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第9回知的財産政策部会 議事録

  1. 日時:平成19年1月19日(金曜日)15時30分~17時30分
  2. 場所:特許庁 共用会議室
  3. 出席委員:
    中山部会長、青山委員、井川委員、小泉委員、齊藤委員、篠原委員、谷委員、中村委員、野間口委員、松尾委員、宮川委員、宗国委員、森下委員、諸石委員、山口委員、山根委員、山本委員、吉野委員代理(土井氏)
  4. オブザーバー:大渕意匠制度小委員会委員長、鎌田流通・流動化小委員会委員長
  5. 議題:
    1. 弁理士制度の見直しの方向性について
    2. ライセンシー保護制度の在り方について
    3. イノベーション促進のための特許審査改革加速プランについて
    4. 「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)」(仮称)の作成について
    5. 国際的な取組について
    6. 地域団体商標の出願及び審査処理状況について
    7. 産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要について

開会

中山部会長

時間でございますので、ただいまから産業構造審議会第9回知的財産政策部会を開催いたします。
本日は御多用中、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。

中嶋特許庁長官挨拶

中山部会長

最初に、当部会の開催に当たりまして、中嶋特許庁長官から一言挨拶をちょうだいしたいと思います。よろしくお願いします。

中嶋特許庁長官

中嶋でございます。
本日は委員の皆様、大変お忙しい中、お集まりいただきまして、ありがとうございます。御案内のように、小泉内閣のときに「知的財産立国」ということを政府全体の大きな課題の1つとして取り上げまして、特許庁の関係も含めていろいろな施策をやってまいりました。それは昨年、安倍内閣になった後も基本的には受け継がれておりまして、表現として、よく安倍内閣が使うのは、「イノベーションの促進」という言葉がございますけれども、その知的財産政策が引き続き政府の重要な課題の1つであるということは何ら変わりはございません。そういう意味で、私ども特許庁も常に特許とか意匠とか商標とかいろいろな制度がそのときどきのユーザーの方のニーズに合うようにという不断の見直しと言いますか、それを心がけると同時に、やはり21世紀は国際的にもいろいろな制度を調和させていこうということが大きな課題になっておりますので、そういう面につきましても、引き続きスピード感を持って取り組んでいきたいと思っております。
本日の部会では、現在、私どもが取り組んでおります幾つかの課題につきまして御報告をさせていただきまして、委員の皆様の御意見を賜りたいと思っております。例えば、弁理士の役割の重要性が高まる中で弁理士制度の見直しの議論を小委員会で報告書を取りまとめていただきましたので、その御報告をさせていただきます。それから、第2に包括ライセンス契約に関わるライセンシーの保護制度の在り方につきましても、これは流通・流動化小委員会というところで報告書を取りまとめていただきましたので、その御報告もさせていただきます。
さらに、これは経済産業省全体として昨年の1月から大臣を本部長にしまして、特許審査迅速化・効率化推進本部というものを設けまして、行動計画に取り組んでいるわけですけれども、甘利大臣になりましてから、昨年の10月にそれをリバイスしまして、「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン」というものを策定して取り組んでおります。今回はその一環として戦略的な発明管理のガイドライン、ある種の事例集でございますけれども、それを作成中でございますので、そういった点、あるいは最近の国際的な取組、さらには地域ブランド制度が昨年4月からスタートしましたので、それの審査状況などにつきましても御報告をさせていただきます。
いずれにいたしましても、冒頭に申し上げましたように、知的財産政策の重要性というのは引き続きますます高まっておりますので、今後とも委員の皆様方には活発に御議論をいただき、貴重な御意見を賜りたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。

中山部会長

ありがとうございました。
今、長官のお話にございましたとおり、きょうの議事は非常に盛りだくさんでございます。議事次第はペーパーの最初に書いてございますので繰り返しませんけれども、たくさんの議事がございますので、審議に御協力を願えればと思います。それでは、早速議題に入ります。
まず、事務局より配付資料の説明をお願いいたします。

委員紹介

間庭審議室長

配付資料に先立ちまして、新たに委員に御就任いただいたお二方を御紹介させていただきます。
まず、最高裁判所事務総局行政局長兼民事局長の小泉博嗣様。

小泉委員

小泉でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

間庭審議室長

社団法人日本経済団体連合会知的財産委員会委員長の野間口有様。

野間口委員

野間口でございます。よろしくお願いいたします。

間庭審議室長

以上、お二人に新たに委員に御就任いただきました。
引き続きまして、配付資料の確認をさせていただきます。
委員名簿に続きまして、資料1-1「弁理士制度小委員会報告書の概要」、資料1-2「弁理士制度小委員会報告書「弁理士制度の見直しの方向性について」概要」、資料2-1「流通・流動化小委員会報告書「ライセンシー保護制度の在り方について」、資料2-2「ランセンシー保護制度の在り方について」、資料3「新たな特許行政の基本方針」、資料4「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)<仮称>の作成について」、資料5「国際的な取組について」、資料6-1「地域団体商標の出願及び審査処理状況について」、資料6-2「地域団体商標/都道府県別登録査定案件一覧」、資料7-1「産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要について」、資料7-2「産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案について」、資料7-3「産技法等の改正(案)について」、このほか最後に「平成19年度知的財産政策関連予算案等の概要」という資料を配付させていただいております。不足等がございましたらおっしゃっていただければと思います。

中山部会長

よろしいでしょうか……。

弁理士制度の見直しの方向性について

中山部会長

それでは、最初の議題であります「弁理士制度の見直しの方向性」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

間庭審議室長

説明いたします。
お手元の資料1-1のA3の1枚紙と資料1-2の報告書でございます。
昨年2月の知的財産政策部会で弁理士制度小委員会の設置につきまして御了承をいただきまして、中山部会長に小委員長に御就任いただきました。昨年4月からこの弁理士制度小委員会で6回の審議を経まして、12月13日に資料1-2のとおり報告書を取りまとめ、これを公表いたしました。
小委員会の委員の先生方の名簿はこの資料1-2の3ページにございますとおりでございまして、中山委員長以下、13人の先生方に御審議いただきました。
内容につきましては時間の関係もございますので、この資料1-1のA3の横の紙に基づいて私の方から御説明させていただきます。
報告書の中身でございますが、この一番上の黄色いところの枠に書いてありますとおり、この小委員会のねらいは知的財産制度を有効に活用し、産業界等の戦略的な権利取得・活用を的確に支援する弁理士の役割の重要性が近年一層高まっております。量的拡大のみならず、その質的充実と専門職としての責任の明確化が必要ということ、そして近年、他士業におけるいろいろな問題があったところで、弁理士を含む資格制度全体の社会的な信頼の醸成が世の中から求められている。そういった中、資格者の質の確保・向上及び懲戒の適正な実施といった制度全体の適正化が必要であるという問題意識の下で審議をしていただいたわけでございます。
中身につきましては大きく2つのものに分かれるわけでございまして、この資料1-1で申し上げますと、まず左側の枠で弁理士の資質の向上と責任の明確化、もう一つは右側の枠で多様なユーザーニーズへの対応というところでございます。
まず、この弁理士の資質の向上と責任の明確化につきまして御審議いただいたのは研修制度の導入というところでございまして、弁理士の専門能力の維持、涵養の観点から、今、弁理士になられていらっしゃる弁理士さんに研修を定期的に受講することを今回義務づけるのが適当ではないかというところがます1項ございます。もう一つは、新たに弁理士になろうとする方々でございます。新人さんの研修制度を導入しよう。要は新人弁理士の実務能力の担保を図る研修制度を導入、また研修の具体的内容についてはすべての新人弁理士が受講し、かつ参入障壁にならない。弁理士試験そのものは合格されておりますので、そこのところで新たな参入障壁にならないような制度・設計を行うのが適当という御提言をいただいてございます。
次に、弁理士試験制度の見直しでございます。弁理士試験制度は今は短答式、論文式、口述試験からなっているわけでございますが、まず試験免除の関係で、短答式試験の免除につきまして、今度は修了される方も出てこられると思いますけれども、知財に関する専門職大学院の修了者、こういった人は一定レベルの知識があることが認められますので、短答式試験のうちの工業所有権関係法令の免除をすることが適当ではないかということでございます。あと一度短答式試験に合格された方、これにつきましても、例えば2年程度、次回、次々回については試験を免除することが適当ではないかという内容でございます。論文式試験の免除につきましては、論文式試験は必須科目と選択科目からなるわけでございますが、選択科目の合格者については、これは現在でも大学院の専攻を修了された方には一部免除を認められているものもございますので、すでに合格された方には免除を認めてもよいのではないか。あと必須科目の試験につきましても、合格者に対して2年程度の免除を認めてはいかかがということでございます。
次に「試験の範囲」とございますけれども、国際出願の重要性が高まる中、条約についての知識の解釈力への配慮が重要でありますことから、論文式試験の中で条約の解釈等、工業所有権法令とあわせて出題するということをこの際、明確化すべきであるというところでございます。
次に責任の明確化でございます。責任の明確化につきましては3つございますけれども、まず懲戒制度の見直しということでございまして、現在、弁理士法または同法に基づく命令に違反した場合に懲戒することになってございますけれども、この要件を明確化するということで、例えば「故意または重過失により不適切な業務を行った場合」というような規定を設けてはどうか。また新しい懲戒の種類の新設ということで、現在の戒告、業務停止、業務禁止に加えまして、新たな業務の受任を禁止する。そういう規定を設けてはいかがかということでございます。補助員との対応というのは、これは要は弁理士事務所の補助員さんと特許庁の審査官との対応において審査が迅速かつ適正に進むようガイドラインを整備すべきではないかということでございます。名義貸しの禁止規定の導入ということで、名義貸しみたいな行為は資格制度の存在意義を揺るがしかねないという問題でありまして、厳格に対応すべきである。そういったことで法律上、しっかり名義貸しの禁止規定を導入すべきであるということでございます。
以上が資質の向上と責任の明確化でございまして、次に右側の箱の多様なユーザーニーズへの対応でございます。弁理士の業務につきまして、その業務範囲を見直すということでございまして、3つございます。まずは「外国出願の資料作成等支援の標榜業務化」、これは外国の特許庁に出す書類について、今、弁理士さんも実際にやっている業務でございますが、これをちゃんと弁理士の名称を用いて行うことができる業務として位置付けて業務の適正性を確保するという趣旨でございます。
次に「特定不正競争行為の範囲の見直し」ということでございまして、現在、弁理士法上、特定不正競争行為として、不正競争防止法2条1項の1号から9号及び12号の業務が位置付けられているわけでございますが、これについて一定の業務範囲の拡大、具体的には不競法の13号、14号、15号の業務についても追加することが適当であるということでございます。
次に、水際での知的財産権の侵害物品の輸出入差止手続等における輸出入者側の代理業務の追加ということで、現在は差止手続において権利者側の代理はできるわけでございますけれども、これについて輸出入者側の代理もできるようにすべきであるということでございます。
最後のポツで、弁理士の単独訴訟代理権の導入というのは、これは共同訴訟代理の制度ができてからまだ3年しかたっておりませんので、時期尚早ということでございました。
次に特許業務法人制度の見直しということでございまして、平成12年の法改正で特許業務法人制度を導入いたしました。2人以上の弁理士が共同で設置して、その社員は無限責任を負うということでございます。これは総合的なサービスの提供を可能とすべく導入したわけでございますが、実際にはなかなか利用が進んでいない。やはり社員さんがすべての案件について無限責任を負うというところがネックになっているようでございまして、今回、指定社員制度、要は特定の事案について社員を指定した場合にその当該指定社員のみが当該事案について無限責任を負うような制度を新たに導入、その他の社員は有限責任とする、そういった制度を新たに導入することが適当であるということでございます。
次に情報公開制度の導入ということでございまして、ユーザーによる弁理士の選択に資するため、弁理士としての業務実績、専門分野ですとか、そういった情報の公開を拡充するような制度の導入が適当ということでございます。
あとその他の検討内容ということで一番最後に書いておりますが、弁理士会の強制加入制度についても検討いたしまして、競争制限的にならず、業務の適正性が担保されている限りこれは維持することが適当である。あと知的財産部門の分社化の問題については、これは法解釈を明確化することが適当である。あと利益相反規定というものもございますが、これも法解釈の明確化が適当であるというような御提言でございました。
以上の内容のうち、法改正が必要な項目については現在、特許庁で法制化の作業をしておりまして、今月の25日に召集予定の通常国会に弁理士法の改正法案を提案すべく準備を進めているところでございます。
事務局からは以上でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
この報告書は私が小委員長としてまとめたものでございますけれども、その基本的なスタンスは、弁理士の質と量を確保し、かつ国民から信頼の得られる弁理士をつくりたいということでございます。言うまでもなく、知的財産が重要になり、知的財産制度の改革が進んでいるわけでありますけれども、知的財産制度の運用の中核を担っているのは弁理士という専門的職業集団でございます。したがって、この弁理士制度がうまくいくかどうかということは知的財産改革の重要な鍵の1つであるという、そういう考えのもとにこれをまとめました。
ただいまの事務局の説明につきまして、何か御質問、あるいは御意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ、松尾委員。

