事例集につきましての御意見をちょうだいする予定でおります。このほか、地域知財戦略本部の活動方針、地域ブランドフェスティバル、弁理士法の改正、発明の進歩性判断について、御報告をちょいだいする予定でおります。
それでは、早速議事に入ります。
事務局より配布資料の説明をお願いいたします。

間庭制度改正審議室長

配布資料の確認をさせていただきます。
今日は非常に大部にわたって恐縮でございます。資料1、委員名簿、資料2-1「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007概要」、2-2がその本文、資料3-1が「戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-<知財戦略事例集>(案)の策定について」、3-2がそのポイントの横長の紙でございます。3-3はファイルになってございますが、これがその本文でございます。次に資料4「地域知的財産戦略本部の現状と今後の方向」、資料5-1が「地域ブランドフェスティバルについて」、5-2が「パネル展示されている地域団体商標」、日本地図でございます。5-3が「地域団体商標の出願状況について」、5-4が「地域団体商標の登録査定状況について」、次に資料6-1で「弁理士法の一部を改正する法律案の概要」の横長の紙、6-2でその「法律案について」、7-1で「発明の進歩性判断に関する検討結果について」、7-2で「進歩性検討会報告書」、7-3で「進歩性等に関する各国運用等の調査研究報告書」、最後に配布しておりますが、「平成19年度「発明の日」記念事業の概要」、これは4月18日に発明の日の記念事業を予定しておりますところの概要紙でございます。どうぞ御参照くださいませ。
以上の資料につきまして、不足等がございましたらおっしゃっていただければと思います。

中山部会長

よろしゅうございましょうか……。

イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007について

中山部会長

それでは、最初の議題であります「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

山本総務課長

総務課長の山本でございます。私の方から説明をさせていただきます。
資料2-1のA3の横長の色刷りの資料をごらんください。先ほど中山部会長からも、あるいは中嶋長官からもメンションがありましたように、1月末にこの「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」、そこにあります英語の名称がございまして、その頭文字をつなげると「AMARIプラン2007」ということでございます。これを策定をされました。
前回、この部会で御説明をいたしましたように、去年の1月に「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」というものをつくりまして、数値目標なども定めたわけでございます。また、去年の秋、政権が替わりましたときに、その時点において重点的に加速して取り組んでいくべき知財の重要政策というのをまとめたわけであります。今年の1月に、先ほど長官からお話がございましたように、省内の効率化、推進化本部を開催をいたしまして、去年の初めにつくりました行動計画の数値目標を見直す。見直すというのは、新しい予算もでき、体制もふえますので、それに基づいて2007年度、今年度の審査の体制を踏まえて、この数値目標などを見直すということでございます。
あわせて、去年の秋に策定いたしましたいわゆる「AMARIプラン」の重点施策につきましてもその後の進捗状況、特に国際的な交渉の進展なども踏まえまして改訂をして、その2つを合わせて「AMARIプラン2007」というふうにしたということでございます。
1枚目の下の方が数値目標の部分でございます。右側の方をごらんをいただきますと、御承知のように、非常に多くの審査案件を抱えておりまして、それを1つでもたくさん処理をして、待ち時間を短くしていくということに務めておるわけでございますけれども、特許審査の一次審査件数については6年度の目標を29万件と置いてやってまいりまして、これについては何とか達成をいたしました。07年度、今始まったばかりでございますけれども、これについては約31万件という目標を設定をいたしました。
審査順番待ち期間につきましては、昨年度28ヵ月という目標でございましたが、これも現在、26ヵ月程度で推移をしておりまして目標達成いたしておりますけれども、来年度の目標を28ヵ月台というふうにいたしました。これは少しふえているように見えますけれども、御承知のように審査請求件数は05年度がピークで、06年度はやや減少というぐらいの感じではございますけれども、審査処理能力に比べますとまだ非常に多くの審査請求が出されておりまして、放置をいたしますとこの待ち時間がどんどんふえてしまうというような状況にあるわけでございまして、下にありますようないろいろな効率化を図りまして、何とか07年度、28ヵ月台というものを達成をして、中期目標である13年度に11ヵ月というものの達成につなげていきたいということでございます。
そのほか、下にありますように、効率化に関する目標として、審査官1人当たりの年間処理件数ですとか、先行技術調査の民間外注ですとか、あるいは審査に係る直接コストについてもそれぞれ数値目標を定めたところでございます。
2枚目に進んでいただきまして、2枚目が、当面、知財の世界で省として重点的に取り組む施策を掲げてございまして、大きくは4つの分野に分かれております。左上のところがグローバルな権利取得の促進と知財保護の強化ということでございますが、特に新しくなった部分は一番初めの特許審査ハイウェイについて、その後の日韓、あるいは日米での合意を踏まえまして、日韓特許審査ハイウェイは今年4月から、日米間は去年の7月から試行しておりますけれども、本年初めの大臣訪米によりまして、今年の7月から本格実施をするということを決めております。それから、その2つ下の丸で特許取得手続におけるAPEC協力イニシアティブというのがありますが、審査協力ですとか、特許制度の調和ですとか、そういったことをAPECワイドでもやっていこうということで、今年初めの高級事務レベル会議で提案をいたしまして、APECの中での協力イニシアティブをつくろう。できれば、秋に予定されております閣僚レベルでの合意を目指そうということでございます。
その下の出願様式の統一につきましても、昨年末に三極で合意をいたしましたので、そこにありますようなスケジュールを決めて09年度には運用開始をするというような目標を立てております。
左下の第2の方に移っていただきますと、ここは審査迅速化・効率化ということでございまして、先ほど申し上げましたような特許の審査迅速化を図るために、また任期付審査官のさらなる増員ですとか、先行技術調査の民間外注の拡大なども書いてございますが、そのほかに品質監理室というのを4月から設置をいたしまして、量だけではなくて、質の維持・向上というのも図ろうということを目標に入れております。
右側の方に「企業における戦略的な知財管理の促進」というのがありますが、この2つ目の丸のところに、当部会の意見もお聞きしながら「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)」の策定・公表をするというのが書いてございますが、これがこの後の議題でまさに御説明をいたしたいと思っている点でございます。
そのほか、その3つ下をごらんいただきますと、「特許戦略ポータルサイト」、これは出願人の方が御自身の査定率ですとか実績などをポータルサイトでごらんいただけるというようなものを試行的に開始してみようというような取り組みを盛り込んでおります。
最後に右下の第4のところは「地域・中小企業の知財活用に対する支援強化」ということで、各地に設置しております地域知財戦略本部の活動の充実とか、中小企業支援政策の普及の抜本的強化ということを盛り込んでおります。特に、地域知財本部の活動の状況についてはこの後の時間でまた御説明をさせていただきます。
このような目標を立てまして、これを2007年度、私ども経済産業省全体で取り組んでいくべき目標として掲げて頑張ってやっていこうと、こういうことをやっているという御報告でございます。
以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたらお願いいたします。
どうぞ、松尾委員。

松尾委員

2枚目の第2のところに新しく品質監理室を設置するとありますけれども、審査の品質というのは具体的にどういうことをお考えなのか、御説明いただきたいと思います。

山本総務課長

各審査官の審査の質にばらつきがないかどうか、審査基準を定めてやっているわけでございますけれども、それに沿った審査が行われているかどうかをチェックしようということでありまして、庁内にそういう専門の部屋とそういうチェックに当たる委員のようなものを、中の審査官ですけれども、任命をいたしまして、サンプル的に抽出した案件についてそういう人たちが、その基準ときちんと合っているかどうかをチェックしよう。もしずれがある場合にはまた庁内にフィードバックしていこう、そういう活動をしていく専門の部屋をつくったということでございます。

松尾委員

何人ぐらいいるのですか。

淺見審査基準室長

品質監理室は現在3名でございますが、その品質監理委員と言いますが、チェックをする体制は現在、12名の委員を置いております。

松尾委員

ありがとうございました。

中山部会長

ほかに御質問等ございましたら。
どうぞ、宮川委員。

宮川委員

済みません。第1のグローバルな権利取得の促進のところなのですが、「アジア等における模倣品対策の強化」の中で「「模倣品・海賊版拡散防止条約」(仮称)の早期実現を目指す」とありますが、この条約について非常に関心を持っておりまして、現在、どのような段階でいらっしゃるのか、簡単に情報をいただけたらと思うのですが。

中山部会長

それはどなたから、長官、お願いします。

中嶋特許庁長官

これは小泉総理のときにサミットで、こういうインターナショナルな法的なフレームワークをつくったらどうかという提案をしまして、その後、現在は先進国の中のいわば有志と言いますか、もちろんアメリカ、それからヨーロッパ、ヨーロッパはどうしてもEU委員会が中心になるわけですけれども、その中でドラフティングの作業をしています。
それで、考え方としては、もちろん段階的に発展途上国にもどんどん入っていただいて広げていきたいわけですけれども、最初からみんなが入れるような仕組みということにしますと、率直に申し上げて、かなりレベルが下がってしまうわけですね。別途、いわば最低限度の国際的なルールとしてはWTOでTRIPS協定というのが95年にできています。ですから、プラスアルファがそれなりにないと意味がないわけですね。したがって、今は先進国の中でそういうドラフティング作業を進めている最中で、できるだけ、今年から来年にかけてその作業を進めていきたいと考えています。もちろん全体としてできるだけ早くまとめたいわけですし、皆、国際的にはそういう模倣品対策は大変関心が高いので、外務省と二人三脚で、作業に今取り組んでいるという状況です。

