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PCT国際出願関係手続Q&A

ここでは、PCT特許協力条約に基づく国際出願に関する手続についてのQ&Aを掲載しています。

御不明な点は、下記<この記事に関するお問い合わせ先>へお問い合わせください。

また、本記事に登場する各様式については、「特許協力条約(PCT)に基づく国際出願の手続 受理官庁【様式編】」を御参照ください。

PCT国際出願制度の概要」についてはこちらへ

目次 (目次に戻る場合はブラウザの操作によりお願いします。)

国際段階の手続

出願手続に関連する質問

手数料に関連する質問

優先権主張を伴う出願に関連する質問

出願後の手続(中間手続)に関連する質問

国際調査・国際予備審査に関連する質問

国際事務局に対する手続に関連する質問

国内段階の手続

国内移行手続に関連する質問

Q&A
通番 Q&A
1 【問】特許庁を受理官庁とする国際出願の提出方法にはどのようなものがありますか。また、郵送・FAXを利用した場合、国際出願の受理日はいつになりますか。

【回答】

(1)書面による出願

国際出願様式の書面に記載した願書・明細書等を特許庁国際出願室受理官庁受付窓口、郵送又はFAXで提出します。

国際出願は国内出願と異なり、特許庁に到達した日が国際出願を受理した日になります。郵送を利用しても消印の日に受理したことにはなりませんので、御注意ください。

<郵送先>

  • 〒100-8915
  • 東京都千代田区霞が関三丁目4番3号
  • 特許庁 出願課 国際出願室 受理官庁 宛

FAXを利用した場合は、全ての書類が受信された日が受理した日となります。詳細は「ファクシミリ装置を利用した国際出願書類の提出について」を御覧ください。

<FAX番号> 03-3501-6803

最新の願書の様式は「PCT願書/国際予備審査請求書の様式」を御覧ください。

(2)インターネット回線を利用した電子出願

特許庁が提供する「インターネット出願ソフト」もしくはWIPOが提供する「PCT-SAFEソフトウェア」を利用しXML形式で保存した願書・明細書等をインターネット回線で提出します。

2つのソフトウェアの特徴については「PCT国際出願のインターネット出願を行うためのソフトウェアについて」を御覧ください。

※なお、(2)の方法を利用した場合、国際出願手数料からの減額があります。詳しくは、「国際出願関係手数料表」を御覧ください。

2 【問】出願時には委任状の提出を省略できますか。

【回答】

はい。国際出願時には代理権を証する書面を要求しません。

しかしながら、出願時の願書に表示されていない代理人又は共通の代表者が新たに選任される場合、別個の委任状又は包括委任状の写しを提出しなければなりません。

なお、PCT規則90.4(d)の規定により、国際出願の取下げ、指定の取下げ、優先権主張の取下げ並びに国際予備審査請求の取下げ又は選択の取下げ手続は、委任状の提出要件の放棄は適用されませんので御注意ください。

