• ホーム
  • お知らせ
  • 制度・手続
  • 施策・支援情報
  • 資料・統計
  • 特許庁について
  • お問い合わせ Q&A

ホーム > 特許庁について > 長官からのメッセージ > 平成30年(2018年)年頭所感 ~特許庁長官 宗像 直子~

マイページ

使い方

マイメニューの機能は、JavaScriptが無効なため使用できません。ご利用になるには、JavaScriptを有効にしてください。

ここから本文です。

平成30年(2018年)年頭所感 ~特許庁長官 宗像 直子~

平成30年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

世界に先駆けて我が国で「生産性革命」を実現するために、これまでにない大胆な政策を実行していく。昨年、安倍総理が打ち出した方針です。この方針の下、昨年12月には、具体的な政策を盛り込んだ「新しい経済政策パッケージ」が閣議決定されました。

特許庁は、中小企業・ベンチャー企業の知財活用支援を通じて、「生産性革命」の実現に貢献してまいります。

中小企業は、地域経済を支え、イノベーション創出を担う主体です。一方で、国内からの特許出願件数に占める中小企業の割合は、15%程度にとどまっており、中小企業の知財活動は十分でありません。また、現行の中小企業向け特許料金の軽減制度は赤字企業などが対象ですが、むしろ黒字企業の方が、研究開発に投資し、実際に様々な販路を開拓しています。そこで、特許庁では、中小企業であれば一律に料金が半減になる法改正を検討しており、実現に向けて取り組んでまいります。

ベンチャー企業では知財の価値が大きな割合を占めているため、事業の核となる研究開発成果を知財として守り、戦略的に活用することが非常に重要です。創業当初は、なかなか権利保護まで手が回らない場合もあるため、来年度から、ベンチャー支援経験のある弁護士・弁理士やベンチャー・キャピタル出身者など、ベンチャー企業の事情に詳しい専門家のチームを編成し、革新的な技術を持つベンチャー企業がしっかりした知財戦略を立てられるよう支援する事業を始めます。さらに、スピードを重視するベンチャー企業のために、原則1ヶ月以内に一次審査結果を通知できる「スーパー早期審査」の対象拡大を検討しています。

これらにより、中小企業・ベンチャー企業の知財活動がより一層促進され、これらの企業の生産性革命にも寄与するものと考えています。

第4次産業革命と呼ばれる動きが進展する現在、IoTの普及に伴い、多様な機器をインターネットに接続する標準技術の特許(標準必須特許)が増加しています。従来のライセンス交渉の当事者は通信業界であり、クロスライセンスによる解決が可能でした。一方で、IoTでは異業種間の交渉となり、通信業界以外の事業者には、標準必須特許の価値や内容の評価が困難であり、当事者間のライセンス料の相場観にも大きなギャップがあります。こうした問題を踏まえ、特許庁では、例えばどう行動すれば「誠実な交渉態度」と認められ、差し止めを回避できるかなど、通信業界以外の方にも分かりやすく示すガイドラインの作成を準備しています。昨年9月末にガイドラインの考え方を示し、意見募集をしたところ、国内外から約50件の意見をいただきました。これを踏まえて策定したガイドライン案を元に、欧米の企業や知財庁、法曹関係者などと意見交換を行い、春頃までに、世界で通用するガイドラインを策定してまいります。

新興国においては、知財に対する意識が変化しています。国際条約の加盟や審査官の大量採用を実現し、さらに、権利の保護だけではなく、知財教育や知財の価値評価、商業化に力を入れ始めています。こうして知財を重視する方向に向かいつつある新興国に対して、特許庁は従来の審査のノウハウ提供のみにとどまらず、知財の創造や活用を促すための支援・協力を進めてまいります。特許制度を取り巻く世界の潮流を踏まえ、制度・運用の国際調和、新興国支援を進めることで、知的財産が世界中でシームレスに保護される環境を整備してまいります。

AIなどの新しい技術を特許行政に活用していきます。昨年4月には、特許事務のAI活用のアクションプランを発表しました。892の業務全てを検討し、AIの適用可能な業務を抽出した上で、今年度、出願人からの問合せ対応などの6業務で検証を実施しております。AIを活用する分、人にしかできないことに注力する。これにより、さらに充実したサービスを提供していきたいと考えています。

特許庁は、これまで、特許庁業務のオンライン化や先行技術文献調査のアウトソーシングなどを世界に先駆けて行ってきました。今後も、進取の気性を大切にし、革新的な技術の創造、保護、活用を切れ目なく支援し、イノベーションを支えてまいりたいと考えています。

今後とも、知財行政へのご理解とご協力を賜りますようお願いを申し上げますとともに、皆様の益々のご健勝とご発展を心からお祈り申し上げまして、私の新年の御挨拶とさせていただきます。

特許庁長官 宗像直子

[更新日 2018年1月4日]