1.請求の趣旨に「○○及びこれに類似する商品」等の記載がある場合の手続上の取扱
商標登録の取消審判又は無効審判を請求するに際して指定商品又は指定役務(以下「指定商品」という。)の一部について審判を請求する場合、審判請求書の「請求の趣旨」の欄に「○○及びこれに類似する商品」などの表示を記載して、取消し又は無効を求める指定商品の範囲を特定することがある。
審判請求書の「請求の趣旨」は、請求人が記載するものであり、当該記載に基づいて審判請求の審理の対象となる範囲が決められるものであるところ、これらの表示は、一部取消し又は一部無効の審決が確定した場合、登録商標の効力の及ぶ指定商品の範囲が曖昧となることから、以下の手続きに従い、請求の趣旨の不明確な審判請求書として取り扱うこととする。
- (1)手続補正指令書
- 1)審判請求書の「請求の趣旨」に「○○及びこれに類似する商品」と記載されている案件は、方式審理の段階で、商標法56条1項の規定で準用する特許法(以下「特」)131条1項3号の規定に違反するものとして、同条同項の規定で準用する特133条1項の規定に基づいて手続補正指令を行うこととする。
- 2)当該手続補正指令は、請求人に対し、「○○及びこれに類似する商品」の表示を要旨変更とならない範囲内で、かつ、請求人の必要とする範囲内で明確な表示に補正するか、又は当該表示を削除するによう指令するものとする。
- 3)請求人が、手続補正指令に対して何も応答しなかった場合は、審判長は、商標法56条1項の規定で準用する特133条3項の規定により、決定をもって審判請求書を却下できるものとする。
- (2) 審尋
- 1)手続補正指令に対して、「請求の趣旨」の補正又は釈明等により何かの応答があった場合は、その後合議体に移管されるところ、合議体は、「請求の趣旨」の明確性について実質的な判断を行うこととする。
- 2)合議体は、必要に応じて商標法56条1項の規定で準用する特134条4項の規定に基づき、審判長による審尋によって、請求人に対し請求の趣旨の明確性についての釈明を求めることとする。
- 3)合議体が「請求の趣旨」が補正又は釈明によって明確になったと認めた場合は、商標登録原簿の予告登録の更正を行った上で、実体的な審理を行うこととする。
しかしながら、審尋に対して、請求人から何ら応答がなく、依然として「請求の趣旨」が不明確であると合議体が認めたときは、商標法56条1項で準用する特135条の規定により、当該審判請求を審決をもって却下することを検討することとする。 - 2.取扱の開始時期
- 本取扱は、平成20年10月1日より開始する。
- (補足説明)
- 商標法4条1項11号の拒絶理由への対応として引用登録商標に対し不使用取消審判を請求する場合があるところ、審判請求にあたっては、取り消した指定商品となお類似する商品が引用登録商標に残る場合や如何なる商品が引用登録商標に残るか不明確な場合、審判請求書の「請求の趣旨」に「○○及びこれに類似する商品」と記載して取消しを求めることがある。
- また、無効審判請求においても、商標法4条1項11号等に該当することを理由とする場合に、同様の理由から「請求の趣旨」に「○○及びこれに類似する商品」と記載して無効を求めることがある。
- しかしながら、知的財産高等裁判所において、取消審判請求や無効審判請求の「請求の趣旨」として「○○及びこれに類似する商品」等の表示は、審決が確定した場合に登録商標の効力の及ぶ指定商品の範囲が客観性を欠き法的安定性を害する等との理由から、不明確な請求の趣旨に対する是正手続きを行うべき、との附言を呈する判決が以下のとおり3件なされている。
- 今般、これらの判決の附言を踏まえて、「○○及びこれに類似する商品」の表示を「請求の趣旨」に記載した取消審判請求及び無効審判請求については、上記のとおりの取扱を行うこととした。
- 記
- 1.平成19年6月27日判決言渡 平成19年(行ケ)第10084号 審決取消請求事件
- 2.平成19年10月31日判決言渡 平成19行(行ケ)第10158号 審決取消請求事件
- 3.平成19年11月28日判決言渡 平成19年(行ケ)第10172号 審決取消請求事件
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[更新日 2008.9.24]