3 【問】国内出願の手続で提出した包括委任状を国際出願でも利用できますか。
【回答】
はい。平成28年4月1日以降、「すべての国際出願に係る一切の件」という委任事項を記載した包括委任状を、特例法施行規則様式6(包括委任状提出書)を利用して特許庁出願課に提出した場合は、当該包括委任状の写しをPCT国際出願に係る手続書面に添付することにより、援用することが可能となりました。
ただし、日本国特許庁に提出した包括委任状の写しは国際事務局へ直接手続を行う場合にも利用可能であるため、識別ラベルを委任状の署名として利用することはできません。
4 【問】米国特許法の改正により、法人も指定国米国への出願人として認められますか。
【回答】
米国特許法の改正により、法人(企業等)も米国への出願人として出願することが可能となりました。
これを受けて平成24年9月16日にPCT実施細則が改正され、紙の願書様式、インターネット出願ソフト及びPCT-SAFEの出願人入力画面において、出願人の指定国を特定するための「米国を除くすべての指定国」及び「米国のみ」のチェックボックスが削除されました。
米国特許法改正に伴う特許協力条約(PCT)に基づく国際出願手続の変更」も併せて御覧ください。
5 【問】願書には保護の種類の記入欄がありません。実用新案を取りたいときはどのように表記するのですか。
【回答】
国際出願時に保護の種類を明示することはできません。ある指定国において、特定の保護の種類を求めたい場合には、その国へ国内移行するときに当該指定国に対して、特定の保護の種類、例えば実用新案の保護を求める旨の表示をすることになります。
なお、追加特許、追加証、追加発明者証、追加実用証、継続出願、一部継続出願については、国際調査の目的から国際出願時に追記欄へ、該当する保護の種類を表示する必要があります。
また、指定国日本において実用新案の保護を求める旨の表示は、国内書面中の【出願の表示】、【出願の区分】へ「実用新案登録」と記載してください。
6 【問】図面の代わりに写真を提出することができますか。
【回答】
図面に代えて写真を使用することについては、PCT条約等において規定はありません。しかしながら、結晶構造など、図で示すことができない場合には写真が認められています。例外的に写真を提出する場合には、白黒写真でなければならず、カラー写真は認められておりません(PCT出願人の手引国際段階の概要5.159 「PCT Applicant’s Guide-International Phase 5.159(PDF 1.88MB)(外部サイトへリンク)」)。
書面出願の図面はIBにてスキャニングされ、電子出願の図面のデータはTIFF(解像度300dpi)に変換されて、いずれもモノクロ2値(白黒二色)で国際公開されると共に、各加盟国へ送付されます。
したがって、図面に代えて写真を提出しても、それがそのままの画質で国際公開される、あるいは各加盟国に送付される訳ではないことに注意が必要です。スキャニングにより画像が劣化することは避けられず、写真やグレースケールの図面で表現された薄い色は白色で、濃いグレーは黒色で表現されて国際公開されている例も見受けられます。
このように、図面の画像が劣化することや、モノクロ2値(白黒二色)に変換されることを御理解の上で、図面(写真を含む)を作成してください。
発明内容を説明するための図面が、国際公開時や各加盟国送付時には当初意図した図面と異なり、その役割を果たせないということのないよう、図面に代えて写真を提出する場合には明るさやコントラスト等を調整するなどし、白黒で十分に表現できるような図面を作成してください。
なお、書面出願において、図面に代えて写真を提出する場合、提出する部数は3部(記録原本用・受理官庁用・調査機関用)です。
7 【問】電子出願の願書の受理官庁に対する優先権書類送付請求のチェックボックスにチェックした場合、「優先権証明願(PCT)」はどのように提出するのですか。
【回答】
出願から3日以内に特許庁国際出願室受理官庁に届くように「手続補足書」に「優先権証明願(PCT)」を添付して書面で提出してください。また、出願から3日以内に提出できない場合には、出願時に優先権書類を送付請求(チェックボックスにチェック)せず、優先日から16月以内に、「優先権書類送付請求書」に「優先権証明願(PCT)」を添付して書面で特許庁国際出願室受理官庁へ提出してください。
8 【問】願書第8.欄の申立て(PCT第4.17規則に規定する申立て)の書き方を教えてください。
【回答】
願書第8.欄の申立て(PCT第4.17規則に規定する申立て)については、「PCT第4.17規則に規定する申立て手続の導入」を御参照ください。具体的なケースにおける記載方法や、願書提出後の訂正手続については、WIPO国際事務局「PCTインフォメーション・サービス(外部サイトへリンク)」へお問合せください。
9 【問】配列表を含む国際出願を電子で提出した場合も、配列表を格納した調査用の磁気ディスクを提出する必要がありますか。
【回答】
いいえ。「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作成のためのガイドライン(PDF:616KB)」に従いコードデータで作成した配列表を添付した電子出願については、調査用磁気ディスクの提出は不要です。なお、配列表を含む国際出願を電子出願した場合には、「陳述書」及び「磁気ディスクの内容を記載した書面」についても提出は不要になります。
10 【問】電子出願以外の国際出願、及び手続補足書に識別ラベルは使用できますか。
【回答】
できません。中間手続等の書面による手続と同様、提出者の記名押印が必要となります。
11 【問】出願ソフトで国際出願手数料、EPOを国際調査機関として指定した場合の調査手数料について「銀行振込」による支払いが選択できません。支払い方法が変更されたのですか?