松尾委員

すみません、一番初めに発言することになりますが、今、御説明のありました弁理士制度の在り方、これの基本的なところについては賛成いたします。特に、この1-1の左の方にあります黄色い枠に入っている弁理士の資質の向上と責任の明確化については本当にこのとおりであろうと思います。今、おっしゃられましたように、報告書の10ページになりますけれども、弁理士というのは出願等の手続について業務を行う独占的資格を持っているわけですから、明細書や答弁書を実質的に質のいいものをつくっていただかないと、私ども特許訴訟においていつもここが問題になるわけで、これは極めて重要なことであろうと思います。この弁理士の方の権利を取得し、維持するという、この重要性というものを十二分に日ごろ感じるわけですが、私はそのところから言いますと、24ページ以下にあります「特定不正競争の拡大」ということについてはどうしても賛成できません。
その理由は、25ページのところに「対応の方向」としまして幾つか挙げられておりますけれども、この前提について問題があると思っております。1つは、変更する方向の方だけですが、25ページの「原産地等誤認惹起行為(第13号)」、この問題ですが、技術評価とか技術の性能に関する技術論争が行われる場合がここは多いから、弁理士の専門的知識が必要とされると言われています。しかし、これは私は判例を全部洗っておりますけれども、ここで技術的評価、これが問題にならないということではないのですけれども、技術的問題で物事が決まるということではなくて、例えば技術的なものがあっても、それを記載した広告などがどういうやり方で、どういう態様で、どういう形態で表現されていたか、それらの文字の大きさとか内容が問題になるのであって、その点では、この13号の問題で多く出てくる事例と言いますと比較広告とか二重価格表示とか、おとり広告とかということで、判例の中でも不競法の目的そのものを論じたりして、総合的に判断しております。そういうところで技術専門的評価が必要だから弁理士の業務に適正であるというのは必ずしも当たっていないと思います。
それから14号の「競争者営業誹謗行為」ですけれども、これも平成13年、14年ぐらいまではここにありますように虚偽性というのは侵害の有無によって虚偽であるか否かというのはかなり一刀両断的に結論が出されておりました。しかし、それに対する疑問が長い間、出されておりまして、それで今日では虚偽が工業所有権の侵害の有無と直接結びついておりませんで、例えば警告状を出すまでの経緯とか取引状況とか、警告状を出された先の範囲とか、取引能力、侵害に対する判断能力、そういうものを総合的に決めまして、それでこれも不法行為とか、場合によっては近代市民法の修正原理とか、中山部会長はすべて御存じのことですけれども、そういうところで変わってきております。それもまだ賛否両論であって、いろいろな新しい意見も出ておりますので、こういうところに技術的な知識が必要だから弁理士さんが、というふうに私は必ずしも結びつかないと思っております。
それから、15号の「代理人等商標無断使用行為」、これは判例が極めて少ないです。しかし、ここに言う代理人とか代表者とかいうのは本質的に見て、いわゆる代理人とか言われているものに限らず商取引上で問題になる、あるいは信義則上でも問題になり得る代理人や代表者を広く含められるというふうに考えておりますので、弁理士さんが、これに対応する条文が商標法にありますけれども、だからといって工業所有権についての知見が弁理士さんにあるからこれを根拠に不正競争防止法のこれらの条項について職域を拡大する、職域と言いますか、取り扱い範囲を拡大する、私はそういうことについては非常に問題であると思います。
それからあともう一点ですが、水際措置ですが、これも今いろいろと変わってきております。今までのところから見て、今度は輸出も入れるのは、並べて考えると当然のようですけれども、ここは非常に法律が変わってきている部分であって、日弁連からも何度も意見を出しておりますけれども、かなり当事者両方の意見を聞くような体制に変わりつつあり、なおかつまだ法律が変わっている状況です。そういうところで私はこれについても慎重に検討すべきであろうと思います。
そういうことで、基本的な姿勢、この弁理士制度が重要であるということは間違いないのですけれども、量的拡大については十分に慎重に御検討いただきたいと思います。

中山部会長

間庭室長、お願いします。

間庭審議室長

御指摘、どうもありがとうございました。
松尾先生、本件につきましては小委員会でも同様の御意見をちょうだいしておりまして、それを極力反映させていただいたのがこの小委員会の報告書となってございます。ちょっと足りないかもしれませんけれども、やはり懸念する意見がございましたので、それも書いたつもりでございます。
ただ、これは26ページに書いてございますけれども、訴訟については、弁理士さんがお一人で代理をするわけではなくて、そういった法律的な部分の判断ですとか、そういったことは当然弁護士さんと共同代理ですので、そこのところをうまい具合に13号、14号、15号も連携できるのではないかというのがある意味、小委員会での大方の意見だったということでこのようにまとめさせていただきました。
水際についても、当事者対立構造がだんだん強くなっているという意見はございましたが、これについても、要はそういった対立構造のときには当然弁護士さんが出てくるわけでございます。
弁理士さんの知見が活用できる部分について弁護士さんと一緒にやれるということで今回、13、14、15号の追加、あるいは水際において権利者側のみならず輸出入者側の代理業務を扱えるようにすべきであるというのが小委員会の概ねの意見であったということを申し添えておきます。

中山部会長

松尾先生の御意見は基本的には侵害訴訟に弁理士が関与できるようになったときに大分議論されたことです。侵害事件はもちろん技術的な問題が多いのですけれども、技術と全く関係ない侵害事件もあるわけで、松尾先生がおっしゃったような懸念は前からあったわけでございますけれども、しかし社会やユーザーの声等を聞きまして決めたことであります。そのような新分野は、弁理士はこれから出ていく分野ですから、慣れていない弁理士も多いかもしれませんけれども、弁護士と一緒にやる、共同受任するということで少し広げようというのが侵害事件以来の流れになっているわけでございます。

松尾委員

すみません。そう思います。それで、共同代理というところを強調しておいていただきたいと思います。

中山部会長

はい。

松尾委員

ありがとうございました。

中山部会長

ほかに御意見、ございましたら。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見もないようでございますので、弁理士制度小委員会報告書「弁理士制度の見直しの方向性について」を本部会の報告書として決定することを委員の皆様にお諮りしたいと思いますけれども、御異議ございませんでしょうか。
〔「異議なし」の声あり〕

