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平成15年4月 特許庁 特許審査第四部
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目 次
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事例1:申請書類受付処理システム(特許法第29条第1項柱書の判断事例)
【請求項1】(社会システムであって成立性が認められない例)
申請書類の作成及び申請を代行する代行業者と、申請された書類を受け付ける公的機関からなる申請書類受付処理システムにおいて、
前記代行業者は、申請書類に対応するフォームに申請人の氏名、住所等の必要な事項を入力することにより申請書類を作成し、該申請書類を郵送又は通信回線を介して公的機関に送付する処理を行い、
前記公的機関は、申請された書類に記入漏れがあるか否かを検出して、記入漏れがない場合に受付番号を付与すると共に、該受付番号を申請元の代行業者に郵送又は通信回線を介して送付する処理を行う、
ことを特徴とする申請書類受付処理システム。
[説明]
この請求項には、「申請書類の作成及び申請を代行する代行業者」と「申請された書類を受け付ける公的機関」からなる『申請書類受付処理システム』について、「申請書類に対応するフォームに申請人の氏名、住所等の必要な事項を入力することにより申請書類を作成し、該申請書類を郵送又は通信回線を介して公的機関に送付する処理」という代行業者の行う業務処理内容を特定する記載と、「申請された書類に記入漏れがあるか否かを検出して、記入漏れがない場合に受付番号を付与すると共に、該受付番号を申請元の代行業者に郵送又は通信回線を介して送付する処理」という公的機関の行う業務処理内容を特定する記載がなされているのみであり、技術的事項として特定する記載はない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、所謂「コンピュータ・システム」ではなく、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないから、全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
[参照]
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特許・実用新案審査基準
第II部第1章「産業上利用することができる発明」1.1 (4)<PDF 69KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−1
【請求項2】(コンピュータを使用してはいるが、依然として社会システムであって成立性が認められない例)
申請書類の作成及び申請を代行する代行業者と、申請された書類を受け付ける公的機関からなる申請書類受付処理システムにおいて、
前記代行業者は、コンピュータを使用して、申請書類に対応するフォームに申請人の氏名、住所等の必要な事項を入力することにより申請書類を作成し、該申請書類を通信回線を介して公的機関に送付する処理を行い、
前記公的機関は、コンピュータを使用して、申請された書類に記入漏れがあるか否かを検出して、記入漏れがない場合に受付番号を付与すると共に、該受付番号を申請元の代行業者に通信回線を介して送付する処理を行う、
ことを特徴とする申請書類受付処理システム。
[説明]
この請求項には、「申請書類の作成及び申請を代行する代行業者」と「申請された書類を受け付ける公的機関」からなる『申請書類受付処理システム』について、コンピュータを使用して、「申請書類に対応するフォームに申請人の氏名、住所等の必要な事項を入力することにより申請書類を作成し、該申請書類を通信回線を介して公的機関に送付する処理」という代行業者の業務処理を特定する記載と、コンピュータを使用して、「申請された書類に記入漏れがあるか否かを検出して、記入漏れがない場合に受付番号を付与すると共に、該受付番号を申請元の代行業者に通信回線を介して送付する処理」という公的機関の業務処理を特定する記載がなされているが、この記載から把握される内容は、コンピュータを単に道具として使用して、各業務処理を行うことにすぎない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、所謂「コンピュータ・システム」ではなく、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないから、全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第II部第1章「産業上利用することができる発明」1.1 (4)<PDF 69KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−1, 事例1−2
【請求項3】(コンピュータ・システムであるが、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されていないため成立性が認められない例)
申請書類の作成及び申請を代行する代行業者側に設置される代行業者端末と、申請された書類を受け付ける公的機関に設置され、該代行業者端末と通信ネットワークを介して接続される公的機関コンピュータからなる申請書類受付処理システムにおいて、
前記公的機関コンピュータは、
前記代行業者端末から送信された申請書類データを受け付ける手段と、