【回答】
はい。平成27年4月1日以降に受理された国際出願の国際出願手数料、EPOが国際調査機関の場合の調査手数料については「銀行振込」による支払いが廃止され、特許印紙、予納、電子現金納付、口座振替等による支払いが可能となりました。

12 【問】配列表を含む国際出願を、オンラインで提出した場合と書面で提出した場合とで、国際出願手数料の計算方法は異なりますか。
【回答】
はい。配列表を含む国際出願をオンラインで提出するときと、書面で提出するときとでは、国際出願手数料の計算方法が相違します。電子出願する場合は「配列表」の全枚数を国際出願手数料の計算対象外とします。つまり、配列表の枚数についてはカウントせず、料金は加算されません。これに対し、書面で行う場合は「願書、明細書、請求の範囲、要約書及び図面」と「配列表」を分離せずに、その合計枚数をカウントし、国際出願手数料を計算します。詳細は、「配列表を含む国際出願の国際出願手数料の計算方法変更について」を御覧ください。
13 【問】ある出願を基礎として優先権主張して国際出願することは可能ですか。
【回答】
可能です。パリ条約の締約国及びWTO加盟国にした先の出願に基づき、優先権を主張して国際出願することができます。国際出願を基礎出願としてパリ条約上の優先権を主張することも可能です。
基礎出願と後の出願である国際出願との関係は、原則としてパリ条約上の優先権の関係になります。
ただし、国内出願を基礎として優先権主張をして国際出願した場合、みなし全指定(出願時におけるPCT加盟国全てを指定した出願として扱うこと)により指定国の日本においては、特許法第41条、第42条が規定する国内優先権となります。
14 【問】優先権の基礎となった日本の国内出願が、「みなし取下げ」にならないようにするにはどうすればいいのですか。
【回答】
日本を指定国に含む国際出願において日本の国内出願を基礎として優先権の主張をした場合に、日本においてはそれが適式に主張されていれば特許法第41条、第42条が規定する国内優先権制度が適用されることになり(「特許・実用新案審査基準 第4部優先権 第2章 国内優先権(PDF:176KB)」)を御参照ください)、国内優先権の基礎となった先の国内出願は優先日から16月(平成27年3月31日以前になされた国際出願の優先権主張の基礎となった先の国内出願については15月)経過した時にみなし取下げとなります。
優先権の基礎となった日本の国内出願が、「みなし取下げ」にならないようにするには以下のいずれかの方法があります。
優先権の基礎となった日本の国内出願が「みなし取下げ」にならないようにする方法
方法 いつまでに 何を (代理人手続の場合) どのように
(1)日本の指定を取り下げる 優先権の基礎となる国内出願の出願日から16月(平成27年3月31日以前になされた国際出願の優先権主張の基礎となった先の国内出願については15月)経過前(但し日本に国内移行及び審査請求を行い、既に国内出願としての処理又は審査を開始している場合には取下げの効力は生じません) 指定の取下書
様式見本(PDF:13KB)
(国際出願の出願人全員の授権がある委任状を添付) 書面で受理官庁へ提出
※日本の指定を取り下げることでその国際出願について、日本においては出願が取り下げられたとみなされます。
(2)国内優先権主張を取り下げる 優先権の基礎となる国内出願の出願日から16月(平成27年3月31日以前になされた国際出願の優先権主張の基礎となった先の国内出願については15月)経過前 上申書
様式見本(PDF:137KB)
(指定国日本における出願人全員の授権がある委任状を添付) 書面で受理官庁へ提出
※指定国日本においては、国内優先権主張を伴わない国際出願として扱われます。
日本以外の指定国においては、パリ条約による優先権主張は維持されます。したがって、国際段階の手続の期間計算の起算日としての優先日には影響はありません。
国内優先権主張を期間内に取り下げることで、国内優先権適用の効果は発生しないため、これによって先の国内出願がみなし取下げとはなりません。
(3)願書上で日本の指定を除外する
※「日本国の指定の除外に関する注意点」も御覧ください。
出願時 願書第V欄のJP除外ボックスにチェックする    
※上記(1)、(2)は国際出願の後に行うため、その手続を行わないままの可能性もあります。(3)は国際出願の願書上で日本の指定を除外するため、出願後に(1)や(2)の手続を行う必要はありませんが、その国際出願ははじめから日本を指定国に含んでいないことになるため、日本へ出願したものとはなりません。
15 【問】電子出願の場合、手続補正書、明らかな誤りの訂正請求書等に添付する、国際出願書類の差替え用紙はどのように作成しますか。
【回答】
補正又は訂正に係る差替え用紙は、出願したソフトでPDFイメージにて表示される頁を単位として作成します。つまり、実際に紙に打ち出した用紙の頁を単位として作成します。