中山部会長

ありがとうございます。
異議がないようでございますので、この報告書を本部会の報告書とすることを決議いたします。

ライセンシー保護制度の在り方について

中山部会長

次の議題でございますけれども、流通・流動化小委員会報告書「ライセンシー保護制度の在り方について」につきまして、事務局より報告をお願いいたします。

由良知的財産政策室長

経済産業政策局の方で知的財産を担当しております由良と申します。私の方から報告書の御説明をさせていただきます。
資料をご覧いただく前に、まずはしばらくの間、背景説明をまずさせていただいた後で、資料もご覧いただきたいと思っております。特許権につきましては、権利者が自分で使うだけではなく、別の人に通常実施権を設定して事業に使ってもらうということも一般的に行われておりまして、企業やあるいは技術相互間の相互依存関係が高まっている中で、そういったライセンス関係というのは非常に重要になってきているという認識をしております。この後、「ライセンス」とか「通常実施権利」とかいう言葉が少し混じるかもしれませんが、同じ意味で、「通常実施権」を設定することを「ライセンス」というふうにお考えください。
特許権者が「ライセンサー」、通常実施権を受けている側が「ライセンシー」ということでございますが、そこに特許権を譲り受けた人、第3番目の登場人物が出てきたときに問題点が発生するということでございます。特許権が譲渡されてしまいますと、ライセンスを受けていたライセンシーは新しい特許権者に対してライセンス関係、通常実施権を主張できないという問題がございます。特許権者が破産をした場合、これもやはり通常実施権者が事業の継続に当たってライセンス関係を主張できないというような問題が同様に発生するというふうに考えられております。現在の特許法におきましては、この問題に対応するために通常実施権を特許庁に登録をするという制度が準備をされておりまして、登録をしますとライセンシーが保護されるということで制度化されております。
これまで幾つか理由がありまして、この登録の制度というのは余りたくさんは利用されてきておりませんでしたが、そもそもそういう特許権が譲渡されるという場面がこれまでそうたくさんございませんでしたので、特段問題として大きく顕在化してこなかったわけでございます。ですが、特許権の譲渡という実態がここ10年でほぼ4倍から5倍にふえてきておりまして、事業再編、あるいは事業の統廃合という中で特許権を譲渡するという実務が相当程度出てまいりました。そういった中で、特許権が譲渡された後のライセンシーの保護という問題が出てきたわけでございます。また、幾つか大型の倒産という事例も出て、そういった中で倒産した企業からライセンスを受けていた場合にも同様の問題が議論された場面がございました。
この問題を解消するというために改めて具体的な制度の検討をしたわけでございますが、現行の登録制度を生かしていくという案以外にも幾つか複数の提案がございまして、過去、何年か御検討いただいております。
資料をご覧いただきますと、資料の4ページのところに「ライセンシー保護の方向性についての検討」というページがございます。1番として「破産法解釈による対応についての検討」、2番として「ライセンス契約が当然保護される法制の導入についての検討」と、幾つか提案があったものについて項目を挙げております。それぞれ簡単に申し上げますと、今の破産法では、特許権者が破産をしたときは、ライセンス契約を管財人が解除できるというのが原則になっております。一定の対抗できる場面においてのみライセンス契約が維持されるということになっておりますが、そういった破産法の法制度なり解釈を見直すことでライセンス契約を保護しようという提案もされておりました。それについて考えますと、破産法というのは緊急時の破産のときにいわばバタバタとやる制度ということもございまして、その破産法の特例をつくることについては相当慎重な意見も強うございます。そういったことで、できれば対抗できる仕組みというのを別途つくって、そういったものについては破産法上も保護されるという原則にのっとった方がいいのではないかという意見がございました。
もう一つの典型的な案として、ライセンスを受けているライセンシーは基本的に保護される。特許権が譲渡された場合でもライセンス契約の存在を証明すればそのことだけでライセンシーが保護されるという、そういう制度も考えられます。実際にドイツとかアメリカにおいてはそういう制度になっておりまして、産業界からもそういう、原則、ライセンシーが保護される仕組みがいいのではないかという意見が出ておりました。
これについては日本の今の特許法の考え方が、原則、譲受人が優先する、逆にライセンシーは登録をしていなければ保護されないという原則がありまして、今の特許法の考え方と比べますと完全に逆の考え方になっていまして、大きな転換になるということでございます。そういう意味でジャンプができるかということでございますが、特許権を買った人が事前にそういったライセンス契約の存在を確認する方法を法律上、全く準備していないという状態に一気にジャンプするのはなかなか抵抗感があるということが意見としても強うございます。こういったことから、基本的には現在の登録制度と同様に一定の登録を行うということをベースにしつつ、ライセンシーが保護される制度、使い勝手を考えつつ準備をしたいということが今回の基本的な方向性になっておりまして、これに基づいて今般の制度提案の御検討を頂いたところでございます。
今回、小委員会で御検討いただきました制度は、包括的ライセンス契約という、ライセンス契約の中でも1つの特定の類型について御検討をいただきました。包括ライセンス契約という契約の類型は、ライセンサーとライセンシーの間である製品、あるいは実施行為を明記をいたしまして、その実施行為についてライセンシーが事業をやっている分には特許権の行使をしないという、そういう類型の契約でございまして、特許権を多数持っております電機業界等で主に広く行われている契約類型でございます。この包括的ライセンス契約におきましては、特許権を多数持っているということがそもそもございまして、対象となる特許権を特定するのが実務として相当程度大変であるということが1つございます。それから、契約のそもそもの目的がライセンサーとライセンシーの間である製品分野、ある事業分野については特許権を行使しないという性格なものですから、特許権者の側の持っている特許権のうちライセンスしている特許権とライセンスしていない特許権というものを明確に区別をすることがそもそも余り意味がないという性格もございます。そういったことから、個別に番号を特定せずに、いわば持っている特許権すべてライセンスしているというのに近い状態で契約がされて実務が回っております。そういったことから考えますと、個別に番号を特定するということがされていないそういう契約について、今の特許法の登録制度は個別の特許物件、特許番号ごとの特許権にそれぞれ登録をしていくという基本的な仕組みになっており、その特許法の今の仕組みには少しなじまないという格好になっておりまして、登録がしにくい理由の1つになっております。
それからもう一つ、ライセンス契約の内容とかライセンス関係の存在は両当事者、特にライセンシーにとって事業戦略の方向性と極めて近い、深い関係がございます。どういうライセンサー、権利者からライセンスを受けているかということ自体も、そのライセンサーの持っている技術分野の方向に近いところでライセンシーがビジネスをやるということが表に現れるという意味で、秘密にしたいというニーズが極めて強い分野の1つかと思っております。そういう意味で、ライセンシーの名前、あるいはライセンスの内容について秘密を維持したいというニーズがございまして、登録の制度ではあるけれども、情報の一部分を非開示にするというような工夫が必要という格好になってございます。
そういったことを踏まえまして、今回の制度の提案をしていただいております。絵になっております資料の2-1で簡単にご覧いただきますと、ライセンサーとライセンシーがおりまして、包括的なライセンスというのを組んでおります。その包括的なライセンスを国に登録するわけでございますが、登録の際に、その登録内容の一部を非開示にするということで、具体的にはライセンシーの名前、それから通常実施権の内容について非開示にしてございます。したがいまして、一般に開示をされているのはライセンサー、どういう特許権者がライセンスをしているのかという、そのライセンサー自体と、それから当該ライセンサーが登録をしている件数が何件かということが公示をされます。
3番目にあらわれてくる譲受人としましては、譲り受ける前にはそういった公示されている情報により、限られた情報でありますけれども、実際に登録されているということがわかっておりますので、譲り受けようとする特許権についてライセンサーから実際にライセンス関係がどうなっているのかということを確認をするということで、ここに「デューデリジェンス」と書いてございますけれども、ライセンサーと譲受人とが売買交渉をする際に特許権についているライセンス関係を確認をする、そういう調査を行っていただきます。その調査の後、権利の譲渡を受けることによりまして、ライセンサーから必要な情報をあらかじめ受け取っていただくということでございます。その上で譲受人は譲り受けた特許権についてみずから事業の中に使いつつ、ライセンシーとの関係を維持していくという格好でございます。逆にライセンシーから言いますと、そもそもライセンサーがいつの間にか特許権を売ってしまったという場合であっても、譲受人に対してライセンシーの立場を主張できる。したがって、事業を継続できるという関係になります。
デューデリジェンスのところで十分情報がやりとりされるのかということについて、基本的には産業界の実務として情報が提供されているというふうに聞いておりますけれども、国の登録制度としましては、当面、譲受人が十分情報確認ができるということも確保していきたいという考え方のもとに、譲り受けた後は国の一般非開示事項について情報を入手する手続を整備しておこうということで、そういった手続も整備をしております。ここで絵には描いておりませんが、3.のところで、「取引の安全の観点から、権利の譲受人は、取得した特許権等について、取得後に対抗関係をライセンシーに対して個別に確認する制度とする」と書いてございます。
以上のような制度につきまして、小委員会、それからパブリックコメントも行いましたけれども、実は賛否両論ございました。賛成の御意見も多数いただきましたけれども、否定的な意見として、登録制度であるのに非開示というのはいかがなものかという意見は当然意見としては出てまいりました。それからもう一つ、包括的ライセンス契約をそのまま登録をしておりますので、譲り渡した特許権についてちゃんとライセンスがついているのかどうかというのがわからないではないかというような意見もいただきました。
前者の“登録制度なのに非開示”という点につきましては、今、制度の御説明をさせていただきましたように、デューデリジェンスというものをしっかりやっていただくという方向で産業界の実務が進んでいくというのが望ましいというふうに考えております。また、実際、特許権を買おうとするときにはその特許権について調べるのがいわば自然でございます。そのため、ライセンサーからも紛争の防止のために情報を提供するというのが実務としては自然だろうということで、非開示という案で考えております。
それから、買おうとする特許権にライセンスがついているかどうかということの判別でございますけれども、その譲り受けようとする特許権というのは包括的なものというよりは個別の特許権を示して譲り受けをいたしますので、その特許権について議論をすれば足りるわけでございますが、その際、ライセンサーからライセンシーに対してどういうビジネスの分野でライセンスをしているのか、どういう製品についてライセンスをしているのかということを確認するという考え方で判別をしていくことになります。したがいまして、その譲受人としては、自分がやろうとしているビジネスの分野とライセンスがされてしまっているビジネスの分野が重なっているかどうかという目で状況を確認し、その上で特許権を譲り受けるということになりますので、そういった目で特許権の譲渡契約が行われれば問題は起きないだろうというふうに考えてございます。
こういった幾つかの議論をいただきました上で、今回の制度として取りまとめていただいたところでございます。この制度を法案として取りまとめて、ことしの通常国会に法案として御提出したいと思っております。経済産業省から産業活力再生法という法律を今年提案をさせていただく予定でございまして、その中に項目の1つとして織り込んでいく予定でございます。法律の審議を経て、あるいは法律の審議をいただきつつでございますが、登録の実務をしっかりやっていけるよう詳細を固めていきたいと思っております。
登録する側、それから特許権を買おうとする側にとっても関係してくる重要な制度でございますので、使い勝手と、それからトラブルの生じないようなものとなるよう配慮をして、しっかりした制度として具体化をしていきたいというふうに考えてございます。
御説明は以上でございます。

