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ビジネス方法の特許に関するQ&A(回答)

平成12年10月

特許庁

 ビジネス方法の特許とソフトウェア特許

問1.最近、新聞・雑誌等で取り上げられているビジネス方法の特許とは何ですか。

(答)

  1. 1998年7月に米国で「『ビジネス方法』に該当するからといって直ちに特許にならないとは言えない」とする判決が出されたことなどを契機として、ビジネス方法の特許(注)が注目を集めています。
    (注)他にビジネス特許、ビジネスモデル特許などと言うこともありますが、ここではビジネス方法の特許という表現に統一することとします。
    また、発明という観点から、ビジネス関連発明という表現が用いられる場合もあります。
  2. 背景には、情報技術(IT)の発達があります。
    ITの進歩により、ソフトウェアの応用可能性が広がってきた結果、ビジネス上のアイデアを汎用コンピュータや既存のネットワークを利用して実現する事例が多く見られるようになってきました。
    ソフトウェア特許自体は、今日ビジネス方法の特許と呼ばれているものも含め、以前より存在していました(注)が、広告、流通、金融その他のサービス分野などこれまで特許制度との関係が希薄であった分野、業種においても、こうした事例が見られるようになってきたのです。
    (注)「取引決済装置」(昭58年出願、特許第1685297号)、「有価証券用複合データ処理システム」(昭60年出願、特許第2587615号)、「自動車等の競売システム」(昭63年出願特許第2733553号)、「電子通貨システム」(平4年出願、特許第2141163号)
  3. このような事例においては、コンピュータやネットワークそのものには技術的特徴が乏しいため、その発明により、どのようなビジネス(アイデア)を実現しようとしているかという側面に注目が集まりがちです。
    このため、これらはビジネス方法の特許とも呼ばれているのです。
  4. なお、ビジネス方法の特許という言葉から、事業方法や営業方法そのものが特許の対象となったと受け止める方も少なくないようです。しかしながら、従来からも「発明」には該当しないとして保護対象ではなかった「人為的取決め」が、新たに特許制度の保護対象となった訳ではありません。

 問2.ソフトウェアを特許で保護しているのですか。ソフトウェアは著作権で保護することになっていたのではないですか。

(答)

  1. 特許制度は、あるアイデアを具体的に実現する専用装置等の発明を保護するものです。
  2. あるアイデアを具体的に実現しようとする際には、何らかの技術に依存することになります。このとき、様々な技術の利用が考えられ、この中にはITも含まれます。そして、ITにより、ハードウェアとして新たな専用装置等を創作しなくても、汎用コンピュータや既存のネットワークを活用し、ソフトウェアの工夫で、あるアイデアを実現するための専用装置等を創作したのと同等の結果を得られるようになっています。
    例えば、音楽の編集なども、今日では、スタジオ用の専用装置を新たに開発することなく、ソフトウエアの工夫により、汎用コンピュータ上で同等の結果を具体的に得られるようになっています。
  3. このため、ソフトウェアを内蔵した装置のみならず、ソフトウェア単体でも特許制度による保護の対象とすることとしてきました。
  4. なお、ソフトウェアは、「表現」としての側面と、「アイデア(思想)」としての側面を併せ持っています。したがって、「表現」の側面から著作権制度の保護対象となり得るのと同様に、「アイデア」の側面からは特許制度の保護対象となり得ます。
  5. 以上については、米国及び欧州においても基本的に同じです。

 コンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準の改訂

問3.今回のコンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準の改訂のポイントは、何ですか。

(答)

  1. 媒体に記録されていないソフトウェアの保護
    これまでも、CD-ROM等に記録された状態のソフトウェアの創作については、特許法上の「発明」として取り扱ってきました。
    しかしながら、これらに記録することなく、ネットワーク上でソフトウェアのやり取りをすることが一般化したことを踏まえ、CD-ROM等に記録されていない状態のものも「発明」として取り扱うことが出来ることを明らかにしました。
  2. 次に、記述の明確化を図りました。
    ビジネス方法の特許に関心が集まる中で、これまで特許制度との関係が希薄であった方からもコンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準に対するお問い合わせを多くいただくようになりました。
    今回の改訂においては、これまでにお寄せいただいた御質問、御意見等を踏まえ、こうした方々を含め、より基準の内容を明確に理解していただくために、表現の明確化等を図っています。
    特に重要なのは、以下の2点です。
    • (1)特許法の「発明」の範囲の明確化
      コンピュータとソフトウェアを一体として用い、あるアイデアを具体的に実現しようとする場合には、そのソフトウェアの創作は、特許法上の「発明」に該当することを明らかにしました。
    • (2)「進歩性」の判断基準の明確化
      ITを用いてあるアイデアを具体的に実現する「発明」について、特許が成立するためには、その「発明」を全体としてみて、そのアイデアに関連する個別のビジネス分野とIT分野の双方の知識を有している専門家でさえ容易に思いつくものではないと認められることが必要であることを明らかにしました。