宮川委員

ありがとうございました。

中山部会長

ほかに何かございますか。
どうぞ、安田委員。

安田委員

安田ですが、第2のところの最後のところに「学術文献等DBの構築」というのがあります。私は今、電子情報通信学会の副会長をしているのですが、最近、特許で文献引用というのが盛んに行われて、非常に見る側から見ると文献と特許とがリンクされてわかりやすくなっていいと思うのですけれども、問題はキーワードというのが文献と特許の側で必ずしもマッチングしていない可能性があるということなので、学会レベルの論文に関してキーワードを設定している人間と、特許の審査官の方々がどういうキーワードを使うかを、少しすり合わせをするようなことをお考えいただいたらもっとわかりやすくなるのではないかということで、ぜひお願いしたいのですけれども。

中山部会長

それは……。

山本総務課長

ぜひ検討させていただきます。

中山部会長

ありがとうございます。
ほかに何かございましたら。
どうぞ、青山委員。

青山委員

アドバイザーコンサルタント協会の青山です。
先ほどの委員の御発言に絡むのですけれども、アジアの模倣品対策の強化というところで、これは模倣品については、それを利用する消費者がいたり、あるいは知らずに手にしてしまう消費者がいたりということで、やはり消費者の啓発というのは本当に大変重要だなというふうに私どもも思っているのですけれども、1つ非常に認識不足で申しわけなかったのですけれども、1の最後のところで日仏共催の模倣品対策フォーラムの開催が3月に行われたようなのですけれども、この状況の御報告と、それから今後の開催予定と言いますか、そういうことをお聞かせいただければというふうに思います。

中山部会長

長官。

中嶋特許庁長官

大変失礼しました。実は、昨年からこれは日仏両方から提案をして、こういうものを3月にやろうねという話で準備を相当煮詰めてやっておったのですが、直前になりまして、フランスの担当大臣というか、ブルトン大臣というのですけれども、フランスの国内政治情勢と申し上げればおわかりいただけると思うのですが、今ちょうど大統領選挙とかいろいろあることも影響しているのではないかと推測しますが、ちょっと先方の都合で大臣の訪日中止ということになったもので、とりあえず3月の開催は見送りになりました。ただ、フランス側も日本側も、できるだけフランス側の準備が整い次第、早く共同でフォーラムを開催しましょうということになっております。ですから、引き続き準備をしたいと思います。
ちなみに、今まさにおっしゃったように、フランス側も、国内での消費者向けの啓発という点と、それからやはり税関とか警察を含めた取締りというか、この2点を非常に重視している国なものですから、そういう意味で日仏がお互いにどういうことをやっているのか、それから、できれば第三国の人も呼んで、そういうフォーラムをしたいということでございます。
それから、今のお話に少し関連しますが、もちろん日本は模倣品対策を一生懸命やっている国だというふうには見られているのですが、ときどき韓国の政府の関係者などが、実際、韓国に来て模倣品を買っている人の9割以上は日本人だとかいうことも言ったりするものですから、やはり私どもとしては、国内の消費者の方にも模倣品防止の必要性ということを十分御理解いただきたいと思っているので、いろいろなそういう国内向けのキャンペーンもやっていきたいと思っております。