(1)国際出願法第6条の規定に基づく補正または明らかな誤りの訂正請求(国際出願法施行規則第77条)により、明細書、請求の範囲、図面の補正または訂正をする場合には、補正等により変更が生じた用紙のみを差替え用紙として作成、提出します。

(2)条約第34条の規定に基づく補正(法第11条の規定に基づく補正)において、明細書、図面の補正をする場合も同様です。ただし、『請求の範囲』を補正する場合については全文(全用紙)を差替え用紙として作成、提出します。

16 【問】条約第19条及び第34条の規定に基づく「請求の範囲」の補正方法にかかる注意点を教えてください。
【回答】
2009年7月1日のPCT規則改正により、条約第19条及び第34条の規定に基づき「請求の範囲」を補正する場合は、補正の範囲の全文を差替え用紙として提出することとなりました。(これまでは補正により変更が生じた用紙のみを差替え用紙として提出していました。)改正に伴い、御注意いただきたい点は以下のとおりです。

1.請求の範囲の全文(補正後に変更が生じない用紙を含む全用紙)を差替え用紙として提出します。

2.明細書や図面の補正をする場合や、請求の範囲についての様式上の欠陥を補充する場合(国際出願法第6条)、及び明らかな誤りの訂正請求をする場合(国際出願法施行規則第77条)については従来どおり補正によって変更が生じた用紙のみを差替え用紙として提出します。

3.国際出願日に関わらず、2009年7月1日以降、「請求の範囲」を補正する場合に適用されます。

補正方法の詳細については「条約第19条・34条の規定に基づく「請求の範囲」の補正方法」をあわせて御覧ください。

17 【問】国際調査見解書とはどのようなものですか。
【回答】
国際調査見解書(WO/ISA)は、審査官が発明の特許性(産業上の利用性、新規性、進歩性)についての肯定的又は否定的な見解を示すもので、国際調査報告書と同時に、国際調査報告書の言語と同じ言語で作成され、国際調査報告書に添付されます。作成された国際調査報告書と国際調査見解書は、出願人と国際事務局へ送付されます。
この国際調査機関による見解書は、出願人が国際予備審査を請求せずとも、また発明の特許性が肯定的な場合であっても必ず作成されるので、出願人は、PCT国際段階のより早い時期に利用価値の高い審査官の判断を手に入れることができます。
また、見解書は、その国際出願について国際予備審査請求がされない場合は、「特許性に関する国際予備報告(第1章)(IPRP(第1章))」と改称されて指定国に送付されます。
国際予備審査が請求された場合には、国際調査見解書は原則として国際予備審査機関による第一回目の見解書とみなされます。
(国際予備審査の結果作成される「国際予備審査報告」は、上記「IPRP(第1章)」と平そくを合わせ、「特許性に関する国際予備報告(第2章)(IPRP(第2章))」と称されています。)
18 【問】国際調査報告とともに受領した国際調査見解書に対して出願人がとりうるアクションはなんですか。
【回答】

次の5つが考えられます。

(1)国際調査見解書に対する反論を「コメント」として国際事務局に対して提出する。ただし、この「コメント」は、国際事務局が指定官庁に転送するために単に受け付けるもので、PCT条約上で明文化されていない「非公式なコメント」として取り扱われます。

