平成18年6月15日
特許庁
審判部
1.平成15年改正法における訂正審判の運用
平成15年改正法においては、無効審判と審決取消訴訟との間の「キャッチボール現象」を適正化するとともに、無効審判審決取消訴訟中に訂正審判が請求された場合における、いわゆる審理の分断の問題を解消するため、無効審判制度及び訂正審判制度の手続きについて改正を行いました。
この改正を踏まえて、特許庁では、無効審判審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内に訂正審判が請求されたとき、その訂正審判の審理を中止(特168①)する運用をとっております(注1)。
2.運用変更の必要性
特許庁においては、権利をめぐる紛争の早期解決を図るため、特に、侵害訴訟係属中に請求があった訂正審判は、早期に審理する対象としております(注2)。
一方、無効審判審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内に請求された訂正審判の現在の運用では、審理を一律に中止していることから、裁判所が、無効審判審決を特許庁に差し戻す決定をしなかった場合、訂正審判の審理がかえって遅くなってしまうことが懸念されます。
また、特許法181条2項の規定により、裁判所から決定により差し戻された無効審判事件について、特許庁が、再審理を行い、2度目の審決をした場合、当該2度目の審決に係る審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内にされた2度目の訂正審判(以下、「2度目の審決取消訴訟提起後の訂正審判」という。)については、すでに特許庁における2度の審理を経て、充分に審理が尽くされていると考えられ、さらに、平成15年法改正の趣旨から考えて、いわゆるキャッチボール現象を必要最小限とするため、裁判所の差戻し決定を待たず、速やかに審理を行うことが適切と考えられます。
3.平成15年改正法における訂正審判の運用の変更
(1)訂正審判の審理中止の変更
無効審判審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内にされた訂正審判で、かつ侵害事件と同時係属する訂正審判、又は2度目の審決取消訴訟提起後の訂正審判については、手続を中止せず、速やかに審理を行うこととします。
ただし、審判において必要と認めるときは、裁量により、訂正審判の審理を中止する場合もあります。
なお、訂正審判の審理中に、関連する無効審判審決の差戻しの決定があった場合には、特許法134条の3第2項の規定により、再開された無効審判の手続中で訂正請求をすることができます。
(2)訂正審判が請求された旨の通知
無効審判審決取消訴訟の提起の日から起算して90日以内にされた、上記の訂正審判について、無効審判審決取消訴訟と同時係属して審理を行う場合、早期の紛争解決の観点から、当該無効審判の審判請求人に対して、訂正審判の請求があった旨を通知します。
訂正後の特許発明について、意見等がございましたら、特許付与後の情報提供(注3)や、訂正審判に対する上申書を、速やかに提出してください。
審理終結までに提出された審判官への情報提供や上申書につきましては、審理において参考とさせていただきます。
また、特許付与後の情報提供が提出された場合、特許庁は、特許権者に対してその旨の通知を行います。
情報提供や上申書を踏まえて審理した結果、訂正拒絶理由がある場合には、訂正審判の審判請求人(特許権者)に訂正拒絶理由が通知され、指定期間内に意見書を提出することができます。
4.実施時期
本運用変更は、平成18年7月1日以降に請求された訂正審判から実施します。
(注2)「平成16年法改正後における侵害訴訟係属中の無効審判・訂正審判の取扱い」
- <この記事に関する問い合わせ先>
- 特許庁審判部審判課審判企画室
- TEL:03-3581-1101内線:5852
- FAX:03-3584-1987
- E-mail:お問い合わせフォーム
[更新日 2006.6.15]