該受け付けた申請書類データに記入漏れがあるか否かを検査する手段と、
記入漏れがない場合に受付番号を付与し、該受付番号を前記代行業者端末に前記通信ネットワークを介して送付する手段と、
を備えることを特徴とする申請書類受付処理システム。
[説明]
この請求項には、「申請書類の作成及び申請を代行する代行業者側に設置される代行業者端末と、申請された書類を受け付ける公的機関に設置され、該代行業者端末と通信ネットワークを介して接続される公的機関コンピュータからなる申請書類受付処理システム」と記載され、この発明は複数のコンピュータとコンピュータ・ネットワークにより構成された所謂「コンピュータ・システム」であると把握される。
しかしながら、この請求項には、『公的機関コンピュータ』が、「代行業者端末から送信された申請書類データを受け付ける手段」、「受け付けた申請書類データに記入漏れがあるか否かを検査する手段」、「記入漏れがない場合に受付番号を付与し、該受付番号を前記代行業者端末に前記通信ネットワークを介して送付する手段」という機能手段を備えることを特定する記載がなされているものの、いずれの機能手段を特定する記載も、それらの手段が果たすべき業務上の機能を単に特定するに留まり、その業務上の機能を果たすために、コンピュータのハードウエア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではない。つまり、この請求項には、『公的機関コンピュータ』が果たすべき業務上の機能を特定しているものの、その業務上の機能を果たすために、公的機関コンピュータで実行されるソフトウエアによる情報処理が当該コンピュータの備えるハードウエア資源をどのように用いて具体的に実現されているのかを特定していない。また、この請求項におけるその余の記載においても、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものを特定していない。
すなわち、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたコンピュータ・システムとして特定する記載はなされていない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作とは認められない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2<PDF 323KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−3
【請求項4】(成立性が認められる例)
申請書類の作成及び申請を代行する代行業者側に設置される代行業者端末と、申請された書類を受け付ける公的機関に設置され、該代行業者側コンピュータと通信ネットワークを介して接続される公的機関コンピュータからなる申請書類受付処理システムにおいて、
上記公的機関コンピュータは、
申請された申請書類データと代行業者IDと受付番号が記憶保存される申請書類記憶手段と、
上記代行業者端末から送信された申請書類データ及び代行業者IDを前記申請書類記憶手段に順次書き込む手段と、
該申請書類記憶手段に記憶された申請書類データ及び代行業者IDを順次読み出して、当該申請書類データにNULLコードが含まれるか否かにより申請内容の記入漏れを検査する手段と、
読み出した申請書類データに記入漏れがない場合に受付番号を付与して前記申請書類記憶手段に記憶させると共に、前記代行業者IDに基づいて前記受付番号を前記代行業者端末に前記通信ネットワークを介して送信する手段と、
を備えることを特徴とする申請書類受付処理システム。
[説明]
この請求項には、「申請書類の作成及び申請を代行する代行業者側に設置される代行業者端末と、申請された書類を受け付ける公的機関に設置され、該代行業者端末と通信ネットワークを介して接続される公的機関コンピュータからなる申請書類受付処理システム」と記載され、この発明が複数のコンピュータとコンピュータネットワークにより構成された所謂「コンピュータ・システム」であると把握される。
そして、この請求項には、『公的機関コンピュータ』が、「申請された申請書類データと代行業者IDと受付番号が記憶保存される申請書類記憶手段」、「上記代行業者端末から送信された申請書類データ及び代行業者IDを前記申請書類記憶手段に順次書き込む手段」、「該申請書類記憶手段に記憶された申請書類データ及び代行業者IDを順次読み出して、当該申請書類データにNULLコードが含まれるか否かにより申請内容の記入漏れを検査する手段」、「読み出した申請書類データに記入漏れがない場合に受付番号を付与して前記申請書類記憶手段に記憶させると共に、前記代行業者IDに基づいて前記受付番号を前記代行業者端末に前記通信ネットワークを介して送信する手段」という機能手段を備えることを特定する記載がなされている。これらの記載は、申請書類受付処理を実行するために公的機関コンピュータの備える各機能手段が、コンピュータのハードウエア資源である申請書類記憶手段に「申請書類データ」などのデータが順次書き込みされて記憶されること、記憶されたデータを順次読み出して、このデータにNULLコードが含まれるか否かにより申請書類に記入漏れがあるかどうかを検査することなどにより具体的に実現された技術的手段であることを特定しており、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたことが記載されている。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作である。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2<PDF 323KB>