なお、非公式コメントを提出した場合は、国際事務局から出願人へ受領通知(IB/345)が送付されます。

条約上明示された効果はありませんが、国際予備審査を請求しない場合に、国際調査見解書に対する意見、反論を指定官庁に対して示すことができます。ただし、その意見、反論を実体審査の際に参酌するかどうかは各国の指定官庁の判断に委ねられています。

詳細は、「PCT国際調査見解書に対する出願人のコメント(いわゆる非公式コメント)の提出について」を御覧ください。

(2)国際事務局に対して19条補正を提出する。

(3)国際予備審査請求をする。それによって、国際調査見解書に対して正式に反駁、抗弁することができます。(いつまでに国際調査見解書に対して応答すればよいかという点については、優先日から22月までに行うことをお薦めします。国際予備審査機関が予備審査に着手する前に応答しなければ、予備審査に参酌されないこととなります。)

(4)国際出願を取り下げる。

(5)何もしない。

否定的な国際調査見解書に対しては、出願人は(1)から(4)のいずれかを希望することが予想されますが、国際予備審査報告を肯定的な報告に転じさせたいときには、(3)により34条補正や答弁書を提出することが必要です。

19 【問】予備審査を早く開始してほしいときは、どうすればいいのですか。
【回答】
次の方法により予備審査の早期開始を請求できます。
1.国際予備審査請求時に早期開始を希望する。

国際予備審査請求書の「第4.欄国際予備審査に対する基本事項」の「4.出願人が国際予備審査を規則54の2.1(a)に基づき適用される期間の満了よりも早く開始することを明示的に希望する。」のチェックボックスにレ印を付けて提出してください。

2.予備審査請求の後に早期開始を希望する。

予備審査請求後に、「国際予備審査開始請求書」を提出してください。ただし、これらのいずれかの方法で早期開始請求を行ったとしても、予備審査請求にかかる手数料の全額が支払われなければ予備審査機関は予備審査を開始しません。