中山部会長

ほかによろしいでしょうか……。
それでは、次の議題に進みたいと思います。

戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-
<知財戦略事例集>(案)について

中山部会長

次は、「知財戦略事例集」の策定につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

木原技術調査課長

技術調査課長の木原でございます。本件は私の方から御説明させていただきます。
お手元の資料3-1、3-2、3-3がこの議題の資料でございます。本件につきましては、前回の1月19日の本部会におきまして、こういう事例集の必要性であるとか、どういう内容でつくるべきかという御議論をいただいておりまして、それらを踏まえさせていただき、作業を続けてここにこういう、非常に大部なものでありますが、資料3-3の形で事例集(案)の取りまとめに至った次第でございます。本日はこの内容等につきまして御審議をいただきたいと思っております。
まず、再度になりますが、もう一度簡単に本事例集作成の背景等を御説明し、その後、内容の説明に移らせていただきたいと思います。
すでに先ほど中嶋長官の方からもメンションがありましたけれども、イノベーションを促進するということにおきまして、企業におかれては戦略的な知的財産管理が非常に重要であるということで、事業戦略、研究開発戦略との関係で知財戦略の中に標準化とかブランドに係るような戦略も加えて、それらを三位一体で進めていくことが大事になっているということは、もう皆さん、認識は共通しているところでございます。ただ、実際に企業におかれてそういう戦略を構築していくに当たって、業種・業態に応じてどういう体制、環境を整備すればいいのかといったようなことも含め、いろいろな壁にぶち当たるというような声も聞かれております。そこで今般、各企業での知的財産戦略の構築に資するような事例集を策定する重要性を認識し、この前の議題で説明いたしました「AMARIプラン」の中の施策の1つとしてこの事例集の取りまとめを行ったということでございます。
ちなみに、本年2月26日に知的財産戦略本部知的創造サイクル専門調査会が「知的創造サイクルの推進方策」を策定しておりますが、その中でもやはりこのような事例集の必要性がうたわれております。
次に事例集の概要でございます。これも先ほど中嶋長官の方からメンションがございましたけれども、まず、知的財産を積極的に企業経営に取り込んでおられる企業を訪問させていただいて、いろいろな実際の取組をヒアリングさせていただきました。結果としてヒアリング実施企業は150社になっております。その中には、現地訪問させていただいた欧米企業20社や、知財で頑張っておられる中小・中堅企業10社程度も含まれております。
そして、次のページにございますけれども、(財)知的財産研究所に委員会を設置し、委員長として東京大学の後藤先生、また本部会の委員でもあられる長岡先生にも委員として御参画いただきまして、ヒアリング結果から抽出した各種事例を整理した内容を議論いただき、今般、その結果を特許庁として取りまとめ、ここに至った次第でございます。内容的には約600の事例からなっておりまして、そのうち約100は失敗事例となっております。今後、この事例集を今後広く外部に公表させていただいて、産業界で御活用いただき、各種事例を参考に、さらに各社におかれて知的財産戦略を深めていっていただきたいと考えております。
内容につきましては、この資料3-3は、約270ページと非常に大部でありますので、本日は資料3-2のA3のポンチ絵3枚で御説明させていただきたいと思っております。
一番上にあります1枚紙はこの事例集全体を俯瞰するような紙になっております。事例集自体は7章構成になっておりまして、第1章が「はじめに」ということで作成趣旨、第2章が全体の概要と申しますか、エグゼクティブサマリー的な位置づけになっております。第3章からが本論になるわけですが、まず第3章が「優れた知的財産の戦略的創造」という部分でございます。ここでは研究開発テーマや方針の決定にいかに知財部が参画するのかということや、自社の開発のみにこだわらずにライセンスインとかM&Aをする戦略であるとか、基本発明の周辺を固める戦略、また、上流技術と下流技術を融合させていくような戦略等を事例として紹介し、かつ、特許情報をうまく使って研究開発を効率よく、無駄なく進めていく重要性がわかるような内容にまとめてございます。
次の第4章が「知的財産の戦略的保護」の部分でございまして、まさに特許庁が深く関与する部分になってくるわけでございます。生まれた発明をいかに発掘して活用できる形でブラッシュアップし、その後どういう道を選んでいくのか、やはり王道は特許出願ということになると思いますが、特許の活用が本来の目的であるにもかかわらず、ややもすれば出願自体が目的となってしまっているという問題認識ができるような事例もございます。また出願したものについてはグローバル戦略を持って海外への出願も検討していくということが大事になりますが、それでは日本のみにとどまる出願というのはどういうものなのか、どういう意味をもつのかというような切り口での事例もございます。
他方、特許出願は公開を前提とするものですので、技術によっては、例えば、公開されなければ他社の追随を許さないであろうと思っている技術であるとか、ブラックボックス化が図れるような技術については、ノウハウとして秘匿するというのも1つの道となります。これに関連しまして、前々回の、昨年の6月になりますが、本部会におきまして「先使用権制度ガイドライン事例集」を御検討いただきまして、すでに公表させていただいておりますが、ノウハウ秘匿の道を選んだ場合はこういうガイドラインや、別途、知的財産政策室が公表しております「営業秘密管理指針」等、各種指針も御参考にしていただければと思います。また、ライフサイクルが短いような技術については実用新案という道もございますし、単に他社の権利化を阻止するということだけであれば、公開技報等を使って公知化していくという道もございます。このような内容で第4章を構成しております。
次の第5章が、その下にございますまさに特許制度の利用目的となる権利の戦略的な活用という部分でございます。ここでは、自社事業の維持拡大のために権利を使っていく、あるいは知的財産自体で直接収入を得ていくというような戦略がございます。さらに海外で取得した知財権をいかに活用していくのかというところで、模倣品対策であるとか新規ライセンシーの獲得とかに用いていくということも重要でございます。また、企業規模が大きくなればなるほど事業部門ごとでの知財管理がなされているわけですけれども、ある部門では必要ないと思われていた特許権でも他の事業部で有効に活用できるというようなこともあるわけでして、一見不要と思われる特許権を新規事業とか新規商品に結びつけていくというような事例もございます。
以上が第3章から第5章、創造、保護、活用というところで、知的創造サイクルをいかに回していくのかという構成になっております。
次に、この知的創造サイクル全体を俯瞰しておりますのが今回の1つのキーワードになるのですが、右の縦のところにございますように「知的財産の群管理」という切り口でございます。知財戦略を事業戦略、研究開発戦略と三位一体でやっていこうということになりますと、商品とか研究開発テーマとリンクしたような形で発明を管理していく、すなわち、個々に発明を単に管理するだけではなくて、群で管理していくということが大事になります。第6章では、群管理のメリット等を解説させていただいて、群管理のレベル毎に事例を紹介しております。
ここで1枚めくっていただきまして、次のページが、ここまで御説明いたしましたところに関係する事例を本文から抜き出したものでございます。かぎ括弧で数字が入っておりますけれども、これは、本文中に連番で事例番号をつけておりまして、その番号と対応するものでございます。
時間の関係もありますので、一部になると思いますが、事例を御紹介いたします。例えば「研究開発テーマとその方針の決定」のところで42番というのがございますが、この事例は、知財部が研究開発テーマに関して重大な他社特許の存在を知っていて研究開発部門に知らせていたにもかかわらず、それを結果としては無視されて突き進んだ結果、代替技術の創造もできず、事業撤退になったというような事例でございます。その右側に28番というのがございますが、これは米国企業の事例でございますけれども、かつては自社開発にこだわり続けたというわけですが、最近はむしろ新規アイデアの半分は外部から取ってくるというような戦略に移り変わっているというような事例でございます。
それから、その右に50番というのがございますが、「発明群の戦略的創造」の中で、自社製品とその使用方法、用途をあわせて開発していくということで、例えば素材メーカーであればその素材を使った最終製品の特許なども押さえていくことによって市場を確保していくというような戦略の紹介事例です。
次に、中段のところ、保護の部分でございます。左側の「ブラッシュアップ」のところで90番というのがございますが、結局、最終的に使える特許にならないと意味がないということで、その発明のブラッシュアップ自体を研究部門、事業部門を交えた三位一体でやっていって、使える特許権を生み出していくという事例でございます。
それから中ほどにルートの選択がございますけれども、活用見込みで特許出願していく、すなわち、ロイヤリティ獲得か他社排除が見込める発明は特許出願をして、侵害発見が困難な発明はノウハウ秘匿するというポリシーで管理ルートを選択していくという事例でございます。
それから、右の「海外特許出願」のところの257番に「審査ハイウェイを活用」というのがございます。昨年7月から日米間では特許審査ハイウェイの試行をやっており、これは3月末時点での状況でございますけれども、すでに日本から米国が68件、米国から日本が118件ということで、その活用が増えてきております。また、この4月からは日本と韓国の間でも審査ハイウェイを開始しております。257番は、もう既にそういう審査ハイウェイを活用して、クロスライセンス交渉が頻繁な分野で米国での早期権利化に成功しているという事例でございます。
1つ下に移っていただきまして権利の活用部分、「自社事業の維持・拡大」という点で、左下の268番に「水際対策を積極実施」というものがございます。これは税関職員のセミナーに企業として積極的に参加して、職員に対して自社製品と模倣品の見分け方をレクチャーしていくというような事例でございます。その右側の294番ですが、「独占領域と低ライセンス領域の戦略」ということで、両方そろって初めて機能するような製品について、片方については安いライセンス料で広く使われるようにし、もう一方の組み合わせ部分については独占をしていくという戦略によって市場を拡大していくという事例でございます。また、「海外における権利行使」の部分では、320番として「国際展示会で退場要請」とありますが、これは海外の国際展示会に知財部員が参加して、その展示会に出典されている模倣品を発見次第、その撤退を要請していくというような事例でございます。
次に、右の方の「知的財産の群管理」というところです。レベル1として製品との関係で分類しているレベル。レベル2として、可視化、「見える化」し、面で自社特許、他社特許をとらえて、自社の強み、弱みがわかるような形で管理をしていくレベル。さらにレベル3として、将来ビジョンが描ける、すなわち、レベル2に時間軸が入ってきて、将来課題も含めて三次元での群管理を達成していくレベル。このような流れで事例を紹介してございます。
なお、本事例集は、特許、発明が中心なのでございますけれども、一部、他の知的財産権との併用という切り口でも企業からお話が聞けておりまして、それも紹介してございます。例えば472番ですが、特許発明でブランドを確立し、引き続き商標で利益確保するという事例です。特許権は出願から20年で切れてしまいますが、商標は半永久的ということで、商標権をうまく組み合わせてその製品の売れ筋を維持するという戦略でございます。
以上が第6章までのでございます。
次に、1枚戻っていただいて最初の図でございますが、右側のところに諸々の矢印で体制論等を書いてございます。ここが、最後の章、第7章に対応する部分で、知的財産戦略を三位一体で進めていくに当たって、どういう体制なり環境を整えたらいいのかという内容になっております。具体的には、前後して恐縮なのでございますが、3枚目を開いていただいて、その3枚目で御説明したいと思います。
まず左上にございますように、どういう知財管理体制を組めばいいのかというところでございます。本社に集中的に知財部を置くというのが集中型、事業部門ごとに独立して知財を管理していくというのが分散型というように名付けておりますが、企業規模が大きくなればなるほどそれら両者のいい点をとらえて併設型ということで、本社機能の下での知財部と事業部門ごとの知財部とが縦串と横串の関係で漏れのない知的財産管理をしていくという体制がとられるようになってきております。
次に、「経営と知的財産戦略」というところで、402番は、経営層レベルでの知財会議を有効に活用していく事例、そして、「知財部と研究開発部の連携」として、411番は、研究開発の各ステージで知的財産に関するチェックを必ず行うといういわゆるステージゲート法的なものを活用していくというような事例です。
これと密接に関係するのが右上の「CIPOの設置」というところで、知財担当役員を設置する重要性を紹介し、今回はその役割を主に3つというように整理させていただいております。まず1つ目は、知的財産戦略の基本方針をもって経営会議に臨み、経営戦略の策定に参画していくということ、2つ目は、策定された経営戦略に基づいて、具体的な知的財産戦略を策定していくということ、そして3つ目は、日々の知的財産活動を管理・監督して、情報を経営層に上げていくということです。
それから若干切り口は変わりますが、左下に行っていただきまして、今回、冒頭でもお話しいたしましたが、知的財産戦略の中に標準化戦略をいかに融合させていくのかということが非常に大事になっているということで、例えば460番は、標準担当部署と知的財産担当部署が連携して両方の戦略をうまくリンクをとってやっているという事例です。また、「自社技術の標準化」というところで、461番は、かつて標準化戦略を重視しておらず、その結果、非常に痛い目に遭ってライセンス料を多く払わなければならなかったという失敗を教訓として、今はパテントプールでライセンス収入があるという事例でございます。
次に、右側に移っていただきまして、中ほどに「人材の育成」という項目がございます。やはり人材が全てのキーになりますので、ここでは、知的財産部員の育成のみならず、研究者にいかに知財センスを持たせるのか、営業担当者にいかに知財センスを持たせるのかということが、三位一体を進めるために必要であるということを紹介しています。また、知的財産部員は知財のことだけわかっていればいいというのではなくて、経営センスも身につける必要があるでしょうし、技術がわかる必要もあります。かつては一度、知的財産部に配属されると退職までずっと知的財産部ということが多かったと思うのですが、先端をいく企業の中には、人事ローテーションを組んで、知的財産部員を研究開発部門とか営業部門とかにも配置転換し、また知財部に戻すというような戦略をとっている事例がございます。またスペースの関係でここでは紹介できていないのですが、社内の人材だけですべてを回していくというのは限界があるため、そこで重要になってくるのが外部の専門家の方ということになります。具体的には、弁理士さんであるとか弁護士さんということになってくるわけですが、そういう方々をいかに登用するのかという観点でも幾つかの事例が聞けておりまして、代理人の方の確保のためのインセンティブ方策等の事例も本文の中では紹介しています。
最後に「報奨・表彰制度」という観点で、ここでは特許法35条の職務発明の報奨のみならず、発明者の方以外の方々にいかにインセンティブを与えるのか、すなわち、社員の中で公平感とか透明性を担保するためにどういうことをしているのかという事例を紹介しています。例えば、558番は発明者以外への表彰でございますけれども、「特許活動賞」を設けてその貢献をたたえているという事例でございます。
以上、このような内容で本文が構成されているわけですが、たびたび前後して恐縮なのですが、1番目の紙に戻っていただきまして、右下のところに「特許情報の活用(アンケート調査結果)」がございます。この事例集全般にわたって言えますことは、企業活動の中で特許情報をいかにうまく活用していくことが大事かということです。この部分については、今回、出願件数が10件以上の企業、大体2,000社程度あるのですが、そこを対象に(財)知的財産研究所がアンケート調査を実施し、約900社の方々から御回答をいただきました。その結果から、例えばIPDLの活用とか、商用データベースの活用はどのようになっているのかといった特許情報の活用実態をこの事例集の最後の部分に付録として紹介しております。そして、その中で言えることといたしまして、ここにありますように、今、企業の中では研究者自らが先行技術調査をしていく、特許情報を活用していくということが大事になっているということ、また、特許情報をどのように使っていくのかという観点で、そのためのノウハウの共有化を図るために、活用指針の整備とかサポート体制の充実が重要であるということが挙げられます。
ちょっと長くなってしまいましたが、以上のような形で事例集(案)の取りまとめをさせていただきました。本日、委員の皆様から御意見等をいただきまして、最終的には、特許庁として「(案)」を取らせていただきたいと考えております。
私の方からは以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
実務上、非常に有益な資料になると思いますけれども、ただいまの説明につきまして、何か御質問等ございましたらお願いいたします。
どうぞ、諸石委員。