事例2:医療システム(特許法第29条第1項柱書の判断事例)
【請求項1】(社会システムであって成立性が認められない例)
患者の医療検査に基づいて検査結果データを作成する検査部と、前記検査部から受け取った検査結果データと診察の結果に基づいて処方箋データを作成する診察部と、前記検査部で作成された検査結果データ及び前記診察部で作成された処方箋データに基づいて薬剤調合を行う薬剤調合部とからなることを特徴とする医療システム。
[説明]
この請求項には、「患者の医療検査に基づいて検査結果データを作成する検査部」、「前記検査部から受け取った検査結果データと診察の結果に基づいて処方箋データを作成する診察部」、「前記検査部で作成された検査結果データ及び前記診察部で作成された処方箋データに基づいて薬剤調合を行う薬剤調合部」のように、『医療システム』を構成する「検査部」、「診察部」、「薬剤調合部」のそれぞれで行われる業務内容を特定する記載がなされているのみであり、技術的事項として特定する記載はない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、所謂「コンピュータ・システム」ではなく、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないから、全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
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特許・実用新案審査基準
第II部第1章「産業上利用することができる発明」1.1 (4)<PDF 69KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−1
【請求項2】(コンピュータ・システムであるが、ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されていないため成立性が認められない例)
検査部コンピュータと、診察部コンピュータと、薬剤調合部コンピュータとがコンピュータ・ネットワークで接続された医療システムにおいて、前記検査部コンピュータは、患者の医療検査に基づいて検査結果データを作成する手段と、検査結果データを前記診察部コンピュータ及び前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段とを備え、前記診察部コンピュータは、前記検査結果データと診察の結果に基づいて処方箋データを作成する手段を備え、前記薬剤調合部コンピュータは、前記検査結果データ及び前記処方箋データに基づいて薬剤調合指示データを作成する手段を備えることを特徴とする医療システム。
[説明]
この請求項には、「検査部コンピュータと、診察部コンピュータと、薬剤調合部コンピュータとがコンピュータ・ネットワークで接続された医療システム」と記載され、この発明は複数のコンピュータとコンピュータ・ネットワークにより構成された所謂「コンピュータ・システム」であると把握される。
しかしながら、この請求項には、『検査部コンピュータ』が、「患者の医療検査に基づいて検査結果データを作成する手段」、「検査結果データを前記診察部コンピュータ及び前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段」という機能手段を備えること、『診察部コンピュータ』が、「前記検査結果データと診察の結果に基づいて処方箋データを作成する手段」という機能手段を備えること、『薬剤調合部コンピュータ』が、「前記検査結果データ及び前記処方箋データに基づいて薬剤調合指示データを作成する手段」という機能手段を備えることを特定する記載がなされているものの、いずれの機能手段を特定する記載も、それらの手段が果たすべき業務上の機能を単に特定するに留まり、その業務上の機能を果たすために、コンピュータのハードウエア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではない。つまり、この請求項には、『検査部コンピュータ』、『診察部コンピュータ』、『薬剤調合部コンピュータ』のそれぞれが果たすべき業務上の機能を特定しているものの、その業務上の機能を果たすために、検査部コンピュータ、診察部コンピュータ、薬剤調合部コンピュータのそれぞれで実行されるソフトウエアによる情報処理がそれらコンピュータの備えるハードウエア資源をどのように用いて具体的に実現されているのかを特定していない。また、この請求項におけるその余の記載においても、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものを特定していない。
すなわち、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたコンピュータ・システムとして特定する記載はなされていない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作とは認められない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2<PDF 323KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−3
【請求項3】(成立性が認められる例)