20 【問】IPRP(第1章)とIPRP(第2章)の違いは何ですか。
【回答】
国際出願について国際予備審査請求がされない場合に国際調査見解書が改称されてなる「特許性に関する国際予備報告(第1章)(IPRP(第1章))」と国際予備審査の結果作成される「特許性に関する国際予備報告(第2章)(IPRP(第2章))」とでは、審査官が特許性を判断する発明の土台が異なります。
IPRP(第1章)は、”国際出願時の国際出願”を対象に特許性に関する審査官の見解を示すものです。他方、IPRP(第2章)は、”その後の補正(19条、34条)及び出願人から審査官への反論等を踏まえて練り直された国際出願”を対象として作成されたものです。このように、IPRP(第1章)とIPRP(第2章)とは、報告書の対象となる国際出願の土台が異なることになります。
21 【問】IPRP(第1章)とIPRP(第2章)ともに、特許性の判断をする「基準日」は同一ということですか。
【回答】
はい。ともに優先日が基準日となります。
IPRPは、第I章、第II章のいずれであっても、発明の特許性にかかる審査官の判断です。したがって、判断の基準日はいずれも同じ基準日を持つ必要があります。そこで、現行国際予備審査における特許性の判断基準日としている「優先日(優先権主張があれば基礎出願日、なければ国際出願日)」をIPRPにとっての統一的な基準日としています。
なお、IPRP(第I章)を構成する国際調査見解書の作成は、国際調査報告書の作成と同時に行われますが、前者は優先日を特許性判断の基準日とし、後者は国際出願日を先行技術判断の基準日とします。これは、先行技術の判断を、たとえ指定国によって優先権主張が有効に認められなかったとしても、その価値を減じないために、より広めの範囲で先行技術の調査をしているからです。
22 【問】IPRP(第1章)やIPRP(第2章)の英語による翻訳はいつ作成されますか?出願人には送付されますか?
【回答】
IPRP(第1章)は、優先日から30月経過した後に国際事務局から各指定官庁に送付されます。なお、指定国が要求した場合は、英語による翻訳が国際事務局により作成され、指定官庁及び出願人に送付されます。IPRP(第2章)及びその所定の英訳(ただし附属書類を除く)は、国際事務局により作成され、各選択国に送付されます。
なお、当該英訳文は各選択国と同時に出願人にも送付されます。
国際事務局からの送付は、各選択国による請求により、優先日から30月経過後に行われます。
23 【問】国際事務局への書類の提出方法の一つである、ePCTシステムについて教えてください。
【回答】
国際出願の手続には、WIPO国際事務局へ直接提出することが義務づけられている書類、あるいはその書類の性格から、当該書類の提出先の官庁としてWIPOを選択できる場合があります。国際事務局へ書類を提出する場合、WIPOの提供するオンラインサービスであるePCTシステムを利用することができます。詳細は「ePCTポータル」(外部サイトへリンク)に掲載されている各種ガイドを御覧ください。
※日本国特許庁に対して提出する書類は、このサービスを利用して提出することができません。
24 【問】条約第19条に基づく補正等、国際事務局へ直接する手続を代理人が行う際に、委任状は必要ですか。
【回答】
国際事務局は、原則として、委任状の提出要件を放棄しています。条約第19条に基づく補正のほか、代理人が委任状を国際事務局へ提出しなくてもよい書類の例として「優先権主張の補充(訂正)」、「国際調査見解書に対する非公式コメント」などがあります。しかしながら、出願時の願書に表示されていない代理人又は共通の代表者が新たに選任される場合、あるいは、そのような代理人又は共通の代表者により何らかの書類が提出される場合には、国際事務局に別個の委任状を提出しなければなりません。なお、国際出願の取下げ等、各種取下げ手続については、委任状の提出要件の放棄は適用されません。
25 【問】国際事務局に対し、早期の国際公開の請求をしました。請求後、どのくらいの期間で公開されますか。
【回答】
一律に短縮される期間は明示はされていないので、個々の案件に関して国際事務局の担当者に確認を取ることをお勧めします。
個々の案件の担当者はこちらから検索できます。
WIPOのWebサイトへ(外部サイトへリンク)
なお、通常の国際公開の場合は、国際事務局は公開準備のために2ヶ月程度を要しているようです。
26 【問】国内移行期限(条約第22条)はいつですか。
【回答】
指定国日本への国内移行手続の期限は、優先日から起算して30ヶ月です(条約第22条)。優先権主張を伴わない国際出願の場合は、国際出願日から起算して30月です。「各指定国の国内移行期限について」も併せて御覧ください。
27 【問】外国語でされた国際特許出願(外国語特許出願)の翻訳文提出の特例期間(特許法第184条の4第1項)について教えてください。
【回答】
外国語特許出願の国内移行手続は、優先日から30月以内に明細書、請求の範囲、図面及び要約書の翻訳文を国内書面に添付して提出します。ただし、国内書面の提出期間満了前2月から満了の日までの間に国内書面を提出したときは、国内書面の提出から2月以内に国際出願翻訳文提出書に明細書、請求の範囲、図面及び要約書の翻訳文を添付して提出することができます。国内書面提出期間の満了日(優先日から30月)から2月ではないことに注意が必要です。
28 【問】PCT規則には、国内移行期限(条約第22条)を過ぎても、期間徒過に対する救済措置があると聞きました。日本の国内移行についても救済措置がありますか。