諸石委員

この事例集につきましてはずっとお話は伺っていたのですが、実物を拝見するのは今日が初めてでございました。朝からパラパラと見せていただいて、企業の中で知財に関与している人間にとっては非常に腑に落ちる、そのとおりというところと、これはできていないなというのでギクッとするところとか、そういう意味で実際の企業の実務に携わっている人には極めて有意義なものであろうと思います。取り上げていただいている項目が非常に網羅的に知財関連のあらゆる項目を取り上げていただいている。事例が日本のほとんどの特許先進企業を網羅しておられるのだと思いますが、そういったことで、これは特許庁でおやりいただいた事業の中でも非常に画期的な、立派なお仕事だと思います。
これを周知徹底すると同時に、これ1つ1つの項目がそこに至るまでに非常に長い時間と奥深い内容があると思いますので、これは各企業で読み飛ばすのではなくて、もっと勉強していく、掘り下げていくということになると思いますが、そういう手助けをすると言いますか、これを材料に使った教育研修のようなもの、例えばこの編集に当たった方々が講師になって知財研あたりでやっていただくとか、そういうことで、これを読み飛ばすのではなくて、十分活用するような方策をさらに御検討いただければありがたいと思います。

中山部会長

その点、木原課長、何かございましたら。

木原技術調査課長

ありがとうございます。まさに御指摘のとおりと思っておりまして、「(案)」が取れましたら冊子の形にもさせていただいて、いろいろな機会を通じてその内容の説明等もやらせていただきたいと思っております。ただ、これは特許庁だけでやれるかどうかということもございまして、この事例集表紙に「経済産業省特許庁」となっておりますように、経済産業省全体として、原局も含めていろいろなルートで周知徹底を図ってまいりたいと考えております。

中山部会長

ほかに何か御意見、どうぞ。

井川委員

どうもありがとうございます。今おっしゃったようにこの報告書自体は非常に参考に多分なるのだろうと思います。ただ、私は企業家、こういうメーカーに勤めているわけではないので、ただし、政策面で非常にいいのだけれども、1つだけもうちょっとここもプラスしたらよくなるのではないのかなということを申し上げたいなと思う次第です。
それで、先ほどのアンケートにもあるとおり、こちらの255ページか何かにもあるとおり、海外の状況というのはなかなか不足感が企業の中にもある。なおかつ、今回の場合は国内を主に調査されていて、海外でどういうふうに活動していったらいいのかとか、あるいは困難さという部分については、模倣品対策等は書いてあるのですけれども、それ以外の事業展開とかを見ると、それほど多くないのかなという感じがするわけです。
それで、「イノベーション」という言葉の意味も、これは最近とってつけたようにふえてきたと言ったら怒られてしまうのかもしれないけれども、この間、「イノベーション25」という報告書の中間報告みたいなものを内閣府がまとめていますけれども、それなどを見ましても、今、地球の、企業活動というのはフラット化みたいなことがあって、ネットを活用したりして思いもよらないところで事業展開などが進むというようなことも書いてあって、そういうことを考えますと、グローバルにいろいろなところの情報というのを日本の企業の方がこれから新しい産業を起こして展開していく上では非常に重要なのではないか。
それで、もし可能であれば国内にとどまらず、こういったアンケートでも挙がっているように、情報が足りないところを含めていろいろな各国の状況というのを、どういうふうに知的財産を活用して、今は余り展開していないけれども、どうやったら展開できるのかとか、あるいは苦労、あるいは現地の制度であるとか、産業状況であるとか、そういったことまでプラスして今後おやりになるというのは、多分日本の企業の方には大いに役立つのではないかと思い、今後、どういう取り組みが考えられるのかなということをお伺いしたいなと思う次第です。

中山部会長

それでは、木原課長、お願いします。

木原技術調査課長

ありがとうございます。井川委員御指摘の点、もっともだと思っておりまして、今回の事例集の作成に当たりましては、海外の部分も、もっと厚くしたかったという、本音で申しますとそういう点がございました。しかし、実際に企業の皆様にヒアリングをお願いした結果として、事例として集まったのはこのような内容にとどまったということでございます。ただ、実際に企業の方々に直接お話を伺っておりますと、各国の制度状況、例えば、中国はかなりわかってきたけれども、インドとかロシアとか、ほかのBRICSの国々とか、あるいは最近はVISTAと言われておりますベトナム、インドネシア等も重要な国となっており、そういう国々の制度についての情報がもっと欲しいといった声が実際にございました。特許庁としては、この事例集はこういう形でございますけれども、いろいろな機会を通じてそういう情報を提供していくことが重要と考えております。1つは私の課で担当しておりますけれども、年次報告書でそういう情報を広くオープンにしていくということもありますし、国際課の方でも、各国の特許制度・運用について収集した情報をすでにホームページ等で公開していると思います。そういうものも充実していくということも大事だと考えておりますので、引き続き頑張ってまいりたいと思います。

中山部会長

ほかに、森下委員、どうぞ。

森下委員

非常によくできて、参考になるものではないかと思います。今回はこれで結構なのですけれども、先ほどのお話ではないですけれども、少し分野別というのもつくっていただけたらと思います。分野別ですね。ライフサイエンスとか電気事業、かなり分野によってやはり戦略も違いますし、ぜひそういうものもできれば参考になるのではないかと思いますので、今回のものにつけ加えるのか、あるいはその中で抽出していただくのか、ちょっとそのあたりはわからないところもありますけれども、そういうものができればさらに参考になるのではないかと思います。
それからもう一点、非常に小さな話なのですけれども、今回いただいた要約版の方、これの2枚目、3枚目というのは非常によくできていて、本文の方に見当たらないので、むしろ中を俯瞰的に見るという点でもこちらの要約文の方もぜひ入れてもらった方がいいのではないか。全体の態様として、ここでこういうものが書いてあるのがわかるともっと見やすいように思いますので、よろしければそちらの方ももし中に入れられたらと思います。

中山部会長

どうぞ。

木原技術調査課長

ありがとうございます。
まず1点目の分野別のところなのでございますが、これについては知的財産研究所に設置した委員会でも実は議論がございました。細かい分野別というのは難しいとしても、例えばある程度大まかに分類したらどうかということも議論いただいたのですが、委員会の委員の方々からの大半の意見というのは、幾つかの理由で分野を示さない方がいいという答えでございました。
1つは、分野によって大きく戦略が違うと思っていたのだけれども、実際には他分野のところでも非常に参考になる事例があって読むべきなのに、分野情報があると、その分野に特化したところしか読まなくて、それ以外のところに目が行かなくなるのではないかというご指摘です。また、今回のヒアリング企業の皆様からは、ある意味、機微なところまでお話をいただいているわけですけれども、分野が特定されるとその企業が特定されてしまうかもしれないという恐れが大きくなって、事例表現をより抽象的なものにせざるを得なくなってしまうというご指摘もございました。
したがいまして、本事例集は、事例全体を広く読んでいただいて、自分の会社の業種・業態に合うものをうまく選択していただくような形にさせていただいた次第でございます。
次に、2点目のご意見についてですが、まず、このポンチ絵をご評価いただきましてありがとうございます。審議会の資料として御説明用に本日用意させていただいたものなのですが、これ自体も、事例集本体の中にうまく入るかどうかということも含め、皆さんに広く使っていただけるような形になるように検討させていただきたいと思っております。

中山部会長

では、野間口委員。

野間口委員

大変すばらしいものができたなと思っていまして、非常に参考になる資料だと思いますが、先ほど来、周知の方法とかのお話が出ていますけれども、これはウェブの上にも載る、特許庁のホームページでもこれにアクセスできるというふうになるわけですか。

木原技術調査課長

はい。

野間口委員

後の方のあれにも関係するかと思うのですが、地域の知財戦略本部、これは各地域がホームページをおつくりになって、結構いいことをやっておられるなと。ただし、地域間でかなりレベルの違いがある。それから、その地域の人はまず地域の知財戦略本部の方にアクセスするのではないか、アプローチするのではないか。だから、そことここをリンクされるか何か、新しい情報としてこういうものが見られるよというのをぜひコマーシャルしていただいて、知らしめていただいて、たどっていけるようにされると、こういうので困っているところは非常に多いと思うのですね。そういう意味では利便性が上がるのではないかと思いますけれども。

木原技術調査課長

そういうリンク等のとり方も前向きに考えてまいりたいと思います。

中山部会長

山本委員。

山本委員

私も周知徹底の方法なのですが、1点お願いがありますのが、私は大学のことしかわかりませんけれども、大学で実感しているのは、企業と大学の共同研究で出てくる特許の出願の質というのが、非常に質的に問題を感じることが多い。特に、3月ぐらいになると予算消化のための出願なのではないかなとか、共同研究をやったというだれかを昇進させるための出願なのではないかというようなことも感じることもありますし、一方で海外の企業のサイエンスオフィサーとかテクノロジーオフィサーと話をすると、例えば極端なことを言えば1回の交渉ですべてが決まるのですね。日本の企業も、昨今はIPオフィサー的な役職を設けておられる企業もあるのですが、実質的には名称は同じでも、肩書きは同じようなところでも権限は全く違うというようなことを感じることがあって、決定権を持っておられない。
何を申し上げたいかというと、周知徹底をするときに、これは知財部の方が勉強するための資料というよりは、経営者の方がこれを見て経営戦略を考えないと、IPオフィサーをつくりましたと言っても権限を与えないと何も変わらないわけでして、ぜひとも経営者の方にこの冊子を読んでくださいとかホームページを見てくださいというのは多分無理だと思いますので、ぜひとも長官が80社の企業のトップの方にお会いいただくときに広報していただくとか、あとはそれだけではなくて、本当に広く中堅・中小企業の経営者の方に理解いただけるような施策を御検討いただければというふうに思っています。せっかくいいものですので、ぜひとも活用いただけるようにお考えいただければというお願いでございます。