中山部会長

それでは、本日はこの報告をおまとめいただきました流通・流動化小委員会の鎌田小委員長にも御出席いただいておりますので、もし何かコメントがございましたらお願いいたします。

鎌田流通・流動化小委員長

発言の機会をちょうだいしまして、ありがとうございました。
今、室長の方から詳しく御紹介がありましたので、内容については補足することはございません。全体的なことだけ申し上げますと、これは破産法の改正の議論に伴って出てきた問題で、もう数年にわたってこれを議論してきたところで、可能な限り実務界のニーズにこたえていくという方向を模索してきたところでありますが、先ほどの御説明にもありましたように、登録制度というのは本来公示の制度でありますけれども、その一方で実務界は秘密性の保持をしたいということでありますし、従来の登録制度は個別の特許番号を特定して個々の特許権の上に公示していくというシステムに対して、実務界では非常に包括的、抽象的な契約内容で権利の範囲を特定する必要に迫られているという、非常に対立的な構造をいかに調整するかということで、必ずしもわかりやすいとは言えない制度を構築せざるを得なかったということでございます。
ただ、全体といたしましては、こういった問題は知的財産の分野のみにとどまらないで、例えば御存じのように動産・債権譲渡特例法というふうなものも包括的に権利の対象をとらえていく、その上で、ある限度で内容の秘密性を保持するというふうな要請にできるだけこたえようとしてきた。さらにその背景には、ここでの問題にありますように、事業の継続価値と言いますか、事業体全体を包括的に把握し、権利保全を図るためのさまざまなシステムが必要とされてきて、それが従来の公示制度その他にかなり大きな変革を迫っている、そういうもののあらわれの1つではないかなというふうに思っております。公示の要請ということから言えば若干の後退を感じさせるところでありますけれども、ここでは通常実施権、あるいは特許権の特性に照らせば致命的な欠点ではないと言いますか、むしろ実務界の要請にこたえつつ最低限の権利保護のニーズに見合った制度ができたのではないかというふうに思っております。しかしながら、この登録制度ですべてが解決するわけではございませんので、それぞれの取引の類型に応じまして、従来型の登録も存続するわけでございますから、どちらがよりそれぞれの権利者のニーズ、あるいは取引当事者のニーズに合っているのかということについて、実務界で工夫しながら役割分担を図っていっていただきたいし、それから室長が説明されましたように、この制度の周辺にある、ライセンス契約の実務をどうしていくか、デューデリジェンスを含む特許権取引の実務をどう運営していくかという、こういうところでの工夫とうまく相まってこの制度を活用していくことが必要だと思いますので、ぜひ関係業界の皆様、専門家の皆様に様々な形でこの制度の趣旨を御理解いただいて、周辺環境の整備もしていただければというふうに考えております。
ちょっと長くなりましたけれども。

中山部会長

ありがとうございました。
この問題につきまして、御意見、御質問がございましたらお願いいたします。
どうぞ、野間口委員。

野間口委員

私ども産業界としましても事業再編、企業間のアライアンス、こういったものが大変活発化しておりまして、ライセンス契約の保護という点では見直しの必要性を提言してきたわけです。先ほどの室長の説明、あるいは鎌田先生の説明でいろいろな意見があったということを聞いておるわけでございますが、今回、包括ライセンスの契約のところで、通常実施権の簡易な登録制度を導入して実際に運用につなげようという動きにつながったのは大変ありがたいことだと思っております。この状況を見ていただいて、さらにもう一段、米国のような形に行けばと思っておりますけれども、まずは今回、一歩踏み出していただいたことに対して大変よいことだと思っておりますので、ぜひ進めていただきたいと思います。

中山部会長

ありがとうございます。
ほかに御意見、ございますでしょうか。
松尾委員。

松尾委員

意見の前に、ちょっと読んでいてわからないので、何人かで読みますといろいろな意見が出てきますので少し教えていただきたいのですが、登録対象の特定方法というのがありますね、6ページに。この報告書の中では何度か「通常実施権の登録」という言葉が出てきますね。しかし、通常実施権そのものを登録するのでしょうか。できないのだろうと思うのですが、そこら辺がまずわからないのですが。

由良知的財産政策室長

契約を登録をするのか、通常実施権を登録するのかについては確かに法制的には厳密にはっきりさせないといけない点であり、通常実施権、要するに差止めをされない権利が特定をされてそれぞれ登録をされているという観念をいたしております。契約単位で登録されているという意味で、ほぼ契約が登録されているのと同じイメージになるのですが、契約の中に例えば技術協力条項みたいなものが入っていたときに、それが登録されているのかといったら別にされておりませんので、差止をされない権利がその塊として登録されているという理解をしていただければいいかと思います。

松尾委員

すみません、通常実施権の登録ではないのですね。

由良知的財産政策室長

通常実施権の登録です。

松尾委員

通常実施権の登録ですか。

由良知的財産政策室長

はい。

松尾委員

登録の仕方については。

由良知的財産政策室長

登録の仕方が契約単位で。

松尾委員

契約単位ですね。

由良知的財産政策室長

はい。それで、契約の中で通常実施権が設定されている特許権が特定をされていて、特定方法を登録することによって登録されたという理解でございます。

松尾委員

すみません。そうすると、その対象になっているものというと、結局方法とか製品とかで特定するという、そういう御趣旨ですか。

由良知的財産政策室長

はい。

松尾委員

わかりました。それから、すみません、その登録されたものについては、通常実施権については対抗要件を与えると書いてありますね。だけれども、今の特許法の登録とは違う。特許法に基づいて通常実施権の登録がなされた場合には、それとの関係はどうなるのでしょうか。

由良知的財産政策室長

2つの当事者、ライセンサーとライセンシーの間で包括ライセンスも設定し、通常実施権も別途設定するということは普通考えられませんので、包括的なライセンスであればこちらの制度に登録するし、単独の特許権ごとにライセンス契約をしていれば現状の特許法の登録制度を使うというのが基本でございますが、仮に包括ライセンスを一本しておいて、それに含まれている特許権を現行の特許法の登録制度にも登録をするということを念のためにされるのであれば、それは効果は同じということで、1つのものを2箇所に登録したけれども、念のためだったという理解になると考えております。

松尾委員

すみません、ちょっと結論的なところですが、野間口委員がおっしゃいましたように、何らかの破産時のライセンシーの保護等が必要であるということはわかるのですが、これは10人で読むと十通りの理解の仕方が出るぐらいにちょっとわからないところがたくさんあるのです。それで、通常国会に法案を出すというようなお話がございましたけれども、弁護士会の中でもプロジェクトチームを組んで勉強しておりますので、ぜひ私どもの意見、日弁連の方の意見を聞いていただきたいと思います。お願いいたします。

由良知的財産政策室長

数回議論させていただきましたが、まだ御説明が足りていないという感じもいたしておりますので、ぜひさらに機会をつくらせていただいて御説明したいと思います。

松尾委員

よろしくお願いします。

中山部会長

ほかに御意見、御質問ございましたら。よろしいでしょうか。
ほかに意見もないようでございますので、この「流通・流動小化委員会報告書「ライセンシー保護の在り方について」」を本部会の報告書として決定することを委員の皆様にお諮りをしたいと思います。よろしゅうございましょうか。
〔「異議なし」の声あり〕

中山部会長

ありがとうございます。
異議がないようでございますので、この報告書を本部会の報告書とすることに決議をいたします。
ちょっと老婆心までに付け加えますと、ビジネスがうまくいっている間は大体何も問題は起きないのですけれども、こういうものは変な人があらわれたり、変なことが起きたりするときのよりどころになりますので、政省令をつくる場合、あるいは運用に際しても、変な人が、あるいは変なことが起き得るのだということを念頭に置いてつくっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

イノベーション促進のための特許審査改革加速プランについて

中山部会長

次の議題に移りたいと思います。
「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン」につきまして、それから「地域団体商標の出願及び審査処理状況」までにつきまして、事務局より続けて説明をお願いいたします。質疑応答はその後にしたいと思います。
それでは、お願いいたします。