審査のポイント

 問4.「発明」「進歩性」と言われてもよく分かりません。
特許が認められるか否かにおいて、これらは、それぞれどういう意味を持つのですか。

(答)

  1. ある発明について特許が成立するためには、多くの要件を満たすことが必要ですが、中でも「発明」と「新規性」「進歩性」が重要です。
  2. まず、「発明」は、特許に値するか否かの判断の対象、すなわち、いわば「土俵」に当たるものです。
  3. 次に、「土俵」に乗った「発明」について、特許に値するか否かを見ていきます。その際、重要となるのが「新規性」と「進歩性」の判断です。
    詳しくは後述しますが、ある発明が公知の発明と同じものではないか(新規性)、同じではないものの専門家であれば容易に思いつくようなものではなかったか(進歩性)等の要件を満たした「発明」にのみ特許が成立します。
  4. したがって、例えば、「公知のビジネス方法を実現するソフトウェアでも「発明」に該当する。」という言い方がなされることがありますが、これは直ちにそうした「発明」について「新規性」「進歩性」が認められ、特許が成立することを意味しませんので、注意が必要です。

「発明」

 問5.ビジネス関連発明に即して「発明」に当たるか否かを判断する際のポイントを教えてださい。

(答)

  1. 我が国特許法においては、「発明」とは「自然法則を利用した技術的思想の創作」を指すものとされています。
  2. これをソフトウェア関連発明(含ビジネス関連発明)に即してみると、「ソフトウエアによる情報処理がハードウエアを用いて具体的に実現されたもの」は、「(自然法則を利用したハードウェアの動作によりアイデアの実現を図っているという意味で)自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当すると言えます。
    今般のソフトウェア審査基準の改訂に当たっても、この点の明確化を図りました。
  3. 言い替えますと、あるアイデアを実現する場合に、ハードウエアたる新たな専用装置等を創作しなくても、ソフトウエアを工夫して、汎用コンピュータや既存のネットワーク・システムとそのソフトウエアとを用いて、あるアイデアを実現しうる専用装置等を創作したのと同様の結果が得られれば、そのソフトウエアの開発は「自然法則を利用した技術的思想の創作」に当たります。
  4. 一方、あるアイデアの実現が、経済法則、人為的取決め、人間の精神活動に過ぎない場合は、「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当しません。
  5. なお、以上は、コンピュータを利用したビジネス関連発明についても、同様です。

 問6.コンピュータを使用したビジネス方法は、全て「自然法則を利用した技術的思想の創作」として特許法上の「発明」になるのですか?

(答)

例えば、「郵便のダイレクトメールによる通信販売」は、通常、「人為的取決め」に当たり、「発明」には該当しないものと考えられます。

のケースにおいて、仮に「郵便」を「電子メール」に置き換えたとしても、それだけであれば、本質は変わらず、やはり「人為的取決め」に当たるとすべきでしょう。

したがって、コンピュータを使用したビジネス方法が全て特許法上の「発明」に該当するとは言えません。

 問7.コンピュータを利用したもの以外にはビジネス関連発明はないのですか?
米国などでは認められていると聞いたのですが。

(答)

  1. 確かに米国においては「発明」について明示的に技術的要件を求めていませんが、同時に、抽象的なアイデアは特許にならないとしています。判例上も明確に「有用で、具体的、かつ、現実的な結果(a useful, concrete and tangible result)」をもたらすことが必要だとされています。
  2. したがって、ITその他の技術を利用せずとも、この要件を満たすことができれば、米国において、ビジネス関連発明が特許される可能性は否定できません。
  3. 我が国特許庁においても、「自然法則を利用した技術的思想の創作」であることを求めているものの、ITを利用した発明以外に、特許が成立し得るビジネス関連発明が存在する可能性は、排除していません。
    しかしながら、現状ではITを利用しないビジネス関連発明のほとんどは「人為的取決め」に該当すると考えられ(注1)、実際には、ITを用いず、かつ、「発明」に該当するビジネス関連発明というのは、想定することが困難です。
    日米欧の三極特許庁会合においても、議論の対象としては、コンピュータを利用したビジネス関連発明を取り上げています。(注2・3.参照)

(注1)「発明」に該当しないとされた例として、「予め任意数の電柱を以ってA組とし、同様に同数の電柱によりなるB組、C組、D組等所要数の組をつくり、これらの電柱にそれぞれ同一の拘止具を取付けて広告板を提示し得るようにし、電柱の各組毎に一定期間づつ順次にそれぞれ異なる複数組の広告板を循回掲示することを特徴とする電柱広告方法」(昭和31年(行ナ)第12号判決)がある。