【回答】
PCT規則49.6の規定により、救済措置を適用する指定官庁は、国内移行期限を徒過した国際出願の権利回復の条件として(1)出願人の故意でない事由により徒過した場合、(2)出願人が相当な注意を払ったにもかかわらず徒過した場合、の二つの事由のいずれか(又は両方)を国内法令に規定し、国内移行期限を徒過した理由が上記事由に該当する場合は、その国際出願についての出願人の権利を回復することとされています。この救済措置を国内法令に適合させるまでの間、経過措置を適用して留保している指定官庁もあります。
指定国日本は、当該救済措置を適用しています(問29も併せて御参照ください)。
29 【問】国内移行期限の徒過に対する権利回復の救済措置を受けるための手続について教えてください。
【回答】
PCT規則49.6では、出願人の権利回復の請求は、国内移行期限を徒過した日から12ヶ月以内又は、徒過の事由が解消した日から2ヶ月以内のいずれか早く満了する日(指定官庁の適用する国内法令が認める場合にはより遅い時)までに、出願人は国内移行手続を行うとともに、徒過の理由を説明した権利回復の請求を行う必要があります。また、指定官庁が要求する場合には、回復のための手数料、または必要な証拠等を提出する必要もあります。各指定官庁により、国内移行期限も徒過に対する救済の手順も異なりますので、具体的な手続については、各指定官庁に直接お問い合わせください。WIPOのホームページに掲載されている「PCT出願人の手引(The PCT Applicant’s Guide)」(外部サイトへリンク)の各指定国の国内段階(National Chapter)の欄を参考にすることもできます。
指定国日本は、当該救済措置を適用しています(問28参照)。救済されるための要件、手続の流れ等の詳細は、「「正当な理由」による期間徒過後の救済について」を御参照ください。
30 【問】PCT規則には、優先期間(PCT規則2.4(a))を徒過した優先権に対する救済措置があると聞きました。指定国日本においても救済措置がありますか。
【回答】
PCT規則49の3.2の規定により、国際出願が先の出願に基づく優先権の主張を伴い、国際出願日が当該優先期間の満了の日の後であるが、当該満了の日から2ヶ月の期間内である場合には、指定官庁は出願人の請求によって当該指定官庁が適用する基準が満たされていると認めたときには優先権を回復します。この基準には、「相当な注意」(より厳格な基準)と「故意ではない」(より緩やかな基準)があり、各指定官庁は、これらの基準のうち少なくとも1つを採用し、また基準の両方を採用することができます。
また、PCT規則49の3.1の規定により、受理官庁が当該優先期間内に国際出願が提出されなかったことが「相当な注意」又は「故意ではない」と認定し、PCT規則26の2.3に基づき優先権を回復した場合、同じ基準又はより緩やかな基準に基づく優先権の回復を規定する指定国において効力を有します。
指定国日本は、平成27年4月1日以後に国際出願をした国際特許出願について、「相当な注意」基準により当該救済措置を適用します(問31問32も併せて御参照ください)。
31 【問】受理官庁が優先権を回復した場合、指定国日本において効力を有するために日本の指定官庁に対し手続をする必要はありますか。
【回答】
PCT規則49の3.1の規定により、受理官庁において、日本の指定官庁が採用する「相当な注意」基準を認定して優先権が回復された場合、合理的な疑義がない限り指定国日本において効力を有しますので、日本の指定官庁に対し、改めて優先権の回復を請求する必要はありません。
受理官庁において、日本の指定官庁が採用していない「故意ではない」基準を認定して優先権が回復された場合、指定国日本において効力を有しません。また、日本の指定官庁に対し、改めて優先権の回復の請求をしない限り、日本の指定官庁において優先権の回復の基準が満たされているか否かを判断されることはありません。
32 【問】日本の指定官庁に対し、改めて優先期間を徒過した優先権に対する救済措置を求める場合の手続について教えてください。
【回答】
日本の指定官庁に対し、改めて優先権の回復を請求する場合は、国内書面提出期間(外国語特許出願にあっては、翻訳文提出特例期間)が満了する時の属する日後1月以内(ただし、国内書面提出期間内に出願審査の請求をした場合にあっては、その請求の日から1月以内)に、優先権主張を伴う出願をすべき期間内に出願できなかったことについて「正当な理由」に該当すべき理由を記載した回復理由書を提出してください。また、回復理由書を提出する場合には、正当な理由があることを証明する書面を添付してください。
救済されるための要件、手続の流れ等の詳細は「「正当な理由」による期間徒過後の救済について」を御参照ください。
なお、日本以外の指定官庁への具体的な手続については、各指定官庁に直接お問い合わせください。WIPOのホームページに掲載さ れている「PCT出願人の手引(The PCT Applicant’s Guide)」(外部サイトへリンク)の各指定国の国内段階(National Chapter)の欄を参考にすることもできます。

[更新日 2016年10月3日]

お問い合わせ 

【国際段階の手続に関すること】

審査業務部出願課国際出願室受理官庁

電話:03-3581-1101 内線:2643

お問い合わせフォーム

 

【国内段階の手続に関すること】

審査業務課方式審査室指定官庁

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