山本総務課長

特許庁の総務課長をしております山本でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
幾つか議題がございますけれども、一番初めの「イノベーション促進のための特許審査改革加速プランについて」は私から説明をさせていただきます。
お手元の資料は資料3というA3の大きい色刷りの紙が入っているかと思いますので、それをごらんいただきたいと思います。
これは先ほど長官から冒頭の御挨拶のときにも少し触れさせていただきましたけれども、昨年10月19日に省内の推進本部を開催をいたしまして、こういうことを取りまとめたということの御報告でございます。
若干経緯を申し上げますと、御承知のことではございますけれども、昨年の1月19日に省内の特許審査迅速化・効率化推進本部というものを開きまして、経済産業省としての特許審査の迅速化・効率化の行動計画というものを取りまとめたわけでございます。そこで昨年秋に内閣が変わりましたときに、それまでの行動計画の進捗状況をフォローアップするということとあわせて、当面、特に加速して進めていくべき改革プランということを取りまとめたのがこの10月19日の基本方針というものでございます。
お手元の資料で言いますと左半分のピンク色の部分が行動計画の進捗状況のフォローアップ、右側が新たな加速プランということになっております。左側の行動計画の進捗状況についてはごく簡単に御説明をいたしますけれども、去年の1月に取りまとめました行動計画におきまして、特許審査迅速化、あるいは効率化の目標を定めております。例えば、迅速化の目標といたしましては、大きくは平成25年に特許の審査順番待ち期間を11ヶ月、これで世界最高水準ということになりますが、これを目指すというようなことが目標になっておりますけれども、その途中段階として18年度の審査順番待ち期間を28ヶ月にするとか、あるいは18年度には1次審査の処理件数を29万件にする、こういったような目標を立てております。昨年の秋の時点で待ち時間は25.7ヶ月、審査処理件数は、ちょっとまだ1年になっておりませんが、前年同期比で見ますと26.3%増加というようなことで、一言で言えば一応順調に計画が進んでいるということを確認したわけでございます。また、効率化につきましても、やや中期的な目標として、審査官一人当たりの処理件数等の目標を定めておりますけれども、これも順調に推移をいたしております。このような目標に向けての取組が下に書いてございますけれども、例えば、審査当局の取組として、任期付審査官を含む審査官の増員というようなことをやってきておりますし、産業界のトップとの意見交換等を実施させていただきまして、十分意思疎通を図りながら、産業界の方の取組もお願いしておるというようなことでございます。
また、あわせて中小企業に対する配慮といたしまして、早期審査の手続の簡素化ですとか、あるいは中小企業の方々に利用していただける先行技術調査に対する支援、このようなことをやっておりまして、こういうことをまとめて全体の特許審査の迅速化を進めていく、その結果おかげさまで皆様方の御協力も得まして順調に進捗している、こういうことでございます。
右半分が今後、加速的に進めていくべきプランでございまして、大きく4項目入ってございますが、特にこの取りまとめに当たりまして、甘利大臣からは迅速かつ的確な権利設定をしていくということは当然のこととしてきちんとやっていかなければいけない。しかし、日本の特許庁としては単にそれだけではなくて、世界の特許制度をリードするというようなことでやっていかなければいけないという考えが示されまして、特に第1の海外、諸外国との国際協力ですとか、あるいは制度の国際調和、こういうようなところに力を注いでいくべきというような指示がございました。
具体的には「特許審査ハイウェイ」、これはアメリカとの間で昨年7月からすでに試行いたしておりますように、両国間で協力をして早く審査を進めていくというようなことでございます。あるいは、日米欧三極で出願様式を統一するというようなことについても、実は、後で御説明いたしますけれども、すでに合意をいたしましたけれども、そういったことも進めていこう。それから、模倣品対策についても万全を尽くしていこう、こんなようなことが盛り込まれております。
第2、第3は先ほどの迅速化、効率化のために特許庁自身がきちんと対応していくこと、あるいは産業界の方でもぜひ御協力をいただいて戦略的な知財管理というものを進めていただきたい、こういったことを盛り込んでございます。この2つ目の丸にございます「戦略的発明管理ガイドライン」は具体的な取組として昨年の秋から始めておりますけれども、この点については後ほど別途改めて御説明をいたします。
最後に第4に、地域・中小企業の地域活性化という面からもぜひこの知的財産を活用していただくようにしていくことが大事なので、各地域に知財戦略本部を設置していろいろな支援活動を行っておりますけれども、そういった活動の充実などを通じまして、ぜひ中小企業も含めた地域の方々に知財を活用していただく、そういったような内容のものもしっかり進めていこう、こういう内容になってございます。
具体的にこの取りまとめたものをもとに、今特許庁一丸となって、あるいは省内、ほかの部局も含めて対応しているところでございます。
なお、一応年が改まりまして来年度の新たな審査官の増員ですとか、あるいは予算の拡大ですとか、そういったことも、まだ予算案の段階でございますけれども、認められてきておりますので、こういうものを踏まえまして、また近い将来、こういう行動計画の見直しもしていかなければならないというふうに考えておりますので、これはまた取りまとめがなされました際には、この委員会にも何らかの形で御報告をさせていただきたいと思っております。

「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)」<仮称>の作成について

中山部会長

それでは、引き続きまして「戦略的発明管理ガイドラインの作成」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

木原技術調査課長

特許庁技術調査課で課長をしております木原でございます。本件につきまして、私の方から御説明をさせていただきます。お手元の資料4をごらん願います。
御紹介いただきましたように、「「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)」<仮称>の作成について」ということでございまして、現在、特許庁で取り組んでおりますこの作業の背景、内容について御説明させていただきます。
まず背景でございますが、これは言わずもがなのことでございますが、このグローバル、ボーダレスの時代になりまして、日本企業がいかに競争に勝ち抜いていくかというところで知的財産戦略というのは非常に大事になっていると思います。その知的財産戦略をいかに企業の事業戦略、あるいは研究開発戦略に絡めていくのかというところが大事になっておりまして、三位一体でやっていくということが必須になっております。そのような状況下で、例えば研究開発成果であります発明をどういうふうにとらえていくのか、どのように活用していくのかというところで、事業戦略、研究開発戦略との関係で申しますと、単に個々の発明でとらえるのではなくて、商品とか開発テーマと絡めて、群でとらえていくと申しますか、束でとらえていくと申しますか、ポートフォリオ化して戦略的に取り扱っていく必要があるということでございます。2枚めくっていただいて「別紙1」というところにフロー図がございます。まず「技術」と書いておりますが、企業で有益な技術を生んでいくというところで、いかに研究開発テーマを決めていくのかとか、あるいはその方向性を決めていくのかというところで知的財産戦略をどのようにそこに関与させていくのか、すなわち、研究開発戦略と知的財産戦略をどのように結びつけていくのかということが大事になってまいります。次に、その成果としての発明でございますが、それをどのように取り扱っていくのかということにつきまして、商品とか開発テーマの中で群としてとらえつつ、ここにありますように、王道はやはり特許出願と思うわけですが、他方、特許権取得は公開を前提とするものでありますので、技術によってはノウハウとして秘匿していくという選択肢も出てまいります。なお、その場合、他社の特許権に対抗していくために先使用権の立証等の準備もしていく必要があるということで、この点につきましては昨年6月の当部会におきまして先使用権制度のガイドライン事例集の御議論をいただき、すでに公表をさせていただいているところでございます。また、以上の選択肢以外にも、ライフサイクル等の関係から実用新案登録出願を活用するとか、もしくは他社の権利化を排除するという目的のためだけであるのであれば、公開技報等を通じた公知化を図っていくといった手法もございます。
次に、特許出願を選んだ場合においては、1年以内にどこの国に特許を取っていくのかというところでまた戦略があると思います。また、いつ権利化するのかというところで、現在、日本におきましては審査請求期間は3年でございますけれども、発明によっては他社との関係とか市場の動向等を踏まえて、早期審査制度を活用して早く権利化を図るとか、海外出願との関係では、今、日米との間で「特許審査ハイウェイ」の試行を始めたところでございますけれども、そういう仕組みも活用して早期に、かつ効率よく権利化を図っていくということも有効であると思います。
また、権利を取得した場合でございますが、権利を取ったから終わりというのではなく、取得した権利をどのように使っていくのかというところで、例えば市場の中での占有性を高めていくために排他性を追求していくとか、あるいは市場の拡大をねらって、むしろライセンスアウトをしていくとか、あるいは標準戦略との絡みで特許権を有効に使っていくとか、いろいろな選択肢があると考えられるわけでございまして、このように発明の創造から保護、活用に至ってのいわゆる知的創造サイクルをいかに企業の中でうまく回していっていただくのかということが大事になっていると考えるところです。
そういうことで、この知的創造サイクルの中でいろいろな段階、フェーズごとにいろいろな選択肢があるわけでございますけれども、その個々のフェーズの選択肢においてそれをどのように選んでいくのかというところでの判断の観点であるとか、留意点等につきまして、各企業におかれては、いろいろな創意工夫をされておられますが、他方、どのようにしていったらいいのかというところでの御苦労も多いと聞いておりますし、またその悩みも深いというように聞いております。
そういうことで特許庁といたしましては、そういう各フェーズにおけます判断の観点や留意点、その判断を的確にしていくためにどういう体制を敷いたらいいのか、あるいはどういう環境を整備すればいいのかというところにつきまして事例集をつくっていこうとしているところでございます。現在、既に100社以上の企業の皆様にヒアリングをさせていただき、成功例、失敗例も含めていろいろな見方での事例を集めているところでございまして、それを取りまとめていきたいと考えております。
1枚めくっていただきまして「別紙2」に「委員会名簿」がございますが、事例集作成に当たりまして、現在、財団法人知的財産研究所にこの調査研究委員会を設置させていただいております。当部会の特許制度小委員会の委員長でもあられる東京大学の後藤先生に委員長をお願いし、学会、産業界等から有識者の方々に委員として就任いただき、事例集の構成なり内容なりにつきまして、現在、御議論をいただいております。
更に1枚めくっていただきますとその「骨子案」がございます。時間の関係で説明は省略させていただきますが、第1章の「はじめに」の中の「・・・キーとなる。」というところにありますように、そもそも知財戦略の目的を明確化する必要があるという前提の下、発明を群としていかに管理していくのか、そして群として管理する中で個々の発明を創造-保護-活用のサイクルにおいてどのように戦略的に管理していくのか、また、そういう戦略をサポートしていくための組織、予算等の体制や情報活用、報償、人材育成等の環境をどのように整えていったらいいのかというような切り口で、企業の方々からヒヤリングさせていただいた情報を盛り込んで事例集を完成させていきたいと考えているわけでございます。なお、現在、米国の企業やヨーロッパの企業にもヒアリングをしているところでございまして、その結果もさらに盛り込んでいきたいと考えております。
さて、今後の予定でございますが、ちょっと戻っていただきまして、下に2ページと書いているところに予定がございます。今申し上げましたように、知的財産研究所の委員会での検討を続けてまいりまして、年度末までに、あと2ヶ月ちょっとしかないわけですが、何とか完成させて、再度、本知的財産政策部会で御検討いただき、19年度の当初にできるだけ早く公表させていただきたいというように考えております。引き続き御審議の方をよろしくお願い致します。
私の方からは以上でございます。