(注2)米国においても特許商標庁の対応に関心が集まっているのは、コンピュータを利用したビジネス関連発明です。
例えば、この3.月に米国特許商標庁が発表したアクションプラン
(http://www.uspto.gov./web/offices/com/speeches/00-22.htm(外部サイトへリンク)
及びhttp://www.uspto.gov/web/offices/com/sol/actionplan.html(外部サイトへリンク))も、コンピュータを利用したビジネス関連発明を対象にしています。

(注3.)欧州特許庁は、コンピュータを利用した発明やこれに準ずるもの(例えば、携帯電話を利用したもの)以外に特許の対象となりうるビジネス関連発明は想定されないとしています。

 問8.欧州における「発明」の取扱いは、どうですか。
欧州特許条約でビジネス方法は特許対象とならないとされていると聞きました。

(答)

  1. 欧州においては、全体として「客観的な技術的課題を解決している」もの、すなわち、技術的性格を有し、又は、技術的効果をもたらすものを「発明」としています。
  2. また、御指摘のとおり、欧州特許条約は、「発明」に当たらないものとしていくつかの類型を列挙しており、この中には"doing business"と"programs for computers"も含まれています。
  3. しかしながら、欧州特許庁においては、技術的効果をもたらすものは、この除外項目に該当しないとの運用を行っています。このため、技術的効果をもたらすコンピュータを利用したビジネス関連発明については、「発明」たり得るとしています。
  4. しかしながら、欧州特許庁においては、技術的効果をもたらすものは、この除外項目に該当しないとの運用を行っています。このため、技術的効果をもたらすコンピュータを利用したビジネス関連発明については、「発明」たり得るとしています。

(http://www.european-patent-office.org/news/pressrel/2000_08_18_e.htm参照(外部サイトへリンク))

「新規性」「進歩性」

 問9.特許が認められるか否かについては、「発明」に当たること、「進歩性」が認められることのほか、「新規性」が認められることも必要だと聞きました。
「新規性」と「進歩性」の関係について、ビジネス関連発明を例として教えてください。

(答)

  1. 御指摘のとおり、コンピュータを利用したビジネス関連発明が「発明(=自然法則を利用した技術的思想の創作)」として認められたとしても、「新規性」「進歩性」が認められなければ、特許は成立しません。
  2. 特許法は、知的創造活動の成果について、情報の開示と引き換えに独占的権利を設定し、これによりこれらの活動を促進し、産業の発達に寄与することを目的としています。この目的に照らし、まず、特許を受けようとする発明が特許出願前に既に公知であったか否かを問題とします(新規性)。具体的には、特許出願以前に「公然と知られた発明」「公然実施された発明」「刊行物・インターネットにおいて公開された発明」であれば、公知のものとして新規性が否定されます。
  3. そして、新規性が認められた場合でも、一般の者(いわば「素人」)はもちろん、「当業者」(その発明の属する分野における通常の知識を有する者。いわば「専門家」)でさえ先行事例から容易に思いつくことが出来ないレベルのものであることが求められます(進歩性)。
    コンピュータを利用したビジネス関連発明における「当業者」としては、当該ビジネス分野に関する常識とコンピュータ分野の技術常識の双方を有している者を想定しています。
    すなわち、進歩性が認められるか否かを判断するに当たっては、「仮に双方の分野の知識を有していたとしても、容易にその発明をなし得なかったか。」が問題となります。

 問10.「進歩性」の判断について、2000年6月の日米欧三極特許庁専門家会合では人間によって実施されていたことが公知である業務プロセスを、良く知られた方法によって自動化しただけでは、特許とならない」ことが確認されたと聞きました。
その他の場合は、どうなのですか。

(答)

1.結論から言えば、三極合意で特記された御指摘のケース以外の全てのケース、すなわち、下の表で「△」が付されている全てのケースにおいて、進歩性が認められる可能性があります。

 

実現しようとするアイデア(ビジネス方法)

公知である

公知でない

ITによる
具体化方法

公知である

×

公知でない


国際調和

 問11.今回のコンピュータ・ソフトウェア関連発明の審査基準の改訂により、ビジネス方法の特許についての日米欧三極特許庁の扱いは同じになるのですか。

 問12.先行事例調査充実の鍵を握るデータベースの整備は、どこまで進んでいるのですか。

出願実務

 問13.ビジネス関連発明を出願する場合の出願手続きや明細書の書き方について教えてください。

 問14.ビジネス関連発明に関する出願等を調べたいのですが、ビジネス関連発明は特許文献のどの分類に集められているのですか?

[更新日 2000年10月20日]