| HOME > 特許 > |
「ビジネス方法の特許」に関する対応方針 |
特許庁総務部企画調査課 電話:03−3581−1101 内線2154 E-mail:PA0920@jpo.go.jp |
| 平成12年10月 特許庁 |
| 最近の情報技術の急速な発展と普及により、企業内の業務処理方法に留まらず、取引形態さらには事業そのものが大きく変貌しようとしている。それと共に、情報技術を駆使したビジネス方法に関する特許権の出願が増加傾向にある。 このいわゆる「ビジネス方法の特許」については、従来特許権に馴染みの薄かった業界にも広汎に影響を及ぼしうることから、マスコミによる報道を含め、多大な関心が寄せられてきた。 特許庁においては、「ビジネス方法の特許」がソフトウェアに関する特許の一環としてどのような基準のもとに認められるかについて、これまでもさまざま機会を捉えて情報の普及に努めてきたが、(「ビジネス方法の特許」に関する出願動向等は『「ビジネス方法の特許」について』(http://www.jpo.go.jp/techno/interbiji0406.htm)を参照。)、この度コンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準を改訂するに当たり、産業界・出願人への一層適確な情報の提供を図るため、「ビジネス方法の特許」に対する総合的な取り組みの方針を定め、公表することとした。今後とも、各国特許庁等との連携強化を図りながら、この分野における知的財産権の適切な保護を図ることとする。 (参考)ソフトウェア関連発明とビジネス関連発明 |
| 1.審査基準の明確化 | |||
| ビジネス関連発明については、どのような要件を満たす発明が特許となるか予見可能性を高める必要があるため、コンピュータ・ソフトウエア関連発明に関する審査基準の改訂において、その取り扱いの明確化を図ることとする。また、審査基準改訂案とともに、Q&A集も併せて公表する。 | |||
| ビジネス関連発明を含むコンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準を改訂することとし、パブリックコメントを求めるため、特許庁のホームページに同審査基準改訂案を公表する。 今後、11月22日までの約1ヶ月間コメントを募り、年内にもこの審査基準をとりまとめ、公表する予定。 (参考)コンピュータ・ソフトウェア関連発明審査基準改訂案 「進歩性」の判断基準の明確化 上記審査基準において、出願に関連するビジネス分野の常識と、コンピュータ技術 分野の技術常識の双方を兼ね備えた者が、公知の手段・方法を組み合わせる等により容易に思いつくような発明には、「進歩性」が否定されることを明確化する。 (注)たとえば、次のような場合には、「進歩性」が否定される。 |
|||
| ・ | 他の特定分野への適用 | ||
| 公知の「ファイル検索システム」を医療分野に応用して、「医療情報検索システム」を創作する等 | |||
| ・ | 人間が行ってきた業務のシステム化 | ||
| FAXや電話での注文を、インターネット・ホームページで受けられるようにする等 | |||
| ・ | 人為的取決め等に基づく設計上の変更 | ||
| 電子商取引装置において、一般によく知られたクーリングオフ制度を付加すること自体、等 | |||
| 審査基準の理解に資するため、基準改訂案の公表時に、Q&A集をあわせてホームページ上に公表する。 (参考) ビジネス方法の特許に関するQ&A |
|||
| 2.ビジネス関連分野の先行事例情報の充実・強化 | |||
| ビジネス関連分野を含むコンピュータソフトウエア・データベースの充実・強化を推進し、特許庁におけるビジネス関連発明の「新規性」・「進歩性」の判断の前提となる先行事例の整備を強化する。特に、ビジネス関連の非特許文献については、経済団体・業界に一層の資料・情報提供を要請し、データベースの拡充を図る。 また、ビジネス関連分野での先行事例情報に関する日米欧三極特許庁間の協力について検討を進める。 |
|||
| 97年10月から構築してきたコンピュータソフトウェア・データベースには、8月末現在で約9万6千件の文献が蓄積され、そのうち1万2千件程度がビジネス関連文献となっているが、下記 さらに、このデータベースを補完するため、商用データベース等の外部データベースを追加的に導入する。 |
|||
| ビジネス関連分野の先行事例データベースを充実させるため、金融・保険を含 む経済団体・業界に対しては、従来から、先行事例情報・文献の提供を要請してきたが、引き続き協力をお願いするとともに、審査に有用な文献等の提供を広く求めることとする。 (参考)「特許庁への情報提供について」 |