中山部会長

ありがとうございます。

中嶋特許庁長官

今いろいろ意見をいただきましたので、最大限、いろいろな機会を活用して御理解いただけるようにやっていきたいと思います。

中山部会長

ほかによろしいでしょうか。
どうぞ、松尾委員。

松尾委員

ちょっと細かい点ですけれども、ポイントの要約したところの1ページ目の左の下のところの「権利の戦略的活用」というところ、ここの一番初め、「自社事業の維持・拡大」のところの初めに「競合会社を排除」と出てくるのですね。私、これが4つ並んでいるのを見て、一番初めの「競合会社を排除」というのは、これは適切ではない、姿勢としておかしいなと思っていました。それで本文の方の中を見ますと、排除する場合のメリット、デメリットというのもありますし、排除を維持するためには有効な発明をして特許を得なければいけないと書いてあるのですね。ちゃんとここは正しく書いてありますので、ここのところだけはちょっと改めた方がいいだろうと思います。(笑声)
それから、この3ページ目なのですが、私、たまたま弁護士として、やはり場合によっては出願から、それから権利の維持まで関与していますので、組織体制をどうするかとか、開発部だけではなくて、知財部との連結を持つ組織とか、それから特に他社との関係が出てきますと会社の経営者がどういう考えを持って意思を決定するかというのは非常に重要になってきますので、この3枚目は、私はなるほど、なるほどと、いつも思っていることがよく整理されていて、全体としてこれは非常によくできていると思うのですね。
ただちょっと心配しましたのは、その点で2つあるのですが、1つは、例えば53ページに米国企業ということで「特許出願は、特許弁護士と研究者の協同作業」というのがあります。これはかなり丁寧に書いてあるのですが、私はこういうのにコメントがちょっとあった方がいいと思うのですね。というのは、まさにこの例でアメリカの優先権主張で日本で特許を取った。そのときに、請求範囲の中の非常に重要な文言について概念がはっきりしなかったのですね、意味が、意義が。それで、そのときにこれはアメリカでもやはり問題になっていまして、そのところについて証人尋問があって、発明者がその文言は自分の言葉ではない。特許弁護士が創造した、つくった言葉であるということになったのですね。そこら辺の前後関係を見てみますと、本当に発明があったのかどうかさえ問題になるようなことになって、結局、日本での訴訟は維持できなくて取り下げたということがあるのです。ここに、確かに協同作業でいいのですけれども、やはり何かちょっと発明者の、基本的に発明したところが明確じゃないと問題が起きますし、それは訴訟でよく経験するのですね。発明した人、発明者の当初の考えと違うところに明細書ができ上がっているのではないかとか、それはやはり権利を取る段階になって広く取りたいもので動かしてしまうところがあるのですね。ということを考えますと、この例は特にそうなのですが、全体を見まして、やはり何を発明したかという基本が重要だということが、どこかにもうちょっとあった方がいいなと。
それ以外は、これは読み物としても大変おもしろくて、私はきのうも夜もあれを持って帰って、時間を忘れて読んでいました。大変よくできていると思います。
ちょっともう一つと申し上げたいのは、私、ちょっと気になったのは、3-1の方の「事例集の概要」というところに、「大・中小企業の知財関係者、学者、弁理士等の有識者」とあるのですね。私は権利を維持するところでは私ども弁護士が大いに、私としては活躍していると思いますので、名簿の方を見ましても、鮫島弁護士がちゃんと入っているのですね。私はやはりこういうところに、ぜひ弁護士の名前を挙げておいていただきたいと思います。それだけ私どもも一生懸命知財の方を守っておりますので、よろしくお願いします。

木原技術調査課長

ありがとうございます。
表現ぶりは申しわけございません。「弁護士」を追記させていただきたいと思います。また、何点か内容の点で御指摘いただいた点は、何か工夫ができないかどうかというのをちょっと考えさせていただきたいと思います。

松尾委員

外国のところにコメントが1つあるといいと思います。

木原技術調査課長

はい。

中山部会長

ほかによろしいでしょうか。
どうぞ。

中嶋特許庁長官

ちょっと先程申し忘れましたけれども、特に本文の方は直接知財の担当の方に非常に有益だと思うのですけれども、トップマネジメントの方にこのいわばエグゼクティブサマリー的な視点を持っていただくということもぜひ心がけたいと思っております。

中山部会長

それでは、次の議題に移りたいと思います。

地域知財戦略本部の活動方針について

中山部会長

「地域知財戦略本部の活動方針」、「地域ブランドフェスティバル」、「弁理士法の改正」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。質疑応答は説明の後にまとめてお願いをしたいと思います。

山本総務課長

それでは、地域知財戦略本部の現状と今後の方向について、私から説明をさせていただきます。資料4のA3の横長の紙をごらんください。
表紙をめくっていただきますと「地域知的財産戦略本部の概要」というのが出てございます。簡単に経緯を御説明しますと、2004年にできました「知的財産推進計画2004」におきまして、こういう各地域においても戦略本部をつくり、また推進計画をつくって、地域の知財の活性化ということを図っていくべき、こういうような指摘がございまして、これを踏まえまして、2005年から2006年にかけて、これは第1フェーズとしまして、各、今9ヵ所に、経済産業局の所在地でございますけれども、推進本部を立ち上げまして、それぞれの本部でそれぞれの地域の知的財産推進計画を策定をしております。先ほど野間口委員から御指摘がございましたように、各地域の事情がございますので、それぞれ非常に稠密なところもございますし、余り知財にまだ熱心ではないような地域もございますので、少しレベルに差がございますけれども、大体それぞれ工夫をいたしまして、知財についてのいろいろな考え方を普及するとか、相談体制を整備するとか、成功事例を調査するとか、そういう基礎的なことは大体各地域でやっております。先進的なところでは地域ブランドに取り組むとか、あるいは個々の中小企業などに対するいろいろな支援を行うとか、そういったことまで含めてやってまいりました。
一応、第1フェーズということで昨年までやってまいったわけでございますけれども、昨年の秋に各経済産業局に対しまして、これを第2フェーズにさらに昇華させるべく、それぞれの基本方針を見直して計画を新たにするようにというような指示をいたしまして、そのことは先ほど出てまいりました「AMARIプラン2007」にも書かせていただいたわけであります。それを踏まえて、先月までに各経済産業局、あるいは本部の方で新たな計画を策定をしたということでございます。
今回の計画の見直しに当たっては、幾つか指示をしておりまして、特許庁から各地域に配分する予算、例えば講演会を実施するとか、セミナーを実施するとか、あるいは相談員が回るとか、そういったような予算も拡充をいたしましたので、それらをぜひ活用するようにということ、それから経済産業省、特許庁からのいろいろな施策だけではなくて、中小企業庁、あるいは地域経済グループとか、省内でもほかにいろいろな施策がございますし、あるいは地域に参りますと農水省等、他省庁の施策もございます。さらには都道府県などでも、地方自治体などでも熱心にやっておられるところもあります。そういうところとタイアップをして、連携をして、全体としてその地域の知財の活性化につながるような目標をつくるようにというようなことを指示をいたしました。
また、その一番下にありますように具体的な活動目標、アウトプットだけではなくて、アウトカムを含む、単に講演会を何回実施するとか、そういう目標だけではなくて、それを踏まえて、中小企業の方が何個所に参加したかとか、あるいはそういう中小企業の知財活動の活性化にどれぐらいつながっていくか、そういったようなものもできるだけ含めるようにというような指示をいたしてつくりました。
以下は各地域の本部で策定しましたプランの概要でございます。今日は時間がございませんのでそれぞれ御説明できませんけれども、ちょっとだけさわりだけあれしますと、例えば1枚目の北海道の本部は、特色としては左下にありますように、ワンストップで中小企業の方々などがいろいろ知財についての相談に乗ってもらったり、手続ができるということで、経産局のほか、情報・発明館、発明協会、道、それから弁理士会、そういったものが集まってワンストップサービスというものをやっておりますが、右の方にあります第2フェーズで、それは札幌だけではなくて、北海道は広うございますので、道内各地にその取り組みを広げておこう、このようなことが入っております。
ずっとちょっと繰っていただきまして4~5枚行くと近畿地方というのがありますけれども、ここは非常に先進地域でございまして、写真に出ておりますけれども、大規模な「知財ビジネスマッチングフェア」というようなものもやっております。4番ですが、中小企業などに配る「知的財産戦略ガイドブック」、結構内容の充実したものをつくって好評を得ております。「近畿知財塾」といって、中小企業の知財担当者の人が勉強するような勉強会を開催したり、あるいは6.にありますような大学と提携をして、大学院生などを中小企業に派遣をする、こんなような事業もやっております。
次のページの中国は、特色的なのは右の4.のところに金融機関との連携とか税関との連携をして模倣品対策を強化するとか、そんなようなことを実施しております。
そういうわけでまだまだ地域によっては確かに産業界自身の意識も高くないところもあり、十分な活動ができていないところもありますけれども、それぞれの地域なりの特色を考えながらこうやって知財計画をつくって、知財の活性化に努めているという御報告でございます。先ほど野間口さんからありましたように、こういったことも各地でPRをして、盛り上げていきたいと思っております。
以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。