国際的な取組について

中山部会長

それでは引き続きまして、「国際的な取組」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。

小林国際課長

特許庁の国際課長の小林と申します。資料5に基づきまして、「国際的な取組」について御説明したいと思います。
まず資料5の1.のところに「世界特許実現に向けた取組」とございます。この「世界特許」ということの背景でございますけれども、今、特許の分野では各国ごとに特許法があるというのが現状でございます。したがいまして、世界中で特許保護を受けようとする出願人は各国ごとに出願をして、各国ごとに審査を受けて、各国ごとに特許権が成立するということが基本構造になっております。したがいまして、必然的に世界的な特許保護を求めようとするとどうしても負担がかかっていく、出願のための負担が非常にかかるということになっております。また、各国ごとに特許法がございますので、その法律の内容も少しずつ異なっていて、ビジネスの予測可能性というものにも問題が出てくる場合があるということでございます。
そういった背景のもと、できるところからしていこうということで、1つは審査協力の拡大、これは各国ごとに審査があるという問題に対する対応でございます。1つ、相互承認というのが理想形としてはあるわけでございますけれども、当面はということで、1つの国の特許庁の審査結果を他国が利用できるようにということで審査協力を推進しております。先ほど総務課長の方の説明にも言及されましたが、その一環として「特許審査ハイウェイ構想」というものを進めております。それは注釈に書いてございますように、自分の国の特許庁で特許を受ければ、その審査結果をもって外国の特許庁に行って、その結果を利用していただいて優先的に審査を受けることができるというふうな枠組みでございます。これはバイラテラルでアメリカとの間ではもう昨年の7月から試行を開始しておりまして、ことしの7月には本格実施に移るという予定でございます。また、韓国との間でもことしの4月から開始を予定しております。その他、イギリス、ドイツ、カナダ、オーストラリア等々の国とも議論を開始しております。
また、各国に出願をしなければならないというところも実はかなりの負担になっておりまして、それに関連しまして2.のところに書いてございますが、出願様式を統一していこうというふうなこともしてございます。これによって1つの様式で出願を書けばそれがほかの国にも使えるというふうなことになりまして、これは想像以上のコスト削減になります。このプロジェクトにつきましては、ことしにもうユーザーと三極特許庁との間で試行プロジェクトを開始いたしまして、20年度に国内規則、あるいはPCT規則等の改正作業を行って、21年4月からの運用開始を目指しております。そのほか優先権書類というふうな出願にまつわる負担があるのですけれども、こういったものも電子的な交換をすることによって紙で出すお金の負担、手続的負担をなくそうというふうなことをやっておりまして、すでにもう日欧、日韓はできておるのですけれども、これに加えて日米間でもことしの7月から開始を予定しております。
それから、各国の特許制度が少しずつ違うという点に関しましては(2)のところに「国際的調和」と書いてございます。まずは「実体特許法条約」ということで、WIPOの場で各国の特許法を統一するような議論がされておるのですが、これが南北対立ということで停滞をしておりますので、先進国だけが集まって現在、議論をしております。昨年の9月に長官レベルの会合を行いまして、包括妥協案ということで概ねの方向性に基づいて、まずは条約の条文案をつくっていこうということで合意をして、ある程度の進捗を見たところでございます。これをもとにしまして、ことしの5月、6月ごろに長官レベルの会合がございますので、こういったことを経て、できるだけ早期の合意を目指しているところでございます。
そのほか法律だけではなくて、実務の統一も大事だということで、「審査実務に関する比較研究」というものを三極の間で行うことにしております。こういった結果を使いまして、審査実務だけではなくて、出願人の行います出願書類の作成実務、こういったものも高いレベルで支援していければということで作業をしております。
あと2番目に書かれておりますのは対途上国ということでございますが、基本的な考え方として「協力と要請」というふうに考えております。要請の部分につきましては、EPA(経済連携協定)などのバイの場を利用しまして、相手国の知財制度の整備、あるいは運用の整備というものを求めております。また、対途上国という観点で言いますと、日本の審査結果が出ればそれをそのまま使っていただいて外国でも特許が取れる、途上国でも特許が取れるというふうな制度運用を導入していただくことをお願いしております。事実、ここに書いてございませんけれども、シンガポールとかマレーシア、タイ、インドネシアのようなASEANの一部の国ではこういった制度、実務をすでに採用していただいております。
それで1ページめくっていただきまして、途上国という観点では中国の問題が非常に重視されるわけでございますけれども、現在、中国では専利法、これは特許法と意匠法と実用新案法を合わせた法律でございますが、その大改正作業が進んでおります。昨年9月にはその改正作業について中国の政府から調査団が来まして、3日間にわたりまして日本の官民と中国の政府の代表団ということで意見交換をして、その結果として改正要望を述べるとともに、要望事項等を提出してございます。
そういった要請事項だけではなくて、それを実現するためには協力が大事ということで、(2)に「途上国協力」と書かせていただきました。過去11年に2,500人ぐらいの途上国からの研修生を受けておりまして、これは世界で第一番、ダントツの協力の規模というふうに考えております。
あと模倣品対策でございますけれども、(1)に書かれておりますが、中国には今までも平成14年から官民合同ミッションを派遣して模倣品対策を要請しておるのですけれども、19年度以降はASEAN諸国にも新たに官民合同ミッションを派遣する予定でございます。また、二国間協力ということで、日米、あるいは日仏ということで先進国が共同で第三国に模倣品の対策を要望するということも考えてございます。
それから4.の商標・意匠の分野でございますけれども、日米欧の商標三極会合というのがあるのですけれども、この中で日米欧の共通の危機意識として、中国の商標が非常に大量に出ている。処理能力を上回る出願がございますので、このままで行きますと日米欧の商標の保護が全く中国でなされなくなるという危機感がございますので、日米欧の商標担当局が協力しまして、中国の商標の保護、審査というものを助けるとか、あるいはどういうふうにしたらいいかというようなことを情報交換するというようなことをことし初めて開始したところでございます。また、商標法につきましても中国では改正が行われておりますので、これに向けて日本国からの意見を提出しているところでございます。その他、意匠におきましてもやはり中国問題は大きくて、日中の会合を開きまして、いろいろな実務の協力をして、中国において意匠の保護がスムーズに行くようにというふうなことを活動しております。
以上でございます。

地域団体商標の出願及び審査処理状況について

中山部会長

引き続きまして、「地域団体商標の出願及び審査処理状況」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

林商標課長

特許庁商標課長の林です。よろしくお願いいたします。
お手元の資料6-1をごらんください。地域団体商標の出願状況及び審査処理状況について御報告いたします。
地域経済の活性化を支援するために地域団体商標制度が昨年の4月に施行されました。現在の出願状況でございますが、1月15日現在で、合計で652件の出願がございました。地域別の内訳につきましてはそこにあるように北海道からその他、その他というのは外国でございます。それから分野別状況を見ますと、農産物、海産物などの食品分野の出願が数多く占めております。そのほかには織物、伝統工芸品などの工業製品の分野、あるいは温泉などの役務の分野において出願されている状況でございます。
1ページめくっていただきまして3.にありますように、「地域団体商標の登録査定の状況」でございます。これも1月15日現在でございますが、登録査定合計114件になりました。地域別登録査定の内訳一覧表としてそこにございますので、見ていただきたいと思います。それから、分野別登録査定の内訳の一覧表につきましてもそこにあるとおりでございます。「その他」というのが1件ございますが、これは飲食物の提供という役務で、「鴨川納涼床」という商標が登録になってございます。後ろの別紙1の方にも参照としてつけてありますので、見ていただければと思います。
それから、今後の予定ですが、引き続き審査を進めてまいりますが、本年4月の発明の日、4月18日前後になりますが、地域ブランドフェスティバルを開催する予定です。場所は経済産業省本館1階におきまして、登録案件のパネル等の展示を行う予定となっております。どうぞよろしくお願いいたします。
以上で終わります。

中山部会長

ありがとうございました。
それでは、ただいまの4つの議題に関しまして、御意見、あるいは御質問がございましたらお願いいたします。

野間口委員

よろしいですか。

中山部会長

どうぞ。

野間口委員

今の資料3ですが、先ほど技術課長の御説明を聞きながら思ったのですけれども、国際標準化との連携というお話がちょっと説明の中に出てきました。この言葉を、右の青いところの第3のどこかぐらいに入れられた方がいいのではないでしょうか。というのは、特許行政の基本方針ということで、この資料はものすごくいろいろなところで目につくのですが、国際標準というのは事後標準の時代から事前標準の時代になりまして、知的財産が国際標準化に持つ意味というのはもう飛躍的に変わってきているわけですね。ですから、特許庁さんこそこの分野で活躍してもらわなければいけないと思いますし、ぜひ戦略的な知財管理のところで、国際標準にするためにどのタイミングで審査をしてもらおうかなどいろいろありますので、考えていただけたらと思いますが。

中山部会長

その点につきましては山本総務課長。

山本総務課長

御意見よくわかります。この資料3のもの自体はすでにもうつくってしまったものでございますので、今お話がありましたように、戦略的ガイドラインなどもつくっておりますので、そういう中で今の標準の問題も十分に考えてまいりたいと思います。

野間口委員

はい。

中山部会長

ほかに御意見とか御質問がございましたらお願いいたします。
どうぞ、齊藤委員。

齊藤委員

1つだけ教えていただきたいのですが、これは資料5との関係でございます。国際的な取組、世界特許、あるいは調和、統一法、この辺まで言及なさいました。商標、意匠につきましては、例えば欧州共同体商標とか意匠とか、ああいうものができ上がっていますが、特許につきましてはヨーロッパ特許庁はございますものの、共同体特許というのはなかなか難しい面があるのでございましょう。そうすると、特許につきましてはそういう統一的なルールをつくることの難しさ、あるいは必要性というのでしょうか、この辺、どの辺がどう違うのか、ちょっと教えていただきたいと思います。