検査部コンピュータと、診察部コンピュータと、薬剤調合部コンピュータとがコンピュータ・ネットワークで接続された医療システムにおいて、
前記検査部コンピュータは、患者IDコードと診察科コードと医療検査種別コードと医療検査の結果データとを少なくとも有する検査結果データを作成する手段と、診察科コードに基づいて検査結果データを該当する診察部コンピュータに送信する手段と、前記検査結果データを前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段とを備え、
前記診察部コンピュータは、電子カルテファイルを記憶する記憶手段と、患者IDコードに基づいて前記検査結果データを前記電子カルテファイルに格納する手段と、少なくとも所見情報と薬剤情報を含む診察の結果を前記電子カルテファイルに入力する手段と、前記電子カルテファイルの薬剤情報に基づいて、少なくとも患者IDコードと薬剤情報とを有する処方箋データを作成する手段と、当該処方箋データを前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段とを備え、
前記薬剤調合部コンピュータは、前記検査部コンピュータから受信した検査結果データを記憶する検査結果データ記憶手段と、前記診察部コンピュータから受信した処方箋データを記憶する処方箋データ記憶手段と、少なくとも医療検査種別コードを薬剤ごとに対応付けた薬剤テーブルを記憶する薬剤テーブル記憶手段と、前記処方箋データ記憶手段に記憶された処方箋データを順次読み出し、前記処方箋データの薬剤情報に基づいて前記薬剤テーブルを検索して医療検査種別コードを取得する手段と、当該医療検査種別コードが前記処方箋データの患者IDで前記検査結果データ記憶手段を検索して得られた検査結果データにおける医療検査種別コードと一致する場合に薬剤調合指示データを作成する手段を備える
ことを特徴とする医療システム。
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[参考図]

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[説明]
この請求項には、「検査部コンピュータと、診察部コンピュータと、薬剤調合部コンピュータとがコンピュータ・ネットワークで接続された医療システム」と記載され、この発明が複数のコンピュータとコンピュータ・ネットワークにより構成された所謂「コンピュータ・システム」であると把握される。
そして、この請求項には、『検査部コンピュータ』が、「患者IDコードと診察科コードと医療検査種別コードと医療検査の結果データとを少なくとも有する検査結果データを作成する手段」、「診察科コードに基づいて検査結果データを該当する診察部コンピュータに送信する手段」、「前記検査結果データを前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段」という機能手段を備えること、『診察部コンピュータ』が、「電子カルテファイルを記憶する記憶手段」、「患者IDに基づいて前記検査結果データを前記電子カルテファイルに格納する手段」、「少なくとも所見情報と薬剤情報を含む診察の結果を前記電子カルテファイルに入力する手段」、「前記電子カルテファイルの薬剤情報に基づいて、少なくとも患者IDコードと薬剤情報とを有する処方箋データを作成する手段」、「当該処方箋データを前記薬剤調合部コンピュータに送信する手段」という機能手段を備えること、『薬剤調合部コンピュータ』が、「検査部コンピュータから受信した検査結果データを記憶する検査結果データ記憶手段」、「診察部コンピュータから受信した処方箋データを記憶する処方箋データ記憶手段」、「少なくとも医療検査種別コードを薬剤ごとに対応付けた薬剤テーブルを記憶する薬剤テーブル記憶手段」、「前記処方箋データ記憶手段に記憶された処方箋データを順次読み出し、前記処方箋データの薬剤情報に基づいて前記薬剤テーブルを検索して医療検査種別コードを取得する手段」、「当該医療検査種別コードが前記処方箋データの患者IDで前記検査結果データ記憶手段を検索して得られた検査結果データにおける医療検査種別コードと一致する場合に薬剤調合指示データを作成する手段」という機能手段を備えることを特定する記載がなされている。これらの記載は、各コンピュータが医療検査、医療診察、薬剤調合のための処理を実行するために、それぞれのコンピュータに備えられた機能手段を、コンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現された技術的手段として特定しており、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたことが記載されている。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作である。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2<PDF 323KB>
事例3:広告仲介システム(特許法第36条第6項第2号及び第29条第1項柱書の判断事例)
【請求項1】(社会システムであるのか、コンピュータ・システムであるのか不明確であるが、いずれの場合も成立性が認められない例)
広告クライアントと広告エージェントとを仲介する広告仲介システムにおいて、
広告エージェントのアイデア情報を登録するアイデア登録機能と、
登録されているアイデア情報を検索するアイデア検索機能と、