地域ブランドフェスティバルについて

中山部会長

続いて、「地域ブランドフェスティバル」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

林商標課長

商標課長の林でございます。
お手元の資料5-1をごらんください。地域ブランドフェスティバルについて御説明いたします。
地域経済の活性化を支援することを目的としました地域団体商標制度、これに関する記念事業として地域ブランドフェスティバルを開催します。
このオープニングセレモニーを4月2日の月曜日に行いました。フェスティバルではこれまでに登録されました169件の地域団体商標を紹介するパネルとその製品、これを経済産業省本館1階ロビー及び別館1階ロビーに展示いたしております。期間としましては4月2日から27日まで展示しております。
このオープニングセレモニーでは渡辺副大臣、中嶋長官、それから登録された地域団体商標の関係者5名によるテープカットを行いました。
3ページをごらんください。これは展示パネルの縮小版でございますが、これは今回テープカットに参加いただいた5団体のパネルでございます。広島の府中家具、それから香川県高松市の庵治石、4ページ目を見ますと熊本県の黒川温泉、それから大分県の関あじ、関さば、それから5ページ目の方に沖縄県石垣市の石垣の塩、一番最後に輪島塗がございますが、これにつきましては中嶋長官の方から説明をいただきまして、渡辺副大臣の方から、石川県の輪島市は地震で大変だろうが、輪島塗のブランド力を生かして世界へも発信しつつ、復興を進めてほしいというコメントがございました。
資料、戻っていただきまして、2ページをごらんください。「発明の日」の記念事業といたしまして、地域ブランドフェスティバルの一環としまして、地域ブランド記念講演会、それから記念レセプションを予定しております。また、「地域団体商標2007」、具体的には登録された地域団体商標を紹介する冊子を作成しまして、全国に配布するということを予定しております。時期としましては6月ごろを考えております。
次に資料5-2を見ていただきたいと思います。これは先ほどお話をしたパネル展示でございますが、それを日本地図の上に、都道府県別に紹介しておりますので、見ていただければと思います。
資料5-3でございますが、現在の地域団体商標の出願状況でございます。4月2日までに受け付けしました出願の内訳です。合計件数698件となっております。
それから資料5-4でございますが、4月2日現在で登録査定となっている状況でございます。現在、185件が登録となっております。
以上、私の方から報告でございます。

中山部会長

ありがとうございました。

弁理士法の改正について

中山部会長

続いて、「弁理士法の改正」につきまして、事務局から説明をお願いします。

間庭制度改正審議室長

制度改正審議室長の間庭でございます。
資料6-1に基づきまして説明させていただきます。
弁理士制度改正につきましては前回の部会、1月19日の部会で弁理士制度小委員会の報告書をこの場で御報告、御議論、御了承いただいたところでございます。私どもはその後、精力的に法制化の作業を進めまして、このたび3月9日の日に「弁理士法の一部を改正する法律案」ということで閣議決定いたしまして、同日、国会に法案を提出させていただきました。
中身につきましては報告書のややおさらいの感にはなりますけれども、簡単にいま一度御説明させていただきますと、今回の中身につきましては大きく2つの柱がございまして、1つがこの資料の左側の箱の「弁理士の資質向上、裾野拡大及び責任の明確化」、もう一つが「専門職としての多様なニーズへの対応」ということでございます。
この左側の柱の中身につきましては、その資質向上ということでは、まず2つの研修制度を導入させていただく。1つが、実務修習制度の導入ということで、弁理士登録をしようとする方に対して、登録前に実務能力の担保を図る実務修習制度を導入するということで、これは要は実際の出願書類の作成等について研修を行うものでございます。国が主体となりまして、制度設計、実施もいたしますが、その実施事務につきましては国が指定する機関に行わせることができるということにしてございます。定期的研修受講の義務化というのがもう一つの研修で、弁理士になられた方々に対して定期的な研修を受講していただくということで、これは弁理士会に実施していただくということになってございます。あと試験の免除の拡大ということでございますが、これは短答式試験の一部免除については、要は大学院で知財の科目を学ばれて大学院を修了された方について、あるいは短答式試験に合格された方について免除する。論文式試験についても、必須科目、あるいは選択科目の合格者に対して所要の免除措置を講ずるということにしてございます。
責任の明確化でございますが、2つございまして、懲戒制度の見直しということで、新しい懲戒の種類、今は大臣の懲戒として、戒告と2年以内の業務停止と業務禁止がございますが、この中の2年以内の業務停止の中で、今回新しい懲戒として、2年以内の業務の「一部の」停止ということで、新たな受任を停止しながら、仕掛かり案件については一部業務の続行を認めるというような新しい懲戒制度を導入したいと考えてございます。「懲戒事由の明確化」というのは、条文上できっちり、「弁理士にふさわしくない重大な非行があったとき」ということを条文上、明確化するということでございます。また、「名義貸しの禁止規定の導入」とございますが、これについても今まで条文がなかったので、名義を貸した弁理士についても罰則がかかるように、明文で規定させていただくということでございます。
次に右側の柱の「多様なニーズへの対応」でございますが、弁理士業務の拡大でございます。3つございます。「特定不正競争行為」の範囲の拡大でございますが、これについては1月の段階で御報告した時点以降、関係省庁ないし関係団体と調整いたしまして、このたび、「不正競争防止法第2条第1項の第13号の原産地等誤認惹起行為、これについては商標に関するものに限ります」、「第14号の競争者営業誹謗行為、これについては工業所有権等に関するものに限ります」、「第15号の代理人等商標無断使用行為」、以上の3つにつきまして、今回、特定不正競争行為の範囲の中に入れるということになりました。
あと水際での侵害物品の輸出入差止手続等における輸出入者側の代理業務についても新たに追加されることになりました。
外国出願の際の資料作成等の支援について、今回、弁理士のできる業務として明確化することといたしております。
次に特許業務法人制度の見直しでございますが、これについても先般御説明いたしましたとおりでございまして、特定の事案について社員を指定した場合に、その指定社員のみが無限責任を負うという指定社員制度の導入を今回、法律上書いてございます。
最後に情報公開制度の導入でございますが、これは、要はその弁理士さんがどのような分野が専門なのかというところの情報のニーズが高いことを踏まえまして、今回、国と弁理士会が有する弁理士に関する情報を公表することといたしまして、その旨条文化しております。
すでに国会に3月9日に提出されてございまして、これは国会の中で、参議院で最初に審議されるようでございます。私どもとしては可及的速やかな審議をお願いしているところでございまして、今国会での成立を目指しているところでございます。
私からは以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
それでは、ただいまの3つの議題に関しまして御意見を頂きたいと思います。

中島委員

弁理士会会長の中島でございます。
このたび、今御説明いただきました弁理士法の一部改正に関しまして、経産省、特許庁を初め関係の皆様方の大変な御尽力をいただきまして、大変ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
ここに列記されております弁理士の新しい研修制度、それから新しい業務につきましては弁理士会、全力で今準備しておりまして、一刻も早く弁理士全員がこれに慣れるような体制を構築中でございます。
それから、いろいろ今回、たくさんの改正項目を進めていただいておりますけれども、これを全部見ますと、やはり弁理士が知財のプロフェッショナル性の向上という点で1本横串がきちんと通っておるわけでございまして、そういう意味では弁理士、これからますますレベルアップに努めまして、世間の期待にこたえるということに邁進したいと思います。
それから、先ほどちょっと御説明がありました知財経営戦略でございますね。こういったところにも弁理士が十分にこたえられるようにこれから頑張りたいというふうに思っておりますので、今までは発明をしてから弁理士に頼めというふうなことがあったわけですけれども、これからはそれではもう遅い、発明する前から弁理士に頼めということを御列席の皆様、ぜひ宣伝をしていただいて、弁理士を有効に活用していただきたいというふうに思いますので、ちょっとお礼と若干の宣伝ということで発言させていただきました。
ありがとうございました。

中山部会長

ほかに御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。
どうぞ、青山委員。

青山委員

済みません。地域ブランドフェスティバルについてなのですけれども、そこで「地域団体商標2007」の作成、公表ということがございますけれども、この冊子は何部ぐらいつくられて、どんなところに配布を予定していらっしゃるか、そしてまたネットでもダウンロードができるようになりますでしょうかということが1点。
それからもう一つ、「知財戦略本部の現状と今後の方向」というところで、現状、皆さんが大変よく頑張っていらっしゃるなという感じを全体を通して見せていただいたのですが、特に一般の企業の方向けですと、事業戦略でも、企業の方は、こういうことは頑張らなければならないということで前向きに取り組むという姿勢があって、そこを助言をしていくということがあるだろうと思うのですけれども、まず四国の取り組みについて、私はこれはとてもいいことだなと思ったのは、企業対象ということだけではなくて、若者向けにもこういう形があるのだよということでセミナーを、あるいは出前授業ということを実施していらっしゃる。こういうことはやはり長期的な展望を考えたらば、絶対に学校教育の中にもぜひこういうことで進んで出前講座をしていくべきだろうというふうに思うので、この四国の事例などはほかのところでも取り入れられるようにぜひ御指導をいただきたいというふうに思います。
以上、2点だけお願いいたします。