|||
| 海外の非特許文献(雑誌、学会誌等)に関する検索能力を強化するため、商用データベース等の外部データベースの活用情報の交換を行う。また、著作権問題に留意しつつ、三極特許庁がそれぞれ保有する情報の相互利用の方法について検討を始める。 | |||
| 3.出願人による調査を含む先行事例検索の利便性向上 | |||
| ビジネス関連発明は、電子商取引、金融・保険、財務、支払・決済その他各種管理業務等多様な分野にわたるため、特許庁のみならず出願人にも、先行事例調査が容易でないとの指摘がある。このため、これらの多様な観点から国際特許分類を細展開する分類を新設し、関連する特許出願に順次付与していくことにより、先行事例検索の利便性を高め、出願人にとっても新規性を確認しやすい環境を整備することとした。 (参考)「国際特許分類を細展開した分類と「電子商取引関連技術」に関する横断的分類の新設」 |
|||
| 最新の国際特許分類(IPC第7版)をベースに、産業別および業務別の視点から細分類を新設、付与開始。関連する過去の特許文献約3万7千件についても、順次、新しい分類の再付与を行う。 (2001年1月以降、この新たな分類の付けられた特許公報が発行される予定。) |
|||
| 電子商取引そのものに関する技術に加え、それに適合した要素技術および電子商取引を応用した技術を含む横断的分類(ZEC)を新設、付与を開始した。 | |||
| 4.専門家の活用と審査官・審判官の育成 | |||
| ビジネス関連分野における特許庁の審査能力を強化するため、現時点で専門的知識の蓄積が十分でない分野については、外部の専門家を積極的に活用することとする。 また、こうした分野に通じた審査官・審判官を早急に育成するため、内外の研修等の機会を充実・強化する。 |
|||
| 外部の専門家をアドバイザーとして任命し、特定の産業分野の技術常識等につ いて助言を得ることとする。 | |||
| 金融工学等の専門課程への留学、インターンシップ、ビジネス関連分野での専門研修等の機会を充実・拡大する。 | |||
| 5.日米欧三極特許庁間の整合性のある運用をめざした取り組み | |||
| ビジネス方法の特許に関しては、最近の米国における企業間の紛争事例に照らして、審査基準の明確化と国際的な運用の調和を求める声が高まっている。先の沖縄サミットおよび蔵相会合においても、この分野における国際的議論の進展が奨励されるところとなっている。 (参考)グローバルな情報社会に関する沖縄憲章 (抜粋)、 IT革命の経済・金融面への影響: G7蔵相から首脳への報告 (抜粋) |
|||
| 日米欧三極間においては、わが国の呼びかけにより、本年6月の三極特許庁専門家会合において仮想事例を元にした特許性判断等の国際比較を行い、どのような場合に特許として認めるかの最終的結論については、相互の制度的相違にも拘わらず、一致する可能性の高いことが明らかになった。また、「人間によって実施されていたことが既知である業務プロセスを、よく知られた方法によって自動化しただけでは、特許にならない」こと等も確認された。 | |||
| 次のステップとしては、上記専門家会合における合意に基づき、実際の国際出願の事例を用いて、先行事例調査の国際比較を行う。 また、ビジネス関連発明の取り扱いや判例の動向等に関する各国特許庁間の緊密な情報交換を図る。 |
|||
| ◎国際出願の事例を用いた先行事例調査の国際比較 | |||
| 本年6月の三極特許庁専門家会合における合意に基づき、特許協力条約(PCT)により米国で受理された国際出願の中から、数個の異なる技術分野に属する20件程度の出願を用いて、三極それぞれが先行事例調査を行い、その結果を比較する。 報告書は、2001年の専門家会合に向けてとりまとめ、先行事例調査に関する問題の把握に役立てることとする。 |
|||
| 6.ビジネス方法の特許に関する情報の普及と説明 | |||
| 特許庁においては、これまでもホームページの活用や説明会等を通じてビジネス方法の特許に関する情報の普及に努めてきたが、今回、審査基準が改訂されることを契機として、ホームページ等での情報提供に留まらず、審査基準の説明会及び各種行事に伴う講演等の機会を活用して、特許庁としての総合的な対応方針の説明を予定している。 「ビジネス方法の特許」に対する対応方針について(概要)はこちら |
|||
| [更新日 2001.1.6] |
| HOME > 特許 > |