前記アイデア検索機能を用いて、前記広告クライアントのニーズ情報に該当するアイデア情報を検索し、その検索結果に基づいて、広告クライアントに対してアイデア情報を提供し、広告エージェントにニーズ情報を提供する提供機能と、
を備えることを特徴とする広告仲介システム。
【請求項2】(コンピュータ・システムであることが明確に特定されかつ成立性が認められる例)
複数の広告クライアントがそれぞれ保有するクライアント側コンピュータと、複数の広告エージェントがそれぞれ保有するエージェント側コンピュータが、通信ネットワークを介してそれぞれ広告仲介コンピュータに接続された広告仲介システムにおいて、
上記広告仲介コンピュータは、
広告エージェントのアイデア情報にエージェントID、及び、少なくとも対象商品カテゴリーをビット位置で示すアイデア分類データを関連づけて記憶保存されるアイデア情報記憶手段と、
上記エージェント側コンピュータから送信されたエージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを上記アイデア情報記憶手段に登録するアイデア情報登録手段と、
上記クライアント側コンピュータからクライアントID、ニーズ情報、及び、上記アイデア分類データと同形式のニーズ分類データを含む仲介要求データを受信する手段と、
該仲介要求データを受信した際に、
上記アイデア情報記憶手段からエージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを読み出して作業用記憶手段に記憶する処理と、
上記アイデア分類データと上記ニーズ分類データとの論理積演算を実行する処理と、
該論理積演算結果と上記ニーズ分類データとの排他的論理和演算を実行する処理と、
該排他的論理和演算の結果が、ゼロ以外の場合には適合しないものとして該作業用記憶手段から当該エージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを削除する不適合アイデア削除処理と
からなる一連の処理を上記アイデア情報記憶手段に記憶されているアイデア情報全てに対して実行することにより適合するアイデアを検索して抽出するアイデア抽出手段と、
上記アイデア抽出手段の処理が終了した際に、上記作業用記憶手段に記憶されているアイデア情報を上記クライアント側コンピュータに送信すると共に、該作業用記憶手段に記憶されているエージェントIDに対応するエージェント側コンピュータに上記ニーズ情報を送信するアイデア提供手段と、
を備えることを特徴とする広告仲介システム。
[説明]
・請求項1
(特許法第36条第6項第2号の判断)
この請求項には、「広告クライアント」と「広告エージェント」とを仲介する『広告仲介システム』が備える機能として、「広告エージェントのアイデア情報を登録するアイデア登録機能」、「登録されているアイデア情報を検索するアイデア検索機能」、「前記アイデア検索機能を用いて、前記広告クライアントのニーズ情報に該当するアイデア情報を検索し、その検索結果に基づいて、広告クライアントに対してアイデア情報を提供し、広告エージェントにニーズ情報を提供する提供機能」を特定する記載がなされているが、上記各機能を特定する記載は、業務面での機能を特定しようとするものであるのか、コンピュータが実行する処理機能を特定しようとするものであるのか明確とはいえない。
よって、この請求項に係る発明は明確でないため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
(第29条第1項柱書の判断)
この請求項における各機能を特定する記載が、業務面での機能を特定するものとした場合、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、所謂「コンピュータ・システム」ではなく、人為的な取り決めである社会的な「仕組み」(社会システム)にすぎないから、全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
また、この請求項における各機能を特定する記載が、コンピュータが実行する処理機能を特定するものとした場合、「コンピュータ・システム」が備えるいずれの機能手段を特定する記載も、それらの手段が果たすべき業務上の機能を単に特定するに留まり、その業務上の機能を果たすために、コンピュータのハードウエア資源をどのように用いて具体的に実現された技術的手段であるのかを特定するものではない。すなわち、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたコンピュータ・システムとして特定する記載はなされていないから、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作とは認められない。
よって、いずれの場合においても、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
・請求項2
この請求項には、「複数の広告クライアントがそれぞれ保有するクライアント側コンピュータと、複数の広告エージェントがそれぞれ保有するエージェント側コンピュータが、通信ネットワークを介してそれぞれ広告仲介コンピュータに接続された広告仲介システム」と記載され、この発明が複数のコンピュータとコンピュータネットワークにより構成された所謂「コンピュータ・システム」であると把握される。