林商標課長

では、初めに御質問があった「地域団体商標2007」の作成、公表につきまして、6月ごろを予定しておりますが、部数についてはまだ確定はしておりませんが、できれば数万部程度つくって各都道府県、あるいは各経済産業局、その他知財駆け込み寺等に、日本全国レベルで配布したいというふうに考えております。
またネットですが、できれば特許庁のホームページにもその紹介についても見られるように検討をしたいと考えております。

青山委員

ありがとうございます。

山本総務課長

2つ目のお話は御指摘ごもっともでございまして、四国ではまさにそういう重要性をよく考えて、若者向けの普及・啓蒙活動に力を入れているところでございます。これは四国だけの話ではありませんで、どこでも重要なことだと思います。各経済産業局ではそれぞれの他の局のプランも相互に交換をして、いいところを真似ていくというようなことをやっておりますので、ぜひそんな形で進めてまいりたいと思います。

中山部会長

どうぞ、森下委員。

森下委員

同じような視点なのですが、近畿で行われています知財インターンシップ事業なのですけれども、これはポスドク1万人計画でも、ポスドク人材を逆に知財へ流せないかとか、知的財産戦略本部でもそういう話が出ていますけれども、ぜひこういう事業をより進めていただきたいと思います。

山本総務課長

ありがとうございます。ぜひそういう方向でやっていきたいと思います。

中山部会長

ほかによろしいでしょうか。
どうぞ、野間口委員。

野間口委員

今の件に関してですけれども、近畿のインターンシップ事業というのは私立大学なのですね、実行しているのは。どうして国公立はやっていないのかなと思うのですが、その辺、何か問題があるのであれば、このインターンシップが話題になったときに、単位付与も含めていろいろ検討したらいいのではないかというのが戦略本部でも話題になったように思うのですが、私も全く同感でして、ぜひこれは広げていっていただきたいと思います。
それから、地域戦略本部の活動、特許庁さんが指導されて知財活動が全国大に広がったと思っておりまして、ぜひ息長く、一時のブームに終わらないように、指導をよろしくお願いしたいと思います。
以上です。

中山部会長

ありがとうございます。
よろしいでしょうか……。

発明の進歩性判断について

中山部会長

それでは、時間も押しておりますので、次に「発明の進歩性判断について」、事務局より説明をお願いをいたします。

淺見審査基準室長

審査基準室長の淺見でございます。よろしくお願いいたします。
資料でございますが、7-1がレジュメになっておりまして、本日はこれで説明させていただきます。それから、二つほど報告書を作成してございまして、資料7-2、7-3、お配りした下の方のバインダーの中に二つの資料が綴じ込んでございます。
それでは、報告をさせていただきます。
これにつきましては、「知的財産推進計画2006」の1項目でもございまして、また昨年の6月の知的財産政策部会の場で検討を始めますということを御報告申し上げました。今般、その検討の結果がまとまりましたので、御報告させていただきます。
進歩性でございますが、発明が、先行技術から見て当業者が容易に思いつく程度のものではないということを意味するものでございまして、その発明が特許を受けるためには、進歩性があることが必要とされます。進歩性の判断につきましては、国内外で議論が高まっておりまして、特許庁におきましては、平成18年度に、一つは個別事件の事例研究を行いますとともに、もう一つのフォーラムといたしまして、国際的な制度・運用の調査研究を行い、それぞれの検討結果を報告書として取りまとめまして、公表いたしました。
背景を説明させていただきます。1の「進歩性を巡る問題意識」としまして、まず(1)の国内における問題意識でございますが、日本における進歩性の判断が欧米と異なるため、進歩性判断の一層の国際調和が必要であるといった声ですとか、あるいは特許庁や裁判所の進歩性判断が厳しくなっているのではないかといった産業界からの指摘がございます。しかしながら、このような産業界等からの指摘につきましては、特許庁等の進歩性判断のどの点を問題としているのかということが必ずしも明らかではございませんでしたので、この点を明らかにする必要がございます。
続きまして、欧米における問題意識でございますが、米国ですが、従来、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)におきまして採用されてまいりました進歩性判断の手法が、進歩性の水準の低い特許を認める原因となっているとして産業界等から批判がございまして、現在、その是非が連邦最高裁で審理中でございます。それから欧州でございますが、英国特許庁におきまして、進歩性のレベルが経済に与える影響が強いという認識のもと、進歩性について産業界に対してアンケート調査を実施いたしました。そうしましたところ、結果が2月に公表されておりますが、現在の英国特許庁における進歩性のレベルは妥当であるという結論が得られております。
こういったことを受けまして、産業界、弁護士・弁理士、審判官をメンバーとする検討会を開催いたしまして、技術分野ごとの特性を踏まえた進歩性判断の手法の問題点について、個別事件に基づく事例研究を行いました。
検討内容でございますが、近年、我が国の裁判所が判決を言い渡した、進歩性を否定する審決が確定した事件のうち、裁判所や特許庁の進歩性の判断に疑義があるとして参加者の方から提示いただきました事例8件を選定しまして、検討対象といたしました。事例研究では、技術分野別の分科会におきまして、進歩性判断に係る問題の検討を行った後に、全体検討会におきまして、進歩性の判断手法に沿って問題点を分析、整理いたしました。
2ページに参りまして、検討結果でございますが、報告書として取りまとめを行いまして、特許庁ホームページにも3月に公表してございます。その概略でございますが、判決、審決の結論(拒絶、無効)につきましては、おおむね妥当であるという結果が得られました。ただし、審決の進歩性判断の説示につきましては、十分な論理構成を示していない、あるいは適切とはいえない論理づけを行っており、出願人や請求人の方の納得感を得られていない事例があるということでした。一方で、出願明細書の記載等が不十分である等、出願人、請求人の方の問題で進歩性が認められなかった事例もございました。
今後の対応でございますが、今回の検討結果を特許庁内に周知し、今後の審査、審理に役立てます。また、進歩性検討会は、産業界等から進歩性判断に関する理解が深まるという点で有意義であるという評価をいただいておりまして、本年度も継続してまいります。
次に、「国際的な制度・運用の調査研究」について御報告いたします。
まず調査の概要でございますが、進歩性の判断につきまして、こちらにいらっしゃいます大渕先生に委員長をお受けいただきまして、学者・最高裁参事官・弁護士・弁理士・産業界を検討メンバーとする委員会の方式によりまして、委託研究という形で日米欧の制度・運用の比較、二つ目といたしまして、国内外のユーザーヒアリング、三つ目といたしまして、日米欧の審査結果の統計分析を行いました。
調査結果は報告書として取りまとめまして、また特許庁ホームページにも掲載してございます。
まず1点目の日米欧の制度・運用についてでございます。進歩性の場合には、複数の先行技術を組み合わせて進歩性を否定することが多いわけでございますが、そのためには当業者が二つ以上の文献を組み合わせようとする「動機づけ」の存在を示すことが必要であるという点で日米欧では一致しております。日本でございますが、「動機づけ」は、課題が共通しているですとか、作用・機能が共通しているですとか、あるいは技術分野が関連しているなど幅広い観点のいずれかに存在すればよいとされております。また「動機づけ」となるものが当業者の技術常識であるといった場合には、必ずしも「動機づけ」の内容が先行技術文献に記載されていなくてもよいとしてございます。
一方、欧州特許庁でございますが、「動機づけ」は、課題をどのように解決するかという観点から検討することとされております。当業者が先行技術の課題を認識し、それを解決するために他の先行技術を組み合わせると言えなければ、「動機づけ」があるとは認められないという考え方をとってございます。
また米国でございますが、「複数の先行技術を組み合わせるためには、『教示、示唆、または動機づけ』が先行技術文献の中に記載されていなければならない。」、ここにございますように先行技術文献の中に書いてあるということがポイントなのですけれども、こういったCAFCの判決がございます。この判断手法の是非につきましては、現在、連邦最高裁にて審理中ということで、6月までには判決が出ることになっております。
続きまして、ユーザーヒアリングの結果について御報告いたします。
国内外の出願上位企業、及び国内出願の上位特許事務所を中心としまして、国内42ヵ所にヒアリングを行いました。そうしましたところ、主な意見といたしましては、日本の進歩性判断は米国に比べると厳しいけれども、ある程度水準は高い方が望ましいという意見、それから、日本ではサーチの水準が高いために進歩性が否定されることが多いといった肯定的な意見が多くございました。ただし、進歩性欠如の拒絶理由を通知する場合に、その論理づけの説明が不十分であるという指摘も多くございました。
続きまして、日米欧の審査結果の統計分析でございますが、日米欧共通に出願された案件の審査結果を調べました。権利を取得できたか、できなかったかということを比較いたしましたところ、日本と欧州はそれほど差はございませんでしたが、米国は権利を取得できたものがやや多いという結果が得られました。しかしながら、多くの案件において結果が一致しているというのが統計分析の結果でございます。
今後の対応でございますが、本調査結果を特許庁内に周知しまして、今後の審査の実務に役立ててまいります。また、三極特許庁会合におきまして本調査結果を報告いたしまして、今後、審査実務に関する比較研究を通じて、審査結果が相違する原因を分析して、国際調和に向けた方策を検討してまいります。
参考といたしまして、三極特許庁における審査実務に関する比較研究を御紹介してございます。一つはテーマとしまして「進歩性」、もう一つは「記載要件」、この二つの判断につきまして、仮想事例や実例を用いて三極特許庁の審査実務を比較研究し、その結果を出願人や代理人の方に広く周知するというプロジェクトでございます。このプロジェクトの目的でございますが、日米欧すべてにおいて権利を取得することができるような質の高い出願書類の作成を支援することでございまして、日本の特許庁が提案しております。この4月から「記載要件」に関する比較研究を開始いたしまして、本年後半には「進歩性」について比較研究を開始いたします。
説明は以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、何か御質問等がございましたらお願いいたします。
では、森下委員、どうぞ。