中山部会長

小林国際課長、お願いします。

小林国際課長

確かに御指摘のとおり、ヨーロッパにおきましては意匠と商標の分野につきましては共同体意匠、共同体商標という制度が成立しております。これは欧州共同体の中では国を超えてたった1つの商標権、たった1つの意匠権というのが国を超えて成立し得るというふうな制度でございます。そういった単一の権利という意味で言いますと、それを世界的に敷衍すれば、例えば世界意匠とか、あるいは世界単一商標というふうな概念になるわけだろうと思います。ただ、残念ながら現状ではそうなっておりません。ひるがえって特許の分野を見ますと、そこはヨーロッパの中ですら単一の特許権というものを国を超えて取得するような制度はまだ成立しておりません。それだけにそういったかなり進んだヨーロッパにおいてもそれが実現されていないというところを見ると、非常に難しい課題かもしれません。
ただ、そうは言いましても、むしろ発明の保護のニーズこそ非常にグローバルなものでございます。言語とかそういうことと関係なくある発明は、ある技術は国境を越えて保護をしてほしいというニーズが非常に強い分野でございます。したがいまして、今の現状の枠内と言いますか、各国に特許制度があって、各国に出願をして、各国で審査をして、各国の特許権が成立する、そういうふうな制約の前提でできるだけそこの負担をなくしていこうという方向で作業、議論をしておるところでございます。
その1つの解決策としては、もちろん世界特許制度、単一の特許権というものもあるかもしれませんけれども、まずは審査結果の相互利用、あるいはまずは出願の際の負担の軽減、それからそれを進めていけば1つの解決策としては権利になった後にそれをほかの国との間で相互に承認し合ういわゆる相互承認といったものも視野に入ってくるのだろうというふうに考えております。

中山部会長

よろしいでしょうか。

齊藤委員

はい。

中山部会長

それでは、中村委員。

中村委員

当社は海外、特にアメリカ、ヨーロッパ、それから中東、いろいろとこれからやっていこうと思っているわけですけれども、このハイウェイ、それから各国の書類の統一、これは本当に急いでいただきたいと思います。1つの考えとしましては、各国にいろいろな書類を出すというようなことで弁理士さんは忙しい思いがあるわけだと思うのですが、それがなくなるというようなことで、悲観的なことを考えないで、中小としては、とにかく日本で取れたらほかも取れる、当社は精密機械をやっているのですけれども、ヨーロッパの場合は特許権は非常に遅くて、後のひっぺがしもあるわけです。アメリカは早くて、そっちへ行っていても、結果的に全国に出さなければいけない。中小としては大変負担であります。この壁を取るということは中小の社長さんにとってみたら、これはやる気満々になります。そちらの方の仕事がふえることによって弁理士さんは忙しくなる。私はそんなふうに持っていくように、またこういった制度がそうなったのかと、なった時点でも中小の社長さんがわかるようなそういった宣伝も必要かなと。一番早いのは、まずは銀行筋にこれから特許の法律はこのように変わったよと、そういうことを伝えた方が、ああそういうことかと、では、もうやるかと、外国での特許をとる手続きがより簡素化されたら、どんどん中小の社長さんは特許をいっぱい出すと思います。これはぜひ特許庁に頑張っていただきたいなと、私、つくづく思うところであります。
以上です。

中山部会長

貴重な意見、ありがとうございます。
ほかに何か御意見、御質問がございましたら……。よろしいでしょうか。
それでは、ほかに御意見もないようでございますので、次の議題に移りたいと思います。

産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要について

中山部会長

それでは、引き続きまして、「産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

斉藤産業再生課長

ありがとうございます。経済産業政策局の産業再生課長をしております斉藤でございます。よろしくお願いいたします。
お手元の資料7-1、7-2、あわせて7-3ということで御説明させていただきます。私が最初に7-1と7-2を使います。その後、産業技術局の振興課長より7-3で御説明させていただきたいと思います。
まず最初に資料7-1ということで、こういう色刷りの資料がお手元にあると思います。産業活力再生特別措置法という、これは実は平成11年、左の枠囲い、「現行」というところを見ていただきたいのですけれども、平成11年にできた法律でございます。15年に一度改正しておりますけれども、当時の経済状況を反映いたしまして、キーワードとしては選択と集中、あるいは過剰設備に対応すると、こういったようなことを何とかならないかということで生まれた法律でございます。大きく水色、ピンク、緑、いろいろな色を使って恐縮ですけれども、3つの部分からなっております。1つは各企業でおつくりになる計画を8省庁で今運営しておりまして、認定をさせていただきまして、それに認定されますと減税措置がある。あるいは、会社法の特例、いろいろな会社法に基づく組織再編上の手続がありますけれども、これがスキップできる、こういうような法律効果があるという部分と、それから一般的に研究開発活動を活性化するなど環境整備を図る部分、それから中小企業の活力の再生ということで、都道府県に1つずつあります中小企業再生支援協議会、こういったものの活動などが定められております。
右の方に「改正」という大きな箱がございますけれども、今回、新たな措置を追加しようと思っております。産業の、企業の再生ということ自身が今終わったわけではないと思っておりますので、これまでの措置は残しながらも新しいものを追加していきたいというふうに思っています。
最初にまず1つは水色の四角の(1)の①というところに新たな計画類型ということで、これでともすると事業再編的な計画というものをつくれることになっておりましたけれども、新しい技術を活用する、あるいは他人の研究成果を活用する、こういったもので新しい製品やサービスを生み出すもの、あるいは1行目の右の方に書いてありますけれども、事業分野の異なる方たちが新しい会社をつくって何かをやるようなときに応援する。例えば、NTTとほかのIT会社などがいろいろなことをやる。あるいは老人ホームと食品提供等、いろいろなサービスが今新しいものが生まれておりますので、そういう新しいサービスや製品をつくるような方々をこれまでと同じように税制の特例、あるいは会社法の特例を適用したいというふうに思っているのがまず1つ目。
2つ目に「サービス業」というふうに書かせていただきましたけれども、これは特に法律でサービス業をどうしよう、こうしようということを書くわけではございませんで、今までも実は産業活力再生法、サービス業の方にもいろいろ使っていただいておりますけれども、ともすると、その認定に関する基準があるのですが、これが業種別にもう少し使いやすくならないかというようなことで措置ができないかということで、今、②として準備をしております。それから環境整備ということでは、本日の議題、これまでの議題にありましたけれども、包括ライセンスのための措置というものも産活法でできないかということで、大きな3つ目としてピンク色のところで位置付けさせていただいております。
それから、四角の4、Ⅱでございますけれども、「地域の早期事業再生の円滑化」ということで、実は法的整理という分野がございます。会社更正法とか民事再生法、いわゆる裁判所が出てくる分野がございますけれども、それの直前の段階です。金融機関同士で企業の再生を何とかしようと、こういう段階があるわけですけれども、そういうところで今、一番困っている、例えばつなぎ資金をどうするか、あるいは債権者の全員の合意をどうするか。つなぎ融資につきましては信用保険で後ろから支えられないか。あるいは、全員の合意が必要ないわゆる金融機関の私的整理については迅速な措置ができないかということで法務省と連絡をいたしまして、なるべく早くできるような手続ということで新たな措置を現在、検討しております。
加えまして、2行目の右の方に「廃業経験者の」という下りがございますけれども、廃業経験者の再起業時の信用保険、国の部分というのを少し嵩上げできないかということで、今、再生法の改正を準備しております。
これに加えまして、産業技術力強化法という法律、こちらは恒久法でございまして、産業活力再生法の方は特別措置法、時限法でございますけれども、産業技術力強化法をあわせて改正したいというふうに考えております。これにつきましては振興課の住田さんから御説明を追加させていただきます。
以上です。

住田技術振興課長

技術振興課長の住田でございますが、産技法等の改正案について、資料7-3に基づきまして御説明をさせていただきます。
今回の産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律の中で、産業技術力強化法の一部を改正をするということでございます。イノベーションの推進ということの一環でございますが、イノベーションの推進につきましては経済産業省としてはイノベーション・スーパーハイウェイ構想ということで、どうやったらこのイノベーションがもっともっと起きていくのかということを考えておるわけでございます。
1ページ目の課題というところに5つほど書いてございますが、その中でも特に重要なのは最初の3つでございます。で科学と技術と事業という中で科学から技術へ、技術から事業へという流れがこれまであったわけでございますが、むしろそういう科学的な知見のところから実際の事業に至るまでの双方向でいろいろな視野で物事が見れるように、しかも幅広い視野で物事が見られるように、そういう流れをつくることが重要なのではないか。それから研究の成果といったようなものをほかのいろいろな経営資源と結びつけながら実際に出口につなげていくということが大切ではないか。それからもう一つは、こういう知識社会の時代に入っておりますので、企業にとっても一番重要な差別化を生み出すために異なる分野の、あるいは異なるレベルの方々の知識の融合が必要ではないか。こういうことによってイノベーションが実現をしていくのではないかということでございます。
そのために、右側の方に書いてあります運用、あるいは予算措置等を様々に講じていくわけでございますが、それ以外に法律で措置すべき部分というのを早急に措置するようにということで、産業技術分科会の方からも緊急提言をいただいておりまして、それに基づいて今回の措置をとるということでございます。
1ページおめくりいただきまして、「産業技術力強化法等の改正(案)について」ということでございます。今回の改正には大きく2つございまして、1つは技術経営力の強化ということで、今申し上げましたようなイノベーション・スーパーハイウェイの考え方、その中ではまさに技術力と経営力とが一体となってイノベーションが進められていくのだということを特に強く意識しまして双方向の考え方の流れ、あるいは知識の融合といったようなことの重要性について、技術経営力という概念で基本理念、あるいは国の責務、事業者の責務、国の基本施策といったような規定を整備をしようというものでございます。
それと関連いたしまして、そのページの一番下のところに書いてございますが、NEDO、産総研という独立行政法人がございますけれども、これら研究開発を推進していく独立行政法人の業務の中で、今申し上げましたような技術経営力の強化に関する助言でございますとか、あるいは技術経営力の強化に寄与するような人材の育成といった業務を追加をするということでございます。
大きな2つ目は国や大学の研究機関の成果の産業への移転の促進ということでございまして、これについては2つございます。1つは少し何ページかめくっていただきまして5ページ目のところにございますが、いわゆるアカデミックディスカウントと言われているものでございますけれども、大学あるいは大学等の研究者に対して出願料、審査請求料、特許料を半額に減免をするという制度が現在、産業技術力強化法の中にございます。この案の中で現在は含まれていないポスドクのような場合、あるいは学生のような方も一応含むわけでございますが、そういった方が大学との一種の契約に基づいて、ある種大学の研究活動の一環として行った研究の成果としての特許について減免の対象に加えようということが1点、それからそれらの研究者との発明を、共同研究を行った成果が大学等に権利が承継された場合の扱いについても同様にこの減免規定が使えるようにしようということ。さらに、大学からTLOに権利を移転した場合は今も対象となっているわけでございますが、逆に今度は一度、大学の方から権利を譲り受けたTLOから大学の方に権利を戻したいというような場合には現在減免の対象となっておりませんでしたので、この点についても今回の対象に含めようということでございます。
それから、6ページ目のところでございますが、これまで産業活力再生特別措置法の中にございましたいわゆる日本版バイ・ドール規定でございますけれども、この中にこれまで含まれていなかった部分は請負に関するソフトウェアでございます。従来、ソフトウェアの委託開発の場合には研究要素が強いということで、その成果物については日本版バイ・ドール規定の対象ということになっておったわけでございますけれども、今回は請負によるソフトウェア開発の成果というものを追加をするということでございます。
以上が今回の産業技術力強化法に関する改正の内容でございます。