そして、この請求項には、『広告仲介コンピュータ』が、「広告エージェントのアイデア情報にエージェントID、及び、少なくとも対象商品カテゴリーをビット位置で示すアイデア分類データを関連づけて記憶保存されるアイデア情報記憶手段」、「上記エージェント側コンピュータから送信されたエージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを上記アイデア情報記憶手段に登録するアイデア情報登録手段」、「上記クライアント側コンピュータからクライアントID、ニーズ情報、及び、上記アイデア分類データと同形式のニーズ分類データを含む仲介要求データを受信する手段」、「該仲介要求データを受信した際に、上記アイデア情報記憶手段からエージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを読み出して作業用記憶手段に記憶する処理と、上記アイデア分類データと上記ニーズ分類データとの論理積演算を実行する処理と、該論理積演算結果と上記ニーズ分類データとの排他的論理和演算を実行する処理と、該排他的論理和演算の結果が、ゼロ以外の場合には適合しないものとして該作業用記憶手段から当該エージェントID、アイデア情報、及び、アイデア分類データを削除する不適合アイデア削除処理とからなる一連の処理を上記アイデア情報記憶手段に記憶されているアイデア情報全てに対して実行することにより適合するアイデアを検索して抽出するアイデア抽出手段」、「上記アイデア抽出手段の処理が終了した際に、上記作業用記憶手段に記憶されているアイデア情報を上記クライアント側コンピュータに送信すると共に、該作業用記憶手段に記憶されているエージェントID対応するエージェント側コンピュータに上記ニーズ情報を送信するアイデア提供手段」という機能手段を備えることを特定する記載がなされている。これらの記載は、広告アイデアの仲介処理を実行するために広告仲介コンピュータの備える各機能手段が、コンピュータのハードウエア資源であるアイデア情報記憶手段に「アイデア情報」、「エージェントID」、「アイデア分類データ」というデータが順次書き込みされて記憶されること、記憶されたデータを順次読み出して、この「アイデア分類データ」と「ニーズ分類データ」に対する論理演算処理を実行することにより、広告クライアントのニーズに合致するアイデア情報を検索して抽出することなどにより具体的に実現された技術的手段であることを特定しており、この請求項には、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたことが記載されている。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、自然法則を利用した技術的思想の創作である。
このように、請求項2において、ソフトウエアによる情報処理がコンピュータのハードウエア資源を用いて具体的に実現されたものとして特定されているので、請求項1に対する二つの要件違反は同時に解消することになる。
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[参照]
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特許・実用新案審査基準
第II部第1章「産業上利用することができる発明」1.1 (4)<PDF 69KB>
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2.2 (1)<PDF 323KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例1−1, 事例1−2, 事例1−3
事例4:ショッピングシステム(第29条第1項柱書及び特許法第36条第4項の判断事例)
【請求項1】(情報の単なる提示であるから成立性が認められない例)
購入者の端末からインターネットを介してショップのホームページにアクセスすることによって、ショッピングを行うショッピングシステムにおいて、ユーザIDとしてのメールアドレス、パスワード及び氏名、住所等のユーザ情報を入力させる画面と、商品の画像と、購入商品の個数を入力するためのフィールドと、該商品を買い物カゴに入れることを指示するカゴボタンを表示した画面と、買い物カゴに登録された全商品のリストと合計金額、買い物完了を指示するための完了ボタンを表示した画面と、ーザIDとパスワードを入力させる画面と、ユーザ情報を注文内容及び注文ボタンと共に表示した画面とを表示可能な購入者端末からなることを特徴とするショッピングシステム。
【請求項2】(実施可能要件を満たさない例)
購入者の端末からインターネットを介してショップのホームページにアクセスすることによって、ショッピングを行うショッピングシステムにおいて、購入者端末は、ユーザIDとしてのメールアドレス、パスワード及び氏名、住所等のユーザ情報を入力させる画面を表示する手段と、
商品の画像と、購入商品の個数を入力するためのフィールドと、該商品を買い物カゴに入れることを指示するカゴボタンを表示する手段と、該ボタンがクリックされた際に買い物カゴに登録された全商品のリストと合計金額、買い物完了を指示する完了ボタンを表示する手段と、該完了ボタンがクリックされた際にユーザIDとパスワードを入力させる画面を表示し、入力されたユーザIDとパスワードにより呼び出されたユーザ情報を、注文内容及び注文ボタンと共に表示する手段と、該注文ボタンがクリックされた際に注文処理を行う手段とを備え、サーバは、受付られた注文内容を電子メールにより購入者端末に通知する手段とを備えることを特徴とするショッピングシステム。
【発明の詳細な説明】