森下委員

要約案のユーザーヒアリングの結果というのと、実際にこちらに書いている内容は必ずしも一致していないように思うのですね、実際のヒアリング内容と。確かに全体として見たら要約されているように肯定的な意見が多いという結論でいいかと思うのですが、詳細を見ますと、バイオ分野をやられている会社はほとんどクレームを述べられていると思うのですね。事務所に関しても、バイオをやられている分野の事務所の方もほとんど文句を述べられていれる。実際に一番最初の事例集にしても、第5事例はバイオの領域ですけれども、これは賛否両論ということで非常に分かれていると思います。そういう意味では、すでに十分進歩性判断に関して業界の長い領域である程度お互いのコンセンサスができているものと、やはり新しい領域でコンセンサスがいまだに不十分であって、そこが混乱を来している分野というのが極めて分かれてきているように思うのですね。私どもも非常に審査が厳しくなっているという印象が強いのですが、私はバイオ分野なのでほかの分野は逆にわかりませんので、これを見ていますとどうも分野によっての違いが非常に明確になっているのではないか。そういう意味では、問題がないという結論というのもちょっと問題が逆にあるのではないかというふうに思いが、(笑声)ヒアリング、それから事例集ともに、かなり分野ごとの特徴というのが私には見えるのですが、いかがでしょうか。

淺見審査基準室長

ありがとうございます。
ここのレジュメはあくまでもレジュメですので、細かい分野ごとのところは余り述べてございません。おっしゃるようにバイオ分野に関しては進歩性もそうですが、記載要件についてもやや日本が厳しいという御指摘をいろいろなところでいただいているのは事実でございます。これにつきましては、先ほど最後に申し上げたような三極での比較研究ですとか、記載要件につきましては、本年度に調査研究をしていきたいと思っておりまして、もう少し細かい議論は必要であると思っております。
なお、統計分析の結果で、資料7-3の69ページから70ページぐらいのところにあるのですが、化学分野全体を見ますと実はそれほど差はありません。むしろ三極ともに権利が取れているものが一番多いのが化学分野で、権利が取れていないものはなかったというぐらい、化学分野は権利が取れるものが多いということはございます。
ただ、おっしゃるように、さらに細かくバイオ分野ということになりますと、実際には日本が厳しいといったような事例もあるかと思いますので、そこはさらに微視的な視点で今後検討してまいりたいと考えております。

森下委員

後ろの方の事例、各業種から見ていましても、住友化学さんなどはやはり化学分野ではもう余り問題がないというのを明確に書かれていまして、そういう意味では化学分野という非常に長い分野と、バイオのように新興領域というのは同じ分野に入っていること自体が非常に、現在の状況を考えますと余り正しくないのではないか。特に第5事例ですね、実際の事例集、これは賛否両論という唯一、全く2つに分かれているような結論になっていますので、ぜひもう少し今のライフサイエンス、やはり政策課題ということも考えて、御検討いただければというふうに思います。

淺見審査基準室長

ありがとうございます。
総合科学技術会議のライフサイエンスプロジェクトチームからもいろいろ御提言をいただいておりまして、私どもとしましては、「知的財産推進計画2007」の中で、いろいろな形で検討してまいりたいと思いますので、ぜひ御意見をいただければと思います。

中山部会長

ほかに御意見、ございましたら。
どうぞ、野間口委員。

野間口委員

それでは、余り意見がないようですので、余計なことを聞くかもしれませんけれども、今、特許庁さんは世界特許システムということで、ハーモナイゼーションを非常に主導していただいて、そういうのにやはり基盤を与える取り組みではないかなと思いまして、私どもぜひこういう取り組みの進展を期待するところでありますけれども、そういうレベルの高い話ではなくて、ちょっと1つだけ質問させていただきたいのですが、こういうことを進めていきますと、例えばアメリカのパテントトロールみたいなああいうものは余りにも常識から外れているというので、もうやめようというようなことにつながるのかどうかですね。アメリカのIPカルチャーとしてつながるのかどうか、その辺はどう評価しておられるのでしょうか。あれはもうその外側でやっているので、影響はないのだということなのかどうか。

中山部会長

それはどちら。

淺見審査基準室長

よろしいですか。

中山部会長

どうぞ。

淺見審査基準室長

今回、ここでのレジュメでは国内ヒアリングだけの結果だけを御紹介させていただきましたが、欧米にも有識者、あるいは企業の方に、18ヵ所ヒアリングをしております。そういった中で、アメリカに関して言えば、やはり進歩性の水準が低いという認識を持っている方は非常に多くございました。日本の出願人もそのように思っております。それについては、今まさに連邦最高裁で見直しがされているので、その見直しの結果に期待したいという声が多くございまして、私どももまた見直しがなされることを期待したいと考えております。

中山部会長

ほかによろしいでしょうか。

井上審判課審判企画室長

済みません、ちょっとよろしいでしょうか。

中山部会長

はい。

井上審判課審判企画室長

先ほど森下先生から第5事例、バイオという御指摘をいただいていたのですが、これは人工肺ではあるのですが、いわゆるバイオではなくてむしろ機械の分野でございまして、もちろん森下先生から御指摘いただいたようにバイオの分野はいろいろ御指摘があるというのは重々承知しておりますが、第5事例はいわゆるバイオ分野とされるとなるとちょっと違うかなということで、1点御報告させていただきたいと思います。

森下委員

この案件自体は確かにいわゆる機械なのですけれども、今一番この機械領域で問題になっているのは、医薬品と混合型のものの審査というのが進んできていて、これが日本だけ認められないのが非常に多いのですね。薬剤が既知であって機械が既知であれば、必ずそれは既知であるみたいな発想でお話がされて、各国、日本だけ本当に成立しないというのが非常に多くなって、多分紛争も一番今ふえてきているのではないかと思います。そういう意味では、元々の機械のところもどうも医療機器に関しては審査が割れている。そこにさらに医薬品という新しい要素が加わって恐らく審査が割れてきているのではないかというふうに思っていまして、その意味では純粋なバイオではないのですが、もともと医療機器自体もこういう要素がやはりあるのではないかと思っておりますので、そういう意味でライフサイエンスと言い換えた方がいいのかもしれません。

井上審判課審判企画室長

どうもありがとうございました。

中山部会長

よろしいでしょうか……。
時間も押し詰まりましたが、あと若干時間がございますので、本日の議論全体、あるいは知的財産に関しまして何か御意見がございましたらちょうだいしたいと思いますけれども、何かございませんでしょうか、よろしいでしょうか……。
それでは、長官に一言お願いいたします。

中嶋特許庁長官

大変いろいろ活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。
2点申し上げさせていただきます。1つは、もちろん特許庁が、それが特許にしろ、意匠にしろ、商標にしろ、そういった出願がされたものについてできるだけ迅速に質のいい審査、かつそれをできるだけ低廉にというのは当然の責務だと思います。この点は問題意識は驚くほど日米欧の特許庁間で共有していまして、そういった出願人の方の御要望にどうこたえていくかということで、まさに先ほどのアクションプランと言いますか、そういうようなことをやっているつもりであります。
同時に、2点目として、そういうことをやるにつけても、すべてのことが特許庁の中では当然完結しません。また、あるいは日本の中では完結しませんので、いろいろ関係者の方との協力と言いますか、御理解と言いますか、そういうことが必要になってきます。その意味で、今日幾つか御紹介したような産業界での取り組み、これは大企業、中小企業を問わず、あるいは当然地方の企業の方を含めて、それから産業界のみならず、消費者の方のいろいろな御理解とか御協力も要ると思うのですね。
ですから、もう少し具体的に言うと、結局、特許とか意匠とか商標みたいに、出願をして審査をしていくプロセスが1つありますけれども、それが実際に権利取得された後の、典型的に言うと模倣品対策になるわけですけれども、そういった取締りとかエンフォースメントと言いますか、そちらの方の2つの局面があって、いずれの局面でも、そういう関係者の方々との協力と言いますか、それが必要だと思います。
それから、当然海外の特許庁との協力関係というのが今非常に大事になっていまして、先ほどちょっと説明はなかったかもしれませんけれども、例のハイウェイも今アメリカと韓国だけではなくて、イギリスとの間でも今年の7月からやっていこうということに合意しましたので、だんだんそういった各国の特許庁間の協力というのも深まっていくと思うのですね。
したがって、21世紀の知財の制度がどうやって社会の御要望にこたえる形で設計され運用されていくかということについて、引き続き産業界、あるいは消費者の方々、あるいは学界も含めて、ぜひ活発な御意見を御提言いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
本日は本当にありがとうございました。

中山部会長

それでは、最後に事務局から何か連絡事項がございましたら、お願いいたします。

間庭制度改正審議室長

どうもありがとうございます。
本日は大変資料が多ございまして、ファイルが2冊もございまして重たいので、もし委員の皆様の中で郵送を希望される方がおられましたら、席に残しておいていただければ、事務局から住所宛郵送させていただきますので、よろしくお願いいたします。

中山部会長

それでは、以上をもちまして、産業構造審議会の第10回知的財産政策部会を閉会といたします。
本日は長時間の御議論をありがとうございました。

閉会

[更新日 2007年5月1日]

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