中山部会長

ありがとうございました。
ただいまの説明につきまして、御質問等がございましたらお受けしたいと思います。
どうぞ、山本委員。

山本委員

これについては賛成ですけれども、今、日本版バイ・ドールに関して言えば、99年に日本版バイ・ドールができたにもかかわらず、一部の国からの研究資金というのはまだバイ・ドールが適用されていないですよね、エラートとかアイコープといったものは。どうしてもそういう一部適用されていないものがあるとダブルスタンダードのように見えるというのがありますので、ぜひバイ・ドールを徹底していただければという要望です。

中山部会長

その点につきましては、住田技術振興課長から。

住田技術振興課長

日本版バイ・ドール規定は御承知のとおりでございますが、規定上は権利を譲り受けないことができるというようなことになっているわけでございますけれども、まさに今おっしゃられたように運用の中で非常に不透明と言いますか、何でこれはできてこれはできないのだというのがあると、やはり現場としては非常に困ったことが起きると思われますので、できるだけ統一化を図っていきたいと考えております。

中山部会長

ほかに御質問等ございましたら……、よろしいでしょうか。
それでは、まだ若干時間も余っておりますので、本日の議論全体、または知的財産政策全般に関しまして、何か御質問、あるいは御意見がございましたらちょうだいしたいと思います。何か全般にわたって御意見はございませんでしょうか。
どうぞ、青山委員。

青山委員

青山と申します。私は余りこういったところに知見がないものですから、本当に皆様方の議論を聞いて、ああなるほどなというところが多かったのですが、先ほどの3番のライセンシー保護の問題については、先ほど座長が一言追加的にいろいろ政省令の方で考えるようにというお話があったのでちょっとほっとしたところですが、これができるに当たっては賛否両論いろいろ議論があったというふうなことをお伺いしましたけれども、その中で、やはりこういうことができて産業界が活発になれば、消費生活というのも安心・安全・安定した生活の基盤が確保できるだろうということで、これはこれで大変よいことではないかなという気はするのですが、やはりどうしても賛否両論があったよというところが私ども気になりまして、これは国会の場でも多分附帯決議的なものもあるのだろうという気はするのですけれども、ぜひ定期的な見直し論議というものをきちんと入れ込んだ方が、運用に関して齟齬が出てきたりした場合にやはり見直しをしていくということをきちんと盛り込んでおいていただける方がよろしいのではないかなという気がいたしましたので、一言だけつけ加えさせていただきました。

中山部会長

ありがとうございました。
由良室長、何かその点に関して。

由良知的財産政策室長

ありがとうございます。
御指摘のとおり、しっかり制度を組んでいきたいということで基本的には考えておりますし、私の御説明でも申し上げました使い勝手の良さと安定性というところに留意をして取り組んでまいりたいと思います。

中山部会長

ほかに御質問、御意見がございましたらお願いいたします。
どうぞ、野間口委員。

野間口委員

すみません、何回も。
国際的な取組、非常に日本の特許庁さん、欧米を引っ張る形で取り組んでいただいていると私ども見ておりまして、大変心強いことだと思っております。少しその件について質問したいのですが、アメリカで今、先願主義をやはり日欧と足並みをそろえようという動きが出ていて、議会にも法案が提案されていると聞いておるのですが、それの見通し等、どういうふうに見ておられるのでしょうか。

中山部会長

これは、長官。

中嶋特許庁長官

まず端的に言えばアメリカの議会の動きというのはなかなか当のアメリカ人にとっても読みにくいというか、そういうことがあって、日本と違って政府が提案して大体それが通るのと違って、アメリカ議会というのは非常にその辺が読みにくいところがあります。ただ、1つ言えることは、アメリカもいよいよ21世紀になって、さすがにアメリカのある種伝統的な文化と言ってもいいぐらいの先発明主義を先願主義に変えていこうということが当のアメリカの産業界全体の意向になってきたという大きな流れがあると思うのですね。あとはだからそれをできるだけ早く、それから具体的な中身ができるだけ今国際的に議論している方向と整合的になってほしいということだと思います。
そういう思いも込めて、実は今先進国の間では、先進国というのは具体的に言うと日米欧を中心に、カナダとかオーストラリアとかそういう国も含めた約41ヵ国でありますけれども、そこの場でせめて先進国の間では特許制度について基本的なところは調和、ハーモナイズしていこうという議論は引っ張っていっているつもりであります。それなりの進展は見られるのでありますけれども、そういう作業をさらにしながら、同時にアメリカの方に対しては、いろいろな形で少しでも早く先願主義への移行というのを働きかけていくということだと思います。
ちなみにきょうのテーマはたくさんありまして、多分お聞きになっているとやや専門的なテーマから非常に生活に身近なテーマまであって、本当に知的財産の話というのは幅が広いわけですけれども、多分21世紀、やはり避けて通れないのは、これだけ世界中にある意味で普及していった特許とか意匠とか商標とか、そういう制度が、ほうっておきますと、みんなそれぞれ各国ごとの制度に今なってしまっているので、他方で企業とか消費者の立場に立ってみれば、それはもうどんどん国境を越えたいろいろな物とか技術のやりとりになっているので、理想的に言えばできるだけ各国の制度が調和というか、ハーモナイズしていくということだと思うのですね。
それと同時に、特に特許とか意匠とか商標の分野というのは、基本的に行政による審査のプロセスがあるわけですね。それがいわゆる著作権の分野と違うところがございますので、やはり各国の特許庁がそれぞれしっかりやっていくということが基本ですけれども、ほうっておきますと、それぞれの各国の特許庁の人数がどんどん、どんどん肥大化していって、しかも審査はみんなかなり重複したことをやっているという状況になってしまいますので、そういう意味でも各国の制度をできるだけハーモナイズしながら、同時に各国の特許庁間の協力を進めていくことによってできるだけ権利を取得する手続も合理化というか、していこうと。だから、出願をされる方からすれば少しでも早く、安く、質のいい審査の手続ということ、それは各国共通の要求だと思いますので、それをどうやって国際的に協力しながら達成していくかということだと思うのですね。
したがって、ちょっと蛇足ながら、日本の特許庁というのは今まで特に特許の分野ではペーパーレス計画とか、あるいはサーチの外注、民間でできるところは民間のしかるべきところにアウトソースするとかいう仕事のやり方について、かなり世界的には初めての試みを打ち出してきたわけですけれども、特許庁間の協力という面においても、欧米を中心にということですけれども、あるいはアジアとかAPECとか、そういう地域的な取組も含めて、やはり21世紀にふさわしい協力関係を引っ張っていきたいというふうに思っております。
その意味で、適宜御報告をしながら、また特許庁間の話についても、さっき申し上げたように各国のユーザーサイドからの声が各国の特許庁や政府にうまく届くことが作業を進める上でも非常に大事なものですから、そういう意味で私どもとまた出願人の方々と連携プレイという面もございますので、その点もよろしくお願いいたします。

中山部会長

ほかに何か御意見、どうぞ、松尾委員。

松尾委員

今の点に関連しまして、各国間の協力というのとはちょっと違いますけれども、手続の面ですが、私は最近、機会がありまして商標の判例をずっと見てみますと、侵害事件はそれほどふえているというわけではないのですけれども、審決取消事件が非常にふえております。その基本的なところに特許庁の考え方と、特に審査官レベルの考え方と裁判所の考え方との間に開きがある。審査基準から見ましても開きがあります。そしてこれは2006年の推進計画にも出ておりましたけれども、不使用の商標が7割あるとか、見方によっては9割あるとか言われております。私はこの商標制度というのは根本的に登録までの手続を変える。ヨーロッパのような絶対的登録事由以外は審査しないとか、そのやり方はいろいろあると思いますけれども、何か基本的に変えないと、このままでは商標制度がうまくいかないと思っておりますので、その点、ぜひお考えいただきたいと思います。

中山部会長

商標課長がいいですか……。

中嶋特許庁長官

御指摘の点はよくわかりますので、冒頭申し上げたように、やはり特許、意匠、商標という制度はある時期から人間の社会の必要な制度として人間が人工的につくり出した制度なわけですね。したがって、やはりそのときどきの時代の要請に応じていろいろ制度の設計とか運用の仕方も変わってくるのだと思うのですね。したがって、今おっしゃったように商標のやり方についても世界の中でも幾つかのやり方があって、我々は日米欧の商標関係の会合であるとか、あるいは中国とか韓国とか、そういう国際的な動向を常に意見交換、情報交換しながらブラッシュアップしているつもりですけれども、21世紀、どういうやり方がいいのかというのは常に私どもも気をつけて改善をしていきたいというふうに思っております。

中山部会長

ほかに御質問等ございましたら……。きょうのところはこのぐらいでよろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして、産業構造審議会の第9回知的財産政策部会を閉会いたします。
長時間の御議論、ありがとうございました。

閉会

[更新日 2007年2月27日]

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