(省略)
【発明の実施の形態】
本発明は、いわゆるインターネットショッピングに関するものである。
ユーザは公知のブラウザを使用して所望のショップのホームページにアクセスする。
ホームページには、ユーザ登録を行うページと商品を選択するページとを選択する画面が表示される。(図1参照)
まず、ユーザ登録を行うページを選択すると、ユーザID、パスワード、氏名、住所、電話番号等のユーザ情報を入力するための画面が表示される。特にユーザIDとしては、後に注文内容を送信する必要からメールアドレスを入力させる。ユーザは必要な事項を入力するとともに登録ボタンを押すことによりユーザ登録が行える。(図2参照)
また、商品を選択するページを選択すると、各商品の画像と簡単な説明、注文個数を入力するためのフィールドと、買い物かごに選択した商品を入力するためのカゴボタンが表示される。(図3参照)
ユーザは所望の商品の情報を参照して、注文することを決めたらその個数をフィールドに入力する。そして、カゴボタンをクリックすると、今まで選択された商品のリストと、購入代金の合計が表示され、注文内容がこれでよければ、買い物完了ボタンをクリックする。(図4参照)
該買い物完了ボタンがクリックされると、ユーザID及びパスワードを入力する画面が表示され、登録済みのユーザID及びパスワードの入力によりサーバにおいて登録済みのものと一致するか否かを判定して、ユーザ情報を端末に送信する。
なお、一致しない場合はユーザ登録画面を表示させ、再登録を行わせる。
端末では注文内容とユーザ情報と注文ボタンが表示され、ユーザはこの画面を見て、注文内容、ユーザ情報が正しいことを確認して注文ボタンをクリックする。(図5参照)
これにより、注文内容がサーバに注文確定情報として送信される。
その後、サーバからは注文を正式に受け付けた旨をユーザIDとして登録したメールアドレスに送信することにより、ユーザは注文が正式に受け付けられたことを確認できる。
【発明の効果】
インターネットショッピングにおいて、買い物カゴを使用することで、通常の買い物と同様な感覚でショッピングが可能となる。
また、ユーザIDとしてメールアドレスを入力させるようにしたので、メールアドレスを変更していた場合には注文時に不一致となり、誤ったアドレスに確認用メールが送信されることがない。
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[説明]
・請求項1(第29条第1項柱書の判断)
請求項1は、「購入者端末からインターネットを介してショップのホームページにアクセスすることによって、ショッピングを行うショッピングシステム」における「購入者端末」が、ショッピングの際に表示される「ユーザIDとしてのメールアドレス、パスワード及び氏名、住所等のユーザ情報を入力させる画面」、「商品の画像と、購入商品の個数を入力するためのフィールドと、該商品を買い物カゴに入れることを指示するカゴボタンを表示した画面」、「買い物カゴに登録された全商品のリストと合計金額、買い物完了を指示するための完了ボタンを表示した画面」、「ユーザIDとパスワードを入力させる画面」、「ユーザ情報を注文内容及び注文ボタンと共に表示した画面」が表示可能であることを特定するものである。
つまり、この請求項には、上記のように購入者端末の表示画面に提示される情報の内容を特定する記載があるのみであり、技術的事項を特定する記載はなく、これらの情報の提示に技術的特徴があるとは認められない。
してみれば、この請求項に記載された事項に基づいて把握される発明は、情報の単なる提示(提示される情報の内容にのみ特徴を有するものであって、情報の提示を主たる目的とするもの)であって、全体として、自然法則を利用した技術的思想の創作ではない。
よって、この発明は、特許法第2条に定義される「発明」ではないから、特許法第29条第1項柱書に規定する要件を満たしていない。
[参照]
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特許・実用新案審査基準
第II部第1章「産業上利用することができる発明」1.1 (5)<PDF 69KB>
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」2.2.2 (1)<PDF 323KB>
・請求項2(特許法第36条第4項の判断)
発明の詳細な説明には、購入者端末からインターネットを介してショップのホームページにアクセスすることによって、ショッピングを行う際に購入者端末で表示される画面遷移が各図面に従って説明されているのみであり、請求項2に記載された「購入者端末」が機能手段である『ユーザIDとしてのメールアドレス、パスワード及び氏名、住所等のユーザ情報を入力させる画面を表示する手段』、『商品の画像と、購入商品の個数を入力するためのフィールドと、該商品を買い物カゴに入れることを指示するカゴボタンを表示する手段』、『該ボタンがクリックされた際に買い物カゴに登録された全商品のリストと合計金額、買い物完了を指示する完了ボタンを表示する手段』、『該完了ボタンがクリックされた際にユーザIDとパスワードを入力させる画面を表示し、入力されたユーザIDとパスワードにより呼び出されたユーザ情報を、注文内容及び注文ボタンと共に表示する手段』、『該注文ボタンがクリックされた際に注文処理を行う手段』、更に、「サーバ」の機能手段である『受付られた注文内容を電子メールにより購入者端末に通知する手段』といった各手段を備えるものであること、またこれらの各手段について、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない。
よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が請求項2に係る発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていないから、この出願は特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。
[参照]
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特許・実用新案審査基準
第I部第1章「明細書の記載」3.<PDF 103KB>
第VII部第1章「コンピュータ・ソフトウエア関連発明」1.2<PDF 323KB>
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「特許にならないビジネス関連発明の事例集」
事例2−1
事例5:子供用自転車販売システム(第29条第2項の判断事例)
【請求項1】(進歩性なしの例)
子供用自転車に関する商品情報をインターネットを介して提供する子供用自転車販売システムであって、
利用者の希望する、少なくとも色、キャラクタを含む希望情報を入力する希望情報入力手段と、
利用者の身長などの身体情報を入力する身体情報入力手段と、
前記希望情報に基づいて商品情報を検索し、前記身体情報に基づいて当該商品におけるサイズ情報を決定する商品選定手段と、
前記商品選定手段が商品を決定できない場合に、前記希望情報及び身体情報に基づいてオーダメイド情報を作成するオーダメイド情報作成手段と、
前記商品選定手段により選定された商品の発注または前記オーダメイド情報作成手段で作成されたオーダメイド情報に基づいた商品の発注を受け付ける受注手段と、
からなる子供用自転車販売システム。
【発明の詳細な説明】
(省略)
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[引用文献]
引用文献には、以下の事項が記載されている。
・ インターネットを介した商品販売システムであって、衣料品に関する商品情報を消費者のコンピュータに提供するシステム。
・ 衣料品に関する商品情報を選択するために、消費者が、好みの商品を特定するための色やデザインなどの希望情報と、商品のサイズを特定するために身長などの身体情報を入力するユーザ・インターフェイスが採用されている。
・ 商品販売システムは、消費者のコンピュータから送信された上記希望情報と身体情報を検索キーとして、商品情報データベース(図1参照)を検索して、条件に合致する商品情報が存在する場合、その情報を消費者のコンピュータに送信する。
・ 条件に合致する商品が存在しない場合、商品販売システムは、条件に合致するようにセミオーダ商品情報を生成し、その情報を消費者のコンピュータに送信する。
・ 消費者のコンピュータは、商品販売システムから受信したいずれかの商品情報を表示出力するとともに、購入するための発注指示を行うユーザ・インターフェイスが採用されている。
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[説明]
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請求項1に係る発明と引用文献に記載された発明を対比すると、「商品情報をインターネットを介して提供する販売システムであって、利用者の希望する、少なくとも色などのを含む希望情報を入力する希望情報入力手段と、利用者の身長などの身体情報を入力する身体情報入力手段と、前記希望情報に基づいて商品情報を検索し、前記身体情報に基づいて当該商品におけるサイズ情報を決定する商品選定手段と、前記商品選定手段が商品を決定できない場合に、前記希望情報及び身体情報に基づいてオーダメイド情報を作成するオーダメイド情報作成手段と前記商品選定手段により選定された商品の発注または前記オーダメイド情報作成手段で作成されたオーダメイド情報に基づいた商品の発注を受け付ける受注手段とからなる販売システム」で一致し、請求項1に係る発明と引用文献に記載された発明とは、
(1) 販売する対象商品が、子供用自転車と衣料品で相違し、
(2) 希望情報として「キャラクタ」の採否で相違する。
上記相違点について検討する。販売する対象商品の相違は、販売システムの取り扱う商品種別を単に変更しただけにすぎない。また、検索キーとして「キャラクタ」を含む希望情報を採用してはいるものの、「キャラクタ」で商品を選定することは一般によく行われていることである。よって、請求項1に係る発明である「子供用自転車販売システム」は引用文献に記載された発明である「衣料品の販売システム」を単に適用対象とする商品を変更し、一般によく知られた商品選定手法を採用しただけにすぎず、当業者が通常の創作活動の範囲で容易に成し得たものである。
したがって、請求項1に係る発明は、引用文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものである。
(備考:事例5は進歩性の判断手法を説明するための事例であり、実際の審査実務においては、成立性の要件等も別途判断される点に留意されたい。)
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[参照]
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